東方光剣輝   作:”蒼龍”

2 / 17
第2話で文才が無いのに1万字突破だって⁉︎
こんなの、普通じゃ考えられない………!
なーんて思ってしまった今日この頃です。
後、第4話までは書いていますのでそれまで投稿したら本当に不定期更新となります。


第2話「出陣、聖騎士団‼︎」

「………成る程ね、此処『幻想郷』では空を飛びながら相手に弾幕を当てる弾幕ごっことか言う物や、弾幕入り格闘戦の『実戦ルール』と、それが出来ない人とか弱い者の為の『カードファイト‼︎ヴァンガード』にアンティルールを追加した『ファイトルール』があって、大抵の物事はそれらで解決すると。

そして、力ある者はあらゆる理由で『異変』と言う騒ぎを起こす事も偶にあると」

 

霊夢に博麗神社に連れて来られたブライトは、幻想郷のルールを聞き、異変や2つのルールを理解する。

また、2つのルールは『どんな無茶な要求でも勝った者の意に従う』と言う絶対的な拘束力もあり、命のやり取りすら可能とすら言われ、冷や汗をかいていた。

 

「はい、だからこそ弾幕やヴァンガードファイトは出来ておかないと危ないんです。

さっきの『ルーミア』みたいな奴にも無抵抗のまま襲われて殺される事だってありますし、やらないに越した事は無いです。

でも、貴方は外来人だからまだどんな力を持つか、どんな弾幕が得意かなんて分かってませんからまだ弾幕ごっこは無理です。

なので、ヴァンガードファイトは絶対に必要な物になりますので、先ずはヴァンガードファイトが出来る様にデッキを作る、買うをしないといけません。

資金はある程度、私が持ちますので安心して下さい」

 

霊夢の一言一言を噛み締め、確かにと思った。

もしも霊夢が来なかったり、自分が落ちていて持ち前の身体能力を発揮しなければ『ルーミア』、黒服の幼い妖怪に喰われていた可能性すらあったと。

よって、ヴァンガードのデッキだけでも可及的速やかに用意しなければならないとも考えた。

しかし、資金が無いので霊夢に助けて貰わねばならないのは歯痒く、少し溜め息を吐いていた。

 

「大丈夫ですよ、お金ならそれなりにありますから。

………お賽銭は余り無いですけど」

 

「そ、そう言う事情は話さなくても良いって…………じゃあ、デッキを用意しないと!

確か、『人間の里』にカードを売っている店が多くあるんだよね?

なら、ルーミアみたいなのに出くわさなきゃ大丈夫だね………じゃあ、資金をお願いします(土下座)」

 

「頭を上げて下さいって。

それに、人里の道は妖怪が何時出ても可笑しく無いですから、私も人里まで付いて行きますよ。

人里まで入れば安心ですし、ブライトさんならデッキさえ買えばそこら辺の妖怪には負けそうには無いと思いますし………じゃあ、行きましょう」

 

こうして二人は人里に行く事にしたが、果たして………?

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな心配を他所に、二人は何事も無く人里に着いてしまった。

 

「………あれぇ〜?」

 

「今日は運が良かったみたいですね。

じゃあ、後はもう大丈夫ですね…………もう私は戻りますけど、何かあったらこれで呼んで下さいね。

使い方はこれを持って私を呼ぶだけですから簡単ですよ」

 

余りにも拍子抜けする位早く人里に着き、ブライトは気張っていたのが空振る。

そんなこんなが………無かったが、霊夢はそのまま神社に戻るが、ブライトに一応通信用の陰陽玉を渡した。

そうしてブライトは漸く人里を見渡し、その広さと長閑さを感じていた。

 

「建物自体はマンションみたいな感じのものが無いし、道は舗装されてもコンクリートじゃないし、いや〜田舎の様な感じで好きだな〜。

さてと、じゃあお店を探しましょうか!」

 

