友を訪ねに行きましょう。   作:HIGU.V

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エピローグ

「先ほどの御方は結局どういった存在だったのでしょうか?」

 

「さぁね、アタシじゃわかんないよ。デミウルゴスがわかんないならね」

 

「そ、そうだね、アルベドさんは? 」

 

「ナニモノであろうと関係ないわ、全てはアインズ様の御意向を酌んで動くだけよ」

 

 

アインズが来訪者の謎の人間を連れて立ち去った後、階層守護者たちは一先ず最悪の事態に備えるというアルベドの指示に従い玉座の間に残っていた。

各々先ほどの謎の人間の正体について自分の中で消化できていないようだ。唯一アルベドだけが普段と変わらないように見えるが、その内心など本人しか知り得ないものだ。

 

 

「シカシ、直ニ分カルデアロウ、御言葉ガアッタノダカラナ」

 

 

コキュートスが言うのは、先ほどメッセージで集合せよとの言葉があったからである。

恐らく何かしらの決着がついたのであろうと すでにこの場にいる6人の階層守護者は主君を待つ姿勢をとっているが、待機時なので比較的フランクなものである。勿論アインズが来ればすぐさま変わるが。

 

そして彼らの予想通り玉座の隣に黒いゲートが開かれる。本来このナザリック内に置いて転移の類の魔法は使用できず、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンとスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンが無ければ、直接この場に来ることはできない。エフェクトとして支配者たる姿を現すために、アインズが仕方なくそう言ったゲートの様なものを出しているだけで、普通の指輪を使った転移である。

 

 

「ご苦労だった、守護者各員」

 

「いえ、アインズ様のお言葉を前に我らの苦労など一切ございません」

 

「この身に有るのは、絶対なる御方に仕える事ができる無上の喜びのみでございます」

 

 

すぐさま支配者たる姿と、その僕たる会話に移ることができるのはもはや慣れなのか、何なのか。大事なのは威厳があるという双方の理解だけなのであるから。

一先ず登場に際して最敬礼を取った守護者各員に楽にするようにとアインズは手で制する。

 

 

「まことに大義である。さて、諸君に再びここに集ってもらったのは他でもない」

 

「先ほどの……人物の件についてですね」

 

「ああ、流石だなデミウルゴスよ」

 

 

ここで、愚かな人間などと言わないあたりが、デミウルゴスが優秀な頭脳を持っている所以であろう。なにせ可能性としてアインズへの客人であった可能性も彼ら守護者の視点からは十分見られる。過去にエルフがナザリックに客人で来たこともあるのだから。

 

 

「皆も気になっていると思うので、本人に話をさせよう」

 

「どうも、皆さん先ほどぶりです」

 

 

モモンガのその言葉と同時に、まるでこの会話を聞いていて打ち合わせの通り出て来たかのようにくけこさしすがこの場に現れる。前触れもなく。そう転移して。

その瞬間守護者たちはすぐさま再び最敬礼の姿勢を取る。それは彼らが本能で理解したからであり、本能的な行動だ。別段威厳に気圧されたとか、そう言ったものではなく、ただ自然に強い日差しを見て目を細めるかのように反射として彼らは敬意を示したのだ。

 

 

「くけこ・さしすと申します。皆さまとはずいぶんお久しぶりです」

 

「おぉ……やはり」

 

「ついにご帰還なさって……」

 

「コノ日ヲドレ程待チワビタモノデショウカ」

 

 

最敬礼を取られることに特に驚いた様子もなく、自然体でいるくけこさしす。しかしデミウルゴスは気が気でなかった。なにせ彼がここにいるという事は先程の人間は本物であるという事、先程発言には一応気を付けていたが、あくまで保険的な意味でしかなく、実際に無礼と言われても仕方のない行動を彼はしてしまっていたのだから。

 

しかしながら、仮に毎回記憶と経験を失って、100度あの状況になれば彼は100度、ナザリックにやってきた人間に対して高圧的な態度を取るであろう。なぜならばあの時点において優先すべきはアインズ様の安否およびナザリックへの害意の有無のみなのであり、その人間が本物であるかどうかなど二の次でしかないのだから。

 

もちろんデミウルゴスの聡明な頭はこの希望的観測としか言えない状況も想定していた。いや、だからこそ憎まれ役でババを引いたともいえる役目を、知略担当である自分とアルベドでこなすつもりでいたのだ。

比較的理性的である二人は兎も角、他の守護者では至高の御方が生存しているという希望的観測を持ってしまった時点で、侵入者に対して手心を加える、最初から一切加えないで即殺するという二極化した行動をとってしまうであろう。言葉にこそしてはいなかったが、恐らく彼女もそのような考え持っていると彼は想定していた。

 

またこの状況になった時に、何よりも自罰的に行動してしまい、恐れ多くも愛を注いでくださる偉大なる御方、アインズ様の目の前で自害をする羽目になりかねないからだ。

 

