ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 お待たせしました。

 今回は色々な説明回です。

 テンポとかの練習中で、おかしな部分とかがあるかもしれませんが、ご了承ください。


第12話 海原曹護と先祖

 小猫 side

 

 

 地獄昇柱を登り切ってからは、ひたすら組手の日々でした。

 

 でも、あの試練を乗り切ってからは、波紋の操作が格段に上手になった自覚があります。

 

 くっ付く波紋で、コップの水を逆さにしてもこぼさない様にすることもできる様になりました。

 

「ちなみに、もうちょっと上手くなるとこういう事もできるようになるよ」

 

 見ると先輩のお父さんが、指先でコップの形の水を波紋だけで維持していました。

 

 なんでしょうか、無性に腹立たしいですね。

 

「ほら、ココの所が味噌でな?」

 

 そう言いながらスッと私の方に向けてきました。

 

 逆の指先で指差された所を見ていると。

 

 パァン!

 

「うにゃ!?」

 

 いきなり破裂してびしょ濡れになってしまいました。

 

 この人、本当に先輩の父親ですか?

 

「ははは、曹護の奴が連れてきたからどんな奴かと思ったが、可愛らしい悪魔ちゃんだな!」

 

「辞めねぇかクソ親父! そのノリ、相変わらずだな……」

 

 なんでしょう、先輩が苦労人に見えてきました。

 

 この父親、自由過ぎます。

 

 残り一週間。

 

 修行ばかりの日々でしたが、自分自身でも良く分かる。

 ここに来たばかりの頃とは比べ物にならない程に強くなれた。

 

 それでも、心の中には不安がある。

 

 赤龍帝であるイッセー先輩、聖魔剣を使える佑斗先輩、デュランダルと言う聖剣を振るうゼノヴィア先輩。

 

 この三人の中で、まだ私は肩すら並べられていない。

 

「……なるほどね。こりゃ、困った悪魔ちゃんだな。曹護、レッスンは何処まで?」

 

「レッスンは3までだ。それ以上は海原家の問題になる」

 

「海原家、現当主の権限で許可する。レッスン5まで、お前が教えろ曹護」

 

「!? ……本気か? 残り一週間じゃ、どう転んでも無理だ」

 

「別に、その期限に合わせる必要はねえよ。最終的にレッスン5まで面倒見ろ」

 

 なにやら、私を置いて私の事を話し合っているようです。

 

 今日までの修行中、レッスンと言うワードは聞いてませんでした。

 話の流れから、まだ私は海原先輩に教えて貰えるのでしょうか?

 

「あの……」

 

「俺が最後まで面倒見るから、安心しろ塔城」

 

 ポンッと頭に手を乗せられた。

 

 先輩はこの言葉の意味をしっかりと考えて欲しい。

 

 前の話から、修行の面倒と言うのは理解できますが、その部分だけ聞くとまったく別の意味に聞こえてしまいます。

 

 ほら、先輩の父親がニヤニヤとこっち見てますから!

 

「双方、良い兆候……」

 

 言葉の途中でチラッと先輩の背中に貼り付いているオーフィスさんを見る。

 

「いや、三人とも……だな」

 

 そう言うとこの人は、父親の表情を見せた。

 

 この笑顔はいつもの飄々とした笑みではなく、人の親としての表情でした。

 

 ギャップが凄いです。

 

「お前ら三人は、互いに干渉し合っている。曹護はオーフィスと会って目的を得て、オーフィスも曹護と会って得たモノがあるだろ?」

 

「我、求めていた静寂をソーゴに見つけた」

 

「なるほど。そして、白猫ちゃん。お前は曹護と出会って力に対して考え、オーフィスと出会って強者と精神の違いを知った」

 

 言われてみれば、海原先輩と会ってから力に関して、特に姉様の猫又としての力に対しての恐怖や忌避の感情が和らいだ気がする。

 

 オーフィスさんと出会ってから、あれだけ強い存在が、甘いものを食べて一喜一憂している姿を見ました。

 

「オーフィスは白猫ちゃんと出会って、友達を得た。曹護、お前も白猫ちゃんと出会って変わっただろ?」

 

 先輩はその言葉に、考え込むように目を瞑る。

 

「確かに、オーフィス以外の事柄を大事にするようになったな。甘味処を一緒に回っていくうちに、不思議と心安らぐ一時を感じていた」

 

 二度も不意打ちは卑怯です。

 

 先輩の言葉は深読みなんて必要ないぐらいに真っ直ぐで、しっかりと私の心に残った。

 

 すると、今までの甘味処巡りが、デートのように感じてしまうし、もしかしたら周囲からもそう見られていたでしょう。

 

 なるほど、佑斗先輩や朱乃さんが海原先輩と甘味処に行く時に生暖かい視線を向けてきたのはそういう意味がありましたか!

