ハイスクールD×H ~龍と人間と世界の流れ~ 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 お待たせしました。

 第四話の投稿です。

 チート回。

 可愛い回は、もうちょっと待っててね?

 チート過ぎて引くって人もいるかも?


第4話 金色の闘気

 三勢力の同盟の為の会談をここ、駒王学園で行う。

 

 その会談に、目の前で紅茶とクッキーを楽しんでいる海原君を出そうと言う考えだ。

 

 小猫は大胆にも彼の横に陣取って、一緒に紅茶とクッキーを食べている。

 

 警戒させない様にするにはいい形だと思う。

 

 お兄様もこちらに向かっているし、会談への出席の依頼と……その前にお兄様に会ってもらいたい。

 

「どうかしら? 朱乃の入れたお茶は。彼女の入れるお茶は結構評判がいいのよ」

 

 これは事実で、彼女は緑茶・中国茶・紅茶と色々なお茶の入れ方を知っている。

 

 レベルはかなり高い。

 

「ああ、クッキーが甘いからそれに合わせて入れているな。これはブレンドしているのか?」

 

「え、ええ。ダージリンとアッサムをブレンドして薫り高く、クッキーで甘くなった口をリセットできるように渋いブレンドにしていますけど……」

 

 朱乃が驚いている。

 それを見た私も驚いた。

 

 紅茶の良し悪しが分かる事もそうだけど、ブレンドしていることに気付いた事もだ。

 

 見た目が不良の様な容姿と、鎧の様な筋肉のせいで、そういうお茶とかに詳しいイメージが全く浮かばなかった。

 

「かなり美味い。ありがとう」

 

「あらあら、お上手ですわね」

 

 三年間一緒だったクラスメイトの新発見なんて珍しい話じゃないけど、ここまで第一印象を裏切り続ける人間も珍しいのではないだろうか?

 

 寡黙な不良から、文武両道の不器用な人間に評価はシフトした。

 

「それで、待ち人はいつ頃来るんだ?」

 

 ピタッと、私を含める眷属達全員の動きが一瞬だけど、止まってしまった。

 

 気付かれている。

 気付かれていて、あえて乗ってきている。

 

 それは、誰が来ようと問題ではないと言う意味だろうか?

 

 もしそうなら、私たちは魔王を、お兄様を危険に晒すことになるのではないか?

 

 堕天使の幹部を圧倒した実力。

 

 どんなに警戒しようと、私達全員が一斉に飛びかかったとしても、かすり傷すら付けられない。

 

「そう警戒するな。俺は交渉したいだけだ。俺と俺の主人への平穏をな」

 

「平穏?」

 

「ああ、相互不干渉とまでは行かないが、俺の主人への敵対行動をやめて欲しいと言う進言だ」

 

 その顔は、今まで紅茶を語っていた男と同じものとは思えないほどの迫力があった。

 

 堂々としたその態度、上級悪魔にだってこれほどの迫力を放つ者は少ない。

 

 それを人間が放つなんて!

 

「……その主って誰の事かしら?」

 

「それは、ここに来る予定の奴を交えての方が効率が良い」

 

 待ってましたと言わんばかりに、部室に魔法陣が展開される。

 あの魔法陣はお兄様の物だ。

 

「魔王様ですね。早いです」

 

 小猫が立ち上がり、控える用意をする。

 

 小猫にとって、お兄様は恩人であり、魔王だから敬意はしっかりとしている。

 

「ごきげんよう。待たせてしまったかな? リアス」

 

「いいえ、いいタイミングでした。彼が、私のクラスメートの海原曹護です」

 

 紹介された海原君は、立ち上がると礼をする。

 その姿は、立派な儀礼を尽くされたモノだった。

 

 また、彼の印象が変わる。

 

 どこでそこまで立派な儀礼を学んだのかしら?

 

「初めまして、海原曹護だ」

 

 ここまでは普通の挨拶だった。

 

 だけど、次の瞬間に部室内の空気は凍ってしまったのだ。

 

「無限龍オーフィスの従者にして、家族だ」

 

 ピキッ!

