ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 どうも、活動報告で更新ありません的なことを書いておいて、更新しているオルカです。

 すいませんでした。

 思った以上に筆が進み、晩御飯を忘れ、書きあげていました。

 結構ガタガタ状態の身体ですが、明日は会社泊まり……。

 仮眠室があるだけマシなのでしょう。


第26話 龍人 誕生

 

 曹護 side

 

 

 行方不明だった参護が来てくれた。

 

 俺の右腕と左脚が喰い千切られ、オーフィスと小猫共々やられそうになっていた時に、魔力の収束砲だろう。それを撃ち込んで、敵を追い払ってくれた。

 

 治癒結界を張り、俺達の所に来た参護は、驚くぐらいに成長していた。

 

 身長や体格などもそうだが、纏っている波紋、気功、さっきの魔法に込められた魔力。

 どれをとっても四年前の参護とは比べ物にならない。

 

 そして、その顔つきは海原家の男になっていた。

 護るものを見つけた一人前の男の顔。

 

 俺は参護を誇りに思うと同時に、引け目を感じていたのだ。

 

 あいつの将来に役立つだろうという考えで修行をつけていたが、お世辞にもそれは優しい修行ではなかった。

 

 何度も何度も、恨めしそうな目で睨まれた。

 あいつの涙を見ない振りをして、叩きのめした。

 

 なのに、こうして駆け付けてくれ、ロキに対して怒ってくれている。

 

 恨まれているだろう。

 そう思っていたのに、いや少なくとも四年前は確実に恨まれていただろう。

 

 なのに、参護は成長して帰ってきた。

 

 こんなにうれしいことは無い。

 

 オーフィスが、色々準備をしている。

 小猫が、波紋と仙術で治療してくれている。

 

 俺の右腕の誇り。

 参護が成長した証はすでに無い。

 

 怪我なんかは自己の治癒能力を高めたり、神器での回復、アイテムでの回復で十分に治療可能。

 だが、欠損となると話は別だ。

 

 元々あった腕が無いと、元に戻る可能性は低い。

 

 俺の細胞を培養して腕の形にしたとして、それは時間と費用を必要とする。

 

 最強などともてはやされ、自分の能力を過信して、その結果が今のザマだ。

 

 参護が旅立つ時に受けた右腕の傷。

 

 あれは俺の誇りと同時に戒めだったのだがな。

 

 自分に戒めていた事を忘れて、参護から教わった事を忘れてしまった代償か。

 

 そして、あれだけ共にいたのに、オーフィスの偽物を見抜けなかった。

 いや、身体が強制的にストップをかけたんだが、それでも利用されるだけの理由になってしまい、左脚を持っていかれた。

 

 結果的にオーフィスを、小猫を泣かせてしまった。

 

 護り手として、それはやってはならないことだ。

 

 護りたい相手を泣かせるなんて、絶対にやってはならない。

 

 それをやってしまった。

 

 いくら強くなっても、これは心構えの問題だ。

 

 今度こそ、俺は心身に刻もう。

 失った腕と脚。

 

 二度と戻らないが、おそらくは……。

 

「ソーゴ……」

 

 どこか悲しそうなオーフィス。

 

 手には二匹の蛇が居る。

 

 力を与える蛇に似ていて、どこか違う。

 内包されている力は、力の蛇とは比べ物にならない程に濃いものだ。

 

「血を……」

 

 そう言うと、一匹が俺の傷口から血を吸い、全身が赤黒く染まっていく。

 

 オーフィスも、もう一匹に指先を噛ませて、血を吸わせている。

 

 そして、それを交換して俺の前に出してくる。

 

「これ、飲めば……ソーゴは助かる」

 

「血の契約か?」

 

「なんですか? 血の契約って……」

 

 ああ、小猫は知らないのか。

 

 悪魔だし、その方面に詳しいと勝手に考えていた。

 

「血は魂の情報やその人間の存在そのものを表している。だから、それを交換するっていう事は、存在を共有する、魂を分け合う存在。言ってしまえば近い存在になるってことだ」

 

 さらに言うなら、オーフィスと人間の俺は種族の力差が大き過ぎる上に、生命力も圧倒的にオーフィスが強い。だから、俺の存在は一方的にオーフィスへ引きずられる。

 

 魔術に近いが、一応は昔からある契約の一種らしい。

 

 ドラゴンライダーとかは、弱いドラゴンとこのような契約をしているらしいしな。

 

「もっと言えば、俺は人間ではなく、龍に近いものになる」

 

 素体が人間だから、完全な龍にはならんだろうが、半龍ぐらいには変質するだろうな。

 

