咲-Saki- 神域を継ぐもの   作:スレ主

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おまたせしました。


三一話

 

僧我のじーさんの家で1日泊まる予定なのに負けた腹いせで泊めらせてくれないので、洋榎さんのご厚意で泊めさせて貰うことになった。

 

「ウチのおかーちゃんの唐揚げは絶品やから楽しみしといてな」

 

隣で笑いながら言うが

 

「………それより普通に男子を家に上げるんやな」

 

まぁ、これが普通の反応だ、女子が簡単に家に泊めるのはそれなりに問題だとおもうが。

 

「なんや絹、そんなに意識しとるんか?」

「ちゃうわっ!!………というかおねーちゃん、おかーちゃんに言ったの?」

「友達が泊まるって言っといたでっ!!」

「友達って………まぁ、ええか」

 

少しだけ不安になったんだが………洋榎さんの家に着いてしまう。

 

「「ただいまー」」

「お邪魔します」

「おかえり、友達呼んだらしい……って、男かいっ!!」

「ほらこうなる」

 

普通娘が友達呼んだと言えば同性だとおもうのが普通だ。

 

「えっと、やっぱりやめときます?」

 

俺が洋榎さんに尋ねると

「おかーちゃん別にええやろ?」

 

そうは言うが親に許可されないと………

 

「まぁ、別にええけど………で、どっちの彼氏なん?」

 

にやにやしながら、そう尋ねると

 

「あー、そういうのとはちゃうで」

「彼氏ちゃうわっ!!」

「(絹の方がおもろい反応するなー、連れてきたのは洋榎っぽいのに)」

 

--静かに分析する愛宕雅枝

 

「まっ、それはともかく夕飯にするで………とその前に、私まだアンタの名前聞いとらんわ」

「小高達也です」

「ほら、男子の個人戦でアホみたいな成績叩き出した」

「………へぇ、あの馬鹿げた記録をだした、でもなんで大阪に来たんや?確か長野代表やろ?」

「いろいろと報告みたいなものですよ」

「………ふーん、まっ、洋榎が連れてきたんや、夕飯終わったら一局頼むで」

「夕飯終わりの三麻や!!」

「今日は四人いるから普通にできるけどなー」

 

麻雀大好き一家だな。

 

 

 

夕飯を食べ終えて、麻雀をそこそこ打ち検討に入っている。

 

「なぁ、おねーちゃんなんでこのダマテン躱せんたん?」

「うーん?勘やな」

「またか………んでもって、小高君はどうしてここでおねーちゃんの染め手に対して危険牌のドラ打ちなんや?しかも手配に関係ないチャンタの手で」

「このタイミングでドラ打ちすれば、誰か降りると思いましてね、そこを狙い打ち」

 

そう言うと、絹恵さんは「うわーこっちも頭おかしい」と言い、聞いてた雅枝さんは苦笑する。

 

「案の定、絹が振り込んだと、………発想はええけど洋榎に振り込む可能性は考慮しなかったんか?」

「当てずっぽうとか、一か八かが好きなんですよ」

 

分の悪い賭けが好きな訳じゃない。

ただ、確証のない場、理が通じない場、そんな場面に自分の感性や感覚に身をまかせる。

そんなギャンブル好きな性質。

 

「そんな考えで放銃0の記録なのもおかしな話やな」

 

呆れ気味に洋榎さんは言うが、この人も俺と同類だ。

理がない場面で自分の感性や感覚に身を任せることが出来る人間だ。

 

「でもウチもそんな感じやからなー」

「俺も思いましたよ」

 

そう言い彼女と俺は笑う。

その後も検討を続けて、ひと段落した所で雅枝さんから声をかけられる。

 

「なぁ、小高くんは明日は暇なのか?」

「あー、そうですね、さっきまで予定があったんですけどね」

 

原田さんに挨拶をしに行こうと思ったが、どうやら急な仕事が入ったらしく大阪に居ないらしい。

なので、明日の予定がポッカリ空いてしまった。

 

「ちゅうことは暇ってことやな………なら千里山に来てくれへん?」

「千里山ですか?」

 

確か女子の全国ランキング2位の学校だっけ?

