えっ、シスコン魔王様とスイッチ姫みたいな力ですか?   作:のんのんびり

199 / 247
第百九十九話 憧憬

 

 

 

「ついに、明日かぁ…」

 

 ぼぉー、と倉本家にある自分の部屋の天井を眺めながら、俺は何をするでもなくベッドに倒れ込んでいた。いつもならゲームをしたり、録り貯めしていたアニメを見たりして、のんびりとした時間を過ごしているのだが、どれもやる気が出てこない。今日はみんなで行った初詣を終わらせ、朱璃さんと朱芭さんが用意してくれていたおせち料理を満喫した。友人たちと楽しい時間を過ごした後、こうして家に帰って一人の時間ができると、不意に明日のことが脳裏を過ってしまい、どうしてもそっちに思考が向いてしまっていた。

 

 もしかしたら明日の話で、家族の反応によってはもうこの部屋を使うこともできなくなるのだろうか。生まれた時からずっと過ごしてきた故郷。当たり前のように傍にいると思っていた家族。俺にとって、帰るべき家がある大事な場所。本来の俺の立場を考えれば、こんな風に表の生活を送れること自体があり得ないことだとわかっている。それでも、この場所を壊したくなくてずっと長い間誤魔化し続けてきた。

 

 裏の世界に足を踏み入れて、もうすぐ六年が経つ。『灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)』にはちゃんと俺の部屋だってあるし、知り合いだって表側よりも裏側の方が多い。生活基盤や将来の進む道だって、裏側の人間として今後生きていくことになる。たとえ表で生活できなくなっても、俺の居場所は裏側にちゃんとあるのだ。もし家族に受け入れられなくても、俺が生きていける場所は間違いなくあった。

 

「それでもここまで引っ張って、みんなにお願いだってして、裏のことをずっと隠し続けたいって我が儘を言ってきたのは俺自身だ」

 

 実際、このままでもいいんじゃないかって何度も思った。このまま表の家族には何も告げずに過ごすことだって、可能と言えば可能だった。夏休みとか正月とか、ちょっとした長期休みの時に里帰りするぐらいの気持ちで帰って、何でもないような日常を過ごす。そもそも裏側の事情を知っても、一般人ではどうすることもできない。抗うこともできず蹂躙されるか、逃げて嵐が過ぎ去るのを待つことしかできないのだ。それなら、裏の世界なんて何も知らないまま、表の生活を平和に過ごした方がいいに決まっている。

 

「だから恵さんだって、全てを『忘れる』ことを選んだ」

 

 それは、正しい判断だったのだろうと思う。相棒がいなかったら、俺も裏を知って正気のままでいられたのか自信がない。異種族や魔法、異能力などファンタジーな世界に憧れを抱くことはあっても、命の危険も同時に許容できるかは別問題だから…。それなのに、どうして家族に裏のことを話す決断を下したのか。ラヴィニアが話してくれた『後悔』のこともあるけど、何より今後の俺の立場が家族の身の危険に繋がりかねないと考えたからだ。

 

 これから先、俺は十四番目の神滅具(ロンギヌス)を宿す人間として、神の後継者であるシステム(相棒)の宿主として生きていくことになる。出来る限り目立たないようにしたいけど、無理な時はまぁ無理だろう。俺の顔や名前が裏の世界で広まれば、当然ながら一般人である俺の家族は明確な弱点として周りの目に映る。兵藤一誠の両親がリゼヴィムに利用されたように、俺にとっても考慮しなければならない問題だったのだ。

 

 巻き込まれる可能性が少しでもあるのなら、事情を話しておく必要がある。もしもの時、保護や護衛を受け入れてもらわないとまずいから。何も知らないまま、いきなり非日常へ巻き込んでしまう可能性があるのなら、自分の口から真実を告げるべきだと思った。停戦協定の混乱が収まったら、神器症の治療のためや眠りの病の研究のために忙しなく動くことになるだろうから、チャンスは今しかない。

 

 ……もし倉本家がこの事実に耐えられないのなら、話した内容を全て忘れてもらって、そして――俺はもうここに帰ってこない方がいいのだろうな。メフィスト様達にお願いすれば、俺と家族が無関係であるように『弄る』ことだって容易だろうから。

 

「……はぁー」

 

