今回は比較的早めに投稿できたぞ…!
どうぞ!
「さてと、アルパカは…っと」
久しぶりにアルパカ小屋のところに行ってみることにした。ここのところ朝練で疲れて行く気力がなかったけど、今日は朝練休みだった。なので、久々に癒されに来たって訳なんだけど………。
「先客がいるな……」
誰か先に来てたのか……。思いっきり遊べないじゃん…。
………って、あれは…。
「おはよう、小泉さん」
「あ…おはようございます…! 天瀬先輩」
飼育委員の小泉さんがいた。まあ、当たり前といえば当たり前なんだけど。それはともかくなんか機嫌よさそうだな。
「どう? 決まった?」
「決まったというと……スクールアイドルのことですよね?」
「うん」
「それがですね、実は……」
えへへ、と笑いながら昨日別れた後の話をしてくれた。穂むらに行って、穂乃果さん達と話して、是非とも入ってくれと言われたらしい。そのなかで好きな気持ちさえあればできる、といわれたのをきっかけにやってみようと思えたみたいだ。
というか、いちいち動きが可愛らしいんだけど。なんなんですかこの子は。持ち帰っていいんですか。
「そっか。良かったね。もう入ったの?」
「いえ、今日の放課後に伺おうかと思いまして……」
そう言う小泉さんはとても楽しそうで、いきいきしていた。こういう子だったんだな。アイドルに向いてないって嘘だろ。全然いけるでしょ、これなら。
「それでですね…天瀬先輩と西木野さんにお礼を言いたくて」
「お礼? 別にお礼を言われるようなことは……」
「いいんです。わたしの気がすまないんです…!」
「うーん。まあそういうことなら……」
「かーよちーん!」
ん?誰か来たみたいだな。
「かよちん、ここに行くなら凛にも言ってよ~」
「ごめんね凛ちゃん」
??どっかで見た気がするんだけど……。
「ところでかよちん、そっちの人は……??」
「あ、ごめんね凛ちゃん。この人は天瀬先ぱ」
「「あああぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!??」」
「ぴゃあ! えっ……えっ…?!」
この子…いや、こいつは……!
「お前…あの時の…!」
「そっちこそ! かよちんをいじめてた人!」
「はあ!? いじめてねえよ! お前こそいきなり飛び蹴りかましやがって…!」
「あれはかよちんをいじめてたからだよ!」
「仮にいじめてたとしても、いきなり蹴りいれる奴がいるか!」
「やっぱりいじめてたんじゃん!」
「仮にって言ってんだろ!」
「フシャーーーーー!!」
「グルルルルルルル!!」
「もう!! 2人とも! やめてください!!」
……はっ…!
「凛ちゃん! ダメだよ、先輩にそんな態度とったら」
「うぅ、ごめんなさい。かよちんいじめてた人と思って……」
「わたしはいじめられてないから、ね?」
「うん……ごめんね? かよちん」
なんとか落ち着きを取り戻してあちらを見ると、小泉さんがこっちに何か言いたげだった。
「な…なんでしょうか……」
「天瀬先輩! あなたもあなたです! 先輩なんですから、もう少し余裕を持ってですね…!」
「……はい…ごめんなさい…」
情けない……。年下の女の子に怒られるとは……。
「? かよちん、今日は機嫌いいの?」
「えっ…! ……うん。そうだよ」
「やっぱり! かよちんが先輩相手に大きい声を出すなんて滅多にないから、もしかしたらと思って」
「あ…ごめんなさい! 天瀬先輩…! 偉そうに説教しちゃって……」
「いやいや、いいよ。僕もちょっとおかしかったから」
むきになりすぎてたしな。
「それとね、凛ちゃん。天瀬先輩はとても話しやすいの」
「えぇぇ~! この人がぁ~? ウソ臭いにゃ~」
「なんだとこら」
「ほら! 口悪いし!」
「凛ちゃんが失礼な態度をとるからだよ…!」
「そういうことだ。先輩に対する礼儀をしっかりとするんだな」
「イヤにゃ」
「んだと…!」
……こいつはあぁぁ~!いくらなんでも失礼すぎねえか!?先輩だし!一応初対面だし!
