ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】   作:みずしろオルカ

15 / 31
 お待たせしました。
 活動記録にも書いてましたけど、一話抜かして執筆してました。

 小猫ちゃんのシーンなのに!!

 ガチで疲れてるようです。

 さて、前知識を書きたいと思います。

 活動記録や感想の返信とかで書いてますが、この世界観は恋姫無双があった世界です。

 なので、この世界には中国は無く、三連国と言う国として存在しています。

 魏・呉・蜀がそれぞれの地域を統治していて、国としての中枢機関へそれぞれが何名かを派出して運営している形になります。

 日本との交流が一番多いのは魏で、これは当時から魏と日本の交流が盛んだったことが原因です。

 波紋は、そこで生まれ、そこで色々な所へ派生しています。

 前知識が多くてすいません。

 独自設定と言う事で、許してください。


第15話 その一歩

 小猫 side

 

 

 懐かしい気配。

 

 会いたくて、それでも会いたくない気配。

 

 姉様……。

 

 その気配は、森の中から発せられていた。

 

 それを感じたら、居ても経っても居られずにその場に来てしまった。

 

「私の気をちょっと送っただけで、すぐ来てくれるなんて、お姉ちゃん感動しちゃうにゃあ」

 

「黒歌姉様!」

 

 私の、姉様。

 

 たった一人の身内で、私を裏切った人。

 

「ここに来た目的は何ですか?」

 

「白音、あんたを迎えに来たにゃ。前は逃げるのに必死で、連れて行ってあげられなかったからねえ」

 

 なにを今更! っという感情と僅かにでも迎えに来たと言う言葉に揺れるものがあった。

 

 それでも、私は部長やイッセー先輩、海原先輩やオーフィスと別れたくない!

 

「なあ、黒歌。そこに隠れてる二人、ずっと無視するつもりなのか?」

 

 その孫悟空の言葉に出てきたのは、部長とイッセー先輩だった。

 

 私が抜け出したのが見えたのでしょうか?

 

「オレっちや黒歌の様に仙術を知ってっと、気の流れですぐにわかんだよねぃ」

 

 気の流れ。

 

 仙術の索敵術の一つでした。

 

「そして、仙道には気の流れを周囲に融け込ませる術がある。結構前から居るってのに、気付かねえんだもんな」

 

「!?」

 

「にゃ!?」

 

 その言葉は、姉様の座っている木のと同じ場所。

 

 幹を挟んで反対側に、海原先輩は座っていた。

 

「海原先輩!」

 

「海原君!」

 

 部長と先輩が、海原先輩を呼ぶ。

 

 この場にいる誰もが、先輩の存在を認識できなかった。

 

 仙術を習得している姉様や孫悟空の感覚を欺くことがどれ程の事なのか。

 それはしっかりと理解できる。

 

 姉様の強さは、誰よりも知っているから……。

 

「ダメです先輩! いくら先輩でも、姉様には!!」

 

 海原先輩が、座っていた木から予備動作無しに飛び上がり、私と姉様の前に降り立った。

 

 それと同時に背中に張り付いていたオーフィスさんが下りて来て私に抱きついて来た。

 

「え? あの、オーフィスさん?」

 

「小猫、行っちゃダメ」

 

 ギュッと、私に抱きついて離れないオーフィスさん。

 

 無表情ではあるのですが、わずかに眼元が潤んでいる様に見えます。

 

「ヤベェな。妹ちゃん呼び出すのに、鬼も一緒に呼び出しちまったか……」

 

「誰にゃん?」

 

「コカビエルの奴をメッコメッコにした、人間」

 

「うっそ、あれヴァーリなりの冗句じゃなかったんだ」

 

「ヴァーリの奴がそんな冗句言えるかっての」

 

 そういえば、空中に放り投げられたコカビエルを回収したのは白龍皇でした。

 

 なら、先輩の戦闘を見ていてもおかしくは無いでしょう。

 

「ダメです、先輩。姉様は……!」

 

「大丈夫、ソーゴ強い」

 

 孫悟空と会話していた姉様が、木から降りて来て私や部長、イッセー先輩を見回す。

 そして、最終的に先輩に目線が止まった。

 

「あんた、ほんとに人間?」

 

「どっからどう見ても人間だろうが」

 

「いや、それは無理があるッス!」

 

 先輩の言葉に、ツッコんだのはイッセー先輩。

 私も、人間と言われても素直に頷けないです。

 

 堕天使の幹部を拳で打倒して、旧魔王の血筋の悪魔を塵も残さないぐらいに消滅させて、人間ですか?

