士道たちがラビットハウスで働くことを条件に居候をさせてもらうことが決定した丁度その頃、和風喫茶
「くっくっくっ・・・海に映る月と星々、大変美味であったぞ。次は煌めく三宝珠をもらおうか・・・!」
橙色の髪を後頭部で結い上げた少女、
当たり前だがこの口調は素ではなく、単なるキャラづくりの一環である。
痛い子なのである。
ちなみに海に映る月と星々、煌めく三宝珠というのはれっきとした商品名であり、わかりやすく言うと白玉栗ぜんざいと三食団子のことである。
「は~い!喜んでもらえて何よりだわ!」
そしてその注文を黒髪の長髪の和装をした店員、
先ほどのメニューの名前を考えたのはほかでもない千夜なのだがこれにはある話がかかわってくる。
奇しくもそれは士道たちがいるラビットハウスがかかわってくるのだが・・・それはまた別の話である。
「疑問、マスター折紙、なぜ耶倶矢はあの名前で何のメニューか分かったのですか」
独特なしゃべり方が特徴の少女、
名前からもわかる通り、耶倶矢とは双子の姉妹なのである。
双子なので本当に瓜二つだが見分け方は案外簡単で、スタイルがいいほうが夕弦だと認識しておけばオーケーだ。
「・・・耶倶矢は俗にいう中二病を患っている。だからこそ漫画の必殺技のようなメニューが解読できたと思われる」
そして夕弦の疑問に無表情で淡々と答えた少女は
白いショートカットの髪が特徴的な人形のような美少女だ。
士道のことになるとこの様子から想像できない行為をよくするのだが・・・。
ちなみに耶倶矢、夕弦、折紙。
この三人は特殊災害指定生命体、精霊である。(もちろん力は封印済みだが)
そう、この三人も天宮市からこの町に飛ばされていたのだった。
耶倶矢と夕弦は二人でゲームセンターで遊んでいたところ突然この世界に飛ばされ、飛ばされてすぐに近くを銃を持ち、警戒しながら歩いていた折紙と合流した。(もちろん銃はすぐにしまわせた)
そしてその後、情報収集を兼ねて近くにあった甘兎庵に入ったのだった。
耶倶矢がメニューの名前を気に入り、注文を取りに来た千夜とすぐ打ち解けたこともあり、スムーズに千夜から話を聞き、すぐに今自分たちが置かれている状況を理解することができた。
千夜が人を疑うような性格をしていなかったのも幸いだったといえよう。
「はい、耶倶矢ちゃん、煌めく三宝珠お待ちどおさま。・・・にしても大変だったのね、三人とも。本当にいきなりだったのでしょう?これからどうするの?」
「思案、考え中です。耶倶矢がいっぱい食べるのですぐにお金はなくなってしまいそうです」
「そ、そんないっぱい食べてないし!一品多いだけだし!」
夕弦の言葉に耶倶矢が顔を赤くしながら反論する。
団子を食べながらなのでまったく説得力がないが。
しかしそこで。
「そこでお願いが」
折紙が無表情のまま千夜に言う。
「なあに?」
「私たち三人をここで居候させてほしい。もちろんいる間はできるだけのことはする。どう?」
折紙の言葉に八舞姉妹は驚く。
それに対して千夜はさして驚く様子もなく笑顔で答えた。
「ええ、家事の他に店の手伝いもしてもらうことになるけど、それでいいなら!」
「ありがとう」
そして千夜と折紙が握手を交わす。
それから一拍遅れて八舞姉妹が驚きの声を上げる。
「ええっ!?いいの!?」
「驚愕、まさか即答でOKをもらえるとは思いませんでした」
そんな二人に千夜は何でもないように答える。
「これから夏に備えて人を増やそうと思っていたところだし、ちょうどよかったの。おばあちゃんと二人暮らしだから部屋もいっぱい空いているから。じゃあ、きょうからよろしくね」
「・・・よろしく」
「よ、よろしく頼む、千夜!」
「同調、よろしくお願いします」
三人に千夜も微笑みで返す。
「じゃあ・・・さっそくだけれど、制服に着替えてもらおうかしら。ついてきて」
そして千夜に三人が続く。
(・・・ふふ、今日の夜、シャロちゃんにも教えてあげなきゃ。新しい店員さんが増えたって)
そんなことを考えて千夜は小さく微笑んだ。
*****
場所は変わって同じく木組みの町の喫茶店、フルール・ド・ラパン。
店員の制服がメイド服にウサ耳なので勘違いされやすいが普通にハーブティー専門の普通の喫茶店である。
そんな店にも、異世界から少女が二人やってきていた。
