今回、亀川さんに許可を貰ってGBOを描かせていただきましたが、初回開始時の部分などは私の勝手な妄想で描いているので、亀川さんのドライヴレッド本編とは全くの別物になっています。そこのところご了承下さい
早朝、夜天嬢雅邸にて
「ふぁぁぁ~……」
少女らしからぬ大きな欠伸をして、ロイヤルシックな大きめのベッドから半身を起こすのは、夜天嬢雅家次女、夜天嬢雅八々だ。
朝五時という時間にヤヤは起きる。早起きと言えばそれまでだが、最早日課となってしまった以上は変えることも難しい。
朝食までまだ時間がある。その間にヤヤは寝癖を直す為に鏡の前に立つ。近くのテーブルから姉に貰った大事な櫛を取って、その長い長いそのオレンジ髪を
数分掛けて丁寧に梳き終えると、こちらも姉から貰ったワインレッドのリボンを手に取る。使い古しではあるが、大切に扱ってきたのか、リボンは新品のように
髪を一気に纏め上げ、リボンで結んでいく。綺麗な蝶々結びが出来たのを鏡で確認すると、ヤヤは良しと頷いた。
「今日も一日頑張るぞ、っと!」
普段のヤヤらしからぬ台詞ではあるが、ヤヤは毎朝鏡の前でこうして言っている。最早日課と以下同文。
その後、ヤヤはクローゼットからジャージを取り出して着替える。稽古の前に軽く運動する為だ。手短に身支度を整えて、ヤヤは玄関から外へ出た。
夜天嬢雅邸は高台に建っている為に、景色は総じて良いものである。また自然も多く、身体を動かすにはもってこいとはヤヤの談だ。
軽くストレッチを行ってから、今度はクラウチングスタートの姿勢を取る。……あまり周りを気にせず出来る、と言うのも良点だろう。
腰を上げ膝を伸ばして、心の中でカウントを入れる。
(……三、二、一――スタート!)
陸上選手のような走り込みで駆け出す。ヤヤにとって瞬発力と言うのは大事なものだ。理由は簡単、昔からそう教わってきた、それだけである。
五十メートルを体感で越えると速度を落とす。やがて止まっては、振り向いて再びクラウチングスタートの姿勢を取る。
これらを繰り返して、一日往復四セット程やる。そうして終えた頃には、ヤヤも軽く息を荒くしていた。
そんな時、ヤヤに向けてタオルとドリンクが差し出される。
「毎朝お疲れ様です、お嬢様」
「ん、ありがとう」
そう言って手渡されたタオルとドリンクを受け取り、ヤヤはタオルで顔を拭いてから首に巻き、ドリンクのキャップを開けて中身をぐいっと飲む。
一息吐くと、ヤヤは差し出した本人に向き直る。
「いつもいつもありがとね、ササネ」
「いえ、お嬢様のお役に立てるのなら、ササネはこれぐらい構いません」
ササネと呼ばれた、メイド服を纏う少女は満面の笑みで答える。小動物を思わせる小柄さはどこかマサキに似通る部分がありつつも、はきはきとしたその姿勢はそれとなく好印象を与えてくれる。
メイド服に身を包む彼女を撫でながら、ヤヤはそう言えば、と思い出す。
「今日は友達が二人ほど来る。後で皆に知らせておいて」
「かしこまりました。お嬢様はこの後稽古で?」
「うん、昨日、アカサカ室長の娘さんと会ってね。その時のバトルが少し悔しかったんだ」
「珍しいですね、お嬢様が悔しいなどと。……でもお嬢様も勝ってばかりで、天狗になってはいけませんよ?」
「ははは、ササネは厳しいな。私ももう少し精進しなくちゃ」
ササネの言葉にヤヤは苦笑いして答える。さて、とヤヤがその場で屈伸しながら立ち上がろうと、足を一旦屈めながら立つ。
「休憩終わりっ、と。それじゃあ後は頼むぞ」
「はい! ササネ、了解しました!」
ピシリと敬礼するササネは、ニッコリと微笑むと、そのまま屋敷の中へと戻っていった。その後ろ姿を見てヤヤは感慨深く思ってしまう。
