音に気付いた鳳翔が足元を見て顔を蒼くした。
「すっすみません提督!!提督の大切なメガネを…」
鳳翔があわてて謝罪すると提督は
「鳳翔さん、気にしないでください。落としたのは僕ですから、鳳翔さんは悪くないです」
「ですが……」
「良いんです。だって、割れたのはレンズだけなので取り換えるだけなので良いんです」
鳳翔は小さく頷き、
「わかりました…」
と言って、厨房に姿を消した。
すると、しばらく何も話していなかった赤城が、
「提督はお優しい方なんですね」
と明るく話しかけた。
「優しい?僕が?」
「えぇ。お優しい方ですよ。提督は」
提督はいきなりの褒め言葉に驚いた。
(優しい…?この僕が?マジかよ…すげぇなこの姉さん)
「あ、ありがとう。赤城さん。でも、レンズ取り換えるだけだから別に責めるようなことじゃないし、誰だって失敗はするから責める資格なんてないよ」
俺と赤城は少しの間黙っていたが、その沈黙を破ったのは加賀だった
「提督…赤城さんといい感じになりすぎです」
加賀が不機嫌極まりないと言わんばかりの表情で訴えてくる。
「あ、僕ですか!?すいません。そんな気はなかったんですが……」
(今、いい感じの雰囲気なってたか…?いや、否だよな…)
「てーとくさん、夕立お腹すいたっぽい」
「ファッ!!?夕立か!?それに時雨も。というか夕立よ、いきなり驚かすんじゃない。心臓が止まってしまうだろ」
「そんなつもり無かったっぽい…」
ぽいぽいが精神的に小破したらしい
「いや、すまん。少し言い過ぎた…」
(あ~、またなっちまったな。本当に悪い癖だ…)
俺が下を見始めると時雨は夕立に耳打ちをし始めた。
「じゃあ、」
夕立が口を開き、俺は顔を上げる
「間宮アイス2つ食べたいっぽい」
「アイスだな?よし。食べて来なさい」
俺はそれが時雨の耳打ちとも知らずに許可した。
「提督さんありがとうっぽい」
二人は食堂から出ていくと、加賀が言った。
「提督…その、先程のアイスですが…実はs」
「私たちも食べに行きませんか!?」
赤城が話に割って入ってきた。
「ん?まだ食べますか?」
勿論ですと言わんばかりの顔をして俺を見る赤城。
「あ~はい。では、アイス券渡すので食べてきてください」
「提督は食べないんですか?」
「うん。お腹の調子が急激に悪くなったから先に執務室に戻るよ。じゃああとはよろしくね。加賀さん」
俺はそう言って席を立ち、トイレに向かって駆け出した。
数分後、トイレから解放される
「ふぅ。本当に危なかった…」
食堂から駆け出したは良いが、トイレに向かう道中提督は壁などに5~6回ほど頭をぶつけた。
「さっさとメガネ変えないとそのうち頭の形が変わっちまうよ…」
俺はぶつぶつ言いながら執務室に戻った。
執務室に戻り、ポテチとコーラを用意し、潜入型新作ゲームをして二人を待つことにした。
「これは素晴らしい…」
俺はそれから2時間もの間、右手でコントローラーを操り続け、左手でコーラを飲み、ポテチを取り、食べ続けた。
すると、執務室の扉が開き二人が入ってきた。
「遅れてすいません、提督…ってこんな暗い部屋で何をしているんですか!?」
赤城の驚きの声に俺も驚き、
「フォッ!?あ、赤城さんと加賀さんか… いやー驚いた驚いた」
「提督…。またですか?こんなに部屋を暗くして、お菓子とジュースを片手にゲーム…。いくら私たちが遅かったとはいえ堕落しすぎです」
加賀のきつい言葉が飛んでくる。
「すいませんでした。ごめんなさい。部屋を明るくします。コーラもポテチも少し控えます。許してください!!」
俺は起立し、90°に腰を折って頭を下げた。
「加賀さん?提督も反省しているようだし、許してあげたら?」
加賀は小さく頷き、
「提督、今回は赤城さんに救われましたね。ですが、次は…わかっていますね?」
「はい…重々承知しております」
俺がそう答えた時、テレビから「エネミーダウン!!」と聞こえた。
それから少し時間が経ち、時刻は午後八時を迎えようとしていた。
本日の仕事は全て終えていたため、提督も秘書艦も自由時間に入っていた。
「あの…加賀さん?」
胃薬を飲みながら話しかけてみた。
「なんでしょう?」
「いや、やっぱり何でもない」
「提督。言い出したら最後まで言ってください」
「すごく訊きにくいことなんだけど…」
「構いませんよ」
「わかった。……加賀さんってゲームとかする?」
「……はい?」
さすがにこの質問が来るとは思っていなかったのだろう。少し驚いた表情をした。
当然、帰ってくる答えは想像がついていた。が、
「しますよ」
帰ってきたのは正反対の答え。
「やるの!?」
「ええ。提督がやっているゲーム等は全てやってます」
加賀の顔が少し赤くなった。
(デレたのかこれは!?)
俺はかなりソワソワしながら
「じゃあ、ピクミソやる?」
「いいですよ。私、結構得意ですから」
これから楽しい時間を過ごすことが出来る。俺はそう思った。
しかし、現実はそうでは無かったのだ。
「提督!!今です!!」
提督HP100/100
「はいっ!!」
「違いますっ!!こっちです!!」
提督HP90/100
「あ、そっちか。ごめん(T_T)」
「そんなのも出来ないのによくゲームやってられますね」
提督HP30/100 クリティカルヒット
「う、…そこまで言われると…」
「たかがピクミソですよ。メタルギアリゾット4難易度ザ・ビス子クリアより楽なんですよ?」
提督HP1/100
「すいません。無能ですいません」
「…ごめんなさい。少し強く言い過ぎたわ。お詫びにこれからみっちり訓練しましょう」
提督HP√3/100
「ありがとうございます!!加賀さんに指導していただけるなんて光栄です!!」
「できなかったらたまに踏むかもしれませんけど、良いかしら?」
「勿論です!!踏みたい時に踏んでかまいません!!」
提督HP120/100
この後みっちりと指導&踏まれました。
提督日誌
今日も楽しかった。加賀さんがゲームをやっているのには驚いた。赤城もやるのだろうか?気になるが、また別の機会に聞くとしよう。
今回は提督の素の部分を多めに出しました。
また、相変わらずの出来かもしれません。ご意見ご感想等宜しくお願いします。
※話に出して欲しいもの等ありましたらお願いします。出来る限り出してみようと思います。
作品を出すペースは遅めですが、今後も頑張るので、応援お願いいたします。