 

「なら、毒なんてどうかしら? 悪魔にすら効く高濃度の毒にゃよ」

 

 その瞬間、周囲に黒い霧が立ち込めてきた。

 私と部長は、急に具合が悪くなり、その場にしゃがみ込んでしまう。

 

 これが毒!?

 

「にゃ? 悪魔や妖怪には効いたのに、ドラゴンには効かにゃいのね」

 

「おい、黒歌。目を逸らすな。あの人間も立ってるからな?」

 

 何で先輩は!?

 

「波紋の呼吸は治癒能力を高めるにゃ、毒を体外に排出するのも治癒能力に含まれるから、私の毒を受けてすぐに体外に排出してるのね?」

 

「そうだ。新陳代謝を活性化して、毒を外に出している。おかげで、さっき食べてた料理分のカロリー持って行かれてるぜ」

 

 なんか悔しいです。

 

 妖怪で悪魔なのに、人間である先輩が立ってて私が動けないなんて悔しい。

 

「ああもう、めんどくさいにゃ。……殺しちゃおう」

 

 姉様の声の温度が下がった気がします。

 

 本気で、姉様は先輩に殺意を向けている。

 

 だめだ。

 

 いくら、海原先輩でも今回は分が悪い。

 

「そこの人間は、波紋の呼吸を使っているから強くなってるんでしょ? なら、そのアドバンテージを無くしてあげるにゃん」

 

 そう言い放つと、姉様は全身から電気の様な気を放つ。

 姉様の波紋……。

 

「波紋は君だけの特技じゃないにゃん」

 

 魔法・仙術・仙道

 

 姉様はそれ以外にも妖力も使える。

 

 姉様はあれから成長しています。

 

 

********************

 

 

 黒歌 side

 

 

 白音。

 

 私が置いてきてしまった。

 大事な大事な妹。

 

 グレモリーの眷属になったから、障害はリアス・グレモリーだけだと思ってたけど、それ以上の障害が目の前に居る。

 

 海原曹護。

 

 コカビエルを倒して、旧魔王派のカテレアの奴を消滅させた男。

 

 波紋の力を扱う人間と聞いている。

 

 だけど、私だって波紋の呼吸は習得済み。

 波紋発祥の三連国で習得した本場仕込みにゃ。

 

「私の波紋は、三連国でも波紋使いとして歴史ある家の波紋にゃ。極東に流れてきた流派じゃ、相手にするのは難しいんじゃないかにゃ?」

 

「海原の波紋を舐めるなよ」

 

 確かに人間が練る波紋としては破格の量にゃ。

 

 でも、妖怪で悪魔な私が練る波紋と比べれば、まだまだにゃん。

 

「波紋の奥義って知ってるかにゃ? 波紋の本場、三連国の武将の家系から習得した技、味わってみるかにゃん」

 

 もちろん、波紋だけじゃない。

 妖術も仙術も全部使って、白音を連れ戻す。

 

「波紋奥義・四元絡繰人形」

 

 地面に特殊な波紋を流し込み、次々と人形を作っていく。

 自立型の土人形。

 

 水・火・土・金属、これらを波紋で人形に変えて使役する。

 強さは使い手次第だけど、私ならかなりの人形が使える。

 

「どうにゃ? 波紋を使うあんたなら、理解できるはずにゃん。一体一体が上級悪魔並み、それも私の波紋が続く限り何体でも生産可能。恐ろしいかしら?」

 

 無言。

 

 当然にゃ。

 カテレアクラスとは言わないけど、上級悪魔が四体。

 まだまだ増やせる。

 

 カテレアやコカビエル相手に圧倒したのだろうが、一対一の戦いでだ。

 

 私も加えての戦い、これで白音にこちら側に来てもらうにゃん。

 

「それは、李家の奥義だな。三連国の魏で三羽鴉として名を馳せた、李典将軍を祖とする一族の奥義だ」

 

 男はそう言った。

 

 確かに、三連国の魏の区画に住んでいた将軍の一族から盗んだ技だ。

 

 だけど、なぜこの男が知っている?

