ラブライブ!~きっと青春は、~   作:日月水光

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こんばんは。日月水光です。

今回は比較的早めに投稿できたぞ…!


どうぞ!


#09.決意と自信

 

 

「さてと、アルパカは…っと」

 

久しぶりにアルパカ小屋のところに行ってみることにした。ここのところ朝練で疲れて行く気力がなかったけど、今日は朝練休みだった。なので、久々に癒されに来たって訳なんだけど………。

 

「先客がいるな……」

 

誰か先に来てたのか……。思いっきり遊べないじゃん…。

………って、あれは…。

 

「おはよう、小泉さん」

「あ…おはようございます…! 天瀬先輩」

 

飼育委員の小泉さんがいた。まあ、当たり前といえば当たり前なんだけど。それはともかくなんか機嫌よさそうだな。

 

「どう? 決まった?」

「決まったというと……スクールアイドルのことですよね?」

「うん」

「それがですね、実は……」

 

えへへ、と笑いながら昨日別れた後の話をしてくれた。穂むらに行って、穂乃果さん達と話して、是非とも入ってくれと言われたらしい。そのなかで好きな気持ちさえあればできる、といわれたのをきっかけにやってみようと思えたみたいだ。

というか、いちいち動きが可愛らしいんだけど。なんなんですかこの子は。持ち帰っていいんですか。

 

「そっか。良かったね。もう入ったの?」

「いえ、今日の放課後に伺おうかと思いまして……」

 

そう言う小泉さんはとても楽しそうで、いきいきしていた。こういう子だったんだな。アイドルに向いてないって嘘だろ。全然いけるでしょ、これなら。

 

「それでですね…天瀬先輩と西木野さんにお礼を言いたくて」

「お礼? 別にお礼を言われるようなことは……」

「いいんです。わたしの気がすまないんです…!」

「うーん。まあそういうことなら……」

「かーよちーん!」

 

ん?誰か来たみたいだな。

 

「かよちん、ここに行くなら凛にも言ってよ~」

「ごめんね凛ちゃん」

 

??どっかで見た気がするんだけど……。

 

「ところでかよちん、そっちの人は……??」

「あ、ごめんね凛ちゃん。この人は天瀬先ぱ」

「「あああぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!??」」

「ぴゃあ! えっ……えっ…?!」

 

この子…いや、こいつは……!

 

「お前…あの時の…!」

「そっちこそ! かよちんをいじめてた人!」

「はあ!? いじめてねえよ! お前こそいきなり飛び蹴りかましやがって…!」

「あれはかよちんをいじめてたからだよ!」

「仮にいじめてたとしても、いきなり蹴りいれる奴がいるか!」

「やっぱりいじめてたんじゃん!」

「仮にって言ってんだろ!」

「フシャーーーーー!!」

「グルルルルルルル!!」

「もう!! 2人とも! やめてください!!」

 

……はっ…!

 

「凛ちゃん! ダメだよ、先輩にそんな態度とったら」

「うぅ、ごめんなさい。かよちんいじめてた人と思って……」

「わたしはいじめられてないから、ね?」

「うん……ごめんね? かよちん」

 

なんとか落ち着きを取り戻してあちらを見ると、小泉さんがこっちに何か言いたげだった。

 

「な…なんでしょうか……」

「天瀬先輩! あなたもあなたです! 先輩なんですから、もう少し余裕を持ってですね…!」

「……はい…ごめんなさい…」

 

情けない……。年下の女の子に怒られるとは……。

 

「? かよちん、今日は機嫌いいの?」

「えっ…! ……うん。そうだよ」

「やっぱり! かよちんが先輩相手に大きい声を出すなんて滅多にないから、もしかしたらと思って」

「あ…ごめんなさい! 天瀬先輩…! 偉そうに説教しちゃって……」

「いやいや、いいよ。僕もちょっとおかしかったから」

 

むきになりすぎてたしな。

 

「それとね、凛ちゃん。天瀬先輩はとても話しやすいの」

「えぇぇ~! この人がぁ~? ウソ臭いにゃ~」

「なんだとこら」

「ほら! 口悪いし!」

「凛ちゃんが失礼な態度をとるからだよ…!」

「そういうことだ。先輩に対する礼儀をしっかりとするんだな」

「イヤにゃ」

「んだと…!」

 

……こいつはあぁぁ~!いくらなんでも失礼すぎねえか!?先輩だし!一応初対面だし!

