ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 あけましておめでとうございます。

 本当は去年の内にあげたかったですが、書きあがりが午前三時です。

 申し訳ありません。

 打鉄=うちがね

 ですので、報告します。


第17話 禁手化 打鉄

 アザゼル side

 

 

 予想通りの展開だ。

 

 ディオドラ・アスタロトの奴は、禍の団と繋がってやがった。

 

 レーティングゲームで見せた、土壇場での急激なパワーアップは、オーフィスの蛇だろうな。

 オーフィスが禍の団を抜ける際に大量に置いて来たと言っていた。

 

 そういう契約で抜けたのだろう。

 

 だから、回収しない。

 

 オーフィス自身が回収できないから、海原曹護の奴が回収しているといった所か。

 

 あいつは今回の作戦に参加している。

 

 おそらく、ディオドラの奴が持っている蛇、他に襲ってくるだろう幹部クラスの奴らが持っている蛇を回収する算段なのだろう。

 

 今、曹護の奴は打鉄で無双中。

 オーフィスは次元の狭間に隠れて曹護の傍に居るらしい。

 

 蛇の回収をしないと言う約束をして、禍の団から抜けてきたから戦闘に参加することはできないらしい。

 

 役に立たねぇなっと考えた途端に曹護の奴の闘気が強くなったので心の奥底に沈めたが。

 

 さすがに俺様の手がディオドラのボンボンみたいに自分を指差した状態になるのは勘弁だからな。

 

 オーフィスは禍の団の件には関わらないだろう。

 大分変異しているが、立派な無限龍であり、無限の名を持つ龍だ。

 

 契約なのか口約束なのかは知らないが、破棄して蛇を一気に集めないのは、何らかの理由があるのだろう。

 

 だから、曹護が集めている。

 

 蛇と言えど、オーフィスの一部。

 

 禍の団がそれらを使って何かをしようとしているなら……。

 

 海原曹護の奴。

 俺らに何も言わずに、何をしようとしている?

 

 この懸念事項を解消するには、まだ早そうだ。

 

 奴が俺ら三勢力同盟に協力している理由。

 

 それがもし、オーフィスの蛇に関する事なのだとしたら……。

 

 想像以上に厄介なことになっているのかもしれねぇな。

 

 

********************

 

 

 小猫 side

 

 

 不快。

 その一言に尽きる話の内容。

 

 ディオドラという悪魔は、アーシア先輩が教会を追われ、神器を抜き取られて死に、悪魔に転生することになったきっかけの事件。

 それを、アーシア先輩を陥れるためだけに起こした。

 しかも、アーシア先輩ももしかしたら、ここまで戦ってきた眷属達の様にされていたかもしれない。

 

 そう考えると、怒りで一瞬呼吸が乱れそうになる。

 

 八つ当たりと言われるかもしれない。

 それでも、私は……!

 

「私が行きます」

 

 フリード・セルゼンだったキメラ。

 

 彼と戦おうと佑斗先輩が名乗り出る前に、私から立候補しました。

 

 あの男相手に時間はかけられません。

 

「なんですかぁ~? 赤龍帝でも聖魔剣でもなくて、聖剣使いでもない、ただの妖怪からの転生悪魔が俺様を倒そうってかぁ? あの人間モドキの半端野郎に夜の訓練でもしてもらって自信でも付いた……か……? ぁ……」

 

 先輩の悪口は許しません。

 

 キメラになっていても残っていた人としての形。

 正中線。

 

 そこに拳を撃ち込み、最大出力の波紋を流し込んだ。

 

 先輩は波紋疾走と言っていた。

 

山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)……!」

 

 全身に流し込んだ波紋が、相手の全身を焼く様に溶かす様に体中を巡り、やがて頭部だけを残して爛れ落ちた。

 

「なんだソレ……。強過ぎンだろ……」

 

 そう呟いてからすぐに波紋が頭部すら破壊した。

 

 曹護先輩が言っていた通りだ。

 

 私は妖怪からの転生悪魔。

 

 姉様が強い波紋を練れるように、私も基本的に強くて多くの波紋を練れるようです。

 

 あの時、姉様が見せた波紋の奥義。

 あれは別の家の奥義だと言っていましたが、先輩は私も奥義にたどり着ける程度の資質があると言ってくれた。

 