 

「李典将軍は、絡繰りを好んでいた。その気質が波紋の奥義にも影響しているんだ」

 

 男を中心に銀色の突風が起こった。

 

 銀色の闘気なんて気功や波紋が微妙な加減でそう見えているだけかと思ったけど、これは本当に銀色の闘気だ。

 感じる力の奔流がさっきと比べて跳ね上がった。

 

「な、何が言いたいのかにゃ?」

 

「李家の奥義がある様に、海原家の奥義があるんだよ。それがこれ、銀色の闘気だ」

 

「そ、その程度なら……」

 

「そして、俺の親父の代で一つ上が出来た。……オーフィス?」

 

「30秒……それ以上はダメ」

 

「大盤振る舞いじゃねぇか?」

 

「小猫、友達。嫌がることするの許せない」

 

 ありゃ、オーフィスに嫌われたかにゃ?

 

 それに、なんかまずい雰囲気……。

 

「オーフィスがご機嫌斜めだから手早くいこうか。これが金色の闘気だ」

 

 そう行った曹護の周囲。

 彼を中心に金色の竜巻が起きた。

 

 それを見た瞬間。

 私の野性の本能が警鐘を鳴らした。

 

 逃げろ!

 動くな!

 

 相反する二つの警鐘。

 

 勝てないから逃げろっという警鐘と、下手に動くと殺されるっという警鐘。

 

 全身から汗が吹き出しているのに、寒い。

 

 この男に勝つ?

 

 無理にゃ!

 

 

********************

 

 

 曹護 side

 

 

 金色の闘気。

 

 親父の代で完成した銀色の闘気を超える奥義。

 

 親父で十五分。

 俺で三十分。

 

 だが、大抵はそんなに必要ない。

 

 今回だって威嚇に近い目的での使用だ。

 

 三十秒。

 

 殺気を込めて、この黒猫娘に闘気を当ててやる。

 

「ぅ……ぁ……」

 

 金色を抑えて、銀に戻す。

 

 さすがに、冥界で銀を解く訳にはいかない。

 

「一人で妹を護って来たんだろう? 命護るだけならできる奴は多いんだよ。お前なら、その先の心まで護れるだろう?」

 

 この黒猫娘は、それだけ強いし、強くなる。

 

 塔城にとっても、大切な人らしいし、この娘も彼女の事を大事にしている。

 

 ただ、大事にするやり方を知らないだけ。

 

「護るってのはな? 箱に入れて棚に飾る事じゃねぇんだよ。大切なら、笑顔で居られる様にしてやれ、心を護ってやれ」

 

 聞こえているかは分からない。

 

 青い顔してカタカタと震えているが、瞳は俺を映しているようだし大丈夫だろ。

 

「仙術も妖力も波紋も使えるんだ。その強さは、塔城の笑顔を奪う力じゃない、笑顔と心を護る力だ」

 

 そう言い残すと、離れて塔城とグレモリーの毒を波紋で抜いてやる。

 

 治療中に黒猫娘は帰って行ったようだが、どう変わってくれるか。はたまた変わらないか。

 

「先輩」

 

「どうした塔城」

 

 孫悟空と戦って禁手化した兵藤と会場へ戻る道中だった。

 

 ずっと黙っていた塔城が突然声をかけてきた。

 

「曹護先輩って呼んでも良いですか?」

 

「別にかまわんぞ。いきなりどうしたん……」

 

「代わりに、私の事は小猫と呼んでください」

 

 名前で呼ぶか。

 

 確かに俺は苗字呼びが基本だし、仲がいい後輩と名前で呼び合うのもいいかもしれない。

 

「分かった。よろしくな、小猫。俺の事は曹護でいい」

 

「はい、曹護先輩」

 

 そう言いながら、俺の肩に乗っかってきた。

 オーフィスはすでに肩に乗っているからバランスが取れた。

 

「ソーゴ、小猫と仲良し?」

 

「ああ、友達だ」

 

「我も、小猫と友達。ソーゴと友達?」

 

「おう、三人全員友達だ」

 

「そう」

 

 つぶやいたオーフィスの声は嬉しそうだ。

 

 黒猫娘にはエラそうに説教したが、俺自身がオーフィスの心を護れているだろうか?

 

 心を護ると言うのは、目に見える部分が少ない。

 

 オーフィスの心、小猫の心、命は当然だが、これらを護って行けるだろうか?

 

 俺は二人を護る。

 

 この空間を、大事にしたい。

 

 そう思えるのだ。




 遅れに遅れて、この体たらく。

 申し訳ありません。

 次回は、間違えて書いた分があるので、少しは早く投稿できると思います。

 意識を飛ばしながら書いてますので、文がおかしい所があるかもしれませんが、見つけましたらご指摘いただけると助かります。

 え? クリスマス?

 執筆です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。