南一局 親久
(和と達也君は相性悪いのかしら…なんにせよ本人は防御に回るって言ってるから流れはよろしくないみたいね)
(二人とも喧嘩してるって思ってなさそうじゃのう、和は自分の麻雀を貫き通す、達也は別にいいけどそれだけが麻雀じゃないと………見せてもらいましょうか)
6巡目
「リーチ」
和の先制リーチ、待ちは1〜4萬待ち
(防御に回るって言っても、攻めない訳じゃないよ)
「ポン」
(また一発消しですか?)
「もいっこポン」
(いや、これは攻めに来ている)
達也の2副露のにより出された牌は筒子
そして河に出される牌は両方とも索子
(わたしのリーチに対して染め手?理解できませんね)
そして流局
「「テンパイ」」
「ノーテンよ、せっかくの親だったのに」
「わしもノーテンじゃ」
そして晒した手は和が欲しかったあがり牌を全部持っている達也の手配だった
「完全に読み切っていたんですか」
「まぁね、鳴いたのも先輩たちに現物を分かりやすくするためだし」
振り込まないという自信と読みの自信そして他家からの放銃すら与えない
「それってそんなにすごいのか」
京太郎的には良くわからない
達也が和のアタリ牌を握ってテンパイしたということに
「このアホ犬‼︎すごいに決まってるじょ」
「京ちゃんにも分かりやすく言うと、麻雀の読みでできるのは『濃い』か『薄い』までで、『ある』か『ない』まではあんまり読めないんだよ」
「はぁ」
「原村さんがリーチした時の河は端の牌や字牌だけ、その中で索子が通ると予想した」
「のどちゃんのアタリ牌は索子だった可能性もあったのに達也はノータイムで切った、しかものどちゃんの通ってない牌だしょ」
「つまり、河以外からの情報で達也は索子が通ると踏んだのか?」
「………多分」
「なんで、そこは自信なさげなんだよっ‼︎」
「私だって自信がある訳じゃないじょ…ただ、もし次にのどちゃんに直撃を与えたら確実に手配を読み切ってるじょ」
南二局一本場
現在の点数差
久22600
和16500
まこ14700
達也52400
(東場の親の時まこが鳴いてから流れがないといいつつ、和から和了った)
(つまり、なんらかの方法で手配を読んでるちゅうこと)
(前回の私の余り牌を狙ってのチートイツ、そして今回の私のアタリ牌を潰してのテンパイ………手配を完全に読まれてますね)
理牌する間にチラッと達也を見た
「ん?どうかした?」
「いえ、なんでもありません」
(読みが鋭いもしくは私になんらかのクセがあるか、どちらにせよこのままでは私の不利なまま)
理牌をして、ここからもっとも早い和了を頭の中で考える
(最後の親、最速であがれば問題ありません
いくら、私の手配が分かったとしても止められなければ意味がありません)
気合を入れ直し、集中する和
「ふーん、速さ勝負か…」
しかし、それを見透かすように達也は独り言を言う
自分の心を見透かされて、一瞬ドキッとしてしまい
思わず言い返してしまった
「えぇ、なんらかのイカサマで私の手配を読んだとしても、私が先に和了すればいいのですから」
「イカサマって………まぁ、アガれるように頑張ってくれや」
達也の読みをイカサマと言った和
普段、温厚の彼もほんの少しイラッときたのか、少し含みを入れて達也も受けて返す
(小高君の読みをイカサマって、いくらなんでも言いすぎよ
と言葉に出したいけど、もしイカサマじゃない証明をしてしまったらそれは小高君の武器を一つ晒すことになってしまう。
だからこの半荘戦が終わったらタネ明かしをしてもらいましょうか)
(ここは見に徹するつもりなんじゃが………まさかこんな時にこの配牌は)
まこのこの時の手配、国士無双一向聴
(だからと言ってこの国士も上がりたいしのお、これでもラスじゃからなぁ)
ほんの少し悩んだが、まこはこの国士をアガることを決意
(まっ、当たった奴が悪いからのう、すまんが和了らせてもらうわ)
この時達也の手配
ドラの5筒が4枚、自風の西が対子、8筒が暗刻が出来ている
(東場の私みたいな手配だじぇ)
(染谷先輩は国士無双狙えるじゃん)
(染谷先輩は西か9索引いたらテンパイ)
ツモ切りする達也
「ポン」
和が達也の切った牌をいきなり鳴きにくる
そしてまこのツモ
(うっお、9索ツモってきたわ、国士無双聴牌西待ち、和には悪いが和了せてもらうぞ)
達也は5萬を河に出す
(また小高君はチャンタかな?苦しくなる前に端の牌を整理したいわね)
2萬を河に出す
(今のところ一度も字牌が出てませんね、おそらく誰かが抱えてるのでしょう)
「ポン」
和の捨てた1萬を達也が鳴いてくる
そして5巡目
「カン」
和の捨てた8筒を槓
ドラ表示牌は9萬
(ドラ3確定ですか、だけどこっちはテンパイしてますし、向こうの捨て牌を見る限りではまだテンパイではなさそうですね)
