ラブライブ!~きっと青春は、~   作:日月水光

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おはようございます。日月水光です。
色々考えてると獣医を目指している設定を使うか怪しくなってきました……

思いつくことを書いていったら結構な文字数になりました(汗
今回は完全オリジナルな話であの先輩の登場です。

それではどうぞ!


#03.バイト先にてハラショーな

「いらっしゃいませ~」

 

もはや言い慣れた言葉を機械のように繰り返す……というほどお客さんは来ない。それもそのはず。ここは大通りから外れた人気の少ない場所にあるコンビニだからだ。さらにいうと時間帯が深夜というのもあるだろう。だから基本的な掃除など終わらせれば後は暇な時間となる。

 

「合計426円になります。ありがとうございました~。……ふぅ…」

 

暇だ。暇すぎる。いつも暇と言えば暇なんだけど基本2人体制のバイトなので会話で時間を潰せるため問題ない…はずなんだけど。

 

「……………………」

「……………あの」

「……何か用?」

「……いえ……なんでも…」

「そう」

 

こえぇ……!隣にいるかしこいかわいい相方さんが不機嫌そうで正直怖い……。ただ、悩んでるようにも見えるからそれを尋ねるかどうか迷ってる。

 

「なんか、こんなしてると昔を思い出すなあ」

 

独り言のつもりで言って、バイトを始めて最初の頃を思い出していた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「えと、あの、今日からここでバイトをすることになりました天瀬幸明と言います。よろしくお願いします」

「絢瀬絵里よ。こちらこそよろしくね。そんなに緊張しなくてもいいわ。もうちょっとリラックスしてちょうだい?」

 

緊張するなって方が無理だよ……!なんせ初めてのバイトだし!しかもバイトの先輩がこんなに美人な人だなんて思いもしないよ!それに絢瀬先輩の第一印象は真面目そうで冗談が通じなさそうな人って感じだし……。

 

「天瀬くんはどうしてバイトを始めたの?」

「えと、僕は独り暮らしなので……生活費を稼ぐため…ですかね……」

「ふ~ん、そうなのね」

「あの、絢瀬先輩はどうしてですか?」

「わたし? わたしは…社会勉強……かしら」

「そうなんですか」

 

初日の会話はそれっきり。とてもじゃないけど、先輩と仲良くなれるなんて思わなかった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

後から聞いた話だけど絵里さんも数日前に入ったばっかりで実質僕とあまり変わらないらしかった。だから絵里さんも緊張していたらしい。とはいえ雰囲気で勝手にかなりできるベテラン先輩とこの時は思い込んでいた。

それから数日後にある事件が起きた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

その日は台風が接近していた。当然お客さんは全く来ずに暇をもて余していた。なので、なんとか会話をしようとそれとなく近くにいて話しかけようとしていた。

 

「お客さん来なくて暇ですね」

 

なんら当たり障りのない事を言った直後に停電が起きた。

 

「うわ……真っ暗にな「きゃああぁぁぁぁ!!!!!!!」…………………え?」

 

ちょっと待って。なにが起きた?

僕は先輩に話しかけようとして?

そしたら停電が起きて?

当然店内が暗くなって?

暗くなったと思ったら先輩が抱きついてきて?

……………

…………………………

…………………………………っ!!ちょっと!!!なんで!?!?

 

「ちょっ!? 絢瀬先輩!? 何してるんですか!?」

「いやぁ……暗いのダメなのぉ………!」

「………え?」

 

絢瀬先輩が暗いの苦手ってこと?