 

「それでいい。最終的に悪魔ちゃんとオーフィスと一緒にお前も成長しろ、曹護。成長しなきゃ、お前の求めるモノは手に入らねえぞ?」

 

 そう言うと、先輩の父親は部屋を出て行ってしまう。

 

 ふざけているのか真面目なのか分からない人でした。

 

 ほとんどふざけている様に見えて、確信に近い所を見据えている。

 ちょっと怖いタイプなのかもしれません。

 

「そういえば、先輩。私の悪魔の翼を封じたあのシールって何なんですか?」

 

 簡単に剥がせるとはいえ、悪魔の力を封じるシールなんて聞いたこともありません。

 

 天使か堕天使の協力者でもいるのでしょうか?

 

「あれか? あれは親父の作った奴だ。親父はあれで、技術屋だからな」

 

「……!?」

 

 予想外過ぎて、開いた口がふさがりません……。

 

 

********************

 

 

 曹護 side

 

 

 レッスンとは、波紋から銀色の闘気に至るまでの大まかな流れの事だ。

 

 銀色の闘気に至るまでに必要なレッスンは五つ。

 

 レッスン1:波紋の呼吸を体験する

 

 レッスン2:意図して波紋の呼吸をする

 

 レッスン3:波紋をコントロールする

 

 ここまでが、俺が塔城に教えたモノだ。

 さらにここから二つのステップを踏むことで、銀色の闘気に至る。

 

 レッスン4:別の力と併用する

 

 レッスン5:二つの力を統合する

 

 これで銀色の闘気に至ることができる。

 

 併用の段階から難易度も上がるし、自力で辿り着くことも難しい境地だ。

 

 そして、レッスン4から海原家の秘密になる。

 

 参護の奴には教えてなかったが、技術は漏れるものだし、アイツが銀色の闘気を広めたとしても俺達海原家は波紋を続けて千年近くになる。

 

 始祖は三国志の時代まで遡れるらしいから、大体千八百年か?

 

 それだけの永い永い時を波紋と共に生きてきたのが、海原家だ。

 

 確かに、血筋も無数に分かれて、三国志時代には多くの武将が波紋を使えたと言う話もある。

 ただ、一朝一夕で俺達の、海原の波紋を超えられると思わないことだ。

 

 まぁ、それを塔城に渡そうって言うんだから、うちの親父も奇妙な趣向をしている。

 

 波紋の起こりは三国志時代まで遡るし、そこから使い手の子孫は枝分かれを重ねて広がっている。

 

 現在、三国志が起こった地には三連国という国がある。

 魏・呉・蜀のそれぞれの国が元となり、それぞれの役割を担う連合国が生まれている。

 

 日本と最も近しいのは、歴史的にも長い付き合いがある魏の国だ。

 

 俺も修行で訪れたことがあるが、あの国だけで波紋使いには数人合った。

 ただ、波紋の使い方がそれぞれ違う。

 

 枝分かれして、長い年月の中でそれぞれ独自の波紋技術を持っていた。

 

 海原家は銀色の闘気が、それに当たる。

 

 海原家の波紋は他の力を混ぜ合わせて、新たな力を生み出す事だ。

 

 レッスン3までは普通の波紋使い、レッスン4からはそれぞれの波紋の家系の修練となる。

 

 そしてその長い年月の中で、海原家は銀色の闘気、金色の闘気を身に付けた。

 

 そして、俺の代で至ったのが、白金の闘気。

 

 ただ、やっぱり生命力を源泉にした力は、どうしても枯渇する。

 

 銀で二種類、金で三種類、白金で四種類だ。

 

 そのどれもが生命力を源泉としている。

 故に、使用量と回復量が釣り合わない。

 

 銀色なら、無限活性と無限強化の影響で生命力の回復も上がり、収支は合う。

 しかし、金色以上になると俺の生命力で金色なら三十分、白金は五分が限界になる。

 

 あくまでも俺ならばの話だ。

 

 参護なら銀色で三十分前後だろう。

 鍛えれば俺以上にはなるだろうが、最後の頃から成長したと考えても大体このぐらいだろう。

 

 正直、俺が白金の闘気に至ったのは、人間にしては異常な程の生命力があったからだ。

 

 それを持ってしても、白金の闘気は五分が限界。

 オーフィスに絶対超えるなと言われた時間が一分。

 

 有限の身には過ぎた力らしい。

 

 だが、悪魔なら金色の闘気を使いこなせるだろう。

 

 塔城小猫。

 

 お前は、この力をどう使うだろうな?