 溜め息が零れた。眠れる気分じゃないけど、相棒に頼めば強制的に意識を落とすことはできる。このまま鬱々としていても仕方がないかと電気を消そうとした時、コンコンッと小さなノック音が響いた。

 

 

「カナくん、まだ起きていますか?」

「ラヴィニア? 起きているよ、どうしたんだ」

 

 ベッドから立ち上がり、ガチャッと部屋の扉を開けると寝間着を着たラヴィニアが立っていた。長い金の髪が後ろで一つに束ねられ、普段よりどこか不安げに揺れる蒼い瞳。メフィスト様には倉本家を大掃除して荷物を整理した部屋を一室貸し出し、ラヴィニアは姉ちゃんの部屋で一緒に眠っていた。まだ深夜を回っていないとはいえ、こんな夜更けにどうしたんだろう。俺は彼女を部屋に招き入れると、クッションを用意して床に座ってもらった。

 

「申し訳ありません」

「いいよ、俺も寝付けなかったし。何かあった?」

「いえ。ただ……いよいよ明日、ママさんやパパさん、愛実に私たちのことを話すと思うと、どうしても寝付けなくて…」

 

 俯き、緊張に震える肩。そんな彼女を見て、俺はハッと目を見開く。そうだ、倉本家との付き合いを考えないといけないのは俺だけじゃない、ラヴィニアもだったと気づいた。約五年前、駒王町の前任者問題を解決するためにラヴィニアが日本の倉本家にお邪魔してから、ずっと家族ぐるみでの付き合いをしてきたのだ。俺が家族と距離を取るのなら、当然彼女だって同じように距離を取らなくてはいけなくなるのだから。

 

 姉ちゃんは天然気味なラヴィニアを妹のように可愛がって、一緒に買い物へ行ったり、年上のプライドを投げ捨てて勉強を教えてもらったりしていた。事故で両親を亡くし、メフィスト様(叔父)と一緒に暮らす彼女を心配していた両親は、いつも温かくラヴィニアを迎え入れて娘の成長を見守るように見てくれていた。この家で過ごす彼女の笑顔は、いつも嬉しそうに輝いていたと思う。

 

『偶然だが、お前はラヴィニアが一番望んでいたものを、そしてあいつに一番足りないものを持ち合わせている。だから、お前の存在はあいつにとっては、非常に(まぶし)く映っているだろう。それこそ、思わず(くら)んでしまうほどにな』

 

 ラヴィニアが一番望んでいた、大切な家族と過ごす時間。『灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)』の魔女としてでなく、神滅具『永遠の氷姫(アブソリュート・ディマイズ)』の所有者としてでもなく、ただのラヴィニア・レーニという一人の女の子として過ごすことができる場所。あぁ…、そうか。真実を話すことを怖がっていたのは、俺だけじゃなかった。彼女も同じだったんだ。

 

「一年前、カナくんのことを応援するようなことを言っておきながら、自分が情けないのです」

「そんなことないよ。ラヴィニアのあの言葉は胸に残っているし、今も勇気をもらっている。怖いけど、でも…、後で後悔して一生心残りになるぐらいなら、今ちゃんと向き合って話をしたい。……大切な人だからこそ、俺自身が伝えないといけないって思うんだ」

 

 逃げたい気持ちは心のどこかにある。だけど、原作のようにリゼヴィム(第三者)の悪意によって、真実を晒されるのだけは絶対に嫌だった。何も知らずに危険な目にあわせるぐらいなら、事前に危険を知らせて守らせてほしい。ラヴィニアへ向けて決意を口にすれば、先ほどまでの悪い方向に考えていた思考も落ち着いていくような気がした。

 

「もちろん、怖いけどな」

「……はい、怖いですよね」

「もしもの時は慰めてくれる?」

「えぇ。でも、私のことも慰めてくださいね。私も泣いちゃうと思うので」

「……わかった」

 

 軽口を言い合って、お互いに笑みがこぼれ合う。ラヴィニアがいてくれてよかった。彼女の前でなら、こうやって泣き言も言える。男として格好つけたい気もするけど、もうさんざん格好悪いところは見せてきたからな。今更というか、彼女の前で意地を張っても仕方がないかなって気にもなるのだ。もちろん、普段は出来る限り格好はつけたいけどな。

 

『俺がしんどい時は助けて。俺もラヴィニアがしんどい時は助けるから。そうやって、一緒に前を向いて頑張っていこうよ』

 