 

「あっ、おかーちゃんズルいっ!!」

「それより千里山って女子校やん、ええの?」

「どーせ夏休み中やし、かまへんやろ」

 

というか、さっきから気になっていたが、もしかして。

 

「雅枝さんって、千里山の監督なんですか?」

「そや、言ってなかったっけ?」

「言ってませんよ………でもまぁ、せっかく泊まらせていただいのでいいですよ」

 

俺がそう言うと隣の洋榎さんが、こっちをじっと見る。

少し不機嫌そうに見えるのは決してタレ目のせいだけではない気がする。

 

「ということは、ウチの高校……姫松にも来るってことやな?」

「ちょ、ちょ、おねーちゃんそんな勝手に」

「ええやん、練習になるし、千里山だけズルいやんけ」

「こらこら先に予定を組んだのはおかーちゃんやで」

 

わざわざ近くに来て腕を取り、肩に顎を乗せ流れるように手を恋人繋ぎをされ、一瞬フリーズする。

 

「な?明日は千里山に行こな」

 

ふわりと甘い香りと女性特有の柔らかさ、しかもかなり密着しているので、腕に暖かく、柔らかい感触が当たる。

 

「分かりましたから、離れてくださいね」

 

心の動揺は見せずに離れてもらう、その反応の無さに雅枝さんは一瞬怪訝な顔したが、すぐニンマリ笑って「ポーカーフェイスが上手やな」と俺にしか聞こえないように言い、離れる。

 

「おかーちゃんっ、恥ずかしいからそんなことせんといてよっ!!」

「いやー、普段女子校におるから、ついな」

「お父ちゃんが聞いたら泣くで」

「はいはい、二人ともお風呂入ってさっさと寝なさい」

「そうやって話をそらしてっ!!」

 

 

そうこう言いながら、俺は愛宕家で1日過ごした。

 

 

 

 

 

翌日

 

「女子校に行く気分はどうや?」

「夏休みで人が少ないのが幸いです」

 

女子校に男子がいるだけ視線をかなり集める。

ある程度年齢を取った男性なら教師や事務の人など考えられるが、残念ながらそこまで大人びた顔ではない。

 

「ここで、ちょいと待っててな」

 

部室と思われる所で少し待つ。

雅枝さんが先に入ると、大きな挨拶が部室から聞こえてくる。

 

「(随分と体育系だな…ここって麻雀部だよな?)」

 

一瞬そう思ってしまったが、すぐに納得もした。

 

「(強豪校だからこそ色々と目立つんだろうな、一人でも馬鹿な輩がいたら全体の評価が落ちるし)」

 

組を持っている原田さんが組の規律のことで少し愚痴ってたの思い出した。

 

「入ってええでー」

 

部屋の中から声がかかる。

声の大きさからして、結構な人数がいるだろうな………

 

「失礼します」

 

部室に入ると、この学校に入った時とは比にならないくらい視線が集まる。

そして同時に感じる、相手の困惑、疑問の感情。

 

「(赤木さんの付き人をやってた最初の頃を思い出すな………)」

 

ほんの少しざわついた部室だが、雅枝さんが「静かにせぇ」と言うと教室は静寂に包まれる。

 

「今日呼んだのは、長野男子代表の小高君や………知らん奴は大多数だから、今から渡す小高君の公式戦の記録と牌譜をプリントを渡す」

 

いつの間にか作られていたプリントを部員に回す。

そしてまた部室はざわめく。

「放銃率0ってなんちゅう守備力や」「それよか園城寺先輩より一発率高いってなんやねん」「守備型って思ったんやけど、連荘記録も持ってるとか………」「えっ、小鍛冶プロ越えしてるん!?」

 

最初と同じように困惑の感情が見えてくる。

雅枝さんもこのざわつきは止めずに声をかける。

 

「小高君にはスタメンを中心に打ってもらう、後ろで牌譜とってる人は一打も見逃がすんじゃないよ」

「「はいっ!!」」

 

 

そのまま雅枝さんに連れていかれ卓に座る。

そして直ぐに他の席も埋まる。

 

「先鋒の園城寺怜や、よろしく」

「ウチは部長の清水谷竜華や、竜華でええで」

「江口セーラや、お手柔らかに」

 

