ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 どうも、みずしろオルカです。

 今回は説明回。

 理論とか結構ガバガバなので、突っ込まない方向でお願いします。

 まさか、この人をまた書くことになるとは……。


第20話 来校! 部活参観!?

 曹護 side

 

 

 白金の闘気を使用した日から三日。

 丸一日を睡眠に使い、二日目を体調を整えるのに、三日目の今日はシャワーを浴びて、オカ研へ行く予定だ。

 

 三日間、ずっとオーフィスは俺と一緒に過ごしていた。

 一日睡眠していた時も、目が覚めると胸の上に彼女が居た。

 

 目が覚めた時に、目に涙を溜めたまま何度も謝られた。

 

 まぁ、オーフィスが普段俺に金色や白金の使用制限をかけている理由がこれだ。

 

 急激な生命力の低下による、一時的な昏睡状態。

 

 たった一分で、一日目覚めない程のダメージを受けたのだから、それ以上を使うなら確実に今以上のダメージを負うことになる。

 

 俺の生命力だと、銀色は生命力の使用量と回復量で見ると回復量が上回っている。

 

 金色だとわずかに使用量が、白金だと圧倒的に生命力が足りない。

 オーフィスが言うには、白金を一分以上人間の身体で使えること自体がおかしいらしいが。

 

 だが、そこは人間であるらしい。

 白金の闘気は、人間が到達するべきではない技なのかもしれねえな。

 

 プルルル プルルル

 

 突然携帯が鳴り出す。

 通知画面には知っている名前。

 

「はぁ……」

 

 思わずため息。

 だが、出るしかない。

 あの人なら、俺以上に色々語ってくれるだろうし……。

 

「……曹護だ」

 

『おいっす! いつでも貴方の相談受けます、海原修護だぜぃ?』

 

「何の用だクソ親父」

 

『相変わらず、曹護の言葉は切れ味抜群だねぇ。鐘ちゃんそっくりだ』

 

「息子だからな」

 

『お父さんにも似て欲しかったんだがなぁ』

 

「寝言は寝て言え。いや、むしろ寝た時ぐらい静かにしてろや」

 

『切れ味が増した!?』

 

 挨拶代りの軽口を挟む。

 親父が電話をかけてきたと言う事は……。

 

『さて、本題だ曹護。北欧神話の方で動きがある。近いうち、今回の様な戦いがあるかもしれない。体調は戻しておけよ?』

 

 この人は、普段チャランポランみたいな言動をするくせに、内心ではいくつも道筋や結果を考えている。

 

 力だけなら俺は勝っているだろう。

 だけど、戦士として勝てるヴィジョンが浮かびにくい。

 

 これで技術屋って言うんだから性質が悪いぜ。

 

「北欧神話……。めんどくさいな」

 

『だろうねぇ。そのあたりも含めてそっち行くから』

 

「は?」

 

『いや、だから北欧神話勢の動きなんかを説明するのにそっちの学校行くから』

 

 待て待て!?

 

 親父が来るってのか?

 駒王学園に!?

 

『そっちの悪魔さんと堕天使さんがちょくちょく俺ん所に探り入れて来てるから、一度前に出ておかないとめんどくさいからな』

 

「……いつ来るんだ?」

 

『今日。つかもう、来てる』

 

「死に晒せクソ親父!!」

 

 思わず携帯を切ってしまう。

 

 いや、仕方ないと思う。

 親父が息子の学校に来るって、かなり恥ずかしいものがある。

 

「クソ、覚悟決めてオカ研行くか……」

 

 

********************

 

 

 小猫 side

 

 

 久々に見た人がオカ研を訪ねてきた。

 

「どうも、曹護の父親の海原修護です。ハッピーうれピーよろピくねーーー!」

 

「貴方は何を言っているんですか……」

 

 部室のドアを突然開いて、いきなりふざけた自己紹介をしてきたのは、曹護先輩のお父さんでした。

 

 曹護先輩が言うには、冬木市からあまり出ないで、ロンドンぐらいしか最近は出歩いていないらしい。

 

 そんな人が駒王学園のオカルト研究部に何の用でしょうか?