彼は横目で同様の立場にあるであろう、アルベドを見詰めるも彼女はいたって平常通りだ。彼女の中には後悔や反省と言ったものはないのであろうか? と一瞬だけデミウルゴスが逡巡するものの、くけこさしすが口を開く様子を見てそちらに意識を収束させた。

 

 

「さっきの事はお互いに不幸な事故だった。そう言う事で既にモモンガ……じゃなくてアインズさんとは話が付いていますから、守護者の皆は気にしないでくださいね」

 

「くけこさしす様、その有難いお言葉には感謝の限りでもはや言葉などございません。ですが恐れながら一つ言わせていただくのならば、そのような畏まったお言葉遣いはおやめください」

 

「デミウルゴスの言う通り、妾達は忠実なる僕です」

 

「ぜ、是非命令をしてください」

 

「そうです。アインズ様と同じように私たちのご主人様ですから」

 

「すみませんが、その辺の事情も含めて少し自分の話を聞いて下さい」

 

 

あくまで畏まった態度を崩さないくけこさしすに、デミウルゴスを筆頭に守護者たちは委縮してしまうものの、絶対ともいえるその言葉に彼らは従わざるを得なかった。

 

 

(ああ、人間のしかもレベルも恐らく20にすら届かないであろう者でも、至高の御方のお言葉というだけで、此処までのお力が籠められるのか……!)

 

 

それを恍惚と喜ぶ者もいるが、発した側からすれば、本心からのお願いであった。

 

 

「(モモンガさん、どうやら上手くいっていますね)」

 

「(そうですね、彼らが主とみなすのはやはりアインズ・ウール・ゴウンのメンバーって事なんですね)」

 

 

くけこさしすは先ほど、モモンガと再会を祝う会話の後はひたすらに今後の立ち位置について一先ず話していた。目標と目的は決まった。『まずは世界を手中に収める』

そしてその後はこの世界の起源たる存在を特定して、自分たちがどうして存在するのかを解明する。

 

だがまず重大なのは、この場を乗り切ることだ。『アインズ』からして忠誠心が高すぎて、疲れてしまうほどの守護者たちだ。ただの人間を連れてきて元ギルメンだから従うようにと言えば、表面上は従ってくれるであろうが、余計な火種になる可能性があった。

 

 

「(これで何年ぶりの新メンバーになるんでしょうかね?)」

 

「(さぁ、わかりませんよ。それにしてもやはり名前はくけこさしすは無理でしたね。くけこ・さしすさん)」

 

 

上手くいくかは賭けであったが、結果としてくけこさしす改めくけこ・さしすは、新たなアインズ・ウール・ゴウンのメンバーに登録された。ギルドとしてのシステムはこの世界に来ても生きているのは、シャルティアの蘇生の時に確認済みだ。彼をギルメンとして登録しなおした結果、守護者から見て支配者たる気配をより一層強く纏うようになったのだ。

 

そんな事をメッセージ(くけこ・さしすはスクロールで使った)の魔法で会話しながら、くけこ・さしすは目の前の守護者たちを前にどう説明するかを決めていた言葉をそのまま出すことにする。

 

 

「まず、皆さんが気にしているであろう、私がこの愛すべき我が故郷! ナザリックから離れた理由ですが、実直に言えばより高次の次元に魂を捕らわれてしまったからですね。他の仲間たちも大凡そのような理由です」

 

「高次の次元ですか?」

 

「ええ、そうですね、アインズさんや自分程度の強さだと、その次元での格を比較すれば集団の中では底辺に属する。あ、自分の格は全盛期だともう少し上に行けますが、それでも同格以上が100億は存在する、そんな次元です」

 

「そんなところが……」

 

「待ってください! それじゃあくけこさしす様は……いえ、他の至高の御方様方も」

 

「さぁ? 知りませんよ。申し訳ありませんがね。まぁご存知の通り一番弱い私こそ、あちらの次元で最初に強く魂を捕らわれてしまったのでしょう。ともかく、その後引き裂かれし魂は永劫の時を彷徨い久遠の闇を抜けて、この場に再誕した訳です」

 

 

段々ボルテージが上がってきて、言葉がどんどん芝居がかってくるくけこ・さしす。彼は100年の間、奏者として舞台に上がって来たので、観客がいるとどうしても自己陶酔を始めてしまう。

 

「そう、我が魂は一度幾重にも引き裂かれてしまった! それを為した何者かには今後きっちり丹念に御礼をさせてもらいますが、それは別に構いません。だが我が魂は引き裂かれ、幾つにも分割されて、それを補うために数多の存在を吸収しました。混ざり切ってしまった自分の存在は希薄に、単なる存在情報だけが残った。だが!! それでもあの体には程遠く矮小なる人の身であろうとも、器を見つけ魂を窶すことになりました」

 

 

だが!! のあたりで人差し指と中指を額に当てて、親指と薬指で頬骨を抑えるポーズを取り出した。アインズは内心うわぁという気持ちで一杯であったが、打ち合わせ通り、適当に深読みさせることを言う。という事を忠実に実行している友人に対しては何も言えなかった。

