タイトル通り穂むらでの話です。
穂乃果の母親の名前を勝手に決めました。ないと動かしにくくなりますので……
今回の話は半分以上高坂家との絡みを書きたかったようなものです。
(とか言いながら文章的には短いのですが……)
それでは、どうぞ!
「「……………………………」」
「「………あの!」」
「ご、ごめん! 園田さんからどうぞ!」
「い、いえ! 天瀬くんからいいですよ!」
「「……………………………」」
「「…………はあぁぁ~……」」
…………会話が続かない。僕は今、園田さんと2人で穂乃果さんの家に向かっている。
なぜこんな状況になったかというと……
「穂乃果の家で作戦会議をしようよ!」
という穂乃果さんの一言によるものだった。昼休み学院でこれからについて会議をしようと意気込んだのだが、グループ名、曲、歌詞、衣装、といったような問題が次々に浮かんできたのだ。そこで一旦解散して穂乃果さんのこの提案だった。
僕は生徒会の手伝いで遅くなると言ったのは良かったんだけど、よく考えたら僕は穂乃果さんの家を知らなかった。それをわかっていた園田さんが気をきかせて案内をするために部活が終わってからも僕を待っていてくれた。
だからこそのこの状況なんだけど…………
「……それじゃあ僕から言うね」
「はい……」
「今日はありがとう。園田さんの案内がなかったら途方にくれるところだったよ。連絡先も知らないしね」
「いえ、きっと知らないだろうと思ったので……それならば誰かが案内しなくてはいけないと思ったので、巻き込んでしまったのもありますし当然のことをしたまでです」
「それでも、だよ。ありがとうね、園田さん」
「は、はい……あっ! それなら連絡先交換しますか?!」
「え……ああ、うん。そうだね」
僕の携帯に数少ない女の子の連絡先が増えてしまった……。そんなに使う機会はないだろうけど……。というか、友達の連絡先自体が少ない状況だ。友達がいないんじゃないよ!?高校進学してから携帯持つようになったからだよ!?
………誰に言い訳してんだろ…
「………そういえば園田さんは何を言おうとしたの?」
「え……私ですか…? えーとですね……その…………天瀬くんは……甘いものは好きですか……?」
「甘いもの? うん! 大好きだよ。それがどうかしたの?」
「いえ……今向かっている穂乃果の家は和菓子屋なので。でも良かったです。それだけ好きなら気に入ってくれると思います」
「へぇ~……そうなんだ」
和菓子屋かぁ……。そういえば2年になってから"穂むら"に行ってないなぁ………あそこの和菓子はすごくおいしいんだけど。果たして穂乃果さんの家は"穂むら"よりおいしいのかな?楽しみになってきたぞ……!
「あ……! 見えましたよ。天瀬くん」
「あれって………"穂むら"?」
「そうです。って知っているのですか?」
「うん……去年よく買いに来てたし………」
「なら案内は良かったですね」
「え………? つまり……」
「はい! あそこが穂乃果の家です!」
「…………ウソっ?!」
僕は常連と言っていいほど買い物に行っていたけど、穂乃果さんに会ったことないぞ?!いつも雪穂ちゃんか
「? どうかしたのですか?」
「い、いや…なんでも……」
「なら、行きますよ?」
園田さんが躊躇なく扉をあけた。
「いらっしゃいませ~!」
この声は……雪穂ちゃんか……?なら、まだましな気はするけど……。
「お邪魔します、雪穂」
「ああ、海未さんだったんですね。それと……幸明さん?!」
「お邪魔しま~す……」
静かに気配を消して入ったつもりが即バレた。もういいよ……来いや雪穂………!
「幸明さーーん!」
「雪穂ちゃん久しげふぅ!!?」
雪穂ちゃんが全力でタックル……じゃなかった。抱きついてきた。もうちょいゆっくりでいいとお兄さんは思うの……。
「……え? これは一体……?」
「あ、ごめんなさい。海未さん。これはですね……」
雪穂ちゃんが代わりに説明してくれた。僕がここの常連であること、よく雪穂ちゃんに勉強を教えてあげていること、そのせいか夏穂さんにとても気に入られていること、などなど。
「なるほど……そうだったんですね」
「はい! だから幸明さんとは兄妹のようなものなんです!」
「そうだね~」
雪穂ちゃんの頭を撫でながら答えた。雪穂ちゃんは気持ち良さそうにしてくれていた。ああ、かわいいなあ、癒されるなあ。こんな妹がいてくれたらなあ……。
「そうだったんですか……ふふ、本当に仲がいいのですね」
「もちろんです! それはそうと、お姉ちゃんの言ってた男の人って幸明さんのことだったんだね」
「穂乃果さんがなんて言ったかわからないけど、うん。そうだよ。」
「いきなり男の人も来るからって言うから、どんな人かと緊張しちゃったよ~」
「あはは……でもまさか、穂乃果さんの家がこの"穂むら"とは思わなかったよ」
「それを言うなら、まさか幸明さんが来るとは思わなかったよ~。あ! お母さんにも言わないと」
え゛………夏穂さん呼んじゃうの……?