(あの
これから来るであろう二人の反応を考えつつ、ヤヤは稽古をする為に屋敷の隅に建てた道場へと向かったのだった。
■
朝九時頃、マサキとアイカは夜天嬢雅邸の目の前に立っていた。そして目の前に巨大な門が立ち塞がっている。
「おっきい……」
「わぁお」
二人して感嘆の声を上げていると、突然と門が開き始めた。いきなり過ぎてギョッとはなってしまうが、入りづらさが残りつつも、おずおずと門を潜った。
若草色が目に優しい庭を見回しながら入ると、いつの間にか目の前に少女が居た。マサキと似たような印象を持つメイド服姿の女の子だ。
「お待ちしておりました。マサキ様とアイカ様ですね?」
「えっ? あ、うん、そうよ」
「お嬢様がお待ちですので、こちらへどうぞ」
二度あることは三度ある。そんな言葉の通りにマサキ達はまた驚きつつも、少女に連れられて屋敷の中へと入っていく。
赤レンガで作られた風情ある和洋折衷な屋敷に、やはり二人は驚いていた。
「やっぱり、お金持ちの家は違うねぇ」
「赤レンガなんて珍しい……」
「……お嬢様の趣味なんですよ。昔から赤レンガの家には住んでみたいって言ってましたから」
アイカ、マサキ、少女の順で喋り、少女の話に二人ともクスリと笑ってしまう。そこでアイカが気になったのか、タイミング良く少女に訊ねる。
「そう言えば貴女の名前は?」
「私ですか? ……
「セキガハラ……変わった名字ね」
「えへ、よく言われます。でも、マサキさんもサエグサだなんて名字、珍しいですよね」
「そう言われてみれば」
ササネの上手い話の誘導の仕方にマサキは苦笑いを浮かべつつ、うーんと考えて返した。
「私の家は……あまり深くは言えないけれど、変わった家だからなぁ~」
「名字が変わってるからって、家族まで変わってるのはどうかと思うけど……」
突っ込むアイカに、事実は事実だからと返したマサキは乾いた笑い声を出す。
「アハハ、かく言う私も変わってるし。趣味とか、特技とか、身長とか……」
「最後のそれ自虐してない!?」
自滅して盛大に落ち込むマサキに、アイカは思いきり突っ込む。そう話している内に目的の場所へ着いたらしく、ササネが立ち止まってはこちらへ振り返り、開いた手でドアを指した。
「こちらのお部屋になりますね。では中へお入り下さい」
「あ、うん。ササネちゃん……だよね、ありがとうね」
「またねー」
「また後程、ですね」
ササネに別れを告げ、早速部屋の中へ入る。するとヤヤが外を見つめており、開けた音にでも反応したのか、振り向いてはこちらへ歩いてくる。
マサキとアイカは早速、バッグから専用デバイスを出して一台三画面のパソコンへ繋ぐ。
「ヤヤちゃんお邪魔するね」
「やっほー、ササネちゃん貰えないかな?」
「うむ。アイカ、開口一番がそれとは儂を笑わせるつもりか?」
「えー、別に良いじゃない」
「メイド長を連れていかれては困るぞ。……さて、もうGBOのインストールも済んでおる。準備は出来た、後はGPベースをセットするだけじゃ」
そう言ってヤヤは三つのパソコンの電源を着けては椅子に座り込む。マサキとアイカも倣うように椅子へ座って、デスク――パソコンの画面に向き直る。
ふとマサキは、見た目が少し風変わりなパソコンを見ながらヤヤに聞く。
「このパソコン、ヤヤちゃんのお父さんが作ったものなの?」
「うん? まぁそうじゃな。父上から余分にくすねてきたものじゃ、心配は要らん」
「「え゛?」」
「え?」
思わず聞き返す形にはなったが、ヤヤがコホンと咳払いしてはGPベースをセットする。マサキ達も、腑に落ちない感じではあるが同じようにセットした。