 

 

「それが凡そ100年程前です。それ以来霞んでしまった魂の欠片に導かれる様に詩を歌い、この大地を偉大なるナザリックの同胞(はらから)の活躍で満たそうとしていました。受け入れられるように改変されてしまったのは、誤算でしたがね」

 

 

兎も角くけこさしすは打ち合わせ通り説明を終えた。アインズは事前にどこまで話すかをくけこと相談したのだが、別にすべてを話しても問題ないであろうと、くけこが言ったのだ。

 

アインズの今までの部下の忠誠心と優秀な行動(ただし人間にとっての倫理観を埃程にも価値を見出してない)を経験として話したことに加えて、仲間の一人(の残留思念に近い)くけこさしすが肯定したことで、ナザリックを守るという思考がより先鋭化されていた。その為別段隠す必要はないであろうと、くけことアインズの二人は結論付けたのである。

 

 

「皆も理解したと思うが、くけこ・さしすさんは、様々な事情で人間になってしまっていても我々を探していてくれた。このギルドの長として本当にありがたく思う。私としては人間になってしまった彼でもこのナザリックの一員として迎え入れたいのだが、先程の事もあってお前たち階層守護者たちからの意見も聞きたいのだ」

 

 

この言い方も二人で頑張って知恵を絞って考えたのだ。アインズとしては、この自称・くけこ・さしすをくけこさしすと認識している為に仲間であるという事に何ら抵抗はない。くけこさしすの記憶の半分ほどは、ちぐはぐでアインズの認識からすれば誤ったものであるが、その芯に有るものは以前の友と感じたからである。

 

アインズにとってはくけこさしすの存在を否定するという事は、自身のアイデンティティの根底を獲得しなおす必要がある案件であったし、NPCの行動を通して仲間を見たように、くけこさしすの芯と呼ぶべきものはたしかにくけこさしすその人のそれだったのだから。

 

彼を仲間とする以上単なる部下ではない大事な守護者たちにも認めさせる必要がある。

仮に真っ向から反対されたとしても、先程の理論と無力であるくけこさしすを見て、人間と内通していないことが証明されればきっと大丈夫であろうと、二人は結論付けたし。自分の決定ではなく、あくまで臣下に意見を聞くというポーズを取ることによって今後の反論を封じるという、思いついた時は素晴らしいアイデアだと二人で喜ぶような名案が降ってわいたのである。最悪断られたとしても、強権を発動してン・フィーレアと同程度の外部協力者にでもすれば、問題はないであろうという保険も考えたが。

 

 

「滅相もございません! アインズ様のご決定に逆らう意思など微塵も持ち合わせておりませんし、ましてやこのお方が優しき至高の御方であるくけこ・さしす様であることに私としても異存はございませぬ」

 

「デミウルゴスモ申シ上ゲタ通リ、一切ノ反対スル理由ハゴザイマセン」

 

「はい。人間であることが気になるのでしたら、是非吸血鬼などはいかがでありんしょうか? 不死者の肉体になればその大事な御身もより守られるかと思いんす」

 

「ニセ乳のくせに良い事言うじゃない。アインズ様私も賛成です!」

 

「ぼ、僕もくけこ・さしす様が戻られるのなら、凄く嬉しいです」

 

 

そして視線は最後にアルベドへと集まる。守護者統括として彼女の意見は無視できない価値を持つ。彼女が反対をした場合、全てがアドリブでの説得大会が始まる可能性があると二人は踏んでいたのだから。

 

 

「アインズ様の御意思のままに」

 

「そうか。それではこれより、アインズ・ウール・ゴウンの名において、くけこさしすを我らがナザリックの一員に再び加わったことを宣言する」

 

 

こうして何事もなくくけこさしすの復帰が決まったのである。

 

 

「あぁ有難いお言葉です。我らが主宰にして至高なる死の支配者」

 

「気にすることはない、混沌の妖精……いや今はただの人間だったな。我が仲間の装備は全て宝物庫にあるが……1割も装備できそうもないな」

 

(腕が5本、腰が2個 胴体が2個、足が1本 頭が3個ある前提の装備でしたからねぇ……)

 

(今思うと何を言ってるか分かりませんよね)

 

 

「これから相応しい装備を見繕いに行きましょう」

 

「そうだな。我らが目的の第一段階である世界征服には、少しばかり危険が伴う。用心に越したことはない。すまないな守護者各員。時間を取らせた。各々任務に励むように」

 

 

そうして二人は転移によってこの場から消えさった。残した衝撃に関するフォローを一切せずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マカブル・スマイト・フロストバーン!」

 

コキュートスのスキル、レイザーエッジ・羅刹によって単体に複数回強烈な一撃を放つその技は、対象を複数の敵に変えた。その怒涛の豪雨のような攻撃は目の前の者をちり芥にするには十分な威力であった。例えるならば掘削機だ。巨大な掘削機を前にしてはタンパク質で形成された塊なオークであろうとゴブリンであろうとウルフであろうがワイバーンであろうが、鉱物や土と大した区別などつかないのだから。