ブライトは気分を改め、カードを売っているお店を探し始める。

資金も霊夢から資金を十分貰えたので意気揚々としながらお店に入ってはカードを吟味していた。

因みにブライトは一応ヴァンガードの事を知って尚且つ元ユーザーであったり、拾ったルールマニュアルを読んでブレイクライドやリミットブレイク、ペルソナブラストなどをしっかり理解したり、実際に触れたりしたのでルールは問題無かった。

しかし………。

 

「悪いねぇ、トライアルデッキは切らせていて、次の入荷は来週か再来週なんた。

他の店を当たって下さい」

 

「すみません、デッキは切らせてしまいまして………」

 

「あ〜、デッキ切れちゃってますね〜……」

 

結果は全滅だった。

トライアルデッキは何処も切らし、バラ買いをしようにも何処を合わせてもパーツ不足、パックだけでは補ず、デッキが完成しない………つまり、こちらも空振りだったのだ。

 

「\(^o^)/オウフ………ナンテコッタイ………」

 

散々な結果に終わってしまい、意気消沈してしまうブライト。

デッキが作れなければ幻想郷でやっていけないのに、これではダメだと思っているのだが、何処もダメな為お手上げだった。

 

「あ〜どうしよう………折角の資金も使い道が無くなったし………デッキは持てなかったし………はぁ〜………やっぱり、僕は『化け物(・・・)』だから、人里に来るなってお告げかな………」

 

そんな事を愚痴りながら大きく溜め息を吐き、気分が沈んでしまうブライト。

周りの子供も指を指し、母親が見てはいけませんと言って早歩きでその場を去って行く程暗くなり、周りの男の大人すらドン引きしていた。

 

「はぁ〜………もう如何しようかな〜………」

 

「………すみません、一体如何されましたか?」

 

「何なんだぜ、この滅茶苦茶暗い空気は?」

 

「本当、何があったのかしらね」

 

そんなブライトに白黒の服大きな帽子を被った少女と、少し大き目の、しかもよく見なければ分からない程細い操り糸で操られ、最早自律しているとしか見えない人形を連れた白と青の服が特徴の少女、そして、白と赤と霊夢の巫女服と被るカラーリングと、大きな赤いリボンに弦楽器を持った少女が近付き、ブライトに話し掛けて来ていた。

 

「あ〜何でも無いです。

ただ、幻想郷に来たばっかなのにカードのデッキすら持てず、買おうにも目標の物が品切れ中でバラ買いをしても完成しないからちょこ〜っと気分が沈んじゃって………」

 

ブライトの話に少女達3人は、ブライトが『幻想入り』………幻想郷に入り込んで来たばかりと察し、更にヴァンガードのデッキを持っていないから買おうとしたら全滅と、運が無いとさえ思える事態になっている事を知る。

 

「そうなんですか………普段ならトライアルデッキが品切れになる事が少ないんですが、今日に限って、ですか……」

 

「まあ、たまーにあるよな、それ」

 

「とは言え、幻想入りして来た人をデッキ無しのまま人里から出すには行かないし…………『魔理沙』、『麟』、何処か穴場のお店を知らない?」

 

「うーん…………こーりんのトコならあるいはなぁ………」

 

3人の少女の内、白黒の少女………『魔理沙』の話を聞いた瞬間、下げてた頭をバッと上げる。

それを見た3人は急に顔を上げたブライトに少し驚いていた。

 

 

 

「で、此処がこーりんの店、『香霖堂』だよ。

此処なら多分トライアルデッキを置いてる筈だぜ。

さーて、私も店に乗り込むぜ!」

 

「ああ、僕への案内はお店に行くついでか。

まあ、此処にデッキがあるなら全て良し!