するとGBOが起動したのか、唐突に画面にはヤジマ商事のロゴらしきものが表れ、バトルシステムの起動音声と共に「GBO」の三文字が表示される。
《Press set your GUNPLA》
最近聞き慣れた男声が響き、これから始まることに二人同時に深呼吸した。
ガンプラを置くよう指示されて、それぞれガンプラをセットする。
《Beginning [Plavsky Particle] dispersal. Lounge12. Arch Angel》
ガンプラがセットされたことにより、再び機械音声が喋る。それと同時にプラフスキー粒子を模したらしい煌めきが周囲に広がり、三人共コントロールスフィアを握った。
いよいよ始まる新しい世界に、マサキはその目を輝かせる。自分が知らなかった
ふとすると画面上には何時の間にやら、自身のアバターとなるキャラが表示されていた。所謂キャラクタークリエイト画面だ。
「えっと、キャラクターネーム……ここだと
「うっ、こう言うのって結構悩むわよね~」
「儂は初めてじゃからあまり……」
普段からオンラインゲームに勤しむマサキは兎も角、ゲームをあまりやることのないアイカと全くの初心者であるヤヤは、名前を決めるだけでもこと十分ぐらいかかった。
結果決まった
ようやくログインと同時に、アバターが地に降り立つと、マサキは目の前の海に感嘆の声を洩らした。アークエンジェルの甲板を走り、手摺に捕まりながら外を眺める。
ヤヤとアイカもそれに続いて手摺に手を掛ける。
「わぁぁ~、これがGBO! すごーい」
「結構良い眺めじゃない」
「最近のオンラインゲームとは凄いものじゃのう」
三者三様の感想を述べては、三人共互いの容姿を見やる。
マサキは、見た目こそ眼鏡を外している以外
「やっぱり個性出るわね」
「アハハ、色替えが出来るのは嬉しい仕様だね。にしても実写みたいなリアルさだよね」
「ヤジマ商事もさぞや頑張ったのじゃろうて。にしても案外人が多いものじゃな」
「オンラインゲームだからね。リアルの姿のまま……ってのが欠点だけど」
辺りは複数のチームみたいに固まって喋っていた。どの人もやはり個性的で、やはりオンラインゲームなんだと思い知らされる。
数分間駄弁っていたら、マサキが「ものは試しに」と言って、早速バトルしようと言い出す。「まぁ大丈夫だよ」とはマサキの弁だが、他の二人もあまり異論は無く頷いた。
いざバトルしに確かめると、中にはミッションと言うのも存在することに気が付く。
「へぇ~、ミッションなんてのもそこそこあるんだね。……でも報酬額がそれなりに応じた額と……」
「成る程ね。だったらさっさとレベル上げろってことよね」
「単純じゃな」
まぁ試しだから。そんな理由で簡単なミッションを選ぶと、マサキ達は互いに頷き合ってからミッションを始めた。
■
《哨戒部隊殲滅任務》
《GUNPLA BATTLE Combatmode Start up. Mode damage level set to“O”
Beginning [Plavsky Particle] dispersal. Field1, Space》
「哨戒部隊って……ホントに簡単ね」
「じゃが、アイカのレッドデスティニーが宇宙に対応しておらんとは驚いたぞ」
「さっきの話はもういいでしょ!?」
先程散々からかわれて掘り返されたくない話なので、涙目のアイカは声を荒げてヤヤに言う。ヤヤもそれをクツクツと笑ってから画面に目を向けた。
因みにレッドデスティニーについては、急遽ブルーデスティニー二号機のバックパックを取り付けての出撃だ。
各機発進シークエンスに移行し、カタパルトに接続したみたいに画面が少し揺れる。
《MISSION START》
