ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】   作:みずしろオルカ

18 / 31
 大変お待たせしました。

 東方饅頭拾転録の外伝が終わりましたので、再度こちらも投稿していきたいと思います。

 誤字報告機能が出来ましたね!
 これはかなり便利です。

 報告者側も該当部分を手軽に直せますし、作者側も修正部分を確認して大丈夫ならボタンをポチッで済みますからね。

 ストックというものをしていませんので、書きあがったら簡単にチェックして投稿しています。

 なので、誤字脱字が多いのが悩みどころ。

 優しい読者の方が何度も報告してくれて、本当に助かっております。


 さて、今回は曹護さんより、原作メンバーメインでお送りします。


第18話 誰一人欠けないで

 

 小猫 side

 

 

 フリード・セルゼンだったモノを倒した後、私たちはディオドラ・アスタロトの居場所に辿り着いた。

 

 辿り着いた時には、岩の様なものに拘束されたアーシア先輩、その前の椅子に尊大に腰かけているディオドラの姿がありました。

 

 その顔を見た瞬間、全身が怒りで強張るのを感じました。

 今すぐに、あの余裕ぶった顔を全波紋を込めて殴ってやりたいと言う感情が噴き出しそうになる。

 だけど、曹護先輩との修行中に言われた言葉。

 

『怒りも憎しみも、最高のタイミングで使う。そう考えるだけで、無茶に突っ込むことも減るぞ?』

 

 そうだ、この怒りは最高のタイミングで叩き込む。

 今はその時ではありません。

 

 何を思ったのか、ディオドラは饒舌に語り出す。

 それを聞くと、アーシア先輩が教会を追われ、堕天使に捕まり、一度死んで悪魔に転生したそのすべてがこの男の計画。

 

 誤算はイッセー先輩が予想以上に強かったこと、部長がアーシア先輩を悪魔に転生させたことだと言っていた。

 

 その言葉にその場の全員の怒りが跳ね上がっているのを感じる。

 

 私だけじゃない。

 みんな、あの男に対して怒りを燃やしている。

 

「みんな、ここは俺に行かせてくれ」

 

 一歩踏み出したのは、イッセー先輩。

 この中でおそらく一番怒りを燃やしているだろう人は先輩だ。

 

 禁手を纏い、ゆっくりと歩く姿はまさに強者の姿です。

 

「大丈夫、皆が居るって俺は知ってるから……」

 

 そう言うと背中越しにサムズアップをして見せる。

 

 そのまま拳を握り、ディオドラへ向かっていく。

 

 私達は、イッセー先輩の意図を読み取ってこの部屋の中で広く展開する。

 期待してますよ? 先輩。

 

 そこからは一方的な展開でした。

 油断していたディオドラはイッセー先輩の拳をノーガードで腹部に喰らい、吹き飛ばされる。

 

 オーフィスさんの蛇の力を引き出すも、一方的に殴られ続け、障壁を張るもガラスの様に砕かれる。

 

 あれじゃあ、カカシも良い所ですね。

 

「よし! 行くぜ、ゼノヴィアァァァァ!!」

 

 イッセー先輩がゼノヴィア先輩に向かって奴を殴り飛ばす。

 始まったようですね。

 

「よし来た! デュランダル! 打ち上げろぉぉ!!」

 

 飛んで行ったディオドラをデュランダルで天井に向かって打ち上げる。

 

「行ったぞ木場!」

 

「ナイスタイミングだよ! ゼノヴィア!」

 

 打ち上げた先には、すでに佑斗先輩が居た。

 さすがは騎士ですね。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!! ギャスパー君、お願い!!」

 

 空中で何度も何度も斬りつけ、最後にギャー君へ繋げるために地面に向かって蹴り落とす。

 

「はい、佑斗先輩!」

 

 ギャー君の神器『停止世界の邪眼』で地面に激突する前に停止させられる。

 

「今です! 部長! 朱乃さん!」

 

 空中で止まったディオドラの上下。

 

 地面には滅びの魔力、天井からは雷光。

 

 見事なサンドイッチです。

 

「あらあら、そんな所で止まってしまうなんて、後押しして差し上げますわ!!」

 

「雷光と滅びの魔力に挟まれるがいいわ!!」

 

 ギャー君の神器が切れた瞬間。

 

 ディオドラは雷光と滅びの魔力に挟まれてボロボロになりながら吹き飛んできた。

 ようやく私の出番です!

 

「小猫! お願い!」

 

 部長の声。

 

 飛んで来るディオドラ。

 

 そして私は、波紋を練る。

 

 さっきは一撃でしたが、今回は……!!