 この約束がある限り、彼女がいつも俺の手を握っていてくれる限り、俺の心が折れることはない。それだけは、そう強く思うことができた。

 

 

「カナくん、もう少し傍にいてもいいですか? 気持ちの整理がついたら、愛実の部屋に戻るのです」

「えっと、大丈夫?」

「はい、なのでいいでしょうか」

「あぁー、うん」

 

 気恥ずかしさに赤くなった頬を指で掻きながら、俺はこくりと頷いた。ラヴィニアはそっと俺の隣に座ると、俺の手をギュッと握りしめる。微かに震えている指先に彼女の恐れが感じ取れたから、俺はそれを静かに受け入れた。彼女にとって倉本家は、もう二度と手に入らないと思っていた家族の温もりだ。唐突な理不尽によって、全てが一度なくなってしまった居場所。失った経験があるからこそ、その重みを誰よりも知っているのだ。

 

 それでも、俺の決意に背中を押してくれた彼女に感謝している。ラヴィニアは周りの人のために動くところがあるから、自分の弱さを周りには隠そうとするところがある。だから、こうやって頼ってくれてよかった。お互いに変なところで意地っ張りだからな。

 

 優しい温もりが漠然とした不安を小さくしてくれているのを感じながら、肩を寄せ合うように俺達は穏やかな時間を過ごしたのであった。

 

 

 

――――――

 

 

 

 ――倉本家は現在、今までにない緊張感に包まれていた。

 

 奏太の姉である愛実から「奏太がものすごく真面目な顔で、家族みんなに聞いてほしい大事な話があるらしいよ」と言われていたからだ。倉本家の長男である奏太が、海外の学校に留学して約半年。五年もの間、娘のように妹のように関わっていた女の子と、さらにその保護者が一緒になって日本へ挨拶に来たのだ。ただの一般家庭の家に泊まってもらうことに恐縮な思いを抱いたが、彼らは朗らかに受け入れてくれただろう。

 

 去年の夏に海外にお邪魔した時は、見たこともないような豪邸にメイドさんまで完備という別世界を経験した。正直住んでいる世界が違うとさえ思ったが、そこにいる人達に温かく受け入れられている奏太を見て、これなら大丈夫かと子どもを預けることを決めたのはまだ記憶に新しい。冬休みということで、久しぶりに帰省した息子を迎え入れた倉本家だったが、どこかいつもと様子が違うことは薄々感じ取っていたのだ。

 

 そんな違和感を感じていたところに、娘から聞いた「大事な話」である。しかも、ラヴィニアの保護者までも倉本家にお邪魔するほどの内容。これは、まさか、アレなのか……? 推測が推測を呼び、家族三人で思わずアイコンタクトを送ってしまう。ちょっとそわそわする背中に活を入れ、毅然とした表情をつくりながらも三人の思考は明後日の方へ向かっていた。

 

「お父さん、一応さっきお寿司を出前で頼んでおいたわ。もちろん、ちらし寿司で」

「そうか。……息子の場合、父親ってどう対応するものなんだ。娘の場合は、父親として一度は言ってみたい台詞はあるが…」

「えっ、お父さん。私の時はあのテンプレセリフを言ってくれるの?」

「……よくよく考えたら、愛実をもらい受けてくれる器量があるなら、別にいっかと思いそうだ」

「そうね、私も娘を本当によろしくお願いします、って思いそう」

「この両親、普通にひどいっ!?」

 

 色々と心配だが、根は真面目なので何だかんだで変な相手は連れてこないだろうという信頼はあったりするのだが、娘としては項垂れるしかない。心に深刻なダメージを受けたが、今はそれを気にしている場合じゃない。気を取り直した愛実は、倉本家のリビングに集まった両親と、まだ部屋から出てこない待ち人が来るだろう扉を交互に見つめる。ついお茶に手を伸ばしたくなるが、もうすぐなんだからと気を強くもつようにした。

 

「しかし、本当にアレなのか? 愛実の勘違いでなく」

「だって、奏太とラヴィニアちゃんが私たちの顔を見ては、時々思いつめたような顔をしていたんだよ。これはもう、話す内容と言ったらアレしかないでしょう!」

「ふふっ、ラヴィニアちゃんなら大歓迎だわ。正直、私たちのような一般家庭で大丈夫なのかって方が心配ね。ほら、メフィストさんって大企業の社長さんでしょう。お家の付き合いとか、社交界とかあるのかしら?」