いざ、乗り込めー^ ^」

 

「はぁ、さっきまでのテンションは何処に消えたのかしら………」

 

「あ、あはは……」

 

そんなこんなでブライトは『霧雨魔理沙』、『アリス・マーガトロイド』、『冴月麟』と共に人里を離れ、『魔法の森』の入り口近くのお店、『香霖堂』の中に入る。

すると、眼鏡を掛けた白髪の青年が店の中に居た。

彼こそが香霖堂の店主、『森近霖之助』である。

 

「おや、魔理沙にアリスに麟かい。

いらっしゃい………っと、そっちの子は見ない顔だね。

君は?」

 

「初めまして、僕はブライトと言います。

数時間前………朝早くに幻想入りをしました。

以降、よろしくお願いします」

 

ブライトは霖之助に頭を下げ、此処で面識を持つ。

すると霖之助はブライトの話に興味を持ち、話し始める。

 

「へぇ………それは大変だったね。

数時間でお金を用意したり、人里に来るのは大変だっただろう?」

 

「いえ、霊夢さんに助けられたり霊夢さんに資金貰ったり、霊夢さんに人里まで送って貰ったりで助けられてばかりで…………でも、余り苦労らしい苦労はありませんでした」

 

「はっ?

霊夢が必要以上に助けたり資金を提供するだぁ?

あの、米一粒すら譲らない霊夢が………?」

 

「それは…………外来人だからと言っても少し可笑しいわね。

どうしてかしら?」

 

全員ブライトの運の良さを聞いて感心する一方で、普段の霊夢から考えられない様な入れ込み振りに疑問を持つ。

が、それよりも人里に来てからの運の無さの方を思い出し、それで全ての運を使い果たしたとすら感じていた。

 

「それで、何が欲しいのかな?

トライアルデッキは数あれど、使うクランによって強化の方針が変わるから、先ずははじめようセットを買うのも手だよ。

さあ、選んでくれ」

 

そうして漸くトライアルデッキ、及びはじめようセットを選ぶ事になった。

ブライトは数ある中で、〈ロイヤルパラディン〉か〈ゴールドパラディン〉、仲間を呼び、自らと仲間を強化するデッキを選ぼうとしていた。

該当するのはTD01、05、08、SPTD、そして、近年発売されたばかりのTD14と16である。

更にそれらははじめようセットが殆んどあり、いきなりデッキ強化が出来る様になっていた。

 

「うーん、古くなればなるほどシステムも古くなるし、過去のユニット強化が必要な奴が多過ぎて手が付け難いからな………」

 

「ああ、過去の主役ユニットなら近年漸く強化、と言うより再び日の目が当たる様になっているよ。

例えばこの『騎士王 アルフレッド』、これは『究極次元ロボ グレートダイユーシャ』と同じ企画、『リバイバルレギオン』の対象になっていてね。

その展開力とパワーを強化する『騎士王の先導者 エゼル』と言うユニットが出て、また使われる様になったよ。

解放者(リベレイター)』も新しいTDが出たし、〈ロイヤルパラディン〉に至っては、このトライアルの新名称『探索者(シーカー)』が出て大暴れだよ」

 

デッキを選んでる途中に霖之助のありがたい情報に涙を流していた。

『騎士王 アルフレッド』は、彼の逃亡+隠密生活時にひっそりとしていたヴァンガードで、例え勝てなくても使い続けてやるとまで意気込んで使っていたユニットだった為、強化されたのが大変嬉しかったのだ。

 

「ふむむ………やっぱ、この新名称の『喧嘩屋(ブロウラー)』、新しいシステムが積まれていて楽しそうだぜ!」

 

「あら………『銀の茨(シルバーソーン)』はお役御免で、これからは『ナイトメアドール』か『ビーストテイマー』かしら?」

 

「………『銃士』強化は嬉しいですね。

新システムも積まれてますし、これならばまだまだやれますね」

 

他の3人もBT16やTDを剥き、デッキを組み直したりしていた。

が、アリスのみ中々良い物では無かったらしく、自分のデッキの名称が強化されていなかったらしい。

 

「むむむ………はじめようセット01か、それとも『探索者(シーカー)』のはじめようセットか…………どれが良いかな…………『ガヤガヤ』?

少し離れた場所が騒がしい………?」

 

デッキ選びをしていた所、ブライトの無駄にやたら聞こえる耳に人の声が、しかも別々の人物で重なっていた。

如何やら人が集まり騒いでいるらしい。

それが気になり、その場所に走る。

 

「あっ、待てって!