 人間でいることにメリットはあったが、こうなった以上は人間でいることは逆にデメリットしかない。

 

 いい機会だしな。

 

「先輩は……本当にそれで……」

 

「いい。どうせ、機会を見てオーフィスと共に生きられる存在になるつもりだったんだ。それがちょっと早くなっただけだ」

 

 まぁ、候補は悪魔とかだったんだが、同じ種族になれるならその方が良い。

 

「ソーゴ、嫌じゃない? 我の為に我慢してない?」

 

「いいや、むしろありがとう。これでもっと、一緒に居られる」

 

 そう言って、左腕で頬に手を添えると嬉しそうに手を握ってくれる。

 

 一緒に居る様になって、纏っている空気の変化で感情を読めるようになってはいたけど、こんなにも悲しそうで、苦しそうな彼女を見たのは初めてだ。

 涙を流しているのも、以前の彼女ならあり得ないのだろう。

 

 だけど、初めて表情に出した感情が『悲』の感情だったのが悔やまれる。

 

 もっと、楽しい事で、笑って欲しかった。

 

「一生を、決めようか」

 

 そう言うと、オーフィスの血を受けた蛇を飲み込む。

 

 それを見たオーフィスも、俺の血を吸った蛇を飲み込んだ。

 

 これで契約は完了。

 

 あとは、俺の身体がどうなるか……。

 

「曹護先輩、手足が!」

 

 小猫の指摘で右腕を見ると、傷口からオーフィスの蛇に似た蛇たちが互いの尾を噛みながら腕の形に集まっていく。

 

 足の方も同じように、蛇が集まって形を成していく。

 

 なるほど、再生と言うよりは形成に近いものだな。

 

 人間としての俺はもういない。

 

 龍人とでも名乗ろうかね。

 

「ソーゴ」

 

「ありがとう、オーフィス。願いを聞いてくれて、参護を呼んでくれて、……俺と出会ってくれて」

 

 オーフィスは首を横に振ると、そのまま俺の胸に耳を当てる。

 

 相変わらずこれが好きだな。

 

「ありがとう、小猫。治療してくれて、オーフィスと友になってくれて、……楽しい時間をくれて」

 

「曹護先輩……」

 

 小猫も治療をやめ、オーフィスと同じように俺の胸に耳を当てる様にして身体を預けてくる。

 

 できれば、この心臓の音は変わらないで欲しいものだ。

 

 

*******************

 

 

 小猫 side

 

 

 曹護先輩の手足。

 フェンリルの子供に喰い千切られた部分が、オーフィスさんとの契約で人間ではなくなった先輩の身体から出てきた蛇で再生している。

 

 互いの尾を噛み合い、腕の形になると人間と同じ皮膚がその上から形作られ、パッと見は人間の手足と変わらないぐらいに綺麗に再生された。

 

 ただ、先輩の右腕の傷は綺麗に無くなっていた。

 

 あの傷を先輩は、誇りと戒めで残していたようでしたから、残念でしょう。

 

 オーフィスさんと一緒に先輩に抱かれていると、結界の外では先輩の弟さんが大暴れしていた。

 

 先輩はパワータイプですが、弟さんはテクニックタイプのようです。

 

 魔力弾を無数に撃ち放ったりしていましたが、あの人の本当のスタイルは杖を使用した接近戦と、糸の魔法を使った変則中距離タイプ。

 

 接近戦で戦いながら罠を仕掛け、焦れて距離を取った瞬間に糸の罠にはまる。

 

 こうして考えるとえげつない戦法です。

 

 なにしろ、フェンリルの子供をところてんの様にバラバラにするなんて、悪魔の中にだってできる人は極々僅かなはずです。

 

 その後の、黄金・百鬼夜行? では、あの人と戦った強者の許可を得て、その人たちの力を持つ人形を金色の糸で編み出すと言う技でしょう。

 

「あの技は、対象がその人形に魔力なりを込めて初めて形になるはずだ。いわばもう一人の自分を作る許可を与えられるぐらいに親しい間柄の人達って事だろうな」

 

 という事は、あれだけの人物たちと親しい訳ですか。

 

 しかも、ほとんど女性のようですし、イッセー先輩と同類なのでしょうか?

 

 いえ、それも気になる部分ではありますが、あの人たちは全員ヨルムンガルドのクローンと戦える程の戦闘力を持っていました。

 

 その上、フェンリルの子供をたった三人で完封する実力者の三人。

 

 この三人は特にディティールと言うか、強さと言うか、細かい部分が再現されているように感じます。

 

 特に二本角と一本角の二人は、戦い方も豪快で人形とは思えない動きをしています。

 

 戦い方を熟知していると言う事でしょうか?

