咲-Saki- 神域を継ぐもの   作:スレ主

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テンポよく行きたい(願望


二十四話

1日目の夜 清澄

 

「いやー、なかなか面白かったわね」

 

部屋に戻る途中、私たちに問いかけるように部長は喋る

 

「須賀君の枕を前中で避けるとは流石に驚きました」

「男子共があそこまで身体能力が高いとは思わなかったじょ」

「お風呂場でみんな盛り上がったよね」

 

皆さんは須賀君と小高くんの身体能力の高さと何故麻雀部に入ったのか?という話題で盛り上がってました

 

個人的に肩凝りについて同じ悩み持ってる人と盛り上がっていたのですけど………

 

「なぁ、久」

「ん?何?」

「確かに達也は女子と仲よくなってきたが」

「でしょ?いやー久しぶりにいい仕事したでしょ、久だけに」

「なんじゃこのウザいテンション、で、よく考えたんじゃが」

「うん」

「他校と仲よくなっても意味ないんじゃ………」

 

確かにそうですよね、ここまで小高君と仲よくなっているの龍門渕の人達ですよね?

まぁ、私達も積極的に話しかけてないというのもありますけど………

 

「………よしっ、作戦Bよ」

「なんですかそれ?」

「みんなで考えるのよ」

「作戦を考えるのが作戦って………」

「咲ちゃん、深くツッこんじゃだめだじょ」

 

仲よくですか………

 

ブーブーブー

 

「すいません、電話がかかってきたので」

「いいわよ、気にしないわ」

 

えっと、相手は………室橋裕子?

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

合宿2日目の朝、スマホが鳴り見てみると原村さんからメールが来ていた。

 

『朝早くからすいません、今日中学の後輩が来るのですが、後輩が是非あってみたいということで忙しくなければ会って頂きたいのですが大丈夫ですか?』

 

「大丈夫、部屋はどこ?っと」

 

ピロリン

 

「んー、清澄の女子部屋か」

 

なんか当たり前のように女子部屋行くけどいいのか?

 

寝ている京太郎を起こしてもしょうがないので

京太郎のスマホのアラームを時間ギリギリに設定してから

ノートの切り端に女子部屋で麻雀してくると書いてから俺は部屋をでた

 

 

 

 

 

廊下を歩いていると、井上………じゃ無くて純さんと天江さんが歩いている

 

「おはようございます、純さん、天江先輩」

「おー、まだ集まるにははえーぞ」

「ちょっと女子と一局打ちに行くんですよ」

「そうなのか」

 

しかし、さっきから天江先輩がまったく絡んでこないが

 

「あー、朝は弱いんだよ、しかも昨日の夜もテンション上がってて寝れなかったし」

「そうなんすか」

「んー?そこにいるのは、達也かー」

 

いつも大きな目を開き笑ってる印象の多い天江先輩だが、完全に糸目になっている

 

「ふわぁ、達也はうまく捉えることができないからちゃんと触らないとわからないぞ」

 

大きな欠伸を隠しもせず、ヨタヨタと俺の方に歩き、浴衣を触り確認している

 

「ちゃんといますよ」

「うむ、ちゃんといるな」

 

触ったら安心したのか、糸目からほんの少し目が広がり、微笑した……ん?

 

「…………んー、噂の後輩かな?」

 

俺がそう呟くと、天江先輩は首を傾げる

 

「ん?何が…………ん?」

 

天江先輩も旅館の空気が変わったのに気付いたのか、完全に目が覚めてる

 

「………ふえた」

 

そう呟き、廊下の奥の方を見る

 

「それじゃ、俺は用事があるんでここら辺で失礼します」

「………そうか」

 

ちょっとしょんぼりしてるけど、待たせるのも悪いので、少し頭を撫でてあげてから部屋に向かう

 

 

 

 

 

部屋の襖をノックするのも変な感じだが、流石に何も合図もなく開けるのは問題なので軽く襖をノックする

 

「どうぞー」

「ありゃ、もう始まってます?」

「ちょうど、起家が決まった所よ」

 

8人中7人が女子………部屋から出て行きたいという感覚が募ってきたが、少しため息をつき気持ちを入れ替える

 

「あっ!?今日1日お世話になる和先輩の後輩の室橋裕子です」

 

俺の顔を見るなりきっちり挨拶をしたのは室橋さんね、うーん?中学生にしちゃあ背が高いな、だいたい部長と同じくらいか?