 

「お? 白猫ちゃんじゃないか、また今度一緒に三国無双プレイしようぜ~、隠し武器一人じゃ辛くてよ」

 

「召喚してくれればお付き合いします」

 

「じゃ、そん時はよろしくってことで、部長さんと顧問の先生はどなた?」

 

 そう言いながら、その目は部長とアザゼル先生をしっかりと見据えていた。

 突然の来訪に驚いていた部長は、その言葉に再起動する。

 アザゼル先生は、いつものニヤニヤとした笑みを浮かべていましたが。

 

「私が部長のリアス・グレモリーよ。曹護君にはお世話になっているわ」

 

「俺様が、オカルト研究部顧問兼堕天使総督のアザゼルだ」

 

 名乗り出た二人の前に、先輩のお父さんは歩み出て、いきなりとんでもない事を切り出した。

 

「二勢力で家に放ってる斥候。やめてくんない? 視界の端、チラチラと邪魔くさいったら無いからよ」

 

 ビシッと空気が凍る。

 

 当然です。

 もしこれが曹護先輩に知られれば、家族を人質に取ろうとしたように取られる可能性は高いですし、それが原因で海原家自体が敵に回ったらと考えるとゾッとします。

 

「ったく、天使側は菓子折り持ってあいさつに来たってのに……あ、そこの転生天使ちゃん、お菓子のお返しだよ。冬木市銘菓『虎サブレ』」

 

 空気が凍ったり融けたり忙しい。

 

「え? あ、どうも……?」

 

 混乱しながら受け取るイリナ先輩。

 海原先輩が休んでいる中、天使側の特使として駒王学園に転校してきました。

 所属としては別の部活を名乗っていますが、オカ研所属として処理されていたはずです。

 

 転校して来て早々、先輩の父親から上司への菓子折りを預かると言う意味不明な状況。

 

 誰だって混乱します。

 

「まぁ、息子が世話になっているのにあいさつに来なかった俺にも非がある」

 

 そう言うと、部長の前まで歩いていき、立ち止まる。

 目を細めて部長を睨むように見る。

 

 あの人の事を知らなければ一触即発な雰囲気。

 実際、イッセー先輩たちも少しだけ構えているのが見える。

 

「っつー訳で、ご挨拶! 息子がお世話になってます。どうぞ、冬木銘菓『虎サブレ』」

 

 いくつ持って来てるんですか……。

 

 あ、イッセー先輩がコケてます。

 

「え、あっと、お気遣いありがとう、ご挨拶が遅れてすいません。先程の言葉は私達でしっかりと対処します」

 

 部長が混乱してますね。

 中々珍しい光景です。

 

「っと、こちらもご挨拶。息子がお世話になってます。どうぞ、『インスマスクッキー』」

 

 ゴブッと、お茶を飲んでいたアザゼル先生が(むせ)た。

 

 大方、『虎サブレ』が来ると思って油断していたのでしょう。

 

 この人にはいろんな意味で通用しませんよ。

 

 そして、なんですかその冒涜的なお菓子は……。

 

「よぉ、クソ親父」

 

「あ……」

 

「まさか、加速世界使って登校する羽目になるとは思わなかったぜ?」

 

 ガッシリと後頭部を握られた先輩のお父さん。

 

 ミシミシという音がここまで聞こえて来ています。

 

「やあ、曹護早かったな! 父親として皆さんにあいさつを……イデデデデデデデデ!!!!?」

 

「真面目にできるのに何ふざけてんだ? あれだ、お袋に報告しても良いんだぜ?」

 

「ヤメテ!? チクチク精神攻撃して来るのってホント辛いんだ!!!」

 

「そうだ、世界一周旅行をプレゼントってのもいいなぁ? 夫婦水入らずでそれぞれ過ごしてもらうってのも……」

 

「それ、新婚旅行の再来!? 一か月休み無しで世界旅行とかスケジュール的に死ねる!」

 

 先輩のお父さんの新婚旅行。

 確か、一週間ごとに別の国に三人の奥さんと旅行したとか。

 最初が三人の奥さんと、二週目が長男のお母さん、三週目が曹護先輩のお母さん、四週目が三男のお母さんと行ったらしい。

 そりゃ疲れもします。

 

 話によると全員先輩のお父さんの手綱を握れる人らしいですし。

 

「で? 挨拶だけじゃねえんだろ?」

 

「そうだけど!! 放して!? 痛くて話できないから!」

 

 曹護先輩は残念そうに手を離しました。

 

 良かったこれで、少しはまともに話が進みます。

 

「あー、痛かった。さて、大切な話は全部『インスマスクッキー』の箱に入れてるから、用事は済んだんだけど……せっかくだ、色々と質問したいんじゃないかい? 例えば、白金の闘気で起きた現象とか?」

 

『!?』

 

 全員驚き、曹護先輩のお父さんの方を見る。

 

 その表情はニヤニヤと、人を食った様な顔をしていた。

 

「簡単に言えば、そこのハーフヴァンパイアの神器と同じ時間の停止が、白金の闘気で可能になる。つっても、原理は違うんだがね」

 

 そう言うと、ソファーに座りリラックスしたムードで再び語り始める。

 

「ハーフヴァンパイアの……坊主、名前は?」

 

「ひっ! あ、ギャスパー・ヴラディ……です」

 

「おーけー、ギャー坊。お前の能力は、時の流れから対象や空間を外すタイプの時間停止だ。普通の時間停止はこういうタイプだ。だが、曹護のは違う。曹護のは流れに逆らいながら留まる形。エスカレーターとかで逆走して止まってる様なもんだ。流れの中を身体能力で留まる行為。それが、白金の闘気の時間停止能力だ」

 

 何でこの人はこんなに詳しいのでしょうか?