 

「コォォォォ!! 山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)!!」

 

 波紋の乱打。

 

 重力に従って落ちてくる身体に容赦なく、波紋を撃ち込み続ける。

 

「イッセー先輩!」

 

 そう言って、先輩に向かって殴り飛ばす。

 

 その時には、もうイッセー先輩はチャージ完了状態です。

 

「任された! 終わりだぁぁぁぁぁ!!!」

 

 飛ばされて行ったディオドラを空中で掴むと壁に叩きつける。

 

 そしてそのまま追撃で、最高にチャージされた赤龍帝の一撃。

 

 建物全体が震えました。

 

 ディオドラの顔面のすぐ横を、イッセー先輩のドラゴン・ショットが突き抜けていく。

 壁は簡単に吹き飛び、その後ろの巨大な岩をも吹き飛ばした。

 

 すぐ横を圧倒的な魔力が通り過ぎたせいか、ディオドラは放心状態になっていた。

 

 イッセー先輩はそのまま胸倉を掴んで無理やり立たせます。

 

「うちのアーシアに手を出すな!!」

 

 イッセー先輩の叫び。

 

 ディオドラも心が折られたように塞ぎ込んでますし、後は冥界の法で裁かれるのを待つだけです。

 

 

********************

 

 

 一誠 side

 

 

 咄嗟の事とは言え、ディオドラの野郎をみんなで打倒した。

 

 これは本当に、アーシアを大事に思っている皆の意思だ。

 

 そして、俺のアドリブの様な行動をみんなが読み取ってくれたこともうれしかった。

 

 みんな結構えげつない攻撃をしていた。

 

 特に、ギャスパーが止めたディオドラの奴を滅びの魔力と雷光で挟み撃ちにしたあの一撃。

 

 その後に、小猫ちゃんの波紋を纏ったラッシュ。

 小猫ちゃんは一撃でキメラ化したフリードを倒すほどの威力の波紋を練れる。

 それを何十発も喰らったディオドラ。

 

 まったく同情する気持ちが湧かないのは、自業自得だと考えているからだろうな。

 

 ディオドラの野郎は全身ボロボロで、放心状態なのか動かない。

 

 アーシアを捕らえている岩の触手みたいな拘束は赤龍帝の力でもビクともしなかった。

 放心状態になる前のディオドラが言うには、赤龍帝の籠手や白龍皇の光翼と同じ、神滅具の力で作られた物らしい。

 

「赤龍帝の力でも破壊できないなんて……」

 

「しかも、下手に出力を上げるとアーシアを傷つけてしまうかもしれない。ここまでしっかりと密着していると下手に攻撃もできないな」

 

 部長もゼノヴィアも必死に考えてくれている。

 

 小猫ちゃんも波紋を試しているけど、さっぱり効果が見られない。

 

 俺だって頭を捻って必死に考えている。

 

 ドラゴン・ショットはあそこまで肌に密着している状態だと危険だし、限界までブーストしたとして何に譲渡すればいいかもわからない。

 

 俺のできる事なんて、『乳語翻訳(パイリンガル)』と『洋服崩壊(ドレスブレイク)』だけ……、いや待てよ?

 あそこまで肌と密着しているなら、できるかもしれない。

 

「アーシア、先に謝っておく……ごめんな」

 

 この非常時に何をしているんだと言われるかもしれない。

 もしかしたら、アーシアをただ辱めるだけかもしれない。

 

 それでも、可能性があるなら、全力で試すのが俺だ!!

 

「煩悩解放!! 全力全壊!! 洋服崩壊(ドレスブレイク)!!!」

 

 限界までブーストをかけて、全力で煩悩に注ぎ込む。

 

 そして、その魔力を洋服崩壊(ドレスブレイク)へ変換してアーシアを捕まえている拘束具に叩き込んだ。

 

 破砕音。

 

 そして、拘束から解放されたアーシアが俺の腕の中に納まる。

 

 ああ、よかった。

 

「……すごいですけど、やっぱり最低な技です」

 

「小猫ちゃん、ここいいシーン!?」

 

 やっぱり、俺達はこういう感じで良いんだ。

 

 俺がバカやって、みんなが呆れて、たまにツッコミがあって、でもそこにアーシアが居ないとダメだ。

 誰一人欠けちゃいけない。

 

 助けられてよかった……。

 

 

********************

 

 

 小猫 side

 

 

 それに最初に気づいたのはおそらく私です。

 

 上空に他の気配とは比べ物にならない魔力。

 そして、良く知っている力の気配も交じっていた。

 

 そして次の瞬間、アーシア先輩へ光が差し込もうとしていた。

 

 運が悪い事に私はみんなの中では離れている立ち位置で、他の誰もが危険を認識していなかった。

 

 私が全力で飛び出しても間に合わない。

 一番近い位置に居るイッセー先輩の位置だって無理かもしれない。

 

 それでも、危険だと分かっているのに何もできない無力。

 何の力も無くて、姉様と離れ離れになってしまった。

 まだ、和解はしてないけど、姉様の理由を、気持ちをいつか聞いてみたい。

 

 その時は、アーシア先輩と一緒だ。

 みんなが居る、大切な人たちが居るんだって、姉様に自慢したい。

 

 だから……。

 

 そんな結末は許しません!!

