-----ちょっと君転生してよ?
一人の女のその言葉から始まった俺の転生生活。
この世界での俺の制約は一つ、その女が転生させたもう一人の男を自分が満足できる物語の主人公とさせること。
世界に二つのイレギュラーを入れ込むことで世界の流れそのものを変え女が満足できる物にしないと俺という者は生きながら消える。
そんな神の玩具のような生活をしなければいかなくなった俺、里見幸次郎は時期が来るのを恐れている。
「はぁ、憂鬱だ」
春先、新しい出会いと別れを迎えるこの時期に俺は早くも二回目の中学生になることが出来た。
久しぶりの黒い学生服を着こなすもすでに体中汗だくになってしまっていた。
転生前の高校生のブレザーとは違い襟元が非常に苦しい。
こうして今も朝から体中汗だくの状態で登校しているということだ。
あまりにも苦しいおかげで学生服の襟元のフックと第二ボタンまで外し中にきているTシャツが露になってしまっていた。
「あぁ!不良がいるわよ!」
「はぁ?」
甲高い幼い声が聞こえ後ろを振り向くとそこには金髪の少女が俺を指差していた。
指差していた少女、アリサ・バニングスに俺も声を掛ける。
「オチビ、お前何のようだ?」
「オチビって言うな!!」
オチビと言われた事に怒りアリサは拳を振るい殴りかかろうとするが俺は腕を伸ばしアリサの頭を抑える。
頭を抑えるとそのままアリサはその場で前と進もうと同じように腕をグルグルと回しながら俺に向かってくる。
「それはそうとお前いい加減友達の一人は出来たのか?」
「いるわよ! なのはにすずかがいるわよ!!」
俺はその言葉に少し驚いた。
こんな傲慢な性格の子供がほかの子と友達が出来るなんて正直驚きの言葉に尽きる。
「それは良かったな、これでお前はボッチではなくなったということか」
「そうよ、これで私はあんた以上! どうよ、見直したかしら?」
「ああ、正直、お前みたいな自分が一番でいられない奴に友達が出来るなんて夢にも思わなかった」
そんなことに胸を張るアリサに拍手を送ると今度はアリサは顔を真っ赤にしながら俺の脛を蹴り始める。
「いてえな、なんだよ。褒めてやれば今度は蹴りつけやがって!!」
「うるさいうるさいうるさい!! 幸次郎の癖に生意気よ!」
怒りに狂った
どうにかこの場を立ち去りたいが俺がこの場で逃げようとすればきっとコイツは俺を追い続けてくるだろう。
何かこの場をしのげる方法はないかと画策するも特にコイツの気をそらせそうなものは見つからない。
「アリサちゃーん!」
アリサの名前が呼ばれた方角を俺とアリサが見るとそこには二つの人影が。
きっとこの二人がアリサが言っていた新しく出来た友達なんだろう。
その光明の光を見出した俺はアリサが友達に気を取られている隙にその場で全力ダッシュをしその場から立ち去っていく。
後ろからアリサの声が聞こえるもそんなもの俺はには関係ないさ!
疾走する、風よりも早く俺は駆け抜けるんだ!!
そのままアリサから逃げ切った俺は学校の校門前までやってきた。
すでに入学式の準備は終わっており上級生たちが各新入生たちに入学のパンフレットを配布していく。
そんな光景を目にし二回目の中学生活を満喫しようと決意した瞬間。
-----ハロー! お久しぶりね。幸次郎君。
聞き覚えのある声、俺は辺りを見渡す。
その声を聞こえた瞬間、俺の穴という穴から汗が流れ出ていく。
どこだ、どこにいるんだあの女は!?
-----探しても無駄だし、これは一方通行なの。だから探しても無駄よ。
だんだんと俺の首元に死神の処刑鎌が突き立てられていく感覚に襲われる。
全身の毛が逆立つ、背筋から寒気が襲われる。
-----さぁ、魔王退治の始まりよ。
俺の存在を掛けたカウントダウンが始まった。