「もいっこカン」
(またカン?トップが無理してドラを増やすのは助かりますが)
ドラの5筒を暗槓した
そしてドラ表示牌はまたしても9萬
(ッ⁉︎ドラ12上がったら役満確定…貰ったらトビます)
(さすがに私もオリるわ)
(くぅ、この国士無双でオリはさすがにつらいのお)
久は現物、和も現物、そしてまこの引いてきた牌は中張牌
(さすがにこの牌は出せない)
まこテンパイを崩す
達也ここで西を捨てる
(なっ⁉︎、わしがテンパイを崩した瞬間に西を捨てた‼︎)
そして次順、達也ここでもまた西を捨てる
(手出しで西の対子落とし?自風なのに?まぁ、合わせ打つわ)
久ここで西を捨てる
そして和のツモは西
(現物ですね)
和もここで西を捨てる
まこに電流走る
(なっ、ワシの国士無双の上がり牌を全部出されたじゃと)
国士無双のテンパイを崩した瞬間に達也の西の対子落とし、達也のスレスレの捨て牌
「ドラで暗槓して、鳴いた牌がモロ乗りとか
マジやべぇな」
「それよりすごいのはその後の対応だじょ」
「染谷先輩がテンパイ崩した瞬間に西の対子落とし…でも、これじゃあ上がれないかな」
この時達也の手配はバラバラ
今の西の対子落としのせいでアガれる型は
嶺上開花、海底、横槍、トイトイ
「「「「ノーテン」」」」
しかし、そんな都合のいいことも起きずこの場は流れる
「あら?ノーテンだったの?」
「ええ、数え役満和了りたかったですけどね」
達也あそこからツモ切りをしていかにもテンパイしてるという空気を出していたが結局バラバラのままだった
「まぁ、ぶっちゃけアガる気はなかったですし」
「あら?いくら点差があるからって余裕かましすぎじゃない?」
「勝つ為のノーテンですよ」
まこの国士無双を察知し、ドラが乗った牌が見えてる状況で周りをオリるように誘導する、そしてまこがテンパイを崩した瞬間に自風の西を落とす
しかし今の達也の台詞でその意味が伝わるのは外から見てた咲達と国士無双を聴牌してたまこだけである
(ちゅうことは、わしが国士無双があるのを察知してたのか⁉︎確かにツモ切りが多かったがそれだけで国士無双があるって考えるのは無理じゃろ)
「まぁ、あなたにはいろいろ聞きたいことがあるけどこの対局が終わったらにするわ」
「まぁ、喋れる範囲なら…」
「ふぅ………次はわしの親じゃのう」
南三局
「リーチツモ、平和、三色同順、一盃口ドラ1跳満12000は3000・6000です」
和ここで跳満をツモる
これで点差は
久19400
和28500
まこ8700
達也49600
和のトップ条件は達也に跳満直撃か三倍満以上をツモるかである
しかし、達也にほぼ手配を読まれてこの場において直撃など不可能に近く、都合よく三倍満以上の手配もくることもなく
「ツモ平和のみ700オール」
達也の軽い上がりで終了した
最終点数
久18700
和27800
まこ8000
達也51300
結果は達也の一人浮き
「ねぇ一体どうやって和の手配を読んだの?」
結果よりも手配読みについて言及するのか…
「そんないきなり言われましてもね」
「もしかして、感覚だったりするの?こう相手の手配が分かるとか?」
「そんなオカルトありえません」
原村さんがピシャリと突っ込む
「まぁ、実際オカルト並の手配読みだったけどなぁ」
国士無双止めたからね、ちょっと根に持っているな染谷先輩
「外から見てなんかおかしな点あった?」
部長が、宮永さん達に聞いてみるが
「外から見ても訳わからないじぇ」
「なにがすごいのかさっぱり」
「とりあえず、外から見ても分からなかったですね」
三者同じような答えが帰ってくる、いや、京太郎はそもそも理解してなかったか
「なるほど、それじゃあタネ明かしといきましょうか」
なんかタネ明かしする空気になっているけど
「いやですね」
ほんの少し空気が固まった
「えっと…どうしてかしら?」
「あえて言うなら、原村さんの発言にちょっとイラっとしただけですよ」
達也を除いた皆が、和を見る
「ちょっと待ってね、ほらみんなこっちきて」
「本人笑ってますけど、絶対おこってますよアレ」
「でも、ありゃあ、和の発言が悪いじゃろ」
「流石に原村さんが悪いと思う」
「のどちゃんが悪いに一票」
「私も和の発言が悪いと思うわ」
じろっと、みんなに見つめられる和
「確かに、私も言い過ぎました私が悪かったです」
素直に自分の非を認める和
「そんじゃ、小高君に謝ってこようか」
「うっ…はい」
「えっと、話をする前に和が小高君に言いたいことがあるみたいです」
そう言ってササッと和を前に行かせた
「なに?」
その一言で、麻雀部全員がズンと重い空気が乗りかかった
底冷えた声、冷たい目、普段の彼から考えられないようなオーラ
遠くにいる咲達ですら足がすくむ感覚
目の前に立ってる和はもっと酷い重圧を感じている
