私事が重なり投稿が遅れてしまいました
今回はかなり長く仕上がりましたが、自信作です!
では第8話…ゆっくりしていってくださいね!
あれから2年…
ここにもかなり馴染んできた、いい生活を送れている
「稜夜ー使うようで悪いんだけど、野菜適当に買ってきてくれないー?」
…こんな風にパシらされることも少なくはない
うちの嫁さん、お嬢様のはずなのに家事スキルがめっちゃ高いんだよね、これ何気ない自慢です
「ういー、んじゃいってくるわー」
そういって館を出る
門のところにはしっかりと門番が仕事をしてくれている
「あっ!稜夜さん!おでかけですか?」
「あ~お兄様おでかけ~?」
フランが羨ましそうにこちらを見つめ、言ってきた
日に当たって大丈夫なのかって?しっかり術式かけてあるんで、大丈夫だ、問題ない(キリッ
そしてちょっとした新入りの紹介。
新しい門番『紅 美鈴(ほん めいりん)』
倒れていたところを助けたら感激され『助けていただいたお礼に、ここで働きます!』的なことをいわれたので、門番をやってもらっている
初めてのときはめちゃ中国語だったんでかなり戸惑いました、俺英語とロシア語ぐらいしか喋れないからね、仕方ないね
まぁよく気も利いて、仕事もしっかりとこなしてくれるしてくれるいいやつです
「おう、レミィに買い物頼まれてな、またフランは帰ってきてから遊んでやるから、ちょっと待っててな?」
「はーい、約束だよー?」
「そうなんですか!お気をつけていってらっしゃいませ!」
元気に見送ってくれるフランと美鈴に手を振り、町へとでかける
それにしても、さっきから視線を感じる…気のせいだろうか?
そんなことを考えながら町への道中を歩く
レミリアに頼まれた感じのものは一通り揃ったので帰ることにした
さっきから感じている視線が気になってしょうがないので、その本人に声をかけてみた
「どうしたのかな?そこのお嬢さん」
俺がそういうとナイフを首にあてられ、脅し文句を聞かされる
恨まれるような覚えがたくさんあるので、こういうことには慣れている
「ばれてしまっていたのなら仕方が無いわね、少し強引だけど一緒に来てもらうわ」
暗殺者かなにかかな?けど暗殺者にしては気配の隠し方が下手糞だったな…
そう思いながら瞬時に移動し、女性の背後につく
「その程度か?下ががら空きだったぞ?」
今度は俺が女性の背後につき、ナイフを首にたてる
逃げようともがくが、隙がないように押さえつけているので動けないようだ
なんでこんな可愛い子がこんな血生臭い仕事やってるんだか…世も末だな
その後、かなりジタバタするので、術式をかけて眠ってもらった
術式かけるのもかなり苦労した、口でナイフ持って振りかざしてくるんだもの、結構危なかったよ
あんなにナイフの扱い上手いんだし、家に来てもらおうと思うので、連れてかえります
軽く足に力を入れて、紅魔館まで飛んだ
え?誘拐だって?こっちは暗殺されそうになったんだ、これぐらいはいいっしょ
「どうしたんですか!?その人!?」
一番最初に驚いたのは美鈴だった
まぁ新入りなんだし、一番最初に驚くのは仕方ないかな
その隣でフランは『なんか抱えてるなー』ぐらいの顔で見ていた
「暗殺されそうになったので、その仕返しに誘拐してきた」
俺がボケーッとした表情でそんなことを言うと、今度はフランも交えて唖然としていた
まぁそうなるよね、なかなか軽々しく『誘拐してきた』とか言わないもんね
「つーことで、この子についてレミィと話し合ってくるわー」
「あー私も行くー」
「あ、はい!お疲れ様です!」
ビシッと敬礼を決める美鈴にまた背を向け手を振りながら、今度はフランと共に館に入っていく
…この子、連れてきたのはいいけど、やってもらうとしたら何してもらおうかな、全く考えてなかったぜ
「レミィー帰ったぞー」
「あっおかえりー、どうしたの?人なんか抱えて?」
帰ってきたことをレミリアに伝えると、忙しそうに台所で料理を作っていた
やっぱり人を抱えてるぐらいじゃ驚かないよね、流石吸血鬼
「なんか暗殺されそうになったんだけど、気配の隠し方が下手糞で声かけたら『ばれてしまったのなら仕方ない』ってことでナイフを首に突きつけられて、隙間が空いてたんでそっから抜け出して逆にナイフを突きつけて、それからなんやかんやあって眠っていただきました」
簡潔じゃないけど凝縮して説明。
「そーいうことね、けどどう対処すればいいかわからなくなったから買ってきたものを渡すついでに私に聞きにきたってこと?」
「いぐざくとりー」
なんか色々と筒抜けだったらしく色々と把握されてました
それを聞いてついつい反応が薄くなってしまったぜ
「それで、どうすればいいと思う?」
「「うちでメイドをやってもらったらいいんじゃない?」」
フランとレミリアが同時に同じ事を言った
おー以心伝心かな?