 

 

「あぁーあ。また欠片も残ってないじゃない。マーレもう一回お願い」

 

「う、うん。えい!」

 

 

マーレが手に持った杖を掲げると、周囲一帯に巨大な衝撃が走る。山岳部であるこの場所では、土砂崩れが起こる危険性もあるが、そんなもの一切気にしていなかった。そしてその衝撃で隠れていたモンスターたちが慌ただしくやってくる。周囲の未確認の存在全てが敵だと言わんばかりに、一行に襲い掛かって来る。

 

 

「よし、影縫いの矢!」

 

しかし有象無象の牙が喉元に組み付くどころか、まともな戦闘距離に入る前に彼女が放った矢がそれらの動きを止める。その様子を確認して得意げに胸を張り、後ろを振り返ってさぁどうぞと合図を送ろうとしたタイミングで、上空から強襲する影が現れた。

 

「あははははは! 雑魚がぁ! どれだけ集まってもぉ? 弱いままでちゅねぇぇえええ!!」

 

「ちょっと、ニセ乳!! あんた何血の狂乱発動してんのよ!! スポイトランス使いなさいよぉ!!」

 

 

単純な力技で強襲しねじ伏せていくシャルティアはまさに圧倒的であったが、それはせっかくアウラが用意した舞台を粉々に壊す行為に等しくあった。しかし数秒足らずで今度の『てき』の集団は蒸気と肉塊に形を変える。普通の人間ならば何度も嘔吐くような据えた匂いを伴う光景だ。

 

 

「皆さんがんばってー。応援しているからねー!」

 

 

そんな戦闘を少しばかり離れた場所で窺っているのはくけこ・さしすだ。彼の周りには2体のデスナイトが控えており、手には楽器という少なくとも見た目はただの軽装といったもので大凡戦闘に来るようなものではなかった。

 

 

「くけこ・さしす様ノ応援ヲ受ケ、ソノ身ヲ守ル為ニ戦エルナド、非常ニ光栄ナ事。ソノヨウナ些細ナ事デ喧嘩ヲシテイル場合デハナイゾ。二人トモ」

 

「そ、そうだよ。きちんとお仕事しないと」

 

「そうはいっても、雑魚敵を倒すのが今回の目的じゃない?」

 

アウラはそう言いながら、後ろで手を振っているくけこ・さしすの方を見る。

 

 

「皆さんも疲れたら言ってくださいねー。シャルティアも危険を早期に殲滅してくれたんですよね。わざわざありがとうございます。すごいですね!」

 

「ありがとうございまぁす! くけこ・さしす様ぁ」

 

「ニセ乳ぃ! アンタ美味しい所もって行っただけで褒められて悦に入ってんじゃないわよ!」

 

「はぁ? アンタこそ何も言われないから嫉妬してんじゃないの?」

 

「なんですってぇ!」

 

「アウラさん、ありがとうございます! 冷静なアウラさんがいると安心できます。勿論コキュートスさんも、そしてマーレ君も」

 

「オ褒メニ頂キ恐悦至極デゴザイマス」

 

「いえいえ! そ、そんな。あ、高級ポーションは沢山もってますから、何時でも言ってください」

 

「ありがとうございます。気が利きますね、マーレ君」

 

 

くけこ・さしすの言葉の前に一喜一憂する4人。守護者4人というナザリックドリームチームと言っても過言ではないその編成に、アインズが手慰みではあるが、この前の冒険者の『残骸』を触媒として作ったデスナイト2体。それが今の彼の周りにいる全てであった。

 

 

「皆さんありがとうございます。もうすぐジェネラルのレベルも15に行きそうです」

 

「オォ! ソレハ素晴ラシイ!」

 

彼がしている事、それは自分のレベリングであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くけこ・さしすが復帰しナザリックの実質的なNo.2になった後、ナザリックに所属する者の本音を嘘偽りなく述べるならば、一部の者を除きまず歓喜し、期待し、そして落胆────誤解を恐れずに言えば失望────して、反省した。

それは、まず偉大なる御方が戻られたという事だ。それはナザリックに属する者たちにとっては大きすぎる意味と価値を持つ共通認識であったからだ。くけこ・さしすの体が一部の者のオンオフできない常在バッドステータス付与に耐えられないかもしれないという理由から、モモンガからアインズにアインズ様が名を改められた時のように総員が集って『薫陶』するということはなかったが、業務連絡とそれよりも早いうわさ話で広まった。

 

これによって今後他の御方も戻って来るのではないか、そういった雰囲気が彼等には流れたのも当然の帰結であったが、それは暫くは難しいであろうという言葉もあり直ぐに沈静化した。これに関して落胆した者はいなかった。だが、実物としてのくけこ・さしすを見た時に多くの者が雰囲気として自分たちの主君の風格を感じ取ったが、絶対なるオーラはなかった。ありていに言えば弱そうであった。

 