「いやぁ、雪穂ちゃん? 別にそこま「お母さーん! 幸明さんが来てくれたよー!」ちょっ………!?」
雪穂ちゃんはパタパタと走って行ってしまった……。やばい………。
「……そんなに嫌なのですか?」
「園田さん……いや、その、嫌というわけでは……」
「でしたらしっかりと挨拶するべきですよ。久しぶりなのでしょう?」
「うん。それはそうなん「よしちゃ~ん! 来たならお母さんも呼んでよ~!」……来た……」
雪穂ちゃんと同じようにパタパタと走って来た。………子供か!!いや、雪穂ちゃんが子供という訳ではなく。ゆっくり落ち着いて来なさいよ……。
「あ、えーと、お久しぶりです。夏穂さん」
「本当に久しぶりねぇ……というかそのしゃべり方どうしたの?」
「いえ、いい加減僕もしっかりするべきかな、と」
「あらあら~。しっかりしようとしているよしちゃんもかわいいわね~」
「なんでやねん!!」
はっ!?もう崩されてしまった……。
「うふふ。そっちの方がか……ゎいいわよ~。やっぱり自然体が一番よ♪」
「今かわいいって言おうとしたでしょ!? というかちっちゃい声で言ったでしょ!?」
「なんのことかしら~」
くっ……駄目だ。絶対ペース持っていかれる。この人色んな意味で強すぎるよ……。助けを求めるように園田さんの方を見る。目をそらされた……。
「で、では、私は先に行っておきますね……」
「え!? ちょっと待ってよ! 僕も行くよ!!」
「あら~? もう行くのねぇ。………穂乃果をお願いね~!」
「……! はい!」
「あたしからもお願いね~!」
「はいは~い! 雪穂ちゃんも店番頑張ってね~!」
「は~い!」
夏穂さんが少し間をあけて言うときは大体真面目な話のときだ。だから、穂乃果さんをお願い、というのは本気ということ。
………まあ、それはそれとして………。
「園田さん……逃げたでしょ」
「え?! いや……その…すみません………」
「いやまあ、いいんだけどね……」
「良い人なのですが………」
「園田さんの性格なら振り回されそうだしね……」
「はい……そこは本当に穂乃果に似てますね」
嬉しそうに園田さんは言った。なんだかんだ言って高坂家の人たちのことは好きなんだろう。もちろん僕も好きだけど。絶対口には出さないけど……。いじられる未来しか見えんわ。
話してる内に穂乃果さんの部屋らしき扉の前に来ていた。
「穂乃果、ことり、お待たせしました」
「ふえ? 海未ちゃんによしくん! いらっしゃい!」
「いらっしゃ~い」
「ことちゃん、穂乃果さん、何食べてるの?」
2人で美味しそうな和菓子を食べていたから好奇心で聞いてみた。……だけだったんだけど…。
「2人とも……何をしているのですか……」
「お団子とお饅頭を食べてるだけだよ~?」
「ダイエットをすると言ったじゃないですか……!」
「「あ………」」
へ?3人ともしなくてもいいと思うけど……。まあ、こんなこと女の子に言ったらひどい目にあうと経験済みなので黙っとこう。………それよりも。
「それって……僕もした方がいい…?」
「天瀬くんは……いえ、いいです。むしろ少しぐらい太ってください」
「えぇ~! ずるいよよしくんだけ~!」
「天瀬くんを見てから言ってください!」
「確かに……よー君すごく細いもんね~」
「…………………………」
前と同じことを言われてしまった。細いのは筋肉がついていないだけで単に痩せているのとはちょっと違うんだけど……。
「今回は見逃しますが、次からは気を付けてくださいね」
「「は~い」」
「じゃあ僕、この団子と饅頭たべていい?」
「ええ、どうぞ」
「どうぞどうぞ! "穂むら"自慢の和菓子を召し上がれ~!」
「ありがとう。いただきま~す」
うまい!ん~、やっぱり美味しいな~。今日も買って帰ろうかな。
「よー君……幸せそうに食べるんだね~。……かわいい♪」
「本当に幸せそうですね。まるで穂乃果みたいです」
「穂乃果でもさすがにあそこまではないと思うけど……」
おっと。和菓子を堪能しているだけじゃ話が進まない……!