当然のように3人は一番最初に座った。

………つまりここのトップ3ってことか。

 

「よろしくお願いします」

 

 

 

 

side雅枝

 

「なんというか………蹂躙したなぁ」

 

昨日家でも打ったが、ここで打った麻雀は蹂躙というしか他ない。

 

昨日の家族麻雀は正直家族全員で小高君を抑えにいっても止められへん。

しかもウチが入ってあれやもんなー

いくらウチのトップ3でも流石に………

 

「おー、怜生きとる?」

「………生きとるでー」

「突っ伏しながら言っても説得力ないで」

 

最後に怜を飛ばして終了か………セーラの和了り牌を見逃してねぇ………

 

「ん、なんや山越しか?」

 

セーラが小高君の和了りの形を見て聞いてみるが。

 

「園城寺さんが辛そうでしたから」

 

と彼はなんともないように返す。

 

「年下から気を遣われて飛ばされるウチはなんて返せばええの?」

 

ズーンと違う意味で突っ伏しとる。

 

「春はぶつからなかったけど、夏のあの宮永照とぶつかるからな、格上相手と打たへんとアレには勝てへんで」

「監督、宮永照って小高君より強いんか?」

「………まぁ、強い奴と打って損はないやろ」

「これより強かったらウチ小高君と結婚するんや………」

「雑な死亡フラグやなぁ」

「しかも俺が相手なんですか」

「小高君………ここ女子校だから男子の知り合いなんて全然居ないんやで」

 

怜だけではなく、他の部員も遠い目をし始める。

青春を全部麻雀に振りこんどるからな、「男子」っていう存在に憧れとか持ってる奴とか多そうやな、ウチ女子校だし。

それにプロになると婚期が遅くなるジンクスもあるし………あー、早めに結婚して良かった

 

「怜まだ行けそうか?」

「余裕のよっちゃんです」

「なら十万点でやろか?」

「すいません嘘です、あと半荘2回くらいが限界です」

「ならあと半荘3回やな」

 

私がそう言うと「ですよねー」と怜は遠い目をする。

 

「うんじゃ、次は泉と浩子が入って怜はそのままや」

「同じ一年の泉です」

「2年の舟久保浩子や、先輩からは舟Qって呼ばれてるから気をつけてな」

「よろしくお願いします」

「小高君ガンガン頼むで」

 

………その後もウチのレギュラーをトバしまくり、レギュラーが精神的に折れそうになったので午前で切り上げてしもうた。

 

 

 

 

side達也

 

「えーと大丈夫ですか?」

「「「無理」」」

 

彼女らは雀卓に突っ伏しながら声を揃えて言う。

6回半荘戦をやったがまだまだ打てる。

 

「せめて一呼吸は打ちたかったかな」

「………一呼吸ってどんくらいなの」

 

途中から後ろでずっと見てた園城寺さんが聞いてくる。

 

「10荘か、20荘くらいですかね」

「それを一呼吸って言う小高君が怖いわ」

「短期決戦も面白いですけどやっぱり1日かけてやる麻雀も好きなんですよ」

「………それ絶対やりたくないわ」

「よく言われます」

 

役目も果たしたし、帰りの支度をしようとしたら雅枝さんが他の先生と話をしている。

 

「あー、ごめんな小高君ちょいとウチ今からちょいと仕事するから遅くなるけどええ?」

「大丈夫ですよ、どれくらいかかりますか?」

「んー、だいたい4時くらいになるから適当にぶらぶらしてええよ、流石に女子校でずっと待ってろって言ったら嫌やろ?」

「お言葉に甘えさせていただきます」

「それじゃあ4時くらいに校門前にな」

 

そう言って雅枝さんは部室から出ていくと、一瞬で女子に囲まれる。

囲まれそうなった瞬間、いつもの癖で突破しようとしたがぐっと堪えて尋ねる。

 

「えっと、どうかしましたか?」

 

集まった女子はバッと牌譜をだしあちこちに赤線の入った部分を指差しながら

 

