ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 ちょっと早めに、投稿です。

 久々に、眠気で意識が飛びかけながらも書きました。

 睡眠は大事です。

 あと少しでハイスクールDHも終わりです。

 最後まで頑張ろうと思います!


第24話 救いの一手

 

 一誠 side

 

 

 相変わらず、海原先輩はめちゃくちゃな人だ。

 

 隕石みたいに戦場に墜ちて来て、クローンを数体吹き飛ばした後、ゲームでも見てるような光景を展開していく。

 

 打鉄という先輩の神器は禁手化されていて、二刀流で暴れ回っている。

 

 俺達は一体倒すのに結構苦労してんだけどな!

 

 それを一振りで一体なんて、単純計算じゃない。

 

 一振りに銀色の闘気を纏わせ、攻撃範囲を広げているのが分かる。

 先輩の一振りで三体の首が飛ぶ。

 

 確か震脚だっけ?

 ゲームで見たことあるけど、地面を踏みつけた衝撃で地面が陥没して、舞い上がった石や岩を蹴り飛ばして当てる。それだけで、多くのクローンが怯む。

 そのおかげで俺達もかなり戦いやすくなっている。

 

 地面踏んでクレーター作る人間って何だろうなぁっと考えそうになるが、頭を振ってそれを追い出す。

 

 考えるだけ時間の無駄だと木場と一緒に納得したじゃねえか。

 

 あの人は、人類のカテゴリーから外れてるんだ。

 

 だってほら……。

 

 人間なら、コマみたいに回転しながらヨルムンガルドのクローンをバラバラになんかしねぇって……ハハハハハハハハハハハ……。

 

 すげぇ、格ゲーのキャラみたいに回転しながら前に飛んで行くって……横に銀色の竜巻が起きてるみたいで綺麗だ。

 

 オイ、木場も見て見ろよ!

 

 クローンがゴミみてえだぞ!

 

「イッセー君!? 目が死んでる! 目が死んでるから!?」

 

「何言ってんだよ木場? 人間って実は最強の生物じゃね?」

 

「落ち着いてイッセー君!? 先輩位なものだから! 悪魔だってあんな戦い出来るのは一握りだから!?」

 

 何言ってるんだよ木場。

 

 すげえよな。

 人類の夜明けってやつじゃねえか?

 

 もしかして、ラスボスって人類?

 

 補完計画とか始まっちゃう感じ?

 

 

********************

 

 

 ロキ side

 

 

 まったく、本当に度し難い実力を持っている。

 

 奴が来てから数分でヨルムンガルドのクローン体が結構やられてしまった。

 

 劣化クローンとはいえ、五大龍王の一角のモノだぞ?

 

 これは、早々に手を打とうか。

 

 まずは、あの小さい悪魔を狙うとしよう。あれは人間の下で波紋を習得した奴だ。

 さあ人間、弟子のピンチだぞ?

 

 クローンを集め、悪魔を追い詰めて行く。

 

 そして、隙を突いてスコルが飛びかかる。

 

 ほら、助けないと死ぬぞ?

 

 

********************

 

 

 小猫 side

 

 

 突然でした。

 

 突然、クローン体の動きが活発になって、私に波状攻撃を仕掛けてきました。

 

 混乱しつつも、必死にさばいていく。仙術の探知に引っかかるクローン体以外の気配に振り向くと、フェンリルの子供が眼前に迫ってきていました。

 

 向こうは、すでに大口を開けて、噛み付く準備は万端。

 

 対して私は、クローン体の波状攻撃を受けて体勢は崩れてますし、波紋と仙術で迎え撃つにも身体が対応できない。

 疑似・加速世界も間に合わない。

 

(先輩……!)

 

 思わず目をつぶった瞬間に、肩を押す力を感じ、目を向けると、先輩が私を突き飛ばしている所でした。

 

 加速世界で助けてくれました。

 そのまま、その場所から離脱するのも可能。

 

 そう考えた時でした。

 

 まるで、炎が消える様に、先輩の身体を覆っていた銀色の闘気が消えてしまう。

 

 マズイと思った時には、フェンリルの子供が私と先輩の間を通り過ぎて行った後でした。

 

「先輩!? 大丈夫ですか!?」

 

 先輩は仰向けに倒れていて、慌てて駆け寄り起こそうとして……。

 

「え……? 先輩……腕……」

 

「野郎、周囲の空気を一時的に固定して波紋の呼吸を封じやがった…!」

 

 歯を食いしばり、左手を右肩に当てている。

 そして、肩口から先、先輩の右腕は…無くなっていた。

 

 先輩の足元には、消えていく魔法陣。

 

 フェンリルの子供から私を助けた時に、右腕で私を突き飛ばしたから!