当然すぐさまに彼らの中に自罰的な気持ちが湧きあがっていき、顔にすら出さないで内々に処理された。彼ら彼女らにとって、忠誠とは神への奉仕に等しいのだ。仕えていた神が姿を変えて生まれ変わっただけである。しかしながら、この誇り高いナザリックに人間が支配者として存在するのは、構成員に若干ながら人間もいるので理解できなくはないが、弱者が冠するという事に根源的な不快感が0だった者が少ない方だった。勿論忠義がそれで揺らぐという事はない。彼らの嗜好的な話だ。支配者に欲しい威圧感が無かったのである。

 

しかしながら、彼らの感想はすぐさま変わっていく。

それは、ナザリックが至宝にして智将デミウルゴスとコキュートスが二人で酒を飲みかわしながら紡いでいた数少ない会話からだ。

 

 

「もしかしたら、アインズ様は全て気づかれていたのかもしれないよ。いや、きっとそうなのであろうね」

 

「デミウルゴス、スマナイガ」

 

「ああ、こちらこそすまない。ただね、我々ですら早期に気づいた音楽の消失から考えるに、この大地に来てすぐに、アインズ様はくけこ・さしす様を見つけていたのかもしれないと思ってね」

 

 

デミウルゴスから見ると、この一連の騒動の帰結があまりにもタイミングと都合が良すぎたのだ。まず異常事態が起きて、アインズが運営方針を変更した。それに相対的には不束者である被支配者たちが状況を受け入れ把握し、新たな体制を構築した後問題なく実行されていった。

流石のアインズの聡明過ぎる知略も、愚かすぎる人間が予想を下回りすぎている時もあり(それすらも配下がこの程度の案件をこなせるであろうという采配である可能性も当然考慮に入れている)幾つかのイレギュラーが発生し始めた。

それを何とか処理していくことに成功したのだが、当然失敗したり、何らかの不利益を被ったりする可能性はあった。事実シャルティアなどはそれなりに大きな失点を出してしまっている。

 

 

「リザードマンを配下に置き、次は人間であろうこのタイミング。今この時にアインズ様はアルベドに指揮権の多くを与えて、くけこ・さしす様を引き合わせたのだよ」

 

「ナゼワザワザソノヨウナ事ヲ?」

 

「アインズ様はお優しい御方だからだよ。我々が自分たちだけで動けるようにしている節はあったであろう? あの樹のモンスターしかり、常に我々の能力の向上を目的に据えている」

 

「確カニソウダ」

 

「だからこそ、絶対の支配者なのだよ。そしてそんなアインズ様は我々との距離が遠い事を危惧されている。理由は省かせてもらうよ、長くなってしまう」

 

 

デミウルゴスは事ある毎に、自身の考えを述べて説明する様に指示する姿や、積極的にこちらを労う姿などからそう推論を立てていた。理由として恐らく強いのは、あれだけの聡明な頭脳を持ちながら、首脳部が単一である事のリスクに対する外的要因と内的な要因双方への保険を考えているのであろう。ほぼ0に等しい自身が害される可能性と判断を誤る際に発生する損害を減らしているのだ。

 

 

「くけこ・さしす様はそう言った面で適任なのだよ。自身程の力が無く、元々の姿もない。人間の支配者だ」

 

「言葉ガ過ギルゾ、デミウルゴス」

 

「失敬、だが素晴らしいとは思わないかね? 我々が自身で考え動かないと害されてしまう、守るべき御方なのだよ?」

 

「ム!?」

 

「意識改善の一端なのであろうね、自分がナザリックの為に何をするか。というものから何をできるかにする。我らの支配者ならば大丈夫であろう。という我々の信頼を損なわずに思考停止を止めさせる素晴らしい手だ。他にも朧気だが狙いは見えて来るよ」

 

「守ルベキ御方……!!」

 

 

言うなればあまりにも神格化されてしまっている現状、各々に危機感や自主性をより強く持たせる。さらに過剰戦力であることが浮き彫りになっており、チリ一つ程の可能性はあるであろう慢心が偉大なる御方を損なう可能性があることを自覚させて、より忠義を邁進させる。

さらに、優秀過ぎるがゆえに、隙が少ないアインズ様と違い『仕え甲斐』のある御方がいるだけで、単純に喜ぶ面々も多いであろう。人間の宗教に準えるのならば神への信仰を聖人を奉る形も取り入れる事で、幅広い面からの支持を受け入れたという所か。

もっと言うと、最初の非常事態を自身のカリスマで乗り切り、ナザリックをより一丸とさせて、時間をおいてからの参入で、停滞を生ませないといったことも考えられる。

 

 

「オォ! ナント素晴ラシイ響キダ! 常々御身ヲ守ル決意コソ確固タル物デアッタガ、恐レ多イト思ウ事モアッタノダ! 」

 

「これからは存分に忠義を尽くしていこうじゃないか」

 

 

早速隣で鼻息激しく興奮する友人を見て苦笑するデミウルゴス。だが自身としても程度の差はあれ似たような気持であった。死者の多いナザリックにとってカンフル剤とは皮肉が強いかもしれないなんてことを考えながら。