「この配牌でどうしてコレ切ったん?」

「なんで、部長の黙聴を読んでこの牌止められたんですか?」

「園城寺さんの1発消すために暗刻切るの狙ってやったの?」

「どうしてチャンタばっかりで和了るんですかね」

「連絡先交換してええか?」

「なんで………ってちょい待てーい、誰や今ドサクサに紛れて小高君に連絡先教えてもらっとる奴はっ!!」

「ウチやけど?」

「園城寺さんかいっ!!なんでちゃっかり連絡先交換しようとしてるんですか!?」

「小高君ありがとなー」

「って既に交換してるっ!?何事もなかったように交換してるっ!?」

「これでウチが部の中で一番男の人連絡先多いんちゃうか?」

「いやいや、流石に誰か一人くらい男の連絡先くらい持ってるはず………」

 

「それくらい当然やろ」「連絡先に男が入ってないとかそれはダサすぎや」「よーゆ、よーゆ」とあちこち声をだすが

 

「同じ高校生の枠の中やで、親とか親戚のおじさんとかアウトやからな?」

 

という園城寺さんの発言でサッと全員眼を逸らす部員の人達。

 

「あー、うん、ウチが悪かったわ」

 

あははと乾いた笑いが部屋の中を木霊する。

 

「こーらー怜、せっかく麻雀関連で質問してる所に茶々を入れない」

「分かっとるって、でもあんなに一斉に来たら小高君も困ると思って、ちょいとおふざけしただけやって」

「で、ちゃっかり連絡先も貰うと」

「そこは否定せんけど、とりあえず一人一人聞くよりボードの所でみんなに教えた方が効率ええやろ」

「そうやな、ウチら打ってる時は小高君が何切って何入れるか、分からんしお願いしてもええかな?」

 

「いいですけど、多分参考にはならないですよ?」

 

 

ーー少年説明中

 

 

「とても真似出来そうのない離れ技やな………」

 

ある程度説明し終わると全員がため息を吐きジトっとこちらを見てくる。

 

「人間死ぬ気になればなんでもできますって」

「………確かに死ななきゃ安いな」

「なに「確かにそうかも」みたいなリアクションしとるやん………怜が言うとギャグに聞こえへんで」

「実際問題死にかけたしなー」

「ええと………園城寺さん事故でもしたんですか?」

 

彼女に尋ねると、ニヤリと笑いながら答えてくれた。

 

「実は重い病気にかかって結構危ないとこまでいったけど、手術でギリギリ生還してな、ここの胸の辺りに手術の跡が」

「「わーーー」」

 

制服を捲り上げようとするが一斉に彼女を止めるかかる………というか主に清水谷さんと泉さんが

 

「「なにやってるの(んですか)怜(園城寺先輩)っ!!」」

 

「えっ、聞かれたから答えようと………それに初めての人にはみんなに見せとるやん」

「女子っ!!女子ですらギリギリセーフなのになんで男子の前で当たり前のように脱ぐんですかっ!?」

「いやー女子校のクセでなー」

「せめてネタって言ってくださいっ!!」

 

こういうネタにどういう反応したらいいか一瞬考えるが、適当に流すのが正解だろうな。

それにそろそろ抜け出したいし………

 

「えーと」

「ほら、小高君が困ってるやろ?」

「ははは、じゃあ検討も終わったし自分は外でぶらぶらしに」

「……せっかくやし、案内したろか?ほら小高君この辺に初めてやし、お昼も食べに行くんやろ?」

 

………確かにそうだが

 

「それじゃあ、お願いしますね」

「ええでー」

 

「竜華がさらりと誘ったな」「あれが女子力って奴ですかね?」「どっちかと言うと母性やないか、ほら母性の塊もあるし」「いや、そこも魅力やけどやっぱり太ももやろ」「その魅力知ってるの怜先輩だけです」

 

この後千里山の人達と一緒にお昼を食べて大阪を軽く観光した。

………途中から「千里山の女子を侍らせてる男がいる」という噂が流れたのは聞きたくなかったな。

 





えぇ、まぁ、言いたいことは分かります。
なんかこう申し訳無さすぎて投稿ボタンを押すのにかなりの躊躇がありました。

それでももしかしたら待っている人が居ると思い投稿した所存であります。

長い目で、長い目で見てください。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

感想評価等お待ちしてあります。
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