ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】 作:みずしろオルカ
目処としては、ロキですかね?
それまではお付き合いいただけたらと思います。
リアス side
ディオドラ・アスタロト。
アスタロト家の当主候補にして、若手悪魔の中でも実力者。
現魔王を輩出した家系でもあり、その実力は折り紙付き。
そんな悪魔が、私の眷属であるアーシアに告白をした。
それだけなら、本人の意思で決めていく事柄なのだけれど、その先がいけない。
ディオドラは、その後にアーシア宛てにたくさんの貢物を送ってきたのだ。
それこそ、教会で質素な生活をしていたアーシアにはどうしていいか分からない様な物をたくさん……だ。
徐々にイッセーの家も置き場が無くなってきており、それに比例するようにアーシアの心労は溜まっている。
小猫も、アーシアの傍に居てフォローを怠っていない。
イッセーも彼の行いには苛立ちを隠してないし、正式に抗議するのも方法かしら。
「求婚、イヤなもの?」
「相手に寄るな。心に決めた人が居るなら、過剰な好意は迷惑になる場合がある」
「加えて、アーシア先輩は教会で質素な生活をしてきていましたから、豪華な贈り物は負担になるようです」
「たくさん贈り過ぎるとダメ。覚えた」
最近は小猫も海原君とオーフィスの掛け合いに参加するようになっている。
お菓子を毎回持って来てくれるので、オカルト研究部の密かな楽しみとなっている。
今日は、サツマイモのモンブランタルトだった。
タルト生地はバターではなく、ココナッツオイルを使っていて、独特の風味が香りに良いアクセントを加えている。
よくも毎回違うお菓子を作って来れるものだ。
小猫も最近は、お菓子作りの腕が上がってきているし、海原お菓子作り教室とでも名付けようかしら?
それはさておき、問題のディオドラだ。
無遠慮な貢物を大量に送ってくるだけでも、アーシアの負担になっているのに、それに加えて更に私との眷属の交換を提案してきた。
そんなもの、当然却下してやった。
グレイフィアの提案で、レーティングゲームでの決着を提案された。
と言っても、レーティングゲームでアーシアを渡す渡さないではなく、アーシアへのアプローチを続けるか辞めるかだ。
それだけでも十分な行動する理由になる。
決定的だったのが……。
海原君と明確に敵対したことだ。
イッセーを挑発する目的もあっただろうあの一言。
「薄汚いドラゴン風情が」
その言葉を吐いた途端に、ディオドラの右人差し指はあり得ない方向へ曲がった。
まるで、自身を指しているかのような形に曲げられたのだ。
あの時の会話は、正直胃が痛くなる思いをしたものだ。
○○○
「がぁぁぁ!? 貴様! 人間風情が僕の指を!」
「あるじゃねぇか。ご丁寧に薄汚い奴を指差しているだろう?」
「僕にこんなことをして! 現魔王の血筋である、上級悪魔であるこの僕にこんなことをして!」
「その最上級悪魔である魔王から、直々にオーフィスに絡む奴にオシオキする権利が与えられててな? 代わりにテロリストの殲滅とかの仕事が来るがな」
「ぐっ!」
○○○
そのまま、転移魔法で帰って行ったけど、私達としてはそれで終わりにはならない。
魔王であるお兄様に報告して、学校内で起こった出来事だからソーナに報告して、堕天使総督であるアザゼルは目の前にいたから、天使代表であるミカエル様にも報告して……。
「リアス、ハーブティーですわ。少しおやすみなさいな」
朱乃が香りの良いハーブティーを入れてくれた。
その気遣いに、心がほぐれるのを感じる。
「ありがとう、海原君の持って来てくれたタルト。みんなで頂きましょうか」
海原君の起こすトラブルのストレスを癒すために、海原君の作ったお菓子を食べる。
奇妙な構図になっているけど、それほどに彼の作るお菓子は美味しい。
サツマイモの風味とタルト生地から香るココナッツの良い香りが食欲を刺激してくれる。
「僕が切り分けますね。部長は座っていてください」
眷属達の優しさが滲みるわ……。
********************
アザゼル side
禍の団との繋がりが疑われているアスタロト家の次期党首。
そいつが曹護の奴にボコられて泣き帰ったが、当然の如くオーフィスに絡むなと言う魔王直々の命令に違反したことで、誰もフォローに回る奴が居なかったらしい。
まぁ、当然だわな。
期待の新人とはいえ、黒い噂が絶えない上に魔王の命令に違反した奴と、無限龍という危険な存在だが手を出さなければ安全である上にこちらの面倒事を手伝ってくれる存在。
俺としちゃ、普通に後者を選ぶね。
あのスカした態度が、一瞬で崩れる様は見ていて面白いものがあった。
動くとしたら、レーティングゲーム。
禍の団は、色々な所にスパイを潜り込ませているだろう。
旧魔王派は、禍の団の主流だろう。
もし、今回の策で釣れるようなら、しっかりと関係を洗い直す必要がある。
旧魔王派が現魔王の血族に接触したルートなどはしっかりと見つけないと、今回のようなことが何度も起こってしまう。
海原の奴を敵視していたようだから、あいつらを攻撃することも考えられる。
今回も海原の奴に依頼を出す必要があるな。
あの男の戦闘能力は、悔しいがそこらの悪魔や天使・堕天使なんかよりもずっと強い。
それに、グレモリー眷属の中では小猫との仲が一番良い。
もしかしたら、小猫が参加している……いや、小猫がエサにされている作戦には乗ってくる可能性が高い。
むしろぶん殴られそうだが、そのあたりは俺様が説得するしかない。
実際、レーティングゲームは避けられないし、これを機に悪魔側の内通者を炙り出さなければ、小猫だけじゃなく、グレモリー眷属全体に被害が及ぶ可能性があるのだ。
納得させるしかない。
サーゼクスだって、妹を危険に晒すような選択をしたんだ。
申し訳ないが、海原曹護には嫌でも手伝ってもらうしかあるまい。
身中の虫を出すための痛みとはいえ、嫌な役回りだぜまったく。
この作戦の責任は、俺の命一つじゃ足りないだろうな。
だが、必要なことだ。
仕方ねぇ、嫌な役回りはとっととやっちまおうかね。
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曹護 side
イラつく話だが、理解はできる。
あの優男の貴族悪魔が、禍の団と繋がっている疑惑があり、それをいぶり出すためにグレモリー眷属とのレーティングゲームを利用するか。
小猫が危険になるが、それ以上に冥界が騒がしくなれば、駒王学園にまで飛び火するだろう。
そうなれば、確実に面倒事が増える。
グレモリーの性格から、囮だけでは終わらないだろう。
そのまま戦線に加わるはずだ。
なら、俺がやるべき事は一匹でも多くの敵を仕留める事だろう。
「オーフィス。今回の戦いも、戦う」
「うん。でもソーゴ、我の為に戦うから、無理する。身体休める」
オーフィスはソファを指差してジッとこちらを見つめてくる。
そう言えば、小猫がここに通うようになってからは中々やってあげられなかったな。
「そうだな。少し横になるか」
「上着脱ぐ」
「え?」
「上着脱ぐ。シャツも脱いでくれればなお良い」
……兵藤か?