 

 無限龍オーフィス、夢幻を司る 『真なる赤龍神帝』グレートレッドと対の存在で、神によって世界が作られた時から、最強の名前を欲しいままにしていた存在だ。

 

 その目的は不明だとされていたけど……。

 

「オーフィスとは、ウロボロス・ドラゴンのオーフィスでいいのかね?」

 

 さすがのお兄様も、聞き返している。

 

 それも仕方が無い。

 

 人間がオーフィスの名前を知っているだけでも、驚くべきことなのだ。

 

「ああ。彼女の目的を護ることが俺の目的だ」

 

「彼女の目的とは?」

 

「今ある静寂を護る事。俺はそれを脅かすものを排除するのが役目」

 

 

********************

 

 

 あれから、目的やら条件やらを煮詰めていき、どうにか悪魔側からはオーフィスに手を出さない約束を取り付けた。

 

 もし手を出してきた輩がいた場合、返り討ちにする許可ももらった。

 

 むやみやたらに殺すつもりはないが、オーフィスの害になるなら手を下す必要もあるからな。

 

「じゃあなんだ? この厳つい兄ちゃんがコカビエルをあそこまで再起不能にしたってか?」

 

「その通りだよ、アザゼル。映像は送ったろう?」

 

「映像は見たが、未だに信じられねぇな。いや、実力を疑っているとかじゃなくて、人間が堕天使の幹部を拳で叩きのめしたって現実にだ」

 

 そんなことは知らねぇよ。

 

 あいつが弱かったのが悪い。

 

 さらに言うなら、戦争なんて起こそうとしたのが悪い。

 

「では、海原曹護君は貴方とオーフィスの生活を脅かさなければ、何もしない。むしろ、協力してくれると?」

 

 言ったのは白い羽根の持ち主、天使ミカエルだ。

 

「ああ、オーフィスに害や不利益が無いなら、手伝うと言う形になるが、そちらの問題に手を貸す」

 

 取引としてはこちらに有利な部分が多いが、譲れないものが多いからな。

 

 オーフィスを戦場に出さない。出すぐらいなら俺が戦う。

 

 反発も考えていたが、思ったよりもスムーズに進んだものだ。

 

「随分と破格の待遇だね。是非ともその力の一端を見せてもらいたいものだ」

 

「戦う事があるなら、見せてやる。その時は一段階上げてやるさ」

 

 本当は、コカビエルの時に金色まで出す予定だったからな。

 元の予定に戻すだけだ。

 

「そうかい? その時を楽しみにしているぜ。じゃあ、とっとと三勢力同盟を結んじまおうぜ」

 

 その言葉をアザゼルが口にした瞬間。

 

 世界の色が変わった。

 

 この感覚は、アレに近いか?

 

「こ、これは!? 時間が停止したのか!?」

 

 兵藤が驚いたように声を上げる。

 

 やっぱり、感覚は正しかったか。ってことは、グレモリーの眷属を利用してると言う事か?

 

 キャスリングと言う技術で、眷属を助けに行くらしい。

 

 白龍皇は、雑魚を蹴散らしに行った。

 

「さて、人間……いや、ドラゴンの守護者だから龍騎士って所か? お前はどうする?」

 

 堕天使の総督はそう聞いて来た。

 

 龍騎士なんて、柄じゃないんだけどな?

 

 雑魚は白龍皇で十分。

 なら、決定打に対処することにしよう。

 

「雑魚がこれだけいるなら、決定打があるだろう。それを叩くさ」

 

 力を見せるためにも必要だ。

 

 それに……

 

「存外早く機会が来たようだ」

 

 室内に現れる魔法陣。

 

 これは、転移の魔法陣だよな?

 

「この魔法陣は、まさか!?」

 

「ごきげんよう、現魔王サーゼクス殿、セラフォルー殿」

 

 現れたのは褐色肌の女性。

 

 会談の場を吹き飛ばして、校庭に脱出する。

 

 あーあ、学校こんなに壊しちまって……。

 

「アザゼル提督」

 

「あ? なんだよ龍騎士。つか、テメェも動けるのかよ。つくづく規格外な奴だね」

 

 失礼な。

 

 簡単な理屈だろう。

 

 強者やドラゴン、聖剣使いのみがこの停止空間から逃れられている。

 

 だけど、停止空間を逃れる方法はまだあるのだ。

 

「もしかして、お前さんの神器って時間系かい?」

 

 残念だ、近いがね。

 

 停止時間を回避するもう一つの方法が、同じ停止時間の技能を持つこと。

 

 ただ、それを神器の能力として考えているなら、残念だが外れだ。

 

「三大勢力のトップが共同で防御結界……。なんて見苦しい!」

 

 話を聞いていると、どうやら今の神も魔王も居ない世界を壊して、変革すると言う事らしい。

 

 だとすれば……

 

「アイツの静寂を脅かす敵だ……!」

 

「なんですか? この人間は。この場所に似つかわしくない存在ですね!」

 

 神器を展開。

 

 俺の神器は実に俺に合っている。

 ゴチャゴチャと複雑な機能が付いているよりも、シンプル・イズ・ベストと言う奴だぜ。

 