「じゃあそんな感じでいいかな」
そんなぶっきらぼうなことを言って、考え出す
暗殺者なんかの記憶はいらないと思うんだよな、フッとこの女の子の目を見てみたらすっげぇ哀しそうな目してたもん
普通暗殺者やってたら大体意識がないような目をしてるんだよな、けど感情が剥き出しになってたし…
能力もあるみたいだし、暗殺者になる前ぐらいの記憶だけ残しておいてその能力を上手く扱えるよう教えてやろうかな、馴染んできてると感覚が染み付いてスタイル的なものがなかなか変えられないんだよな
一応レミリアとフランには席を外してもらう
さて、作業に入りますかね
女の子の頭に手をのせて記憶諸々について操作する
その時はその記憶が全て見えるので、よくない記憶も見えたりするのだが…
…うん、やっぱりあるね
こういうのが見えるっていうのが良い事なのか悪い事なのか…
…絶対悪い事だよな
そう自分にツッコミを入れる
そして作業を終え、少女が目を覚ます
「んぅ…ここは…?」
「お、目が覚めたか、気分はどうだ?気持ち悪いとかないか?」
「特に異常は…あなたは誰ですか…?」
一応返事はしてくれたがとても訝しげに見られている
だよな、知らないところのベッドで寝かされて、突然知らないやつに声かけられてるんだもん、そりゃそうだ
「俺は澪乃稜夜だ、君がこの館の前で倒れてたからここに連れてきたんだ」
「…そうなんですか…助けていただいてありがとうございます」
とても哀しそうな顔で俯く少女
内容はわかっているが、わからないフリをして聞いてみる
「どうしたんだ?なにか辛いことがあったような顔つきだな、よかったら話してくれないか?」
「…稜夜さんにならお話します…何故か安心しますし…」
一応信頼はおいてもらっているみたいだ、よかったよかった
「私は先日、変な能力を持っているということで住んでいた村を追い出されたんです、どうにか村に留まろうと親に頼り村長さんを説得したのですが、結局ダメでした…」
内容は知っているとはいえ、本人から聞いてみると更に辛いものだった
そんな中、少女は話し続ける
「その他の村の皆さんに助けを求めても返ってくる答えは毎回『出て行け』の一言だけ、挙句の果てには親にも嫌われ、居る場所が無くなってしまい、一人村を出てきました」
だんだん少女の目に涙が浮かんでくる
最後には涙を見せるまいと俯き、手で口を覆う
そんな少女を見て、俺は少女を優しく抱きしめる
「そうか…大体事情は把握したよ…辛かったな…泣きたいなら泣いていいんだ、辛い感情を吐き出せ、その時はいつでも俺を貸してやるからな…」
「うわぁぁぁぁぁぁん!!あぁぁぁぁぁ!!うわぁぁぁぁぁ!!!」
悲鳴にもとれるような声で泣き出す
全てを吐き出すような声で必死に過去を消そうとする
そんな少女を俺は唯々抱きしめてやることしか出来なかった
そして数時間泣きじゃくった後に眠ってしまった
―――この少女は生まれつき時を操れる能力を持っていた、知能は元々高く、自分でも色々と把握しどうにかそれを隠して生きてきたが、ふとした拍子にその能力を発動してしまい、周りの人に嫌悪されるようになった
そして少女が話していたとおり、村を出て行けと言われ、結局出て行く羽目に…
その後唯々歩き続け、とある町のはずれで倒れてしまった、それを暗殺集団の一人が発見し、連れて行かれ強制的に教育され、暗殺者になったようだ