「はああああぁぁ・・・。ここはまさしくパラダイスですねぇ~!いっそ住みたいですもん」
そんなことを言いながら手元にあるハーブティーには一切手を付けず、恍惚な表情を浮かべて店員を凝視しているこの少女の名は
紫紺の髪に銀色の瞳を持つスタイル抜群の美少女だ。
「ちょ、ちょっと美九!お願いだからもっと普通にしてよ!店から叩き出されちゃうかもしれないでしょ!?」
そんな美九を見てもうひとりの少女がたまらず声を上げた。
美九とは対照的に小柄で細身、手入れが行き届いていない髪と不機嫌そうな顔が特徴の少女、
「七罪さん、私は普通、いつも通りですよぉ?」
「い、いやその・・・可愛い女の子を見たら興奮しちゃうそれをどうにかして、もうちょっと普通になれないかってことなんだけど・・・」
「無理です」
キリッ。
きっぱりと言い切った美九を見て七罪はほろりと涙を流してしまいそうになる。
そもそもなぜこんなことになったのか。
そう、あれは美九に「七罪さんは可愛いんですからもっとおしゃれな服を着ないとだめですぅ。私が選んであげますから一緒に買い物に行きましょうー!」と言われて二人で買い物に出たときのことだった。(本当は行きたくなかったのでかなりの抵抗をしたが無駄であった)
そしていろいろなものを美九に試着させられ美九が気に入ったものを買って店から出た。
しかし二人の目に飛び込んできたのは見慣れた街並みなどではなく、全く知らない別の町だったのだ。
そしていったん落ち着くために近くにあった店に入ったものの店員の衣装を見た途端、美九はずっとこの調子である。
(士道、四糸乃・・・みんなどこに行っちゃったのよ・・・)
美九の暴走を七罪が一人で止められる自信はないし、そして美九以外他に誰もいないというのはかなり心細かった。
しかしここで七罪は思う。
こんなことになっているのはもしかして私だけではないのか?
きっといつも人をだますようなことをしていたから罰が当たったのではないか。
それに偶然近くにいた美九が巻き込まれてしまったのではないのか、と。
ああ、なんということだ、罰を受けてもなお罪を重ねるというのか。
「あのぉ、七罪さん。暗い顔してどうしたんですかぁ?」
「ああ、美九、ごめんなさい。しにます」
「ほんとにどうしたんですかぁ!?早まらないでください!」
美九は慌てて七罪のことを落ち着かせる。
しばらく七罪はぶつぶつ言っていたが何とか落ち着くことができた。
そしてため息をついてから美九に言う。
「でも・・・本当にこれからどうするの?このままじゃ最終的にはのたれ死んじゃわない?」
「そうですよねぇ・・・(カシャ)。いくら私がお金を持ってるとはいえ(カシャ)、上限がありますし(カシャ)、第一元の世界に(カシャ)、帰る(カシャ)、方法が(カシャ)・・・」
「店員さんの写真を撮りながら話をしないでよ!てかやめてよ、ほんとに叩き出されるって!」
スマホのカメラ機能で店員さんを撮りまくりながら話をする美九を見て七罪は悲鳴に似た叫び声をあげた。
そしてそれを見ていた一人の店員がついにテーブルに来てしまった。
「・・・お客様・・・店員の写真撮影はやめてくださいっ!」
ウェーブの掛かった金髪の店員さんが目をきゅっと瞑りながら恥ずかしそうに注意してきた。
しかしそれは逆効果だった。
「キャー!可愛いですねぇ、可愛いですねぇ、可愛いですねぇ!」
美九は黄色い声を上げながら連射で写真を撮る。
「話聞いてましたかっ!?」
金髪の店員さんが叫ぶ。
七罪はその間何もすることはできずおろおろするだけで、美九の暴走はしばらく続いたのだった。
キャラを一気に出しましたが大丈夫でしょうか・・・。
七罪はアニメに出ていないので最初はどうしようか悩んだのですがやっぱり出したいので出しました。
・・・となると最新刊の二亜も出したい、となるわけですが・・・・。
13巻すっごく面白かったです。早く次が見たい!
感想、評価、気軽にお願いします。
追記
ご指摘を受けて原作名のところをご注文はうさぎですか?にしていましたが、取扱い説明書には「小説内で主体となっている作品」とあり、世界はごちうさですがこれからの話の中心がデート・ア・ライブのもので、キャラもデート・ア・ライブのほうが多いので予備知識のこともあり変更したいと思います。