「さ、先ほどは失礼な発言をし、すいませんでした」
頭を下げるが重圧はもっとくる
頭を下げて誰も気づいていないが涙目になっている和だった
そして、フッと重圧が消え
「今度から発言に気をつけてね」
達也はニッコリ笑っている
「はい、すいませんでした」
「こ、これで教えてくれるわよね」
久、達也のプレッシャーでちょっとビビってるせいか声が震えている
「まぁいいですけど、実際見た方が分かりやすいですよ、原村さん?」
「は、はいっ‼︎」
「適当に理牌してみてよ」
「はい」
達也が選んだ牌を理牌する和
「もう一個」
「はい」
手早く理牌する和
「もう一個」
「はい」
そして三つの手配が出来た
「ね?分かったでしょ」
「………なるほどね」
「あー………確かに分かりやすいのぅ」
「中学からの付き合いだけど、こんなクセがあったのか‼︎」
達也が選んだ牌はどれも同じ数字と種類の牌
それが三つとも同じ形で理牌しているのだ
「これが何か問題でもあるんですか?」
相変わらず京太郎は分かっていなかった
「そうだな、問題なしって言えば問題なしなんだけどな」
「京ちゃん、理牌した時に左から萬子索子筒子役牌って順番になってるよね」
「あぁ、なってるな」
「それも三つとも同じように綺麗に理牌してるよね」
「それだとダメなのか?」
「多分原村さんはいつもこの順番で理牌してたと思うんだ、これだとどこに何の牌があるとか分かっちゃうだよね」
ツモ引きを入れ河に牌を捨てるとき索子のゾーンから端の牌を切った、萬子のゾーンの真ん中のところに牌を引き入れたなどなどある程度の予測ができてしまう
「でもこれだと、予測は出来ても何の牌か分からないんじゃない?」
部長が質問してきたが
「確かに、これだとせいぜい種類が分かる程度ですけど、実際の動きで分かることもあります」
「実際の動き?」
「例えば索子の6と索子の7の違いって分かります?」
突然の質問に答えられない麻雀部
それもそうだ、牌は数字か種類だけであり、それ以外にも違いがあるなんて考えたこともないのだ
「えっと、分からなそうなので答え言いますけど牌の形が違いますね」
「どれも四角いじょ」
「あー、もっとわかりやすく言えば上下対称じゃないだろ?例えば索子の6を手配に入れるときそのまま入れるけど、索子の7を入れるとき、原村さんは牌を綺麗に入れるから牌を手元でくるっと回転させるんだよ」
こんな感じにっと達也がくるっと回転させるが、少し呆気を取られていたのは無理もないだろう、そんなところまで普通は見ないのだ
「ワシの国士無双のはどうやって看破したんじゃ?」
まこは睨むように達也を見る
「最初の理牌の時染谷先輩は妙にバラバラに入れたじゃないですか?最初は俺の狙いに気づいたのかなって思ったんですけど視線が何度も横に横断した時に気づいたんですよ」
「視線だけで手配が読めるのか?」
「さすがにそれは無理ですよ、でも普通の手なら4面子1雀頭、手配の一つ二つみればすみます
しかし、ある一つの役だけは手配全てを見ないとテンパイを確認できないですよね?」
まこの瞳はテンパイを確認する為手配全体を横断した
国士無双だけにあらわれる視線の動き
「待ちはどうやって看破したんじゃ?」
ほんの少し呆れているのだろう、それでもきになるので聞けるだけ聞く
「国士無双をテンパイしたの原村さんが鳴いた後ぐらいですよね?あの時の視線がまず、河をみて俺の手配そして山をみた
つまり河にはアガリ牌はない、そして俺の手配を見るのは俺の自風が西という確認、そして山から引くという思考
そういう思考が視線にでて分かったんですよ」
そのように達也が見せる理は明らかに他を圧倒していたのだ
「それじゃあ、東一局の時私のリーチを鳴いてきたのは?」
そう、確かに他を圧倒できる理を持っていながら、最初の久の先制リーチに対して達也は純チャンを蹴っての嶺上開花のみをやってのけたのだ
「あぁ、あれは勘ですね」
「………それだけ?」
「うーん、あえて言うなら中張牌を切るのが早かったからだけですかね」
様々な理を見せてきて、突如に暴論をかざす達也
「そこに理はないです、ただの勘ですから」
達也の強さは理だけによって作られている訳ではなく、理を捨てる強さを持っている
「さて、だいたいタネ明かしも終わりましたし、京太郎ほら麻雀教えてやるよ」
「えっ?あっ、おうよろしく頼む」
これが、達也が清澄で打った初めての麻雀であった
作者はリアルの麻雀は二回くらいしか打ってなくてほとんどネット麻雀しかやってません
そんな中友達が牌とマットを買ってメンツを呼んで麻雀をしました
そして初めての局作者はツモを忘れ三面待ちが台無しに………
初心者あるあるですね
とまぁ、ここまで読んでくださってありがとうございます
評価や感想等お待ちしております