これは少女がまだ8歳ほどの頃の話らしい、幾ら知能が高かったとはいえ、しっかりとした精神状態が出来ていない少女には過酷過ぎる現実だった
数時間後、少女はまた目を覚ました
「すいません…寝てしまっていたんですね、お邪魔でしょうし、そろそろ出て行きますね」
ふらふらとおぼつかない足取りで部屋を出て行こうとする
それを俺は『ダメだ』といって止める
「行く宛てが無いなら家に居ればいい、ここは俺の館だからな、基本何してもOKだ」
ニコッと笑顔みせ、安心してもらおうとする
しかし少女は『でも…』というような顔で出て行こうとする
「安心しろ、俺だって能力持ちだ、ここの住人は全員能力を持っているから、君を嫌って追い出そうとなんかしないよ」
「じゃあここに住まわせていただいてもいいでしょうか…?」
「ああ、大歓迎だ、おーい!レミィ!入ってきていいぞー!」
笑顔で了承し、レミリアを呼ぶ
ドアの前で待機していたらしく、待ってました!といわんばかりに物凄い勢いで入ってきた
因みに、フランは眠くなったらしく自室に戻っていったみたいだ
「あなたが新入りさんね、私はレミリア・スカーレット、ここの主のお嫁さんよ、よろしくね」
少女はスカーレットと聞いた瞬間、かなり驚いたような顔をする
「す…スカーレット…?昔10もの村を滅ぼしたといわれる…スカーレット嬢…!?」
「あら、そんな200年も前の話よく知ってるわね」
私も有名になったわね~と嬉しそうに言うレミリア
それを少女は『嘘…』というような目で見ている
「な、うちはかなり特殊なところだから、能力なんて誰でも持ってるんだ」
ハハハッと笑い、レミリアを抱き寄せる
「そういえば、あなた、名前はなんていうの?」
レミリアが聞くと、とても哀しそうに言う
「前の名前は…思い出したくないんです…」
それもそうか、あんな過去を持ってるんだ、まともに思い出したくないだろう
だが名前がわからないってのも不便だな…
「じゃあ私たちが決めてあげましょうよ!」
レミリアが俺の心を読んだように言ってくる
俺なんも言ってないのによくわかったな…
あー嫁さんってこえー
そんな事を思いながら考え出す
今日は十六夜の月か…
「十六夜咲夜…」
俺はボソッと呟く
それをレミリアはしっかりと聞いていて『意味は?』と問うてくる
「十六夜の月下に咲く一輪の華…かな」
それを聞いた少女は嬉しそうに笑顔になってくれた
今まで哀しそうな顔しかしなかった少女が笑っているのを見て、とても安心した
「いい名前じゃない、私が出る幕は無かったわね」
そういい苦笑するレミリア
ゴメンゴメン、やる事は一気にやっちゃう癖があるもんでな
「さて、これからよろくね、咲夜」
「よろしくな、咲夜ちゃん」
俺たちがそう声をかけると、咲夜ちゃんは先程より更に嬉しそうに返事をしてくれた
「はい!よろしくお願いします!」
――少し涙目だが、とても元気で、明るく、希望に満ちた声は紅魔館中に広がった――
はい、どうだったでしょうか第8話?
いやぁ…想像以上に長くなってしまいました…
独自のストーリーを考えるのって結構難しいんですね…更に実感しました(汗
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では次回まで…ゆっくりしていってくださいね!