如何したんだよ!」

 

それを見た魔理沙達もブライトを追うべく、勘定を置いて店から出た。

すると、人里の入り口付近に人が集まり、また、その前にルーミアが立って………否、複数の人に囲まれながらその他の人々が見ているのだ。

 

「はっ?

何でルーミアが囲まれてんだ?

理由なら分かるんだが………」

 

「あ、あの方達は………私の同業者です!」

 

「となると、ルーミアを囲んでいるのは退魔士………退治屋ね」

 

「……………」

 

ブライトは、位置的に近い民間人に近付き、事情を聞こうとする。

但し、良い答えが返って来るなどと希望的観測は持っていなかった。

 

「其処の人、何があったのか30秒以内に伝えなきゃボコるよ」

 

「はいぃ⁉︎

えと、人喰いのルーミアが里にまた来たからもう我慢出来なくなった誰かが退治屋を呼んで退治して貰おうとしてるとこ!

でも仕方無いよね、人喰い妖怪なんだからで25秒!」

 

30秒以内に事情を察したブライトは、ルーミアに対して何らかの感情………恐らく、家族を喰われた怨みや怒りを晴らそうと退治屋を呼び、彼女を討伐しようとしたのだろうと予測を立てる。

 

「さあルーミア、宵闇の妖怪よ………大人しく退治されるが良い!」

 

「因みに、もしも退治が嫌なら一生ご奉仕するんなら助けてやっても良いぜ、ウェヘヘへ………」

 

「そ、そんなぁ………ただカードを買いに来ただけなのに退治されちゃうのか〜………?」

 

退治屋達がルーミアを今にも退治しようとし、中には◯◯コンまで居る始末であり、これは流石に魔理沙達も黙って見れられなくなる………が、ルーミアは人喰い妖怪、退治されるには十分な理由があり、迂闊に助ければ人里の人間全てを敵に回しかねない爆弾でもあった。

 

「くっ、ルーミア………‼︎」

 

「あ、『慧音』さん、………如何見ますか、これは?」

 

「………私は人里の番人だが、幾ら何でもこれはやり過ぎだ!

最近のルーミアは滅多に人を襲って喰おうともしていないし、そもそもルーミアは私の生徒だ!

こんなの、認められた物じゃない………‼︎」

 

麟は、その場に居た知り合いの『慧音』に話し掛け、2人は魔理沙達とは別にこっそりとルーミアを助けようとする。

が、位置的に悪い場所に居たり、ルーミアが囲まれている事もあり、近付きようが無かった。

だが、そんな中でも冷静なアリスは、周りを見てブライトが消えている事に気付いてしまう。

 

「あら、ブライトは何処に………?」

 

「じゃあ、早速俺からやらせて貰おうか………ウェヘヘ!」

 

そう言って◯◯コンの退治屋が最初にルーミアと戦おうと近付く。

それを見て魔理沙、麟、『慧音』は居ても立ってもいられず、退治屋の前に出ようとした………が、それよりも早く退治屋の近くに来た人物が居た。

しかもいきなり走り込んで来て、人混みを掻き分けながらだ。

 

「さあ、デッキを出して「おい、◯◯コン」ほい【ドゴォ‼︎】ィィィィィィィィィィ!!!!?」

 

何と、ブライトが◯◯コンの退治屋を思い切り殴り、気絶させてしまったのだ。

それを見て、魔理沙達はビックリしてしまう。

 

「あ、あのバカ‼︎

まだデッキ買ってないのに喧嘩売るなんて‼︎」

 

魔理沙達も慌ててブライトの直ぐ後ろ、しかし、人混みに紛れる形でに近付く。

すると、退治屋達がブライトに憤慨する。

 

「貴様………人喰い妖怪を助ける気か‼︎

人間の風上にも置けん‼︎」

 

「しかもその服装………明らかに幻想郷の物じゃない。

外来人だな?