「ガンダムアテナ、ハーゼ! 勝利を切り拓く!」
「ローザ、レッドデスティニー! 出撃よ!」
「アスナ、ガンダムゼロ! 推して参る!」
三機が同時に宇宙空間へ放り出され、レッドを先頭にアテナとゼロが宇宙を駆けた。
しばらく進むと作戦宙域に入り、近くの岩石にレッドが身を潜めながら止まる。
「マサキちゃん、十時の方向に四機確認できるわ。ジムが三機にジムキャが一機。内一機のジムはハイバズ装備ね」
「了解。これなら誰か一人だけでも十分かな」
「……誰が行く?」
直後のヤヤの言葉にその場で固まる。するとその場で、唐突にアイカが手を挙げた。
「じゃ、私が行くわ!」
「それじゃ私が」
「いや、儂が行こう」
「「どうぞどうぞ」」
アイカに続いてマサキ、ヤヤと、ダ○ョウ倶楽部みたいなノリでボケている間に、相手のレーダーにでも映ったのかジムキャノンがこちらに気付く。即座に肩部キャノン砲を撃ち、攻撃警報が鳴ると同じくしてマサキ達は避けつつ散開した。
「NPCなら簡単に倒せる筈……!」
「ヤヤちゃん、一気に片付けるわよ!」
「なっ、アイカ何をする!?」
ヤヤと合流したアイカは、ゼロにバスターライフルを構えさせ、後ろで支えるようにレッドデスティニーを動かす。
何をするのかは大体見当が付くものの、ヤヤはそれを理解しながらも慌て始めてしまう。それすら気にせずアイカが「さぁ行くわよ~っ!」と張り切っていた。
「ヤヤちゃん、全力全開で撃ちなさい!」
「バスターライフルが壊れるぞっ!?」
「構わないわよそんぐらい! ……だってこれ、
そう言われて言い返せず、ヤヤは渋々と「どうなっても知らんぞ」と頬を膨らませて、バスターライフルを構えた。
隊列を組んでご丁寧にやって来たジム達は、マサキが撹乱しながら足止めする。
「はぁ、何かこの先が思いやられる気がするな……」
溜め息混じりにそう言ったヤヤはは同時にトリガーを引いた。黄色い粒子の奔流がジム達を呆気なく包み込み、次の瞬間、爆発四散する。それと同時に、バスターライフルも出力が保てなくなり、オーバーロードし始め、結果バスターライフルも爆発する。
《MISSION COMPLETE》
ミッションを終えて直ぐに、三人共にラウンジへと戻ってくる。
マサキとアイカは、簡単だったけど満足して笑い、ヤヤだけげっそりと疲れた感じに項垂れていた。
「全く、人使いが粗いぞ」
「まぁまぁクリアしたんだし、良いじゃない」
ぷんすかと怒るヤヤにアイカがどうどうと宥める。マサキも「アハハ」と陽気に笑った。
そこでヤヤが一旦休憩しようかと提案し、一度GBOからログアウトすることにした。
前書きの通り、多分ほぼ別物です。特に開始時点のは、参考にするものが無かったので前書きの通り、私の妄想で描かせてもらいました。イメージしたのはPSO2です。
そして投稿遅れて誠に申し訳ありません。カミツです。
投稿が遅れた理由としては、今月に機動戦士ガンダム 戦場の絆にて勢力戦があり、「ヅダF」という機体が先行配備されるとの事で、ジオン軍で二十五勝しろという運営の鬼畜な指令をこなしていましたが、十勝したところで敢え無くリタイアしまして、だけどもヅダFへの未練が絶ちきれずに唸ってたら遅れました。
……なんて長ったらしい言い訳なんだ。でも格好よかったんだ、だから諦めきれなかったんだ。支援機乗れなくても欲しかったんだ。ヅダFを獲ることを、強いられているんだ!(確信
さて話は小説に戻して、今回の三人のBFNの意味は分かったでしょうか?
ヒントは、ヤヤのはGBOでの髪型と人物紹介のヤヤの欄を見れば、分かる人は分かるんじゃないかな。他二人はWW2にて日本と仕方なく同盟を組んだ国の言葉です。
ではまた次回、ノシ