 海原家の奥義は銀色の闘気と言っていました。

 そして、曹護先輩の父親の代で、金色の闘気に至ったと言っていた。

 

 先輩は私に銀色の闘気を教えようとしてくれている。

 そこからは、私次第とも言われた。

 

「行きましょう!」

 

 呆気にとられている皆さんに声をかけて、先に進みます。

 

 あのいかにも甘やかされて育った風な糸目の悪魔には、相応のお仕置きが必要です。

 

 

********************

 

 

 曹護 side

 

 

 うんざりする程の禍の団の構成員を神器である打鉄で斬り伏せていたが、後から後から湧いてくる。

 

 気分は無双ゲームのキャラクターになった気分だ。

 

「相変わらず、とんでもない力してるな。打鉄をこうまで使いこなせた奴はお前が初めてだろうぜ」

 

 そう言ってアザゼル先生が近くに来た。

 

 この人に限らず、勢力のトップを務めている人達は基本的に苦手だ。

 

 嫌いな訳じゃないし、嫌悪感があるわけじゃない。

 

 頭の回転が良く、鋭い人物である。

 それが、苦手意識の原因だ。

 

 オーフィスの蛇。

 

 彼女が意識すれば一瞬でこの戦場に限らず、禍の団に置いて来た蛇はすべて回収できるはずだった。

 

 だが、蛇は彼女の呼びかけに応えなかった。

 

 結界や拘束術式の様なもので固定保存されているのだろうと言う認識だったが、以前に戦ったカテレアと言う悪魔。

 彼女が蛇を飲み込んでいた、と言う事実が疑惑を確信に変えた。

 

 禍の団、もしくはそれに近い誰かがオーフィスの蛇を利用して何かをしようとしている。

 

 カテレアの腹に居た蛇がオーフィスの呼びかけに応えなかったのは、蛇自体が何者かに干渉されていて、オーフィス自身が蛇を蛇と認識できなくなっていたから。

 

 その後は、術式を砕いたら普通に彼女のコントロール下に戻った。

 

 単純に、蛇と言うドーピング品を手放したくないと言う理由なのか、それ以上の何かがあるのか?

 

 まだ情報が足りない。

 

 疑惑の段階から三勢力同盟と共闘の判断をして正解だった。

 

 何を考えているか知らないが、オーフィスの力をこれ以上悪用させる訳にはいかない。

 

「打鉄はいい。シンプル故に強い」

 

「はっ! そんなこと言えるのは、お前位なもんだぜ!」

 

「失礼だな。俺以外に三人は知ってるが?」

 

「……お前みたいなのが後三人とか、考えたくねえからやめてくれ」

 

 本当に失礼だな。

 

 親父と兄貴、参護の三人だが、アイツらも自分のスタイルを確立してるからな。

 

 そんな無駄話をしていると、突然目の前に魔法陣が展開される。

 

「この魔法陣は……」

 

 カテレアが会談に乱入して来た時の魔法陣と似ている。

 旧魔王派と言う奴らの幹部の可能性が高い。

 

「旧アスモデウスの奴らが使っているものだな」

 

 幹部クラスか。

 魔法陣から現れたのは、強い力を持った悪魔。

 

 ご丁寧に、腹にオーフィスの蛇まで入っているのを感じる。

 

「我は真のアスモデウスの血を引く者、クルゼレイ・アスモデウス」

 

「首謀者の一人が御登場って訳だ」

 

「真なる魔王派として、カテレア・レヴィアタンの敵討ちをさせてもらう」

 

 ってことは、御指名か。

 

 ゆっくりと、クルゼレイと言う男の前に出る。

 

「貴様がカテレアを殺した人間だな。人間の分際で、悪魔を敵に回す己が愚を呪うがいい!」

 

「逆だ逆、テメェらがちょっかい出してくるからだ。平穏な生活を脅かしやがって、腹の中の蛇引きずり出してからカテレアとやらと同じ場所に送ってやる」

 

「図に乗るなよ、人間が!!」

 

「金色は許しが出なかったからな、こいつで勘弁しろ……」

 

 男の前に突き出したのは、打鉄。

 