 

「とりあえず自己紹介して? ね? 2人とも」

「………………」

「………天瀬幸明です。よろしくお願いします」

「……星空凛です。よろしくお願いします」

 

もう疲れた。いい時間だし教室いくか。

 

「それじゃこれで。またね。小泉さん、星空」

「はい…! また後で、です」

「……フン、だ!」

「凛ちゃん!」

 

あいつ……。もういい。疲れるだけだし。

……悪い子じゃないんだろうけどなあ…。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「凛ちゃん! 流石に失礼だよぉ」

「だって! かよちんいじめてた人だもん!」

「あれは違うんだよ? お互い初対面で、お互い人見知りで…どうしていいかお互いにわからなかったの」

「……ほんとうに?」

「うん」

「ほんとうのほんとうに?」

「本当だよ」

「ホントのホントのほんとーーーに?!」

「本当だってぇ~。信じてよぉ~」

「わかったにゃ…。かよちんがそこまで言うなら信じる」

「凛ちゃん……!」

「その代わり! かよちんになんか変なことしようとしてたら容赦しないからね!」

「わかった。でも、先輩はそんな人じゃないから」

「……………」

「それとね、凛ちゃん。先輩とは仲良くしてほしいなぁ…って思うの」

「えぇ! 凛が! あの人……天瀬先輩と?!」

「うん。そうしたら先輩の優しさがわかると思うから…」

「うぅ~……かよちんがそう言うなら……頑張ってみる…」

「うん…! ありがとう」

「それじゃ、凛たちも教室に戻るにゃ~」

「そうだね」

「いっくにゃ~!」

 

「大丈夫だよ、凛ちゃん。すぐに仲良くなれると思うから……」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「よっし。終わった」

 

午前の授業が終わって昼休み。今日は弁当無いから購買に行かなきゃならないんだけど。

 

「あ! よしくんも購買に行くの?」

「うん。そうだけど?」

「じゃあ一緒にいこー!」

「え……ちょっと…!」

 

穂乃果さんが言うだけ言って、さっさと行ってしまった。園田さんとことちゃんの方を見ると……

 

「…………はぁ」

 

園田さんには、諦めてください、というような感じで首を横に振られた。ことちゃんには、あはは、と苦笑いされたし。

 

「……行くしかないのね…。穂乃果さん! ちょっと待って!」

 

少し先に行く穂乃果さんに追いついて、それとなく聞いてみることにした。というか、穂乃果さんから話してきた。

 

「ねえねえよしくん! 昨日家に花陽ちゃんが来てね! μ'sに入ってくれるかもしれないの!」

「そうなんだ」

「ありゃ? あんまり驚かないんだね?」

「あ……うん。それは……」

 

本人から聞いたから…。

 

「ともかく! メンバーが増えるかもしれないの!」

「うんうん。いいことじゃん」

「だよねだよね! よぉーし! 今日からまた気合い入れていくぞぉー!」

 

あっつい。穂乃果さん暑苦しい。

 

「ってぇ! 話してたら良いパンが残ってないよぉ!?」

 

忙しい人だな。僕はとっくに買ってるけど。

 

「う…あんパンしかない……」

「嫌いなの?」

「いやぁ~、嫌いではないんだけどぉ~……」

「………?」

「家が家なのでぇ~…」

 

あ。そっか。和菓子屋の娘ってことは……和菓子食べ放題!?羨ましい!!

……はっ?!

 

チャリーン

 

よし。……よし!