 

「波紋・妖力、『疑似・加速世界(ぎじ・かそくせかい)』!!」

 

 原理は曹護先輩から教えて貰った。

 

 波紋の力だって妖力だって持っている。

 

 先輩の銀色の闘気には遠く及ばなくても、無理矢理にでも『加速世界』を!!

 

 瞬間。

 

 全てがゆっくりと、音はこもったようになる。

 

 これが『加速世界』だと、認識する暇もない。

 

 全力で、アーシア先輩の下へ走って行き、抱え込む様にその場から転がる様に回避した。

 

 体感時間で2・3秒、現実世界ではその数十分の一。

 

「え? 小猫ちゃん? どうしましたか?」

 

 腕の中でアーシア先輩がキョトンとした顔でしゃべっている。

 

 ホッとしたのもつかの間だった。

 

 全身に激痛が走り、ひどい頭痛が起こる。

 

「に゛ゃ……ぐっ!?」 

 

 『加速世界』の代償は、これほどまでですか。

 

 両手両足は、筋肉も筋も痛めていて、呼吸する肺すら痛みが走る。

 あの世界を認識できるほど脳内を波紋で加速させたのだ。

 

 疲労超過。

 

 頭痛がひどく、転げ回りたいぐらいなのに、全身が痛くて動けない。

 

 曹護先輩は、銀色の闘気を覚える前は同じように波紋と気功でやっていたらしい。

 

 なら、このダメージは経験しているはずです。

 

 それを何度も使っていたと言う。

 

 改めて尊敬しますよ。

 

「油断……上!」

 

 言葉を発する事すら難しい程の疲労と激痛。

 

 それでも伝えられることを伝えた。

 

「なんだ、そこの女を次元の狭間に送ってやろうかとも思ったが、思わぬところで邪魔が入ったな」

 

 聞こえてきた声。

 

 この男がアーシア先輩を!

 

「我こそは、真なる魔王、シャルバ・ベルゼブブ。偽りの魔王の血筋よ、この場で滅してくれる!」

 

 禍の団!

 

 ダメです、この状態じゃ戦うどころか動く事すら……!

 

 シャルバと名乗った男は私達に標的を絞ったようです。

 

「手始めに、殺し損ねた女と邪魔してくれた女を殺してやる!」

 

 私達に向けられる魔力の弾丸。

 

 ああ、ダメです。

 

 アーシア先輩は非戦闘員ですし、私は技の反動で身動きが出来ない状態。

 

 加えて、アーシア先輩を助けた時に思ったよりも長い距離を転がったらしい。

 

 みんなと離れすぎています。

 

「まずは、二人……」

 

 無慈悲に放たれる魔力弾。

 

 ああ、ここで私は終わりなのでしょうか?

 

 誰一人欠けないで、あの日常を送ることはもう叶わないのでしょうか?

 

 部長や朱乃さんや、佑斗先輩やイッセー先輩、ギャー君やゼノヴィア先輩、アーシア先輩。

 みんなと部活をして、曹護先輩とお菓子を作って、オーフィスさんと一緒にお菓子を食べる。

 

 姉様と和解だってしていない。

 

 嫌だ!

 死にたくないです!

 

「助けて……」

 

「ああ、護ってやるよ」

 

 突然の声。

 

 オカ研のメンバーではないけれど、聞き慣れた人の声。

 

「よぉ、そこのナルシスト!」

 

 そう叫ぶと同時に、私達に放たれた魔力弾を二本の刀でかき消した。

 

 日本人離れした体格。

 全身に銀色の力を纏って、ただ私達へ背中越しに語りかける。

 

「曹護……先輩!」

 

「うちの大事な後輩泣かせたな?」

 

 反則とも呼ばれた先輩が来てくれた。

 

 ただ、泣いてないです!




 実は、シャルバというキャラですが、当初は父親か参護さんにボコられる予定のキャラでした。

 その役目は別のキャラが受け持ってます。

 さて、1/21は会社宿泊の為、感想系統のみの返信になります。

 とんでもなく寒い日が続きますが、インフルエンザなんかも危険ですし、体調管理をしっかりとしてくださいね。

 かくいう私も寝るときマスクをするようにしています。
 結構いいですよ。

 なにしろ、室内温度がバカみたいに低くなりますから……。

 ストーブの表示温度が『Lo』ってなるので、相当低いんですよ。

 では、次回もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。