「とりあえず自己紹介して? ね? 2人とも」
「………………」
「………天瀬幸明です。よろしくお願いします」
「……星空凛です。よろしくお願いします」
もう疲れた。いい時間だし教室いくか。
「それじゃこれで。またね。小泉さん、星空」
「はい…! また後で、です」
「……フン、だ!」
「凛ちゃん!」
あいつ……。もういい。疲れるだけだし。
……悪い子じゃないんだろうけどなあ…。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「凛ちゃん! 流石に失礼だよぉ」
「だって! かよちんいじめてた人だもん!」
「あれは違うんだよ? お互い初対面で、お互い人見知りで…どうしていいかお互いにわからなかったの」
「……ほんとうに?」
「うん」
「ほんとうのほんとうに?」
「本当だよ」
「ホントのホントのほんとーーーに?!」
「本当だってぇ~。信じてよぉ~」
「わかったにゃ…。かよちんがそこまで言うなら信じる」
「凛ちゃん……!」
「その代わり! かよちんになんか変なことしようとしてたら容赦しないからね!」
「わかった。でも、先輩はそんな人じゃないから」
「……………」
「それとね、凛ちゃん。先輩とは仲良くしてほしいなぁ…って思うの」
「えぇ! 凛が! あの人……天瀬先輩と?!」
「うん。そうしたら先輩の優しさがわかると思うから…」
「うぅ~……かよちんがそう言うなら……頑張ってみる…」
「うん…! ありがとう」
「それじゃ、凛たちも教室に戻るにゃ~」
「そうだね」
「いっくにゃ~!」
「大丈夫だよ、凛ちゃん。すぐに仲良くなれると思うから……」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「よっし。終わった」
午前の授業が終わって昼休み。今日は弁当無いから購買に行かなきゃならないんだけど。
「あ! よしくんも購買に行くの?」
「うん。そうだけど?」
「じゃあ一緒にいこー!」
「え……ちょっと…!」
穂乃果さんが言うだけ言って、さっさと行ってしまった。園田さんとことちゃんの方を見ると……
「…………はぁ」
園田さんには、諦めてください、というような感じで首を横に振られた。ことちゃんには、あはは、と苦笑いされたし。
「……行くしかないのね…。穂乃果さん! ちょっと待って!」
少し先に行く穂乃果さんに追いついて、それとなく聞いてみることにした。というか、穂乃果さんから話してきた。
「ねえねえよしくん! 昨日家に花陽ちゃんが来てね! μ'sに入ってくれるかもしれないの!」
「そうなんだ」
「ありゃ? あんまり驚かないんだね?」
「あ……うん。それは……」
本人から聞いたから…。
「ともかく! メンバーが増えるかもしれないの!」
「うんうん。いいことじゃん」
「だよねだよね! よぉーし! 今日からまた気合い入れていくぞぉー!」
あっつい。穂乃果さん暑苦しい。
「ってぇ! 話してたら良いパンが残ってないよぉ!?」
忙しい人だな。僕はとっくに買ってるけど。
「う…あんパンしかない……」
「嫌いなの?」
「いやぁ~、嫌いではないんだけどぉ~……」
「………?」
「家が家なのでぇ~…」
あ。そっか。和菓子屋の娘ってことは……和菓子食べ放題!?羨ましい!!
……はっ?!
チャリーン
よし。……よし!
「じゃあこれあげる」
そう言ってサンドイッチを穂乃果さんに手渡した。
「えっ?! いいの?!」
「いいよいいよ」
「わぁ~い! ありがとう! よしくん!」
「その代わりと言っちゃなんだけど……」
「ん? なになに?」
「穂むらの和菓子をたまにでいいから、わけてくれないかなあ…って」
「え? そんなので良ければいくらでもあげるよ?」
「マジで!?」
「うん」
よっし!!甘味を確保ぉ!!ヤバい。めっちゃ嬉しい。
「……よしくん、すごい嬉しそうだね…」
「あ……うん。最近甘いものたくさん食べられることってなかったから……」
「そうだったんだ。言ってくれればいくらでも出したのに~。お母さんたちも喜びそうだし」
「マジで!?」
「うん」
そんなこんな戻りながら話していたら、窓から小泉さんが見えた。
「……??」
なんか朝と比べて元気がない…?
……気になるな。行ってみようか。
「穂乃果さん。先に戻ってていいよ」
「え? よしくんは?」
「ちょっと用事」
「そうなの? それじゃあ」
どうしたんだろう、いったい……。あまりにも落ち込みすぎじゃないだろうか。
中庭にでる渡り廊下でバッタリと星空に会った。
「あ、星空…」
「天瀬…先輩…」
この際星空に聞いてみよう。……なんか態度が軟化している気がするし。
「星空! 小泉さんの元気がないようだけど何かあったのか?」
「……多分、授業で当てられたとき大きな声で答えたら、間違っちゃってて……」
「それで自信を無くした…ってこと?」
「自信…? 自信ってどういうことなの?」
あら?聞いていなかったのか?
「小泉さんは今日μ'sに入ろうって意気込んでいたんだ。先輩達と話して自信がついたって」
「……! かよちんが…アイドルに…!?」
「ああ。少なくとも僕にはそう言ってたよ」
そこまで言って星空を見ると、泣きそうな顔になっていた。僕にはわからないけど、小泉さんに関してなにかあるんだろう。
「先輩。その話は本当なんだよね?」
「ああ」
「だったら、引きずってでもかよちんは連れていくにゃ」
「……そこまでしなくてもいいんじゃないか?」
「ダメだよ! スクールアイドルは……アイドルは…かよちんの夢なんだから!」
……!!
……………ユメ、か。
そう、か。なら、だったら。
「わかった。僕も手伝おう」
「え…? でも……」
「いいから」
目の前に、手が届く場所に夢があるってのに、掴まないのは駄目だ……!
