ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】 作:みずしろオルカ
熱と歯痛と左腕痛めていると言うトリプルコンボで更新遅れと短くてすいません。
歯と歯茎の間に菌が入ったとかで、噛むと痛いです。
虫歯ではなく炎症だそうで、ロキソニン飲んで耐えてます……。
曹護 side
冥界へ招待された。
グレモリーの眷属達が冥界へ行く便に俺とオーフィスも乗って行けるらしい。
冥界の空気は人間に毒だと言うが、オーフィスが防護壁を展開してくれるのと、俺自身が銀色の闘気を少量纏う事で緩和できるのだそうだ。
アザゼル先生の研究成果はすごいな。
基本的には、俺とオーフィスが三勢力同盟に対して友好的であると言う事を示すためのゲスト、と言う事らしい。
オーフィスも出歩く事が楽しくなってきているらしく、参加には積極的だった。
塔城と一緒にデパートに出かけた時は、お土産屋のウィンドウをジッと見つめて連れて行くのに苦労したものだ。
レーティングゲームの若手が集まる会合の様な所に居てくれるだけでいい、とグレモリーから頼まれた。
その程度なら、別段問題ない。
オーフィスも俺も、危害を加えられなきゃ大人しくしてるつもりだ。
友好を結ぶのなら、交流をしなくてはならない。
基本的なことだが、これが大変なのだ。
それに今回の様な悪魔のパーティーに出るのは危険が伴う。
魔王クラスの様な相手はそうそう居ないだろうが、逆に相手を殺してしまう可能性もある。
と言うより、グレモリーとアザゼル先生からしっかりと頼みこまれた。
まかり間違って殺めてしまった時に、外交問題になったら大変だし、襲撃なんてされたら静かな生活が台無しだ。
「駅のエレベーターに乗るわ。海原君とオーフィスは私と一緒に、朱乃はアザゼルと来てちょうだい」
「分かりました、リアス」
エレベーターに乗った後、カードの様な物をスイッチ部に当てると、ガコンッと音を立てて地下へ降りていく。
「普段使っていたのだが、気付かないものだな」
「グレモリー家のパスが無いと動かないもの。知らなくても仕方ないわ」
そう言いながら、得意気な顔をしているグレモリー。
そんなに俺の感心する顔が見たかったのか?
「部長、最近海原先輩に振り回されてましたから……」
「そんなに振り回したつもりも無いんだが?」
「そう思っているのは先輩だけです。貴族悪魔との調整や、他勢力の説明や対応で部長はお疲れです」
それは悪い事をしたな。
今度、グレモリーの為にお菓子でも作って感謝の意を示すべきか。
「ちなみに、先日先輩が作ってくれた低カロリーのカボチャのタルトは非常に好評でした。低カロリー系で攻めてみることをお勧めします」
「情報感謝するぜ、塔城」
女性はカロリーコントロールには厳しいからな。
適度な運動でカロリー消費を図るのが一番だが、摂取カロリーを調節するのも大事なのだ。
太っているから調節するのではなく、太らない様に調節する。
女性は大変なのだと、お袋から滔々と語られた記憶がある。
当時小学校高学年だった。
「着いたわ。これがグレモリー家の所有する列車よ!」
見ると、立派な紋章の付いた列車が停車していた。
地下にこんな立派な駅と列車があるとは……。
「さぁ、乗ってちょうだい。朱乃達が乗り込んだら出発するわ!」
そう言うグレモリーの表情には、まだ得意気な笑みが残っていた。
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小猫 side
部長の家に向かう列車の中で、みんなリラックスした雰囲気で移動時間を過ごしています。
そんな中でも、考えてしまいます。
海原先輩もそうだけど、私は戦車であるにも拘らず、騎士である佑斗先輩やゼノヴィア先輩、兵士である一誠先輩に比べて、火力や決定力に欠けている事。
眷属の中で、私が一番弱い。
アーシア先輩は高い治癒の力が、ギャー君はあの神器やヴァンパイアとしての能力もあるからパーティの役割をしっかり果たしている。