「えっと、それじゃあ話し合おうか」
「そうですね。そのために集まったのですし」
「あ! それなんだけど、ことりちゃんと話して衣装はことりちゃんが作ることになったんだ~」
「ことちゃん、衣装作れるの?」
「うん! かわいい洋服を考えたり作るの好きなんだ~」
素直にすごいなとは思ったけど、ことちゃんの目が僕を見るとき妖しく光っていたのは気のせいだろうか……。
「それでね、今日の放課後なんだけど……1年生で作曲が出来る人を見つけちゃったの!」
「え……すごいじゃん! ちなみになんて名前?」
「名前は聞き忘れちゃったけど…あはは……あと、協力してくれるかも怪しいんだけどね…」
「それでは駄目じゃないですか……」
「でも! ピアノをひいてたんだけど、すごく楽しそうだったから……きっと大丈夫!」
ピアノがひけて、作曲が出来る人か……。随分とハイスペックな人だな…。
「じゃあとりあえずその人を作曲者の候補として………作詞は?」
「そうです。曲があっても、歌がないと意味がないじゃないですか」
「それは……ねえ? ことりちゃん」
「そうだね~」
………?なんだろう。あてがあるんだろうか?
「「ね~、海未ちゃん?」」
「………え? 私…ですか?」
「うん! 海未ちゃん小学生、中学生の頃ポエムを書いてたじゃん!」
「……え゛」
おい。園田さんからすごい声でたぞ……。
「だから~海未ちゃんに作詞してほしいなって」
「い、嫌です! 恥ずかしいです!」
「まあまあ、そう言わずに……前にも書いてたんだし…」
「今考えると恥ずかしいんです!!」
「海未ちゃん……」
「ど、どうしたんですか……ことり…?」
「おねがぁい!」
あ…あれは……!僕はまともにあれをくらったのか……。自分に向けられていないのに危なかったぞ……。というか、あれを狙ってやっているのならことちゃんって……。いや、考えるのはやめよう……。
「う……はぁ…ことりはずるいです……」
「えへへ~☆」
「わかりました…私がやります」
「「ありがとう! 海未ちゃ~ん!」」
「ちょっと……! 急に抱きつかないでください!」
仲がいいなあ、本当。
「それじゃあ、とりあえずはあとグループ名だけだね!」
「あ……それなんだけど」
「……? よー君思いついたの?」
「うん。君たちのグループ名は……」
「「「グループ名は………?」」」
「……"μ's"って言うのはどうかな?」
「せっけ「違うよ」……はやい…」
誰か言うと思ってたからね……。
「確か……9人の女神とかそういうものだったような気が……」
「ほえぇ……女神かぁ……」
「それにしても天瀬くん、よく考えつきましたね」
「うん、まあね」
……本当は今日の生徒会のときに絵里さんと東條さんに聞いたら、東條さんが出してくれた名前なんだけどね。ちなみに絵里さんはふざけてんの?って言いたくなるぐらいセンスがなかった。かしこいんじゃなかったの……!
「μ's、μ's……うん! いいね!」
「はい! 私も賛成です!」
「ことりもいいと思う!」
「よーし! わたしたちは今からμ'sだ!!」
少なくとも決めなきゃいけないことは決められた。あとは細々と僕が裏で進めればいいだろう。……と思うけど、させてくれないだろうな。練習はもちろん、なにもかもを自分達で進められる、それが穂乃果さんのすごいところなんだろう。そんな穂乃果さんについて行きたくなってるから不思議なことだ。
ーーこの人なら信じられる。そんな気がしたんだ………。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「よぉーし! 明日から頑張るぞー!!」
「お姉ちゃん、さっきから1人でうるさいよ~」
「だって雪穂! 色々な事が決まって明日から………あれ? そういえば、雪穂とお母さんはよしくん……天瀬くんのこと知ってたの?」
「うん。去年からをあたし達の店の常連だし。というか逆にお姉ちゃんが知らなかったのが驚きだよ……」
「えぇー! お店に来てたの?! 全然気づかなかったよ~」
「まあ、時間的にお姉ちゃんが店番じゃないときだったけどね」
「そうだったんだ……でも、それにしたって雪穂とよしくん仲が良くなかった? もしかして……」
「そんな訳ないでしょ! あたしと幸明さんが!! 勉強とか教えてもらってたの!!!」
「えぇ!? 勉強教えてもらってたの?! って言うことはよしくん、頭いいの?!」
「どうだろう? 獣医を目指してるって聞いたことあるけど……」
「獣医……そしたら成績いいよね! 今度教えてもらおう!! 今日はもう寝よう! おやすみ雪穂~」
「え、ちょっとお姉ちゃん! 行っちゃった……幸明さん、英語だけは壊滅的だったんだよなぁ……」
今回は登場しなかった(後で登場するかもわからない)ですが、
穂乃果の父親の名前も決めています。
なんとなく最初にアニメを見たときから
4人家族で春夏秋冬を表してたらいいなとおもったので、
みたいな感じです。ちなみに
こんな設定を説明する必要があるのだろうか……
自分で書いといてなんですが、グループ名候補を頑張って出しているエリーチカさん想像したらめっちゃ可愛かったです。何か出す度に希と幸明にいじられてそうで。
それでは、またの機会に。