ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】 作:みずしろオルカ
久々に、眠気で意識が飛びかけながらも書きました。
睡眠は大事です。
あと少しでハイスクールDHも終わりです。
最後まで頑張ろうと思います!
一誠 side
相変わらず、海原先輩はめちゃくちゃな人だ。
隕石みたいに戦場に墜ちて来て、クローンを数体吹き飛ばした後、ゲームでも見てるような光景を展開していく。
打鉄という先輩の神器は禁手化されていて、二刀流で暴れ回っている。
俺達は一体倒すのに結構苦労してんだけどな!
それを一振りで一体なんて、単純計算じゃない。
一振りに銀色の闘気を纏わせ、攻撃範囲を広げているのが分かる。
先輩の一振りで三体の首が飛ぶ。
確か震脚だっけ?
ゲームで見たことあるけど、地面を踏みつけた衝撃で地面が陥没して、舞い上がった石や岩を蹴り飛ばして当てる。それだけで、多くのクローンが怯む。
そのおかげで俺達もかなり戦いやすくなっている。
地面踏んでクレーター作る人間って何だろうなぁっと考えそうになるが、頭を振ってそれを追い出す。
考えるだけ時間の無駄だと木場と一緒に納得したじゃねえか。
あの人は、人類のカテゴリーから外れてるんだ。
だってほら……。
人間なら、コマみたいに回転しながらヨルムンガルドのクローンをバラバラになんかしねぇって……ハハハハハハハハハハハ……。
すげぇ、格ゲーのキャラみたいに回転しながら前に飛んで行くって……横に銀色の竜巻が起きてるみたいで綺麗だ。
オイ、木場も見て見ろよ!
クローンがゴミみてえだぞ!
「イッセー君!? 目が死んでる! 目が死んでるから!?」
「何言ってんだよ木場? 人間って実は最強の生物じゃね?」
「落ち着いてイッセー君!? 先輩位なものだから! 悪魔だってあんな戦い出来るのは一握りだから!?」
何言ってるんだよ木場。
すげえよな。
人類の夜明けってやつじゃねえか?
もしかして、ラスボスって人類?
補完計画とか始まっちゃう感じ?
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ロキ side
まったく、本当に度し難い実力を持っている。
奴が来てから数分でヨルムンガルドのクローン体が結構やられてしまった。
劣化クローンとはいえ、五大龍王の一角のモノだぞ?
これは、早々に手を打とうか。
まずは、あの小さい悪魔を狙うとしよう。あれは人間の下で波紋を習得した奴だ。
さあ人間、弟子のピンチだぞ?
クローンを集め、悪魔を追い詰めて行く。
そして、隙を突いてスコルが飛びかかる。
ほら、助けないと死ぬぞ?
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小猫 side
突然でした。
突然、クローン体の動きが活発になって、私に波状攻撃を仕掛けてきました。
混乱しつつも、必死にさばいていく。仙術の探知に引っかかるクローン体以外の気配に振り向くと、フェンリルの子供が眼前に迫ってきていました。
向こうは、すでに大口を開けて、噛み付く準備は万端。
対して私は、クローン体の波状攻撃を受けて体勢は崩れてますし、波紋と仙術で迎え撃つにも身体が対応できない。
疑似・加速世界も間に合わない。
(先輩……!)
思わず目をつぶった瞬間に、肩を押す力を感じ、目を向けると、先輩が私を突き飛ばしている所でした。
加速世界で助けてくれました。
そのまま、その場所から離脱するのも可能。
そう考えた時でした。
まるで、炎が消える様に、先輩の身体を覆っていた銀色の闘気が消えてしまう。
マズイと思った時には、フェンリルの子供が私と先輩の間を通り過ぎて行った後でした。
「先輩!? 大丈夫ですか!?」
先輩は仰向けに倒れていて、慌てて駆け寄り起こそうとして……。
「え……? 先輩……腕……」
「野郎、周囲の空気を一時的に固定して波紋の呼吸を封じやがった…!」
歯を食いしばり、左手を右肩に当てている。
そして、肩口から先、先輩の右腕は…無くなっていた。
先輩の足元には、消えていく魔法陣。
フェンリルの子供から私を助けた時に、右腕で私を突き飛ばしたから!