 こいつの最高の使い方を見せてやる。

 

「『禁手化(バランス・ブレイク)』、『共鳴双武打鉄(きょうめいそうぶうちがね)』」

 

 刀型の神器は、そのまま二つに分離する。

 

 形状としての変化はこれだけ。

 

 だが、俺の纏う銀色の闘気の量が三倍化する。

 

 共鳴双武打鉄は武器が二つに分かれ、その二つの武器は装備者が込める力をもう一つの武器を持つ方に上乗せする。

 

 右の武器に込めた力は左の武器を持つ者へ、左の武器に込めた力は右の武器を持つ者へ。

 

 俺自身が両方持っていれば、効果は三倍化する。

 

 だが、もし片方が誰かの手にあるなら……

 

「そのようなゴミ神器の代表の禁手化など、相手にならぬわ!」

 

 格闘の構えで飛びかかってくる。

 

 だが、オーフィスの蛇を持っているにしては、やはり足りない。

 

「銀色の闘気、『加速世界』」

 

 技を使った途端に、周囲の空気が一変する。

 

 音が鈍く、周囲の者達の行動が極端に遅くなる。

 

 銀色の闘気を使い、無限活性と無限強化で肉体と知覚系、思考などを大幅にブーストする技。

 

 結果的に、俺が超高速で移動できるようになる。

 

 初見でこれを防げる奴は少ない。

 

「血統も血筋も関係ない。戦いは己でやるもんだ」

 

 まずは右腕。

 

 次に左腕。

 

 一呼吸置いてから、両足。

 

 そして、腹を裂いて蛇を抜き出した。

 

「大体4秒って所か。それがお前の最後の戦いの時間だ」

 

「がぁぁぁぁぁぁ!? なぜ! 人間如きに真なる魔王である私が!!」

 

「それが分からないなら、王になる資格は無いだろうよ」

 

 堕ちていくクルゼレイを見下ろしながら、回収した蛇を俺の後ろで次元の狭間に居るオーフィスに渡す。

 

 無限である彼女はいくらでも蛇を生み出せる。

 

 だが、それでも彼女の一部だ。

 それを、悪用されている状況は彼女自身が許していても、俺が許せないのだ。

 

「王ってのは公私を分けなければならねぇし、滅私を覚悟しなきゃならねぇ。テメェが気に入らねぇからって禍の団なんて言うはみ出し者の集団に入った時点で、王は務まらねぇよ」

 

 アザゼル先生が堕ちていくクルゼレイに言葉を投げかける。

 

 王。

 

 俺は臣下タイプだ。

 いや、それを言うなら海原一族はほとんどが臣下に向いている。

 

 だからこそ、王に必要な資質は本能的に理解している。

 

「海原!! 曹護ォォォォォォ!!!!!!」

 

 叫びながら堕ちていく、クルゼレイ。

 

 打鉄に銀色の闘気を集め、堕ちていくやつに向け、銀色の斬撃を飛ばす。

 

 クルゼレイはそのまま斬撃に真っ二つにされ、絶命した。

 

「容赦ねえな」

 

 失礼な。

 

 介錯だっつの。

 両手両足、腹まで裂かれては今まで通りの戦闘も暮らしもできない。

 

 それに擦過傷や切り傷、打撲などは回復は神器やアイテムで回復可能。

 

 だが、欠損はそれこそ手術か切り落とされた部位を用意して、フェニックスの涙を使用するかしかないだろう。

 

 それでも、くっ付いてすぐに元通りとはならないはずだ。

 

「もし、あの状態で立ち向ってくるなら、危険だからな」

 

 それだけのハンデを背負ってでも向かってくるなら、それは強力な敵になりうる。

 

 それを防ぐためにも、あの場でのトドメは必要だった。

 

「まぁ、当然だわな。蛇を回収してるなら、グレモリーの所に行ってやれ。ディオドラも確実に腹に仕込んでるだろうからな」

 

 やっぱり、気付いてたか。

 

 だから、勢力のトップクラスは厄介なんだよな。




 去年、東方饅頭拾転録で皆様に大変お世話になりました。

 今年は、このハイスクールDHや次回の予定の作品もよろしくお願いします。

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