 

「同じく和先輩の後輩の夢乃マホです、よろしくお願いします」

 

んー、この子か

なんつーか、小さい……140センチないんじゃないか?

まぁ、身長はともかく麻雀だよ

 

「俺は小高達也、挨拶はその辺にしてとりあえず始めたら?」

 

起家が牌を取らないと始まらないので、ちゃんとした挨拶は一局終わってからでいいだろ

 

「あっ、はい、ほらマホ始めるぞ」

「はいです」

 

「タコスおいしいじょ」

「ありがとうございます」

 

優希が夢乃さんにタコスをあげている

ついでに優希は着替え用のバックとタコス用のバックで合宿所にきた

 

「久々にマホのタコスぢからが見られるね」

 

んー、模倣か………いや、不完全な模倣なのか?

 

東一局

 

五巡目

 

「ロンです!18000!!」

「あいたた、いきなりインパチかー」

 

優希の模倣?………でも消えた?

 

東一局 一本場

 

「今度は『まほっち』か…」

「まほっち?」

「こいつ和先輩に影響されてネット麻雀やってて…『スーパーまほっち』とかいう名前の天使でプレイしてるんですよ…でも激弱でレーティング1200台なんです」

「1200…あ、リーチ」

 

原村さんの模倣

別に原村さんは何か特別なことはしていない、ただただ牌効率と期待率に沿って打っているだけだ、だから頭の中でどれだけ計算が出来るのかが肝だ

なのにこの子は「先輩ならこう打つ」という願望と持ってる感覚だけで完璧に原村さんになりきっている

 

「テンパイ」

「「「ノーテン」」」

 

東二局 流れ二本場

 

「あら?」

 

部長、後ろに立ってリアクションするのはマナー違反でしょうが………この打ち方は部長か、三門張を蹴ってドラ単騎

 

「ロンです!二本付けで8600です」

 

東三局

 

「あれ?もしかして宮永先輩が待ってるのって5萬ですか?………マホ…嶺上でツモれる気がします……カン」

 

「嶺上開花ツモドラ2 2000・4000です」

 

あからさまに動揺してるな宮永さん………んー、自分にしか持ってない武器を取られた不安感って所か?

 

東四局

十一巡目

 

「それっカンです!!」

 

んー、それはちょっと

 

「りんしゃん…ツモならずです…」

 

「えいっ」

 

あら、その牌は………

 

「ロン!12000!」

 

原村さんの当たり牌だ

 

「安直なカンはしない方がいいって教えたはずです…」

「で…でも…県予選で見た宮永先輩の嶺上開花がものすごくて…宮永先輩な意識しちゃって…強い人たちがそばにいるとマホもあーいう風に打ちたいと思っちゃうのです」

「マホちゃんはいつもそうでしたね…私や優希の打ち方を真似てもうまくいくのは1日に1局あるかないか…人まねの前に自分自身の底上げをしたほうが…」

 

………正論ってこれ以上もなく正しいから正論なんだよな、夢乃さん完全に涙目だよ

 

「マホこれでも頑張っているんです!プロのやっている教室に通ったり毎日部室で遅くまで練習してしてるんです………これでも」

 

最後のセリフ台無しだよ室橋さん………

 

「言いすぎましたね、あれから4ヶ月、どれだけ成長したのか、ここからですね」

 

南一局

 

「夢乃さん、それツモったら多牌だよ」

 

親なのに山に手を伸ばそうという動きがあったので、完全に伸ばしきる前に注意しとく

 

「あっ…そうでした…」

「まだ、ちょっとしか手動かしてないのに良くわかったわね?」

「そういう積み重ねが勝てるコツですよ」

「やっぱり格が違うのぉ」

「マホは相変わらず永遠の初心者だじぇ」

「…………あー、なるほど」

 

優希の言葉にピンときた、部長と染谷先輩をみると部長が「そういうことよ」と目で訴えかけてきた

染谷先輩は決勝戦で初心者の打ちまわしに翻弄されまくってたから、初心者の打ち方に覚えようとしたのか

 