 

 だとすれば、あれほどの実力者の力を熟知する程戦っているということ……恐ろしいです。

 

 私も妖怪ですから、鬼の恐ろしさは良く知っています。

 

 強さに振り幅がありますが、特にトップクラスの酒呑童子や四天王なんかは鬼の中でも有名です。

 

 その人たちにも匹敵するだろう程の強力な鬼が弟さんのいる世界に居るのでしょうか?

 

 そもそも、オーフィスさんが呼んで来た様な言い方でしたが、龍神様と言う存在とオーフィスさんが知り合いなのでしょうか?

 

 色々疑問が尽きませんが、そろそろ先輩の契約も終了する頃でしょう。

 

「先輩、そろそろ契約が終わる頃じゃ……?」

 

 先輩の身体を覆っている契約の光も薄れてきているし、手足はもう万全に見える。

 オーフィスさんも心なしか満足そうな雰囲気です。

 

「っぽいな。どうなるかは、分からないが……どうなんだ? オーフィス」

 

「我も知らない。ソーゴが初めての契約」

 

 でしたら、どんな事になるのかも分からないって事ですよね?

 

 結構長い間くっ付いていますけど、契約上では私って異物ですよね?

 

 一緒にくっ付いているって大丈夫なんですか?

 

「終わった」

 

 オーフィスさんのつぶやきと同時に、先輩を中心にエネルギーが爆発して結界を内部から破壊してしまった。

 

 

********************

 

 

 曹護 side

 

 

 契約が完了した。

 

 それを認識した瞬間、俺の身体から生命力が爆発の様に噴き出した。

 

 生命力は変わらないと思ったが、良く考えれば人間の生命力と龍の生命力には当然差がある。

 

 その上、俺の手足はオーフィスの細胞と同じものだ。

 無限龍と呼ばれているオーフィスの細胞。

 

 オーフィスの生命力はその名の通り、無限だ。

 

 それが俺の生命力になったのだ。

 生命力の源泉が無限であること。

 

 俺が今、自身の生命力を御し切れていないのは、人間という有限の存在から無限の存在に昇華した弊害。

 

 慌てて白金の闘気を展開する。

 

 無限ならば溢れる前にある程度消費しなければならない。

 

 白金の闘気なら、結界を内側から破裂させる程の生命力を消費し続けられる。

 今までは生命力が足りないから使えない技だったが、今は生命力を使い続けるために使わないといけないと言うのは皮肉な話だ。

 

 だが、白金の闘気を発動している状態でようやく落ち着いた。

 

「オーフィス、ありがとう。ようやく俺は、真の意味でお前と一緒だ」

 

 溢れてくる力。

 

 圧倒的な生命力。

 

 鋭い五感。

 

 これらを持ってして、ようやく人外になったという実感が湧いてきた。

 

「小猫、ありがとう。波紋で治療してくれていたお陰で、俺は今こうして居られる」

 

 全身から血と一緒に流れて行く生命力を、波紋で繋いでくれた。

 

 怪我で弱った心と、涙を流していたオーフィスを護ってくれた。

 

 契約が終わるまで寄り添って、波紋を流し続けてくれた。

 

 おかげで、俺の身体には小猫の波紋も無限の生命力と共にめぐっている。

 

「こうして俺は生きることができた。龍人、海原曹護。ここに誕生だ」

 

 右腕、左脚の感度は良好。

 

 ()がれたとは思えない程の感度だ。

 

 一度捥がれたせいか異物感は少し残っているが、それも時間の問題だろうな。

 

「曹兄、カッコつけてるとこ悪いけど……」

 

 参護が歩いてくる。

 

 背は伸びていて、細いが筋肉もしっかりついている。

 

 何度も命の危険を掻い潜ったのだろう。表情も若さの中に戦士特有の自信が見て取れた。

 

 手に持っている杖は、随分と使い込んでいる。

 

 魔法の術式が何度も書き加えられては、変更を繰り返されている。

 

 丁寧な仕事だ。

 

「両肩に幼女乗せてるから、結構台無しだよ?」

 

「誰が幼女ですか、これでも高校一年です」

 

「幼女違う。我、龍」

 

「つか、なんで普通に両肩に乗ってるんだよお前ら?」

 

 気付かなかった。

 

 なんというか、ここに居るのが普通になりつつあるのか……。

 




 Fate/GO をやっているのですが、コード晒した方が良いのですかね?

 欲しい方は、ひと声お願いします。

 多ければ、マイページの紹介分にでも貼り付けます。
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