「先輩! ごめんなさい! 私が、油断したばかりに!」
肉体の欠損は、危険です。
ダメージなら回復魔法やフェニックスの涙で回復できます。
でも、欠損は千切れた部分が無いと元には戻りません。
あくまでも治癒であり、再生ではないのです。
「大丈夫だ。ならば、短期決戦だな」
波紋で痛みを和らげ、傷口を無理矢理塞いでいる。
普通なら失血による貧血、痛みで意識だって持っていかれる。
だと言うのに、両足で立ちあがり、余裕を持って私達を見下しているロキを睨みつけている。
「なんだ、右腕だけで済んだのか? フェンリルはティール神の右腕を噛み千切ったのだが、スコルもそれに習ったのかな?」
ティール神。
確か、グレイプニルでフェンリルを拘束する際に、右腕を噛み切らせた北欧の神様でした。
「ははは! 最強とか言われてても、所詮は人間だな。こうも簡単に腕が取れるとは思わんかったぞ?」
「なら、その人間の拳を喰らえ!」
高笑いしているロキ。
その眼前に一瞬で移動、左腕に金色の闘気を纏わせ、振り抜く瞬間。
「!?」
肉や骨が軋むような音と共に、先輩の動きが止まる。
ロキと先輩の間に、小柄な少女が居た。
無表情で、長い黒髪。
それはオーフィスさんにそっくりで……。
「テメェ……!!」
「どうだ? 良くできているだろう? オーフィスの残した大量の蛇を加工して作った人形だ。姿だけじゃなく、気配も発する気も本物と大差ない。違いはそこに魂があるかどうかだけだ」
「こんなもんで俺が!」
「大丈夫、一瞬止まればそれで用は済む」
空中を蹴って後退する先輩ですが、下から別のフェンリルの子供が飛び上がってきて先輩とぶつかる。
体勢を崩しつつも、叩きつけられた地面を蹴って私達の場所まで転がってくる。
それでも、その身体は……。
「先輩! 左脚も!?」
駆け寄ってすぐに気づいてしまう。
決定的な欠損。
先輩は、私を護る為に右腕を、オーフィスさんを利用されて左脚を失ってしまった。
「ハハハハハ!! 護るモノがあるからその体たらくよ。最強の人間がたった二手でこの様とは、最強も安くなったものだ!」
高笑いをするロキ。
それでも私は離れられない。
先輩の傷口から流れ出る血を止めて、少しでも延命措置をしないと、先輩が死んでしまう。
「ソーゴ……」
突然、先輩の傍の空間が裂け、オーフィスさんが出てきた。
しかし、その様子はおかしい。
怒りにまかせて、ロキに向かって行くと思いましたが、先輩の傍にへたり込み、ずっと胸に耳を当てている。
「ソーゴ、嫌……。もう、一人…嫌……」
先輩が倒れた事は、オーフィスさんにも重大なダメージを与えてしまったようでした。
ずっと、先輩に縋り付く様に、泣きながら、先輩に語りかけ続けている姿は、痛々しくて、私も涙が止まりません。
「部長! 早くフェニックスの涙を!」
「ダメよイッセー! フェンリル達とクローンが邪魔して近づけない!!」
アーシア先輩はギャー君と一緒に留守を任せてしまっています。
私の波紋や仙術だけでは、先輩は……!
オーフィスさんは先輩に縋り付いたまま、泣いている。
私は、曹護先輩の命を繋げるために、波紋と仙術を絶やす訳にはいきません。
周囲はクローンやフェンリル達が取り囲んでいて、部長やイッセー先輩も近づけない。
並行して結界を張っていますが、それだって専念している訳じゃないですから、ハッキリ言って脆いです。
「なんだ、本当にたった二手で終わったのか? オーフィス対策で
!?
まだ、奥の手を残しているのですか!
ダメだ。
仮にオーフィスさんが復活したとしても、龍殺しが控えていては勝ち目がない……。
私のせいで、先輩は腕を失った。
オーフィスさんを模した蛇の塊のせいで脚を失った。
散々護れらて来て、あんなに楽しくて、幸せな時間をくれたのに!
私達は足を引っ張っただけ……。
「さて、トドメだ人間。フェンリルのエサになる栄誉をくれてやろう」
ああ、もう駄目だ。
曹護先輩、オーフィスさん。
せめて、最後まで一緒に……。
『恋符「マスタースパーク」』
私達の目の前を、巨大な魔力の柱が通り過ぎた。
もうね、曹護さんの父親。
彼にも活躍してもらう事にしました。
と言っても裏方ですが。
描写力を鍛えたい……。