 

 見せて貰おう。

 

 その為には、参護並みに鍛えてやるから覚悟しておけよ?

 

 

********************

 

 

 小猫 side

 

 

 今、私の死亡フラグが立った気がします。

 

 それはさておき、今私はゲームをしています。

 

 修行しろよって?

 

 余暇の時間なのですが、そこでの自主鍛錬は先輩に禁止されてしまいました。

 

 オーバーワークで倒れられると訓練メニューを組み直す必要があり、そうすると総合的に完成度が低くなるなんて言われれば、こうして休まざるを得ません。

 

「悪魔ちゃん、無双ゲームやろうぜ。知ってる無双ゲー?」

 

「知ってますが、なんでここにあるんですか」

 

 魔術師の家ですよねココ?

 

「俺と嫁さん達でやるんだよ。あと、三国志は俺も無関係じゃないし、ついつい集めちゃうんだよね」

 

 嫁さん”達”?

 

 もしかして、イッセー先輩と同類の人でしょうか?

 

「先輩、嫁さん達って……」

 

「ああ、このクソ親父には子供が三人いる。全員異母兄弟だな」

 

「複雑な家庭ですね」

 

「そうでもない。お袋達も納得しているし、二人のお袋も本当の息子の様に接してくれている。それに、このクソ親父もいい感じに因果応報なことになってるしな」

 

 そう言われた、先輩の父親は今までの高いテンションが嘘のようにがっくりと肩を落としている。

 

「護るって誓ったさ……。だけど、世界各国の旅行とか……俺の身体は一つしか無いんだぜ?」

 

 ブツブツと肩を震わせながらつぶやく先輩の父親は、なんというか苦労しているようです。

 

「ククク、このクソ親父。一か月間、お袋達と海外旅行に行ったんだけどよ。全員で一回、個別に一家ずつ。合計四回海外旅行に行ったんだ」

 

 ……それは、また。

 

「スケジュールの都合でな? 全員揃ってローマに行き、一週間で二人帰って一人とロンドンへ、その後日本に一緒に帰って、別のお袋とフランスへ、帰ったら別のお袋とオーストラリアだったか? 休憩なしの強行軍でヘロヘロになってた」

 

「うっせぇ! 夫婦水入らずの旅行だってお前らは来ねえし、疲れて相手できねぇなんてことはしたくないから波紋にまで頼って頑張ったんだぞ! その後三日は寝込んだし……」

 

「優柔不断が悪いと思います」

 

「ぐぬっ……!? 曹護! この悪魔ちゃんが正論を!」

 

「正論なら仕方ねえだろ」

 

「そうッスね……」

 

 涙目でゲームをセッティングし始める。

 

 ゲームはやるんですね。

 

 三国志時代を題材にした無双ゲーム。

 

 様々な武将がプレイヤーキャラとして使用可能で、その多様なキャラクターと史実を元にしたマップとイベントが人気のシリーズですね。

 一般兵を一薙ぎで吹き飛ばせるのはとても爽快です。

 

 これは最新作の7ですね。

 

 三国志は有名武将が何人もいますが、7で新たに追加された武将が海央と言う武将です。

 

 モーションは刀。

 範囲パワータイプで、無双は加速して一定距離を進んだら止まり、方向を調整したら再び加速。

 その繰り返しで、その間の通り道に居る敵キャラを吹き飛ばすモーションです。

 

 史実だと、程昱の部下として活躍した武将で、忠義に厚い将であったとのことです。

 

 曹孟徳も、彼を指して忠臣の鑑と言ったほどだとか。

 

「ほら、ゲームやろうぜゲーム! 海央追加が嬉しくてよ。俺達の先祖らしいからさぁ」

 

 色々と納得しかけましたが、なんで日本に三連国の武将の末裔が居るのですか。

 

「ったく、悪いな塔城。付き合ってやってくれ、お詫びと言っちゃなんだが、ココアとシュークリームだ。お手製だから感想よろしくな」

 

 なんと、先輩特製のシュークリーム!

 

 先輩の背中ではすでにオーフィスさんが頬にクリームを付けながら食べてますし、これは素晴らしい出来だと予想できます!

 

 このためなら、ゲームだってやりますよ!

 




 Fate/Go やってますが、中々大変です。

 執筆時間の合間でやってるので、中々……。

 エミヤと清姫の霊基しか出せてません。

 マシュ可愛いね!

 結構好みの属性多く持ってますから、たぶん使い続けるでしょう。

 星五つのサーヴァント欲しいなぁ。
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