 

「じゃあこれあげる」

 

そう言ってサンドイッチを穂乃果さんに手渡した。

 

「えっ?! いいの?!」

「いいよいいよ」

「わぁ~い! ありがとう! よしくん!」

「その代わりと言っちゃなんだけど……」

「ん? なになに?」

「穂むらの和菓子をたまにでいいから、わけてくれないかなあ…って」

「え? そんなので良ければいくらでもあげるよ?」

「マジで!?」

「うん」

 

よっし!!甘味を確保ぉ!!ヤバい。めっちゃ嬉しい。

 

「……よしくん、すごい嬉しそうだね…」

「あ……うん。最近甘いものたくさん食べられることってなかったから……」

「そうだったんだ。言ってくれればいくらでも出したのに~。お母さんたちも喜びそうだし」

「マジで!?」

「うん」

 

そんなこんな戻りながら話していたら、窓から小泉さんが見えた。

 

「……??」

 

なんか朝と比べて元気がない…?

……気になるな。行ってみようか。

 

「穂乃果さん。先に戻ってていいよ」

「え? よしくんは?」

「ちょっと用事」

「そうなの? それじゃあ」

 

どうしたんだろう、いったい……。あまりにも落ち込みすぎじゃないだろうか。

中庭にでる渡り廊下でバッタリと星空に会った。

 

「あ、星空…」

「天瀬…先輩…」

 

この際星空に聞いてみよう。……なんか態度が軟化している気がするし。

 

「星空! 小泉さんの元気がないようだけど何かあったのか?」

「……多分、授業で当てられたとき大きな声で答えたら、間違っちゃってて……」

「それで自信を無くした…ってこと?」

「自信…? 自信ってどういうことなの?」

 

あら?聞いていなかったのか?

 

「小泉さんは今日μ'sに入ろうって意気込んでいたんだ。先輩達と話して自信がついたって」

「……! かよちんが…アイドルに…!?」

「ああ。少なくとも僕にはそう言ってたよ」

 

そこまで言って星空を見ると、泣きそうな顔になっていた。僕にはわからないけど、小泉さんに関してなにかあるんだろう。

 

「先輩。その話は本当なんだよね?」

「ああ」

「だったら、引きずってでもかよちんは連れていくにゃ」

「……そこまでしなくてもいいんじゃないか?」

「ダメだよ! スクールアイドルは……アイドルは…かよちんの夢なんだから!」

 

……!!

……………ユメ、か。

そう、か。なら、だったら。

 

「わかった。僕も手伝おう」

「え…? でも……」

「いいから」

 

目の前に、手が届く場所に夢があるってのに、掴まないのは駄目だ……!

 

「行くぞ、星空」

「あ! ちょっと待つにゃ~」

 

 

 

 

 

中庭に着くと小泉さんとマキがいた。

 

「かーよちーん!」

「凛ちゃん…」

「かよちん、天瀬先輩から聞いたよ! アイドルやるんでしょ?!」

「えっ…?! いや……その………」

「いやもなんもないの! ほら、今からでも先輩たちのところにいくよ」

 

そう言って星空は小泉さんの手を掴んで歩き出した。……と思ったら反対側の手をマキが掴んで言った。

 

「待ちなさいよ! 小泉さんはもう少し練習してから行った方がいいわ」

「西木野さんには関係ないでしょー!」

「な…! μ'sの曲は私が作ったのよ!」

「「「えっ………!」」」

 

マキよ。いいのか…それで…。

 

「あっ……その…とにかく! もう少し自信をつけてからの方がいいの!」

「今すぐ連れてった方がいいの! 1度自信はついたんだから大丈夫なの!」

「あ…あの……2人とも落ち着いて」

 

でないと小泉さんが……

 

「だ………誰か助けて~!」

 

キーンコーンカーンコーン

 

チャイムが鳴ってしまった。

 

「2人ともそこまでにして。まずは授業、だよ」

 

仕方ない、といった表情で2人は手を離して教室に向かっていった。小泉さんは少しほっとしたような、それでいて残念そうな表情を浮かべて2人を追いかけていった。

 

「まだ迷ってる、ってところかな……」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「来ないね……花陽ちゃん…」

 

放課後。いつもより気合の入った練習が終わり、もう夕暮れ時だ。後は終わりの柔軟をして片付けて帰るだけ、という状態。

……が、穂乃果さんの言う通り小泉さんは来ない。

 

「……入りたくなくなったのでしょうか…」

「うーん…ことりにはそうは見えなかったけどなぁ…やる気いっぱい! って感じだったけどぉ…」

 

柔軟を手伝ってくれてる2人も心配そうに話している。……話しているのはいいんだけど…!