 

「もうやだぁ……おうちかえるぅ……」

「……大丈夫ですよ。絢瀬先輩。大丈夫ですから、落ち着いてください……」

「うぅ………ぐすっ……」

「大丈夫ですから……」

 

そう言って恥ずかしさで死にそうになりながらも先輩の頭を撫でていた。

それにしても正直意外だ。絢瀬先輩は完璧な人だと思っていたから。けど、そうだ。先輩も女の子なんだよな……。怖いものの1つや2つあるのが普通なんだ。

 

「……落ち着きましたか?」

「………うん…」

「よかった。あの……それなら離れてくれたら助かるんですけど……」

「………? あっ?! ごめんなさい…!!」

 

絢瀬先輩がものすごいスピードで離れた。

 

「……えーと…その………」

「………ゴホン! 恥ずかしいところを見せてしまったわね……」

「いえ。人間誰しも苦手なことの1つや2つあると思うので」

「そう言ってくれると助かるわ。さっきのは忘れてちょうだい……」

「それは……善処します」

「今の間はなにかしら…?」

 

だってあまりにインパクト強かったし。ギャップっていうのかな?ただでさえ綺麗なのに、かわいく見えちゃったから。

 

「先輩って、かわいいところあるんですね」

「なっ!? かわいいって……!」

 

あっ。やば。つい本音が出てしまった。先輩の顔が赤くなってプルプル震えてるし怒ったかな?謝った方がいいかな……?

 

「あ、その……調子乗った事言ってすみません…」

「え? どうして天瀬くんが謝るの?」

「いや、先輩赤くなって震えてたので怒ってるのかと…」

「いいえ? 別にそんなことは……」

 

そこまで言って絢瀬先輩が悪戯っぽく笑ったかと思うと、怒った顔になって

 

「あるわね」

 

え……やっぱり怒ってるぅぅ……!?

 

「だから天瀬くんに罰を与えるわ!」

 

ええぇぇぇ………!?

 

「罰……ですか…?」

「そう。罰よ」

 

どうしよう……いったい何をさせるんだろうか……。

 

「今から天瀬くんは私の事を名前で呼びなさい。それから敬語も禁止でね」

「…………え? そんなのでいいんです「敬語!」………いいの?」

「そんなの、じゃないわよ。一緒に仕事を始めてからずっと名字に先輩だし、敬語だったからなんか他人行儀でしょ?」

「それは……そうですけ「け・い・ご!」……そうだけど……」

「だから、ね? そのかわり私も天瀬くんの事を………そうね……よし君! うん! よし君って呼ぶから!」

「………よし君ってなんか響きがかわいくないで………かわいくない?」

「あら? だからそう呼ぶのだけど?」

「………………………」

 

…………僕男なんだけど……

 

「………わかった。それじゃあこれからもよろしくね。えーと………絵里…さん」

「こちらこそよろしくね。よし君」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

あの日以降、絵里さんとは普通に話すようになって、今では姉弟のような友達のような関係だと思ってる。話すことで絵里さんの最初のイメージかどんどん崩れていって、もう今じゃ完璧に見えて時々、というか結構抜けてる人みたいなイメージになった。結論として、かわいらしい人なんだなと思う。

そんな相手に僕は緊張すると思ってたけど絵里さんが気楽に話しかけてくれるからか、もう身内と一緒にいるような感覚。一緒にいて楽しい。そんな風に思っていた。

だからこそ悩みがあるなら相談に乗りたいと思う。思うんだけど……。

 

「…………………」

 

怖い……。いや、怖じ気づいている場合じゃない……!

 

「あの……絵里さん?」

「なにかしら?」

「何か…悩んでるの?」

「えっ…………」

 

絵里さんが驚いた顔をした。どうやら当たりらしい。だったら助けになりたい…!

 

「僕で良ければ相談に乗るよ?」

「………驚いた。そんなに顔に出ていたかしら?」

「うん、まあ……」

「ありがとう。でも、よし君に話すのはちょっと……」

「どうして? なんでも言ってよ。僕は絵里さんの助けになりたいんだから」

「よし君………ありがとう。それじゃ聞いてくれる?」

「うん……! 任せて!」

 

 

絵里さんの話は自分も無関係ではなかった。音ノ木坂の廃校について悩んでるらしかった。具体的には廃校にならないようにするための対策案。絵里さんは生徒会長なので、色々と考えて理事長に許可を求めているらしい。だけど、そのほとんどが却下されているそうだ。その対策案を聞いてて1つだけひっかかってしまった。

 