まぁ、他にもいろんな思惑があると思うけど素直に乗っておくのが吉かね

 

ついでにその後2局打って検討に入った

そして検討が終わり、せっかくだし東風戦で一局打ってもらえないかと室橋さんに頼まれ打つことになった

 

「それじゃあ私がはいるじょ」

 

東風戦と聞いて素早く席に座る優希

そういや、この合宿は半荘戦だからな、

自分の庭で戦いたいのか……

 

「うんじゃやりますか」

 

「「よろしくお願いします」」

 

東一局 三巡目

 

「リーチ」

 

優希のリーチの中を鳴く

「ポン」

 

今まで戦ってきた人でも毎回東場でここまで速いのは優希だけだ

 

「むー、毎回一発消しするじょ」

「それほど脅威的なんだよ」

 

「ポン」

 

室橋さんの客風の西を鳴く

 

「うぅ、今度はツモ番飛ばされた」

 

「ロン、中のみ」

「ふぇ、はい」

 

端の牌で待ちあっさり夢乃さんが振り込む

 

東二局 七巡目

 

「リーチ」

「チー」

 

相変わらず馬鹿速いな、だけど

 

「ロン、断么九のみ」

 

優希の現物を切った室橋さんから討ちとる

 

「ノベタンリーチしないで、私の現物で待つとか相変わらずやることが鬼だじぇ」

「それほどでも」

 

ポカーンと夢乃さんが俺を見る

 

「えっ…と、どうしたの?」

「す、すごいです、東風戦で優希先輩渡り合える人初めて見ました」

「馬鹿っ!!達也先輩は男子個人戦一位で高校記録保持者で超有名人だよっ!!」

「ええぇ!!ど、ど、どうしてそんな人がここに」

「清澄だから決まってんだろ馬鹿ッ!」

 

……もしかして夢乃さん

 

「男子個人戦見てませんね」

「結構記事になってたんじゃがのぉ」

「男子に興味がないのかしら」

 

「す、すいません先輩の活躍とか全然知らなくて」

「あぁ、別に気にしてないからいいよ」

 

知ってて当然でしょとかどんなナルシストなんだって話だし

 

「ま、とりあえず一本場だ」

 

 

数分後

 

 

「ツモ、室橋さん夢乃さんがトビだな」

 

「死屍累々とはまさにこのことじゃのぉ」

「この後も練習あるんだけどねぇ」

「ムロマホコンビ起きろー」

 

優希は一瞬だけハデに突っ伏したが、すぐに起き上がり後輩を起こしに行く、なんだかんだ先輩やってたからな

 

突っ伏した二人は優希に任せ、時間も朝食を食べる時間なので先に上がらせてもらおうか

 

 

 

 

「はっ!?」

「おー、マホ起きたか」

「えっと、試合は」

「達也がツモって二人ともトビだじぇ」

「そういえば達也先輩は?」

「朝ごはんを食べに行きました」

 

マホちゃんはキョロキョロ周りを見ながら、いないことを確認してからジッと小高君が最後に倒した手配を見る

 

「私達は一旦朝食をとらなきゃいけないけど中学生組はどうする?」

「あっ、自分達は朝ごはんは食べてきたので大丈夫です」

「そう………じゃあ、とりあえず朝食が終わるまでここで待機してもらってもいいかしら」

「はい、今日はよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくね、それと夢乃さん」

「あっ、はいっ!!」

「これ、さっきの東風戦の牌譜よ」

「えっ、あっ、ありがとうございます」

「いちおう聞いておくけど真似できそう?」

「えーと、………まだわからないです」

「できないとは言わないのね……」

 

部長は苦笑していがどこか楽しみにしている顔です

 

ほんの少し彼の牌譜を見るとやはり私には真似できないような打ち筋です

咲さんのような嶺上開花や部長の悪待ちと同じように見えますが、彼の場合ほとんど理がある

偶に、引けそうだったからとか、なんとなく鳴いたとか言っていますが多くはありません

 

なんとなく、優希のリーチから小高君の一発消しから、裕子ちゃんから和了する一連の流れを見てみましたが

 

「………綺麗」

 

山を見てみると一発消しをしなかったら優希がツモっており、さらに鳴いて自分の手も進める、そして待ちも優希の現物で待って他家から和了るのを待つ

 