「そりゃ、打鉄か!? 龍の手に並ぶ有り触れた神器じゃねぇか? しかも、持ち主の力を倍加させる龍の手と違って、打鉄は持ち主への効果は無い。その能力は……」

 

「折れず、曲がらない。俺の武器ならそれで十分だ」

 

 打鉄。

 

 龍の手と同じかそれ以上に有り触れた刀型の神器。

 

 その特殊な能力は、決して折れず、決して曲がらない。

 

 だが、宿主には何の強化も無いため、棒切れとも言われるほどに使い勝手が悪い。

 

 それだけの下級とも評される神器。

 

「堕天使総督。先の約束、こいつで見せてやる」

 

 だが、そんなものは関係ない。

 

 張られた防御結界を解除してもらい、女性の悪魔の前に出ていく。

 

「オーフィスの静寂を脅かす敵は、俺が消す」

 

「人間風情が、我々悪魔の事情に口出しするなんて、無礼です!」

 

 知ったことか、こいつらを放置すれば静寂は確実に無くなる。

 それだけで戦いには十分だ。

 

「銀色の闘気」

 

 

********************

 

 

 コカビエルの野郎を拳でねじ伏せやがった人間。

 

 海原曹護とか言ったか。

 

 あの野郎を中心に銀色の闘気が溢れだした。

 

「あれが、コカビエルの野郎を圧倒した力か」

 

 サーゼクスの妹の証言や映像でも見ていたが、本当に銀色のオーラを発してやがる。

 

 海原の奴の証言だと、波紋と言う呼吸法から生成されるエネルギーと気功と言う身体で練り上げるエネルギーを特殊な方法で混ぜ合わせた一種の混合エネルギーだったか?

 

 確かにありゃ、とんでもねぇ技術だ。

 

 仙道は肉体の活性を、気功は肉体の強化を得意としたエネルギーで、魔力や霊力にもそれはある。

 

 強化で破損していく肉体を活性で無理やり修復して、それをまた強化で破損、修復を繰り返している。

 

 赤龍帝の倍化の能力に比べるとはるかに劣るが、それでも永遠に強くなり続ける。

 上限も無く、使えば使う程に上限は上がり続ける。

 

 ゲームでいえば、最大HPが徐々に増えているようなものだ。

 人間の持てる力の範囲を超えているなありゃ。

 

 しかも、その最大HPは解除してもしばらくそのままなのだろう。

 

 一度活性化して、自身のモノになっているから解除しても元に戻るまで緩やかに戻っていく形のはずだ。

 

「無礼? 知ったことか。テメェの選択を悔やむ時間ぐらいはくれてやる」

 

 空中に浮かんで行き、カテレアの奴の前で止まる。

 

 あの男、舞空術も使えるのか。

 つくづく規格外だ。

 

「ここから先は、一方的な虐殺タイムだ」

 

 その言葉を奴が口にした瞬間、カテレアが地面に墜落した。

 

 文字通り、墜落だ。

 

 小規模だがクレーターを作り、カテレアの奴がうつ伏せで倒れている。

 

 あの野郎、一切見えなかったぞ。

 いくら速いと言っても俺やサーゼクス、ミカエルの野郎が目で追えない速度ってなんだよ。

 

「人間ごときが良くもやりましたね!!」

 

 カテレアは、複数に分かれる魔力の球を放つ。

 

 あの威力はかなりのモノのはずだ。

 あの戦争で、最後まで抵抗を続けていた旧魔王の血族の力、安いものではない。

 

 バシュン!

 

 それを、あの男は打鉄で斬り伏せやがった。

 

 確かに理には適っている。

 決して、折れず曲がらない。

 その特性は、別の視点から見ればどんな攻撃にも耐える盾だ。

 

 おそらく、サーゼクスの滅びの魔力ですら、打鉄は耐えるだろう。

 だが、それを使う人間が持たない。

 

 高威力の魔法を打ち払えば、余波で腕が吹き飛び、全身がボロボロに焼け爛れる。

 滅びの魔力を打ち払えば、同じく余波で人間の方が塵になる。

 

 打鉄とはそういう神器なのだ。

 故に、無意味な神器。

 

「もっとマシな魔法を展開しろ。こんなのは誰だってできるぞ?」

 

 んなわけねぇだろ!?

 

 カテレアの放った魔法は、威力で言えば最上級悪魔の中でも群を抜く程だ。

 

 俺だってあんな蚊を払うみてぇに無効化できない。

 

 あれで人間?

 最近の人間は進化したもんだぜまったく!