 

「あだだだだだ! 痛い痛い! 痛いって2人とも! 押しすぎだって!」

「わぁ! ごめん! よー君!」

「すすすすすみません! 少しボーッとしていました!」

「いたたたた……いいよ、別に。心配になるのはわかるし…あいたたたた…」

 

説得は無理だったのかな…?

でも、マキと星空の様子からすると、本当に引きずってでも来そうなもんだけど……。

 

「……まあいっか! 無理に誘ってもしょうがないしね!」

「穂乃果さん……」

「穂乃果……」

「穂乃果ちゃん……」

 

明らかに無理をして明るく振る舞っている…。寂しいのだろうか。だけど、穂乃果さんの言う通り無理には良くない。

……と、そこまで考えた時だった。

 

ガチャ……

 

扉の開く音がした。

4人とも一斉に振り返った。そこには……。

 

「ほら、かよちん」

「早く行きなさいよ」

「えっ……でも…」

 

小泉さん、マキ、星空が立っていた。

 

「ここまで来て怖じ気づいてどうするのよ!」

「そうだよ! かよちんは絶対やった方がいいの!」

「うぅ………」

 

そう言って穂乃果さんの前までやって来た。僕たちも心配になり近づいていった。

 

「あの…その……~~~~!」

「かよちん」

「小泉さん」

「「がんばって」」

 

2人は背中を押した。それに勇気づけられたのか、小泉さんの目にはさっきまでのおどおどした感じはなく、決意の光が宿っていた。

 

「わたし…! 1年の小泉花陽と言います!」

 

 

ーー大丈夫だな、もう。この子は大丈夫。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

メンバーが増えたお祝いということで、みんなで穂乃果さんの家に来ていた。

 

「てか、結局マキも入るなんてね……ククク」

「ちょっとアキ! なにがおかしいのよ!」

 

そう。あのあとことちゃんと園田さんが2人を誘っていたのだった。

 

「よかったぁ…凛ちゃんも一緒にできるんだね!」

「かよちんとできるなら、凛もうれしいにゃ!」

「2人は本当に仲良しなのですね」

「そうだよ~。凛とかよちんは仲良しなの!」

「そうなんです。でも、園田先輩も3人仲良しじゃないですか?」

「それは……」

「そうだよー!穂乃果と海未ちゃんとことりちゃんは仲良しなの!」

「えへへ☆ そうだねぇ」

 

仲良し組同士が話している。……というのにマキは…。

 

「マキ……入りたいなら入ってくれば…」

「ち、違うわよ! ただ、仲良しだなって見てただけよ!」

 

素直じゃないなあ…!あっちに放り投げてやろうかな?……いや、それはよくないか…。

 

「よーし! メンバーも増えたことだし! 海未ちゃん! 真姫ちゃん!」

「な、なによ…」

「はあ……またですか…」

「新曲! 作ろう!」

「「「「えぇぇーーーーーーー!!!???」」」」

 

2年生幼馴染組以外が驚いた声をあげた。

 

 

ーー驚いたけど、微笑ましい光景だった。みんなで笑って、楽しんで。

これからもμ'sはこんな風に進んでいくんだろうなと他人事のように思ったけど。

 

「自分もそのなかに入っているんだよな……」

「ん? よしくんなにか言った?」

「いいや、なにも」

「?? そう?」

 

 

ーーそれも悪くないかな…って、なんてね。

 

 

 

 

 




凛との絡み方は悩みましたが、このような感じにしました。
悪友?みたいなポジションのつもりです。


さあ!ついに次からあの先輩が!
……出せると思います…。

それではまた。
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