いや、小猫の奴も案外こういうトラップを仕掛けるのが上手いからな。
探して、お仕置きタイムだな。
「上着とシャツ抜いで、休む」
これは、聞かないパターンだ。
仕方ないな。
言われた通りに、脱いで寝るか……。
「言われた通り。温かい、トクントクンがよく聞こえる」
上半身裸の状態で、胸にオーフィスが耳を当てて乗っかっている。
正直、恥ずかしいのだが、心地良さそうなオーフィスの表情に、辞めてくれとも言えない。
彼女の体温が直に肌に伝わってくる。
「ソーゴ、小猫いないと寂しい」
「アイツは今、ディオドラとかいう悪魔とのゲームに向けて、訓練中だからな」
「小猫、ソーゴと一緒に居ると楽しい事いっぱい教えてくれる。小猫と一緒に居ると面白い」
そう言えば、俺の両肩に乗っかったり、オセロや将棋なんかのボードゲームを教えたりしていた。
ドカ〇ンや〇鉄をやり始めた時は、驚いたモノだ。
オーフィスめちゃくちゃ強いんだよ。
ドカポ〇や桃〇。
運も良いし、狙う相手も上手い。
この前なんて、桃〇で一ターンで目的駅に到着されたことがある。
「ソーゴ、前に弟の話してた。会ってみたい」
「アイツか? 俺もどこに居るか知らねえしな。穴を開ける妖怪が連れて行ったぐらいか?」
「……心当たりある。もしかしたら、会えるかも?」
めずらしい、オーフィスがそんなことを言うなんて。
俺と出会う前は、ドラゴン同士でも交流はしてなさそうだったが……?
「ちょっと、ソーゴのトクントクンが早い? 疲れてる?」
「疲れてると言うよりは、緊張かな?」
「緊張? 我はうれしい。温かいし、きもちいい」
その言葉で、表情は緩んでいた。
驚いた。
小さいが笑みを浮かべていた。
そういう風に反応してくれると、俺としても嬉しいのだ。
だからいろいろ買ってきてしまうのだろうな。
対戦系のゲームが凄い勢いで増えているのは、甘やかし過ぎだろうか?
「……ちょっと、眠い。ソーゴ、抱き締めて……」
やばい、すごくかわいい。
しかし、半裸の状態で幼女を抱き締めて眠るって、如何わしいことこの上ないな。
こんな状態を、人に見られたら……。
「曹護先輩、部長が次のゲームに向けてイッセー先輩たちの訓練を……」
タイミングってあるんだな。
「あー、小猫? 誤解だと思うんだ」
「半裸で、幼女抱き締めてる姿でどう言い逃れをするのですか?」
「言い逃れできねぇなチクショウ!」
どう考えてもアウトだよな!
小猫じゃなかったら、国家権力のお世話になってるわ!?
「……小猫?」
「あ、起こしちゃいましたか?」
「いい。小猫の言うとおり、肌と肌が触れ合っているとキモチイイ」
犯人発見。
「にゃ!? 先輩、これはですね……?」
オーフィスを焚きつけておいて、犯罪者扱いとは……。
お仕置きかね?
「小猫も来る」
「にゃ!? 私は良いですって……! オーフィスさん!?」
そのまま、オーフィスに引っ張られて、彼女の隣に納まる小猫。
策士、策に溺れるって奴だね。
「まさか、先輩への話だったのですが、私が受けることになるなんて……」
オーフィスに巻き込まれて、俺の胸に納まる小猫。
俺も恥ずかしいが、オーフィスがもう眠っているので動くわけにもいかない。
「……にゃー」
顔を紅くして、身体を丸める様にして、腕の中に居る彼女がつぶやいた一言が破壊力抜群だ。
こいつも可愛いな!?
side形式にしているのは、誰視点かわかり辛いと言う指摘が多くありましたので、この形にしています。
私の実力不足なので、あまり胸が張れないのですが、この形式にしているのは理由があることをご理解いただけたらと思います。