「行くぞ、星空」
「あ! ちょっと待つにゃ~」
中庭に着くと小泉さんとマキがいた。
「かーよちーん!」
「凛ちゃん…」
「かよちん、天瀬先輩から聞いたよ! アイドルやるんでしょ?!」
「えっ…?! いや……その………」
「いやもなんもないの! ほら、今からでも先輩たちのところにいくよ」
そう言って星空は小泉さんの手を掴んで歩き出した。……と思ったら反対側の手をマキが掴んで言った。
「待ちなさいよ! 小泉さんはもう少し練習してから行った方がいいわ」
「西木野さんには関係ないでしょー!」
「な…! μ'sの曲は私が作ったのよ!」
「「「えっ………!」」」
マキよ。いいのか…それで…。
「あっ……その…とにかく! もう少し自信をつけてからの方がいいの!」
「今すぐ連れてった方がいいの! 1度自信はついたんだから大丈夫なの!」
「あ…あの……2人とも落ち着いて」
でないと小泉さんが……
「だ………誰か助けて~!」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ってしまった。
「2人ともそこまでにして。まずは授業、だよ」
仕方ない、といった表情で2人は手を離して教室に向かっていった。小泉さんは少しほっとしたような、それでいて残念そうな表情を浮かべて2人を追いかけていった。
「まだ迷ってる、ってところかな……」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「来ないね……花陽ちゃん…」
放課後。いつもより気合の入った練習が終わり、もう夕暮れ時だ。後は終わりの柔軟をして片付けて帰るだけ、という状態。
……が、穂乃果さんの言う通り小泉さんは来ない。
「……入りたくなくなったのでしょうか…」
「うーん…ことりにはそうは見えなかったけどなぁ…やる気いっぱい! って感じだったけどぉ…」
柔軟を手伝ってくれてる2人も心配そうに話している。……話しているのはいいんだけど…!
「あだだだだだ! 痛い痛い! 痛いって2人とも! 押しすぎだって!」
「わぁ! ごめん! よー君!」
「すすすすすみません! 少しボーッとしていました!」
「いたたたた……いいよ、別に。心配になるのはわかるし…あいたたたた…」
説得は無理だったのかな…?
でも、マキと星空の様子からすると、本当に引きずってでも来そうなもんだけど……。
「……まあいっか! 無理に誘ってもしょうがないしね!」
「穂乃果さん……」
「穂乃果……」
「穂乃果ちゃん……」
明らかに無理をして明るく振る舞っている…。寂しいのだろうか。だけど、穂乃果さんの言う通り無理には良くない。
……と、そこまで考えた時だった。
ガチャ……
扉の開く音がした。
4人とも一斉に振り返った。そこには……。
「ほら、かよちん」
「早く行きなさいよ」
「えっ……でも…」
小泉さん、マキ、星空が立っていた。
「ここまで来て怖じ気づいてどうするのよ!」
「そうだよ! かよちんは絶対やった方がいいの!」
「うぅ………」
そう言って穂乃果さんの前までやって来た。僕たちも心配になり近づいていった。
「あの…その……~~~~!」
「かよちん」
「小泉さん」
「「がんばって」」
2人は背中を押した。それに勇気づけられたのか、小泉さんの目にはさっきまでのおどおどした感じはなく、決意の光が宿っていた。
「わたし…! 1年の小泉花陽と言います!」
ーー大丈夫だな、もう。この子は大丈夫。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
メンバーが増えたお祝いということで、みんなで穂乃果さんの家に来ていた。
「てか、結局マキも入るなんてね……ククク」
「ちょっとアキ! なにがおかしいのよ!」
そう。あのあとことちゃんと園田さんが2人を誘っていたのだった。
「よかったぁ…凛ちゃんも一緒にできるんだね!」
「かよちんとできるなら、凛もうれしいにゃ!」
「2人は本当に仲良しなのですね」
「そうだよ~。凛とかよちんは仲良しなの!」
「そうなんです。でも、園田先輩も3人仲良しじゃないですか?」
「それは……」
「そうだよー!穂乃果と海未ちゃんとことりちゃんは仲良しなの!」
「えへへ☆ そうだねぇ」
仲良し組同士が話している。……というのにマキは…。
「マキ……入りたいなら入ってくれば…」
「ち、違うわよ! ただ、仲良しだなって見てただけよ!」
素直じゃないなあ…!あっちに放り投げてやろうかな?……いや、それはよくないか…。
「よーし! メンバーも増えたことだし! 海未ちゃん! 真姫ちゃん!」
「な、なによ…」
「はあ……またですか…」
「新曲! 作ろう!」
「「「「えぇぇーーーーーーー!!!???」」」」
2年生幼馴染組以外が驚いた声をあげた。
ーー驚いたけど、微笑ましい光景だった。みんなで笑って、楽しんで。
これからもμ'sはこんな風に進んでいくんだろうなと他人事のように思ったけど。
「自分もそのなかに入っているんだよな……」
「ん? よしくんなにか言った?」
「いいや、なにも」
「?? そう?」
ーーそれも悪くないかな…って、なんてね。
凛との絡み方は悩みましたが、このような感じにしました。
悪友?みたいなポジションのつもりです。
さあ!ついに次からあの先輩が!
……出せると思います…。
それではまた。