今までは結果論だけで見てきましたが、実際の流れと牌譜を見てみるとやはり美しく感じる

 

「和どうしたの?」

「えっ、あっ、すぐに行きます」

 

部長に声をかけられ、思ったより自分が牌譜に集中していたことに気がついた

 

「珍しいわね、和はほとんど自分の打った試合しか検討してないのに」

「えっ?そんなことは………」

「偶に、プロの牌譜とか私達の牌譜を見るけど、あれほど集中して見てないし、なんか気になる点でもあった?」

「いえ特になかったんですけど、綺麗な牌譜だなと思って」

「綺麗………か、和もだいぶ染まっているわね」

「そうですか?」

「初めて、打った時なんてイカサマ扱いしてたじゃない」

「それは私がまだ何も知らなくて!!」

「そんな怒らないでよ、………今も知らないことが多いけど」

 

寂しそうに部長がいうが言うが、何も責任は全部私達にあるわけじゃないと思うんですよね………

もう少し、向こうから話しかけてきてもいい気がするんですが…流石に甘い考えですかね

 

………そもそも私、他の女子と比べて会話された回数も少ないような

 

--和は達也に壁を作っていることに気づいていない、和にとって男性は胸ばかりに目が行きあまり良い印象がないという固定観念と心のどこかで彼の麻雀を敵視していることもある

それも無理もない、彼の麻雀にコテンパンにやられ一度も勝っていない、しかも和自身の麻雀を否定するような打ち筋はやはりどこか納得できてないことだろう

それゆえに周りが気づかないほど薄い壁のようなものを張っている

壁の内側に入ればそれこそ優希や咲のような親友と呼べる間柄になるだろう

達也はその薄い壁のようなものに気づいている

しかしここで達也の女性関係の少なさが露呈している

要するに達也がその薄い壁が分からないのだ

拒否なのか、それとも測っているのか、それとも男女の違いなのか、あらゆる可能性を考えているが答えが出ない

とりあえず達也は男女の違いによる壁ということにしている

まぁ、これは半分あたりで半分ハズレだ

実際の答えはまた少し違う

 

 

 

気にしても仕方ないですね………私は仲良くしてる時間なんてないんですから

 

全国で優勝しなければ転校………そのためには勝つしかないんです

 

 

--今の彼女には心の余裕はない

 

 

 

 

 

 




今回は視点が和視点が多かったですね
後、ころたん天使
そしてもしかしたら最強かもしれないマホですッ!!
なんかのSSで模倣が行き過ぎて、自分が誰だか分からなくなるという設定がすごく印象深く残ってます

そして、作者が地味に好きな和さんですッ!!

エロとレズ扱いが多いですが、ノンケの和の作品は素晴らしいものが多いですよね、特にラブコメ
京太郎と和の最初の関係から徐々に惹かれる感じが好物です

しかし、それと同じくらい京太郎と咲の関係も美味しいですね、咲に追いつくため奮闘する京ちゃんのお話も好きですし、単純にダラダラと緩い幸せを送る感じも非常に好きです

他にも、恋心に目覚めるタコスとか、悪女ぽく振舞ってるけど実は悩んでる部長とかいいですけど、オススメはまこですね

--ここから作者のSSのオススメ

「染谷先輩が可愛いすぎて辛い」っていうSSを読むと最高にキュートで小悪魔なまこ先輩に出会います

他に咲のSSを読んでいい意味で裏切られたのは、
和「咲さんから須賀君を引き剝がしたい」ですね

まーた、レズピンクのお話かよって思って読んでいくと………
続きは調べて読んで下さい

作者がSSを読んで神がかりに凄かったのは涼宮ハルヒの憂鬱でした
「こっ、高校デビューってのをしてみるわっ!」から
「甘いのがいい?甘くないのがいい?」が神でしたね

もうね、これ以上甘い作品を見たことがありませんね、
終始作者は頬が緩みぱなしで、甘すぎてスマホ投げて、ベットでゴロゴロしました←だいぶやばい人

他にもいろいろありますが、オススメはこんな感じです

感想欄などで是非とも皆さんのオススメSSとか教えて下さい、できればラブコメ系だと嬉しいですな

ここまで読んでくださってありがとうございますッ!!
感想や評価等お待ちしております





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