 

「いいでしょう! そこまで言うのでしたら!!」

 

 カテレアの身体に急に蛇のような魔力が巻き付き、全身を包む魔力が急速に高まる。

 

 なんだありゃ、蛇?

 

「……この漲る力! 人間風情が抗えるモノでは……」

 

「オーフィスの力の無駄遣いだな」

 

 海原の野郎の手には、カテレアの左腕!?

 

 一瞬。さっきの地面に叩きつけたのとは違う。

 

 俺は確実に曹護から目を離していなかった。

 

 サーゼクスも、ミカエルも、曹護かカテレアかの違いはあるだろうが目は離していないはずだ。

 

 だと言うのに、距離は離れている、特別な動きがあったわけでもねえ。

 奴が手を上げた瞬間、まるで元々そこにあったかのように、カテレアの腕が握られていた。

 

「え? な……?」

 

 言葉になっていない。

 当然だ、何をされたのかも彼女は分からないだろう。

 

「オーフィスがテメェらの組織を離れる時に、大量に置いて行った蛇。回収させてもらうぞ」

 

 この辺りで、リアス・グレモリー達がハーフヴァンパイアを連れて戻って来た。

 

 ハーフヴァンパイアの力でこの停止空間が解かれた途端だった。

 

「厄介な空間も解除されたようだな。堕天使総督! 見せてやる、これが銀色の一段階上だ!」

 

 そう宣言した奴の全身から、金色のオーラが溢れだす。

 

 その姿は人間界のアニメや漫画に出てくる主人公とかそういう人間の姿に酷似していた。

 

「おお!? 空孫悟のスーパー野菜人みてぇだ!」

 

 兵藤一誠の評価が一番分かり易いだろう。

 

 とにかく、強大なオーラが奴の全身から溢れ出している。

 

「虐殺タイム、改め……絶滅タイムだ!」

 

 オーラを打鉄の刀身に纏わせ、斬り払うようにオーラを飛ばす。

 

 金色の斬撃はとんでもねえ速度で飛んでいき、カテレアを呑み込んだ。

 

「きゃぁぁぁぁぁ!」

 

 爆炎があたりに広がる。

 そこから、飛び出すようにカテレアが出てくるが……、待ち構えていた、曹護に顔面を踏み抜かれ、地面へ落ちていく、そしてそこにいた曹護に真横に殴り飛ばされる。

 

 飛ばされた先にいる曹護が空中に殴り上げると、打鉄を居合抜きの構えにして闘気を込めていく。

 

 あの込め方、あの男対軍技でも持っているのか!?

 

「黄金の闘気・金燕!」

 

 抜き放たれた刀身からは本当に燕の様な闘気が飛んでいき、カテレアに直撃する。

 

 下半身が綺麗に消し飛んだ。

 

 そして、もう虫の息だろうカテレアがゆっくりと落ちてくる。

 

「塵も残さねえよ」

 

 天に掲げる様に打鉄を振り上げると、刀身に黄金の闘気が纏われ、更にその刀身が伸びていく。

 

 っておい、まさかアイツ!?

 

「チェストォォォォォ!!!」

 

 ズドォン!

 

 あの巨大な刀身を落ちてくるカテレアに当てて、そのまま地面に叩きつけやがった!?

 

 金色の闘気が解除されたのか、刀身が消えた頃には、一直線の抉れた地面が残るだけだった。

 

「……」

 

 言葉もねぇよ。

 

 虐殺タイム? 絶滅タイム?

 

 絶望タイムと言った方がしっくりくるわ!

 

「この程度の力になる。オーフィスの静寂を邪魔しないなら、この程度の力だったら貸してやるよ」

 

 勘弁してくれ、無限龍を狙おうと言う強硬派は確実にこちらで対処しねえと、いらねえとばっちりが来るぞ。

 

 しかし、あの金色の闘気。

 

 あれは、ハーフヴァンパイアの停止結界を解除してから発動していた。

 

 停止結界で奴が止まらなかったのと、金色の闘気の発動が停止結界の解除後に発動したのは理由がありそうだな。

 

 奴は、波紋と気功を特殊な方法で練り合わせると銀色の闘気になると言っていた。

 

 なら、金色はどういう理屈なんだ?

 

 この辺りが、奴の力を紐解くヒントになりそうだぜ。




 いやはや、チート過ぎて作者も書いてて混乱しました。

 日曜日は会社に泊まります。

 月曜日から三日間は、出張で東京に行ってきます。

 さすがに、仕事中に執筆はできませんので、今月最後の更新ですね。

 十月からまた再開しますので、ゆっくり待っててね!
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