だったら無関係な奴が首を突っ込むな‼︎」

 

「そんな安っぽい正義感で動かれたら、こっちの仕事にも支障が出るんだよ………引っ込んでろ、他所者‼︎」

 

退魔士達の言い分も大体正しく、人喰い妖怪などの危険な妖怪を退治するのが彼らの仕事。

それを邪魔されるのは彼らの生活にも関わり、また、正義感で助けるのもお門違いなのだ。

更にブライトは幻想入りしたばかり、他所者と呼ばれても仕方無かった。

人里の人間ならば、これで退散するだろう。

しかし…………幻想入りしたばかりのブライトは違った。

 

「………ふう、人間の風上?

無関係な他所者?

安っぽい正義感?

………あんたらの方がよっぽど人間の風上にも置けないね。

其処のルーミアを見なよ。

あんたらに完全に怯えて、今にも泣き崩れそうだ。

良心が痛まないのか、妖怪とは言えこんな子供に仕打ちをして。

それに、僕は幻想入りしたんだ。

もう無関係じゃないし、これからお世話になる隣人だよ。

後、安っぽい正義感なんて言うけどさ、子供を助けようとするのに理由なんか必要な訳?

馬鹿馬鹿しい、理由なんか要らないさ。

理由が欲しいなら、自分作りなよ三流退治屋!」

 

「何………!」

 

「………だったら、お前は如何落とし前を付ける気だ?

そいつを逃せば、また人が襲われるかもしれないんだぞ!」

 

「そうなって誰か殺されてみろ、責任を取れんのか?

お前みたいなバカの所為で、誰かが悲しんじまうんだぞ!

それを、お前は如何償うんだよ‼︎」

 

ブライトが言われた事に全て反論し、人としての良心を退治屋達に見せ、退治屋もまた、ルーミアを倒す事の重要性を認識させようと怒鳴る。

魔理沙達も聞いていて、耳が痛くなっていた。

彼らの懸念も尤もな話で、それらを消すには、ルーミアを如何にかするしか無かった。

『慧音』も、それが心配でルーミアに『人を喰う事を止め、脅かす程度』なる様になんとか促し、それが功を奏して最近大人しくなり、やたら滅多に人を喰わなくなったのだ。

因みにブライトが襲われたのは我慢していたが、何日も本当に人間を食べていなかった故に空腹に襲われたからだ。

つまり、やたら滅多な事に出くわしていた事になる。

 

「………償う必要も無ければ、そんな心配も要らない………ルーミアに、完全に人喰いを止めて貰えば良いさ。

但し、本人の同意の上でね」

 

すると、ブライトが今まで幻想郷の人々が聞いた事の無い言葉を出す。

人喰い妖怪に人喰いを止めさせる………妖怪の本質すら危うくするものに、周りの人間達すら騒つく。

 

「ば、馬鹿馬鹿しい‼︎

そんな事、出来る訳が」

 

「初めから決め付けてやらないなんて、器の狭さを露呈させてるね。

『幻想郷は全てを受け入れる』、つまり………妖怪の生き方を、人間の生き方を、2つの種族の在り方を、本質すら変えて行くだって受け入れる筈だよ‼︎」

 

「そんな無茶苦茶なものがあってたま」

 

「無茶苦茶?

僕はこうも言った筈だよ、『本人の同意の上で』と。

ルーミアが拒絶すればそれまでだよ。

でもルーミアが望む…………それは本質を変えてしまう事。

とても大きな覚悟と決意が必要な事…………それをすると言ったのなら、彼女は変わろうと頑張ると言っているのと同じだ!

その真摯な思いが受け入れられない道理なんて無い‼︎

それに無茶苦茶なんかじゃない、彼女自身の意思による決定だ‼︎

それをそんな四字熟語程度で否定はさせない‼︎」

 

「こいつ…………」

 

魔理沙達は今のブライトを見て、彼はルーミアに向いた敵意を自分の方へ引き付けている様に見えていた。

しかし、確かにルーミアがそれを望めば、全ての妖怪ですら同じ様に人々と歩み寄れる証明にすらなる。

何故なら彼女は弱小ながら人喰い妖怪…………彼女の様な弱い妖怪に出来た大きな決意を、より強く大きい妖怪に出来ない訳が無いのだから。

 

「…………コッペパンをくれたお兄さん、何で、私を助けようとするの?