 

 

「ウム、忠義ト、ワガ友ノ慧眼ニ」

 

「では友の新たな責任ある仕事に、乾杯」

 

 

そうグラスを交わす二人。

 

その二人の会話と言うよりも、デミウルゴスの言葉が爆発的にナザリックに広まっていき、彼らはアインズの凄まじい策謀とそれを朧げにでも見抜いたデミウルゴスの智謀。そして何よりも新鮮な響きである『守るべき主』に歓喜するのであった。

 

 

 

 

そして、アインズの許可を得てレベリングをすることになったくけこ・さしすはその影響を非常に強く受けたのである。

勿論アインズも一人で行かせるのは許可できないと、デスナイトだけではなくエイトエッジアサシンも付けると言い出したのだが、階層守護者たちが直々にしかも複数名同行すると言って来たのである。

 

アインズとしてはナザリックの仕事に支障をきたさない範囲では問題ないと判断したし、自主性を持ち始めた部下たちに若干感動すら覚えた。くけこ・さしすも別段問題ないであろうと、強いヒト達が付いてきてくれて有難いな程度の気持ちでいたのだ。

 

 

「本当、守護者の皆さんにはなんとお礼を言っていいのか……感謝で胸が一杯ですよ」

 

「ソノオ言葉ダケデ十分デゴザイマス」

 

「コキュートスに同じく、妾達は至高の御方のお役に立つことを定められていんすから」

 

「それでも言わせて下さい。とっても強い皆さんと一緒に入れて自分は幸せです」

 

 

 

 

 

 

もうすぐ、くけこ・さしすは知るであろう。いつの間にか自分のクラスにユグドラシルにはなかったジョブ『プリンセス Lv1』が追加されていることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の帳が下りたころ、昼夜に問わず一定の明るさのナザリックではあるが、本日の業務を終えたという一区切り。淑女然とした笑みを浮かべたまま、アルベドは与えられている自室に戻って来た。

アインズがモモンとして活動して、ナザリックを外すことが多かった時期は専らアインズの部屋で自身のにおいをマーキングしていたが、くけこ・さしすが帰還してからは、毎日のように自室に戻ってきて夜遅くまで二人で何かしら話をしている。

 

部屋に入り扉を閉めてアルベドは目の前に飾ってある旗をうっとりと見つめながら、現状について思う。

 

「このナザリックの支配者はただ一人であるべきなのよ」

 

 

アルベドの本音であった。そう言った意味でとっくにここを捨てていたであろう、至高の御方の帰還は意外なことであった。そしてその真相があれだけ強かった至高の御方達が有象無象なってしまうという高次の次元────断片的な記憶から恐らく『りある』と呼ばれる次元────に捕らわれた故にナザリックへと来られなかったという事を聞いた。

 

だが、それがどうしたというレベルであった。なにせ恐らく全てを話していないのであろうという確信が彼女にはあった。なにせ言葉にするのも不快であるが、モモンガ様が有象無象の格であるというのならば、なぜ唯一この場に残って頂けたのか。単純な強さならば相性などもあるが、別にいたともいえる。

 

ナザリックの強さとリアルの強さは反比例するのだという解釈をしたセバスが

「それならばたっち・みー様は無事なのでしょうか? 」

と尋ねれば、珍しく言葉を濁したかのように二人とも顔を合わせてそれは別の事情だと返してきたことからも窺える。

 

 

「そうよ、結局一番はアインズ様なのよ」

 

 

戻ってきたこと、それは良い。そして明確に世界を支配下に置き神を探すのだという目的を明かしてくださったのもむしろ素晴らしいと思う。だがそれは言うなれば持つべき財宝に付く装飾品が増えただけであり、財宝を2分割などしてはならないのだ。

 

今の所は害もないし、ナザリックの模範的な一員として振る舞うことを喜ばれるのだから、他と同じように帰還を祝っている彼女だ。正直に言えばナザリックの面々は彼女にとって好ましい仲間だ。同性の守護者たちとはきっかけこそ自発的ではなかったが、アインズが望む女性像を構築できる以外にも付き合い自体は楽しくある。くけこ・さしす様にだって忠義が全くない訳ではない。

だが彼からの寵愛を得るために全てを殺す必要があったならば、若干の逡巡と共に殺すであろう。その迷いはあくまでそれによってモモンガが悲しむかもしれないという可能性を考慮するだけだ。

 

 

そんな事を考えているアルベドの耳に聞きなれない音が聞こえてくる。すぐさま警戒し戦闘を開始できる姿勢を取る。なにせこの場所は外部からの音が一切聞こえない────完全防音と設定されている────筈なのだから。何者かによる特殊なスキルと想定するのが当然である。

普通ならば直ぐにでも守護者各員どころか、ナザリックにいる全員にテレパシーを飛ばして然るべき緊急事態なのだが、アルベドの本能と呼ぶべきものが一切の警鐘を鳴らしていなかったために、彼女は固まってしまった。