私だけ……。
戦車の駒の特性に頼って、力任せに戦っているだけだ。
そんなんじゃ、部長の役に立てない。
恩を返せない。
守られるだけなのは……嫌だ。
「……う? ……城? 塔城!!」
「え? あれ?」
「ボーっとしてたな。 ……寝不足か?」
問いの前に間があった。
おそらく、先輩は私が悩んでいることに気付いている。
内容は分からないかもしれないけど、悩んでいること自体には気付いている。
それでもあえて、みんなの前で的外れな質問をして気を使ってくれた。
本当に、ハイスペックな先輩です。
「いえ、ちょっとボーっとしちゃいました。平気です」
その答えに、スッと先輩の目が細くなる。
取り繕ったのもバレたかもしれない。
それでも、人間なのにあんなにも強い先輩の指導。
先輩の強さに近付けるなら、と考えてしまう。
「……そうか。ふむ……ちょっと、アザゼル先生に用事が出来たから、オーフィスを頼んでもいいか?」
「え、あ、はい。任せてください」
オーフィスさんと遊んでいた方が余計なことを考えずに済むかもしれません。
「小猫。遊ぼう」
オーフィスさんの手にはトランプやUNOなどのカード系の遊具があった。
「そういう事なら、みんなでやろうぜ! この手のゲームはたくさん人がいた方が面白いんだ!」
一誠先輩が、朱乃さんやアーシア先輩、ゼノヴィア先輩を連れてゲームに参加してくれた。
こうやって交流していれば、嫌な思考も少しはマシになります。
オーフィスさん、一誠先輩。
ありがとうございます。
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アザゼル side
「どういう風の吹き回しだ? 海原曹護」
「そういう疑問も分かるがな。塔城小猫に波紋を教える。悪い話ではないだろう?」
確かに悪い話じゃない。
波紋の文献は極端に数が少ないし、使い手なんて俺だって本当に久しぶりに会った。
こんな極東の地で会えるとは考えてもいなかったしな。
だから、波紋を本や使い手を観察して覚えると言う事が難しい。
資料が少ないのと、使い手が少ないので、本当にレアな技術になっている。
「確かに悪い話じゃねえよ。使い手が一人いれば、そこから二人目三人目が生まれる可能性があるからな」
実際、修行内容や呼吸法何かを知れれば、戦力増強なども考えられる。
「だが、俺の疑問はそこじゃねえよ。なぜ今になって、小猫の奴に波紋を教える気になった?」
これだ。
こいつは、波紋を教えることを拒否していた。
最初は、秘伝だとかそういう方向で考えていたが、こいつの行動原理を考えるとオーフィスに関わらないからだと言う考えに行きついていた。
それが、今は小猫の奴に波紋を教えると言う。
つまり、小猫の奴はオーフィスに関わるだけの人物になったと言う事だろう。
それなら海原曹護が小猫に波紋を教えようとする事にも説明が付く。
「オーフィスが気に入った。死なれても困るし、どうも焦っているように見えた」
焦っている。
それは確かにそうだ。
小猫自身も自覚しているだろうが、アイツは決定打に欠けている。
接近戦も騎士である木場やゼノヴィア、兵士の一誠に届かなくなってきているし、アイツ自身にウェイトが軽いから、威力も乗りにくい。
それを理解しているからこそ、小猫は打開しようとあがいているのだろう。
「……あいつは、色々な物と向き合っている。それを軽くしてやれるのか?」
「仙術に対して良くない印象があるのだろう? 前に頼まれた時も仙術と仙道の違いを聞かれたしな」
「それだけじゃねえ。あいつは……」
「そこは本人が話すまで聞かない」
きっちりしているこって。
これからタンニーンの襲撃を手伝ってもらうから、その時の状況を見て判断するべきだろう。
「なら、これから……」
気は進まなかったが、タンニーンの襲撃計画を話し、アイツらの出方を見る。
海原曹護は少し考えたのちにその話に乗ってきた。
養生します。
とりあえず、歯痛だけでも治したい。
一時間ごとに目が覚めるって結構拷問です。