「共学制度を廃止して女子校に戻す……ね」

「ええ。名前までは調べていないけど、去年から入った男子数十人が今は1人しかいないみたいなの」

「………それはなぜ?」

「私も詳しくは知らないけど……噂では女子に対して問題を起こした人や、女子ばかりの学院に耐えられなくて自主的にやめた人とかがいるみたいよ」

「……そう…なのか…」

「? どうかしたのかしら?」

「いや…なんでもないよ……」

 

色々思うとこはあるけど……まず僕は絵里さんに音ノ木坂の学生とは言ってない。だからこの案が出てくるんだろうと信じたい……。そして話の聞くかぎり必然的に1人の男子、というのは僕のことだろう。

………まじかよ…。

でも確かに問題を起こしたり自主的に退学したりとする男子に対する好意的な態度は無さそうなので、1人しかいない男子を排除するというのは良い案かもしれない。僕はそれなりの高校に行けるように手配されるだろうし……。

それよりも、絵里さんは自分の事を視野に入れていないような気がするけど……。

 

「……絵里さんは、どうしたいんですか?」

「わた…し? 私には関係のないことじゃないかしら?」

 

やっぱり……!

 

「駄目だよ絵里さん。絵里さんだって音ノ木坂の生徒なんだから」

「でも……! 私がやらないと誰が…!」

「もちろん生徒会長である絵里さんだからこそできることもあるけど……それで絵里さんの学生生活が楽しくなくなってたら意味ないよ!」

「…………!!」

「だから絵里さんも楽しくて、音乃木坂の学生も楽しくなるような事ができれば、自然と人は増えてくるんじゃないかな」

「よし君…………」

「だから……その…やりたいことをやればいいんだと思うよ……?」

「……ぷっ! あははははは!」

「……へ?」

 

なんで笑うの?僕何か変なこと言ったっけ?

 

「なんで最後に疑問形なのよ……!」

「え……だって、そんなに自信ないから………」

「最後の最後で締まらないわねぇ…。それじゃ"カッコいい男"は遠いんじゃない?」

「うぅ………余計なお世話ですよぉ……」

「でも、ありがとうね」

「………うん。どういたしまして」

 

 

その後は世間話をしていたら次のシフトの人がきて僕達は帰りになった。

 

「それじゃあお疲れ様」

「ええ。今日は本当にありがとうね」

「いやいや。これからもいつでも頼っていいからね」

「ふふっ。そうね、あてにしてるわよ。よし君♪」

「あ……! 今の絶対からかったでしょ!」

「なんのことかしら? あ、もう別れ道ね。じゃーねぇーー!」

「ちょっと!!」

 

うぅ……いつか"カッコいい男"になって見返してやる……!

 

 

 

「ただいま~」

「おかえりお姉ちゃん!」

「ただいま亜里沙。今日は早起きね」

「うん! なんか目が覚めたんだぁ~」

「じゃあ私は少し寝るから朝ごはんをしっかり食べるのよ?」

「はぁ~い! ところでお姉ちゃん?」

「ん? どうしたの?」

「なんか嬉しいことでもあったの?」

「わかる?」

「うん。いつもよりなんか楽しそうだったから」

「まあ、悩みが少し解決しただけよ」

「え? そうなの? てっきり幸明お兄ちゃんとなにかあったのかと思ったけど……」

「な……! なんでそこでよし君がてでくるのよ!」

「ちょっとお姉ちゃん! 声大きいって……!」

「あ……ごめんなさい…」

「えとね、最近のお姉ちゃんは口を開けば幸明お兄ちゃんのことばかりだったから、かな?」

「そ、そんなこと……ないわよ…? ないわよね……?」

「えぇぇ~? あるって! だからなにかあったのかなと思ったんだけど」

「な、なんにもないわよ……! それじゃ私もう寝るから! おやすみ!」

「あ……! お姉ちゃん……それじゃなにかあったって言ってるようなものだよ……」

 

 




いかがでしたでしょうか。
絵里がバイトをしている、というあり得なさそうな設定にしてみました。
そしてこの話によってμ'sに入る前から絵里は考え方が柔らかくなる予定です。

それではまたの機会に。
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