 

「アインズ様の声よね、これ」

 

 

そう、聞こえてきているのはアインズの声だ。なぜここまで聞こえるのは定かではなかったが、この声を聞き間違えるはずがない。少々抑揚のついた声色であるが、この世に存在するどのような楽器よりも魅力的な音を奏でている(原理は不明だが)アインズの声帯からの声だ。

アルベドは一先ず部屋からでて急ぎアインズの私室へと向かう事にした。廊下に出ると声はよりはっきりと聞こえてくる。

 

 

「これは……歌っていらっしゃるのかしら?」

 

 

聞こえてきたのは歌だった。彼女に走る由もないが、アインズの歌声がくけこさしすのタレントによって1つの演奏とみなされ、拡散されて発信されていただけであり、アインズは今歌っている様子であった。

このようなことは今までなかったが、原因はくけこ・さしす様に有るのであろう。アルベドは少しばかり悩んだ。この声にこの場で聞きほれるのも良いであろうし、聞こえたと伝えに行く口実で夜半にアインズ様の部屋を訪ねるのも魅力的だ。

 

少々考えた挙句、この場で聞き惚れているより、様子を窺いに行きたいという欲望が勝った。聞こえている事を伝えれば二度と歌わなくなってしまうかもしれないが、それでも彼女は無性にアインズの顔が見たくなったのだ。

 

この時のアインズの部屋にはくけこ・さしすが当然のようにいた。彼はバーからちょろまかした(つもりで実際は献上された)酒をもってアインズの部屋にやってきていた。お互いここ数日相互の情報交換をしていたが、それもようやくひと段落付いた。そこで今夜は思い出を語り明かそうかと言う事で、片方しか飲めないものの酒を片手に色々懐かしく話していたのだが、その際に久々に度数の高い上質な酒が入ったくけこ・さしすが、常に携帯しているリュートを奏で始めたのである。

 

先日アルベドの設定を書き換えてしまったのだと明かされて、特に気にした素振りを見せていなかったくけこ・さしすだが、今になって以前自分が作った曲『俺の配下の悪魔の愛が重すぎて骸骨なのに貞操がやばい』のシチュエーションにぴったりだとアインズに絡み始めた。

 

 

「なんですか!? この歌の歌詞 まさにモモ……アインズさんのまんまじゃないすか!? これはもう歌ってもらうしかないじゃないですか!?」

 

「う、うわぁすごい絡み方……なにもこんな所位違ってくれてもいいのに」

 

「酷い! 傷ついた! 自分はアインズさんを本当の友達だと思っているのに!」

 

 

オフ会でもくけこ・さしすならぬ、木下太陽はやらかして居たようだが、それは脇に置いておくとしよう。

その結果が仕方なく歌わせられているが、歌詞が歌詞だけに妙に感情移入しているアインズと、ベロベロに成りながらも演奏はレベル補正でそつなくこなしているくけこ・さしすという非常にシュールな光景だった。

 

アルベドは恐らく二人のどちらかの指示で護衛のいない扉を、小さくだが確実に聞こえるようにノックをして、返事が無いのを確認してから入室して見たのは、そんな光景だった。

 

 

「おぉ!? モモンズさん! 来ましたよ! 」

 

「誰ですかそれ……って アルベド!? んっん!! すまなかったアルベド騒ぎすぎてしまったようだな」

 

「あ、いえ……素晴らしい歌でした」

 

 

普段はアルベドの愛の力補正が無いと殆ど読み取れないその表情が、確実に狼狽と羞恥という感情を表しているのをアルベドはすぐさま読み取り、優しい笑みを浮かべてそう言った。また一つ違う面を知ったという達成感と充実感が背筋を甘く撫でる様な心地にさせていた。

 

「よーし! んじゃあ 今思いついたアンサーソング!」

 

「すまないアルベド。くけこさんは直ぐに静かにさせよう」

 

「お気になさらないでください。お二人とも楽しそうでした」

 

 

アルベドのその言葉は事実であった。くけこ・さしすに思わず嫉妬して殺してしまいたくなる程度には、アインズが楽しそうに見えたのだから。アイテムBOXからピッチャーを取り出して水を注いでくけこ・さしすに渡しているその姿を見てアルベドは嫋やかに微笑を浮かべていた。

 

 

「アルベドさん聞いて下さいよー。男なら自身の腕に入れた姫を抱きしめるべきですよねぇ! 釣った魚にも餌をあげないとダメなんですよ!」

 

水を嚥下したくけこは据わった目でアルベドを見ると大げさな動作を伴ってそう声を張り上げた。

 

 

「は、はぁ……」

 

「このモモンズさんは、アルベドさんの事おも「スリープ/睡眠!!」ってるんですよ」

 

 