私、けーね先生との約束を破ってお兄さんを食べようとしてたのに………」

 

「ほら見ろ、そんな事は不可能だと証明され「黙れ、口を縫い合わすぞ」っ‼︎」

 

ルーミアの疑問にブライトは耳を傾けるが、それに揚げ足を取る様に何処ぞの親善大使風の退治屋が叫ぼうとした。

しかし、それをブライトは威圧して途中で止めさせる。

そして、その威圧感を消しながらルーミアの方に振り向き、微笑みながら彼女の視線までしゃがみ、口を開く。

 

「……人を、子供を、隣人を助けようとするのに理由は要らないでしょ?

僕と君はもう同じ幻想郷に住まう隣人。

なら、僕が君を助けるのは当たり前の事なんだよ」

 

「……………」

 

ブライトの言葉に目を見開きながら、その言葉を噛み締めるルーミア。

それと同時に、彼を1度襲った事に対する申し訳無さと、知り合えた事に対する嬉さが込み上げてきていた。

 

「………もう良い、茶番は終わりだ。

貴様が我々の生業を阻むのであらば、それを我々は実力で排除しよう!

さあ、デッキを出すが良い………アンティルールは、『私に勝てば、ルーミアの処遇は好きにして良い』だ‼︎」

 

すると、リーダー格の神父風の退治屋がデッキを出し、アンティルールを設けて来た。

しかし、魔理沙達は知っている。

先程ブライトは、デッキを買う前にこの現場に来ていたのを。

 

「む、無茶だぜ‼︎

ブライトはまだデッキを待っていないんだ‼︎

ファイトなんか出来る訳が無い‼︎」

 

「っは‼︎

幻想入りしたばかりのバカが邪魔していたのか‼︎

ならさっさと退きやがれ、カードを持ってないなら俺らの前に立つな‼︎」

 

魔理沙がついそれを叫んでしまい、退治屋達が興醒めをしてブライトを力強くで退かす。

それ位では倒れないブライトだが、瞳を閉じている。

それを見たルーミアは悲痛な表情を浮かべ、再び涙が流れそうになる。

すると、ブライトは何かを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程アリスがブライトが消えたのを確認したのとほぼ同時刻、場所は香霖堂の会計前だ。

 

「はじめようセット、『探索者(シーカー)』の奴を4つ買います。

代金は此処に置きますので、釣り銭はまた後で取りに来ます」

 

「おや?

ブライト君……………酷い汗だね。

何かあったのかい?」

 

「話している暇がありません、早くセットを………!」

 

ブライトは何と、1人で香霖堂まで戻りデッキを購入しようとしていたのだ。

その様子を見た霖之助は、何かがあったのだと察し、更にそれが一刻を争う事だとも感じる。

すると霖之助は無言ではじめようセットを4つ用意し、代金を受け取っていた。

 

「よし、後はざっと見で4つのキーカードと付録カード、それと必要な奴を選択して…………こんな感じか。

なら「待ちたまえ」今は急いでいるんです、止めないで下さい!」

 

デッキ4つの中から必要なカード、更にはじめようセットに付いて来た先行収録カードも何枚か入れて、走って行こうとするが、それを霖之助が手を掴み引き止めてしまう。

少し焦るブライトだが、対して霖之助は至って冷静に忠告を話し始める。

 

「聞くんだ。

確かにはじめようセット4つで構築されたデッキなら、弱小妖怪にはまず負けないよ。

でも、君の様子を見るとそのデッキを振おうとしてる相手は明らかに弱小妖怪を超える者、そんな相手にそれだけで挑むのは無謀だ。

勝てる確率ははっきり言って無いに等しい。

それでも行くのかい?」

 

「はい。

例え0.00000001%以下の確率でも挑みます。

あの子を、放って置けない………!」

 