 

 ギャー君とは会ったことすら無いはずですが……。

 

「おいおい、するってとあれか? 海原曹護は、光の速度すら超える速さで行動できて、それを可能とするだけの思考速度や感覚能力を持ってるってことになる。ましてや、そんな速さで動けば、服は慣性の法則で置き去りにされるし、音速すら超えてんだ。全身ボロボロになるのがオチだぜ?」

 

 さすが、アザゼル先生。

 

 総督と言うよりは、博士とかそっちの方に気質が向いているとは思いますが、だからこそこの説明を誰よりも理解できているはずです。

 

「さすが、顧問の先生。力には方向性があるって知ってるか? 波紋は活性、気功は強化、魔力は物質、霊気と言う物もあるが、それは空間に関する方向が強い。もちろんそれしかできないって訳じゃない。その方向で使うと効率が良いと言うだけなんだがな? 物質と空間を固定したり隔離したりすれば、服も内臓や皮膚も強化して衝撃から隔離する、そうすれば心配は無くなるのさ。だから、ギャー坊が曹護を停止しようとしても意味が無い。枠から外そうにも、空間や物質が固定されているからな。慣性の法則から起こる服の置き去りも、音速を超える事から発生するソニックブームも魔力と霊力で対処可能なんだ」

 

 怒涛の説明でしたが、要はギャー君の様な時間停止が一般的に考えられている停止方法で、曹護先輩が力技でその域に居ることが理解できました。

 

 まさに、カテゴリー:人外。

 

 人間の身で、そこに辿り着いた人なんて何人いるでしょうか?

 

「まぁ、こんな感じだ。どうせ、曹護はまともに説明なんてしてねえだろ? こいつ、説明下手だからな」

 

「余計なお世話だ」

 

「参護への苛烈な修行。ちゃんと意味があってやったんだろ? それを参護の奴が理解してくれてればいいがなぁ?」

 

「ぐ……むぅ……」

 

 今以上に口下手だったんですね、曹護先輩。

 

 

**********************

 

 

 アザゼル side

 

 

 とんでもねぇ奴だ。

 

 知識は確実に俺やアジュカのレベル。

 身に宿す力だって、曹護と比べれば仕方ねぇのかもしれねぇが、それでも十分すぎるほどに強い。

 

 フザけた言動もあるが、余裕……いや、相手の反応を図っているのか?

 

 こいつは厄介な御人だわ。

 

 しかも、探りに出していた斥候も気づかれるし、本当にとんでもねえ一族だよこいつらは……。

 

 時間停止の理論なんざ、普通は調べない。

 

 加速するための術式なんかは考えるのだろうが、時間停止は目標としては高すぎるから、誰も追い求めないのだ。

 

 特に、魔術師と言う系統の奴らは、その知識や研究の方向が過去に向かっている。

 

 こいつも魔術師の系統のはずだが、慣性の法則や音速なんて概念を織り込んで理論を立てている。

 

 つまり、魔術と波紋使いとそれ以外の系統の技術をも多く習得していると言う事だ。

 

 曹護の奴は、純粋に力や実力という点で厄介だ。

 

 だが、この男はどうだ?

 力こそ劣るが、知識はかなりのモノだし、性格や言動・曹護の言い方からして、フェイントや騙し討ちの様なトリッキーな戦い方を好むタイプだろう。

 

 曹護が異常だから勘違いされるが、父親の方も相当なものだ。

 それこそ、パワーでゴリ押しなんて選択肢も可能な程度には強いはずだ。

 

 そんな輩が、搦め手を覚えると言う事がどれほどめんどくさい事か……。

 

 斥候に出してた、奴も回収しておかないといけねえな。

 この一族には本気で敵対するべきじゃない。

 

 曹護本人もだが、父親ですらこんなに厄介だ。

 

 ロンドンに留学中という長男、行方不明の三男、この二人の実力も父親並みと試算したとして、この一家だけで戦の情勢を変えられる。

 

 そんな存在が誰にも気づかれることなく、これまで過ごしてこれたのは奇跡のような気がする。

 

 技術屋と言っていたが、この男。

 

 近々、神器関連で協力を求めるかもしれねえな。




 修護さん、部活参観ですw

 あと、作中の時間停止の概念は結構、独自設定や独自解釈に溢れています。

 注意してくださいね。
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