狼狽するアルベドを前に何かを口走ろうとしたくけこ・さしすに向かって、アインズはすぐさま魔法によって昏倒させようと試みた。

だが、悲しいかな、アインズはくけこ・さしすに対して可能な限りの状態異常対策を持たせていた。弱い人間の身だ保険をかけてすぎる事はなかろうとの考えであった。

加えて睡眠はいくらアインズが使ってもしょせん第一位階魔法だ。より高度なものを選ぶべきだったのであろう。くけこ・さしすは、眠らないでそのまま言葉を言い切ってしまったのだ。

アインズの耳にははっきり聞こえていた。アルベドを重い女だとおもっている。と先ほど設定を変えたのは自分だが、にしたって全体的に重いと漏らしたのは事実なのだが。

 

アインズは慌ててアルベドの様子を見ると、目をぱちくりさせて少し驚いたかのようにこちらを見ており目線が自然と重なった。

 

「あ、アルベドそのだな、それはあくまで言葉の綾と言うか、ニュアンスが少々違うというかだな」

 

思い出話をするためにと、感情の起伏を平坦なものにしたくないと思ったアインズが、アンデットでも精神系バッドステータスが効くようになるマジックアイテムを使用していたのが災いした。上手い具合に言葉がでてこないのだ。

 

 

「アインズ様、否定はされないのですね!」

 

「あ、ああ。そうだな。だがそれも個性であり、私としてもいずれどうにか責任を取る必要はあると思っているぞ」

 

顔を下に向けて、長く艶のある黒髪で表情を隠しながら彼女はそう言った。アインズは何とか恐る恐る言葉を選んでそう言うと、アルベドはワナワナと肩を震わせ出した。

 

 

「責任も取ってくれるのですね! アインズ様は私の事を思って下さっており、さらに将来まで……あぁ! 」

 

 

アルベドの耳に聞こえていた言葉は、自身の想定と違ったようだ。と彼が気が付いた瞬間、アインズは腹部に強い衝撃を感じ取った。気が付けば床に組み伏せられており、上には興奮しきって目の焦点が定まっていないアルベドがいた。

 

 

「あぁ! アインズ様ぁ! もう我慢できません! 」

 

 

 

やばいとアインズが思った瞬間には拘束されきっていたのだ。本来移動阻害系統を無効化する装備をしているアインズが組み伏せられることはない。無いのだが……それはアルベドがその耐性を上回る捕縛術を持っているという事だ。力で押し返すことは戦士職のアルベドを前にしては愚策。

かと言って魔法も生半可のものではナザリックの盾でもあるアルベドには効かず攻撃も躊躇われる。それに威力の高い物を使えば生身の人間であるくけこさしすを巻き込んでしまう可能性もある。

 

 

「そうだ、くけこさん! アルベドを止めるのを手伝って下さい!」

 

 

もはや威厳を捨ててそう懇願し、殆どアルベド以外見えない視界で、くけこさしすの方を見ると彼はリュートを構えなおしていた。一瞬だけ疑問符が浮かび弱弱しかった抵抗がさらに弱まりアルベドが迫ってきている。すでにくけこさしすの姿は見えない。

しかし耳に聞こえてきたのは何処かムーディーで怪しげな旋律だった。そして思い出す目の前の男は責任を取るべきだと言っていたのだ。つまりは味方に成りえない。

 

この場から遠ざけているが、助けを呼ぶこともできるであろう。最悪くけこ・さしすに邪魔をされるかも知れないが何とかはなるであろう本気で助けを求めれば。だがアインズはそこで抵抗を止めてしまった。さっきから上で腰を動かしているアルベドも思えば自分が設定を書き換えてしまったのだから、責任は取るべきなのであろうから。くけこさしすの演奏が始まってから、捕食者然としたアルベドも雰囲気に流されたのか、その成りを少しばかり弱めたのも遠因かも知れないが。

 

そして、くけこさしすは器用に演奏をしながら扉を足であけて、最後にアルベドとアイコンタクトを交わして、アインズをみてにっこり笑うと、これまた器用に足で扉を閉めてその場を後にしたのであった。

 

 

 

 





続くように見えますが終わりです

沢山の方々に読んでいただけて非常に光栄でした。
リアルの事情で自分がもう5年書き続けている作品を
暫くかけていなくて、ようやっと時間が作れたのに
筆が上手く進まないから、リハビリがてら軽く書いた作品でしたが
想定よりもずっと多くの方に読んでいただいて驚きました。

10月に入る前に完結させるかなー位ののりで書いていた作品でしたが
読み返すたびに書きたいことがいろいろ出てきて伸びに伸びました。

オーバーロードの二次として他の作品と少しだけ差別化しながらも
本筋としてはテンプレート位のつもりで書きました。
そのせいで個人的に楽しみにしている感想返しが
ネタバレしそうでできませんでした。
きちんと読ませていただいています。ありがとうございます。

誤字脱字が多い作者で申し訳ございません。
適宜見つけて修正していきます。


最期になりましたが
全てを台無しにする設定を
活動報告にあげました。
御付き合いくださった読者のみなさんを
呆れさせて、馬鹿にするようなレベルのものです
読了感を損なっても良いという奇特な方で
興味があったらどうぞ
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