 

「先輩! ごめんなさい! 私が、油断したばかりに!」

 

 肉体の欠損は、危険です。

 

 ダメージなら回復魔法やフェニックスの涙で回復できます。

 でも、欠損は千切れた部分が無いと元には戻りません。

 

 あくまでも治癒であり、再生ではないのです。

 

「大丈夫だ。ならば、短期決戦だな」

 

 波紋で痛みを和らげ、傷口を無理矢理塞いでいる。

 

 普通なら失血による貧血、痛みで意識だって持っていかれる。

 

 だと言うのに、両足で立ちあがり、余裕を持って私達を見下しているロキを睨みつけている。

 

「なんだ、右腕だけで済んだのか? フェンリルはティール神の右腕を噛み千切ったのだが、スコルもそれに習ったのかな?」

 

 ティール神。

 確か、グレイプニルでフェンリルを拘束する際に、右腕を噛み切らせた北欧の神様でした。

 

「ははは! 最強とか言われてても、所詮は人間だな。こうも簡単に腕が取れるとは思わんかったぞ?」

 

「なら、その人間の拳を喰らえ!」

 

 高笑いしているロキ。

 

 その眼前に一瞬で移動、左腕に金色の闘気を纏わせ、振り抜く瞬間。

 

「!?」

 

 肉や骨が軋むような音と共に、先輩の動きが止まる。

 

 ロキと先輩の間に、小柄な少女が居た。

 

 無表情で、長い黒髪。

 それはオーフィスさんにそっくりで……。

 

「テメェ……!!」

 

「どうだ? 良くできているだろう? オーフィスの残した大量の蛇を加工して作った人形だ。姿だけじゃなく、気配も発する気も本物と大差ない。違いはそこに魂があるかどうかだけだ」

 

「こんなもんで俺が!」

 

「大丈夫、一瞬止まればそれで用は済む」

 

 空中を蹴って後退する先輩ですが、下から別のフェンリルの子供が飛び上がってきて先輩とぶつかる。

 

 体勢を崩しつつも、叩きつけられた地面を蹴って私達の場所まで転がってくる。

 

 それでも、その身体は……。

 

「先輩! 左脚も!?」

 

 駆け寄ってすぐに気づいてしまう。

 

 決定的な欠損。

 

 先輩は、私を護る為に右腕を、オーフィスさんを利用されて左脚を失ってしまった。

 

「ハハハハハ!! 護るモノがあるからその体たらくよ。最強の人間がたった二手でこの様とは、最強も安くなったものだ!」

 

 高笑いをするロキ。

 

 それでも私は離れられない。

 先輩の傷口から流れ出る血を止めて、少しでも延命措置をしないと、先輩が死んでしまう。

 

「ソーゴ……」

 

 突然、先輩の傍の空間が裂け、オーフィスさんが出てきた。

 

 しかし、その様子はおかしい。

 

 怒りにまかせて、ロキに向かって行くと思いましたが、先輩の傍にへたり込み、ずっと胸に耳を当てている。

 

「ソーゴ、嫌……。もう、一人…嫌……」

 

 先輩が倒れた事は、オーフィスさんにも重大なダメージを与えてしまったようでした。

 ずっと、先輩に縋り付く様に、泣きながら、先輩に語りかけ続けている姿は、痛々しくて、私も涙が止まりません。

 

「部長! 早くフェニックスの涙を!」

 

「ダメよイッセー! フェンリル達とクローンが邪魔して近づけない!!」

 

 アーシア先輩はギャー君と一緒に留守を任せてしまっています。

 私の波紋や仙術だけでは、先輩は……!

 

 オーフィスさんは先輩に縋り付いたまま、泣いている。

 私は、曹護先輩の命を繋げるために、波紋と仙術を絶やす訳にはいきません。

 

 周囲はクローンやフェンリル達が取り囲んでいて、部長やイッセー先輩も近づけない。

 

 並行して結界を張っていますが、それだって専念している訳じゃないですから、ハッキリ言って脆いです。

 

「なんだ、本当にたった二手で終わったのか? オーフィス対策で龍喰者(ドラゴン・イーター)のサマエルも控えているのだがな?」

 

 !?

 

 まだ、奥の手を残しているのですか!

 

 ダメだ。

 

 仮にオーフィスさんが復活したとしても、龍殺しが控えていては勝ち目がない……。

 

 私のせいで、先輩は腕を失った。

 オーフィスさんを模した蛇の塊のせいで脚を失った。

 

 散々護れらて来て、あんなに楽しくて、幸せな時間をくれたのに!

 

 私達は足を引っ張っただけ……。

 

「さて、トドメだ人間。フェンリルのエサになる栄誉をくれてやろう」

 

 ああ、もう駄目だ。

 

 曹護先輩、オーフィスさん。

 せめて、最後まで一緒に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『恋符「マスタースパーク」』

 

 私達の目の前を、巨大な魔力の柱が通り過ぎた。




 もうね、曹護さんの父親。

 彼にも活躍してもらう事にしました。

 と言っても裏方ですが。

 描写力を鍛えたい……。
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