その忠告を聞いても行こうとし、誰かの為に戦おうとするブライト。

それを見た霖之助は魔理沙達の姿と彼を重ね合わせ、彼女達も同じ様な無茶を何度かやらかして来た。

そしてその度に、特に一番初めは何をしていたのか思い返していた。

すると、懐から小さな袋を出し、ブライトに手渡していた。

 

「………これは?」

 

「僕がコレクションにしようとしたカードの詰め合わせだよ。

この中には、そのデッキを大幅強化するカード達がある。

けど、初めて使うデッキでそれをするのは無謀中の無謀………勝ち筋がわからないのにカードを詰め込むのと同義だよ。

…………もしも行くならこれを使って勝つんだ。

でないと、この先生きてはいけないからね…………必ず1回のファイトで使いこなすんだ、良いね?」

 

「霖之助さん……………はい、ありがとうございます‼︎」

 

袋を受け取ったブライトは、そのまま走りながら袋の中のカードを出し、デッキを再度構築していた。

それを店の外に出て見送る霖之助は、自分もまだまだ甘いなと思いつつも、1人の少年の未来に幸が訪れる事を願っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

時間を戻し現時刻、退治屋達が再びルーミアを襲おうとデッキを出し、再び囲む。

その瞬間、ブライトは目を見開き、退治屋達の方を向く。

 

「おい、ファイトしろよ」

 

「はぁ?

お前デッキ持って無いじゃん……………デッキ、持って………」

 

軽く挑発して退治屋達の囲いの中に居るルーミアの前に行き、彼女を抱えて囲いの外に連れ出し、近くに居た魔理沙達の下に預ける。

………無論、購入して構築したデッキを出しながらだ。

 

「なっ、それはデッキじゃない!

何時の間に………」

 

「…………カードは拾った‼︎」

 

「いやいやあり得ないから⁉︎」

 

アリスの問い掛けをネタで返し、それを魔理沙がツッコむ。

そして魔理沙、アリス、麟はそのデッキが香霖堂で購入した物だと理解し、後の成り行きを見守り始める。

 

「ふっ、カードは拾ったか…………デッキがあるならばカードの入手経路など関係無い‼︎

アンティルールは先程ので構わんな‼︎」

 

「良いよ。

なら、僕からは『負けたらルーミアを退治するなり何なりして良い』だ‼︎

まあ、負ける気なんか毛頭無いけどさ!

さあ、行くよ‼︎」

 

神父風の退治屋とブライトのアンティルールが出し合われ、その条件下でのファイト成立がなされた瞬間に2人の目の前にホログラフ風のファイトディスプレイが現れる。

其処のヴァンガードサークルにFV、『ファーストヴァンガード』を置き、手札を5枚用意する。

そして、今要らないカードを戻して引き直し、準備が完了する。

 

「行くぞ、スタンドアップ・ヴァンガード‼︎」

 

「スタンドアップ・ヴァンガード‼︎」

 

「始まったか………」

 

「頼むんだぜ、このファイトにはルーミアの今後が掛かってるんだからな………!」

 

「お兄さん………」

 

「ブライトさん………!」

 

人々が、魔理沙達が見守る中でアンティルール有りのヴァンガードファイトが始める。

果たして、勝利の女神の行方は?

今、幻想郷に入り込んだ少年の戦いが始まる………。

 




冴月麟:東方紅魔郷、及び二次創作の東方有頂天を知っているなら大体が知る東方紅魔郷の没キャラ。
今作に於ける麟は魔法使いで魔法の森に住居を構えていて魔理沙やアリスと友人、更に妖怪退治屋の一員だが妖怪にある程度慣用的と言う設定となっています。

なお、冴月麟が出たとしても有頂天に必要なあの方々は出ません。
また、今後こんな感じで東方の原作の流れを無視した展開が多々あります。

感想、指摘をお待ちしています。

追記
と決めた筈なのになー…………一箇所、『有頂天に必要な方々』等を早速訂正させて頂きます。
理由としては………序盤から〈ゴールドパラディン〉を使う方が出ないじゃないですがヤダー‼︎です………泣きたい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。