半人半妖の海賊記   作:ともち-

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それは仲間になる前の話

「麦わらのルフィ懸賞金3000万ベリーか……。」

 

私は海岸沿いの屋根に座って新聞に挟まっていた手配書をパラパラと捲っていた。

なぜこの手配書に注目しているかというとこの東の海で高額の懸賞金が彼だったためだ。

 

「また他の海賊と同じように隙を見てひっ捕えようかしら?」

 

私はこの町に来た海賊達を捕まえて賞金を貰って生計を立てている。別に海賊を嫌ってるから捕まえているわけではないよ?

一度海軍からこんな危ないことしてお金を稼がなくていいんじゃないのか?それならいっその事海軍にでも入るか?と誘われたこともあったが私は堅苦しいのは苦手だったため断った。というのは建前で自由に生きたいのと本当の意味で私のことを仲間、友達と思ってくれる人を探したいというのもあって海軍に入らなかった。

 

「あ、懸賞金はかかってないけど町の人間にちょっかいを出してる海賊……の成れ果てかな?海軍に突き出してしまおう。」

 

私は屋根から飛び降り、中に割れ入った。

 

「うおっ!?こいつどっからきやがった!?」

「嬢ちゃんなんだ?嬢ちゃんが相手でもしてくれんのか?お頭が捕まって俺たちの夢が叶わなくなっちまったて腹が立ってんだよ。ぶん殴られたくなかったらさっさと退くんだな。」

「おお、銀髪の姉ちゃん助かった、あんなやつとっとやっつけてくれ。」

 

どうやらこの男二人組みは自分たちのトップが捕まったことに対してご立腹の様子。

あれかな?昨日私が捕まえたやつかな。

それにしても大の大人がしかも男が20の女に助けを請うなんてちょっとみっともないけど、一般市民ってこんなもんだよね。

 

「もしかして海賊帽子をかぶった左目眼帯の三日月髭してる人?」

 

私は小首をかしげながら問う。

 

「?……そうだ。」

「あぁ~はいはい。」

 

私はあごに手を当て納得した。

なるほどね~これは私の蒔いた種だね。これは申し訳ないことをした。全員を捕まえればよかったなぁ。

そんなことをしみじみ思い返していると男二人の感情を逆撫でしてしまったみたいだ。

 

「お頭のことを知っているみたいだがもしかしてお前がやったのか?」

「何!?そうなのか!?この野郎ぶっ殺してやるぜ!!」

 

私は野郎ではないのですが……。

 

「まあ待て、見たところかなりの上玉だ殺すのは惜しい。たっぷり楽しませて貰おうぜ。」

「言われてみればそうだな。こいつは楽しみだ。」

 

ゲスい笑いをしながら私のことを品定めしている。

 

「―――おっぱいは無いが。」

「ああ、乳はないがな。」

 

びきっ

 

「ご退場ねがいま~す。」ニッコリ

「「え?」」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

汚い男たちの断末魔が鳴り響き横たわる男二人。

もちろんロープで蓑虫のようにぐるぐる巻きだ。

 

「なんですか……女の価値はそこで決まるのですか……そんなに大きいのは正義なのですか……。」

 

私は虚ろな目をしながらぶつぶつとぼやいた。

 

「ハッ!こんなことしている場合ではありません。さっさとつきだしてしまいましょう。――っと。」

 

遠くから海兵さん達が駆けつけてきた。この騒ぎを聞いたのだろう。

 

「これはどうもたしぎさん、早かったですね。」

「あ、あなたはこの間の。」

「また海賊を捕縛したので連れて行ってください。どうやらこの間引き渡した海賊の部下みたいですよ。」

「そうなんですか。協力していただきありがとうございました。」

 

何度もお辞儀をしながら私に感謝の言葉を送ってきた。腰の低い海兵さんですね。まあこれが彼女のいいところなんでしょうけどね。

 

「ではこれで失礼しますね。」

 

私は手を上げ立ち去る。

 

「待ってください、まだ海軍から謝礼金を「大丈夫ですよ。」え?」

「この間に捕らえた分のお金がまだありますから。それに――――。」

 

私はそれを言い残し、その場を後にした。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ではこれで失礼しますね。」

 

そういうと彼女は手を上げ立ち去ろうとしていた。私はとっさに呼びかけた。

 

「待ってください、まだ海軍から謝礼金を「大丈夫ですよ。」え?」

「この間に捕らえた分のお金がまだありますから。それに――――。」

 

彼女は立ち止まり後ろ向いたまま言葉を言い残して去って行った。

 

「最後なんて言ったのでしょうか。また彼女の名前聞けなかったなぁ。」

 

私はぼんやりしながら彼女の後ろ姿を見つめていた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「海賊が海賊の公開死刑だってよ。」

「まじか!?」

「まじまじ、行ってみようぜ。」

 

そんな会話が私の耳に流れてきている。住人の行き先から死刑台のある広場らしい。これはまた私にいい風が吹いている。

 

「さて、行ってみますか。」

 

この人込みの道を走って行くのは困難だ。

 

「道がなければ道を見いだせってね。」

 

私は屋根を伝い広場まで駆け抜けた。

 

「これより派手死刑を公開執行する!!!」

 

広場に着くとギャハハハハと汚い笑いとともに聞こえてきた。処刑されかけているのは麦わらのルフィか。執行人は道化のバギーね。

さて、バギーが油断するまで少し待ちましょうか。両方の懸賞金を私はあきらめませんよ。バギーのおかげでルフィは捕らえられているから問題ない。後はバギーを捕らえるだけ、まさに漁夫のり………。

 

「俺は、海賊王になる男だ!!!」

 

へぇ、その状況でそんなことが言えるんだ、ふーん。

 

「言いたいことはそれだけだなクソゴム。」

「「その死刑待て!!」」

「ゾロ、サンジ助けてくれ。」

「来たなゾロ、だが一足遅かったな。」

 

あれは海賊狩りのゾロ!彼の様子からするにかなり焦っているのが見て取れる。私のように賞金稼ぎではないのか?もし彼がこの麦わらのルフィの仲間なら少し興味がある。

 

「てめぇらの船長はこれにて終了だァ!!」

「………そうでもないみたいですよ。」

「へぶぅ!?」

「バギー船長~~~!!!」

 

私は背中から蹴り飛ばした。

 

「いや~~助かったよ、ありがとな!」

 

満面の笑みでお礼を言われた。彼はふつうの海賊とは違うような気がする。なんででしょうね、なぜか彼の近くに寄ると安心感という言葉が頭を過ぎる。

 

「いえ、ここで死ぬべきではない、そう思ったのですよ。」

「ふーん、そっか。俺はモンキー・D・ルフィ、お前は?」

「私はシエル。ル・シエルといいます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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