「むっ、そこは考えていなかったな…。これは俺達も、気を引き締めておかなければならないか」

 

 メフィストの気安さとノリで忘れそうになるが、彼は海外の大企業の社長なのだ。地位も権威も持っている、超スーパーエリート。むしろ、どうして一般家庭の倉本家と関わっているのか不思議なぐらいの大富豪なのである。そこをうっかりで忘れそうになるのが、倉本家の面々なのだが。

 

「えっ、つまりもし向こうへのご挨拶とかがあったら、私たちも外国語を話せるようになっておかないとまずいってこと?」

「……大変だわ、今から英会話教室に行ったら間に合うかしら」

「まさか息子に通訳を丸投げしていた弊害がここにきて…。メフィストさんもラヴィニアちゃんも日本語が上手だったから、全く気にしてこなかった」

「くっ、こんなところに伏兵が隠れていたなんて…! 言語の壁ってなんて高いの。お金持ちと一般庶民じゃ、こんなにも見える世界が違うのね。こういう時、昔アニメで見た超次元ポケットとか、魔法みたいなのがあればいいのにっ……!」

 

 想像が膨らみ過ぎて、戦々恐々する倉本家。襲い来る英単語に頭を抱える姉、ネットで英会話教室を検索しだす母、ここは一度冷静になろうとお茶を何度も飲んでは黄昏る父。そんな思い思いの反応を起こす家族に、緊迫した思いでリビングの扉を開けた息子は、なんとも言えない表情で見つめることしかできなかった。

 

「なんか、(うち)がすみません…」

「いやいや、相変わらず賑やかなお家だよねぇ」

「カナくんのご家族は、やっぱりカナくんのご家族でちょっと安心しました」

 

 ある意味で倉本奏太が育ってきた家庭らしいと納得する二人に、羞恥心から赤面した息子は「大事な話があるって言っただろ!」と怒りながら、家族の沈静に向かったのであった。

 

 

 

「ごほんっ、それで奏太。大事な話があるそうだが…」

「あぁー、うん。今更真面目な空気を作りだすことに物申したい気持ちもあるけど、大事な話があるのは事実だから、もうそれでいいよ」

 

 倉本家の代表としてキリっとした表情で話し出す父さんに半眼の眼差しを向けてしまったが、俺も気持ちを切り替えるように咳払いをする。メフィスト様とラヴィニア用に椅子を用意して座ってもらい、俺も家族と向かい合うように席に着く。先ほどまでどうやって話を切り出そうかもやもやしていたのに、怒っていたら記憶が吹っ飛んでしまった。ヤバい、どんな風に話を切り出すつもりだったんだっけ?

 

「カナくん…」

「大丈夫、ラヴィニア。ちゃんと俺から言うよ」

「はい、わかりました」

 

 心配げに見つめるラヴィニアと目を合わせ、笑って返事を返す。彼女は少し逡巡すると、テーブルの上にあった俺の手を頑張れと応援するように握ってくれた。それにドキッとしたが、ラヴィニアから勇気を分けてもらえたような気はする。俺は覚悟を決め、意を決して前を向く。その先には、目をキラキラさせた女性陣となんかムズムズしている父がいた。いや、なんでだよ。

 

「……これから話すことは信じられないことかもしれない。それでも、最後まで聞いてほしいんだ」

「あぁ、もちろんだ」

「実は、みんなにはずっと隠してきたことがあるんだ。六年ぐらい、ずっと…。みんなの前では何でもないように振舞って、色々誤魔化して、ずっと嘘をついてきた。海外の留学のことだって、本当は別の目的で向かったことだったんだ」

「えっ、ずっとって六年も前からそういう関係だったってこと? しかも、隠して……隠して、いたかなぁ? もう最初から仲が良かったと思うけど」

「留学って、メフィストさんの企業の社員になりたくて、勉強しに行くって理由だったはずよね。つまり、本当は遠距離が嫌で、気持ちが溢れすぎて離れたくなくなったからなのね…」

「ふっ、思春期故に本当のことを言えず、恥ずかしかったということか。父さんもそういう時期があったものさ…」

 

 おかしいな、何故かよくわからないが壮絶なすれ違いが起きているような気がしてならない。なんでみんな納得気味に頷いているんだ。俺とラヴィニアで目を合わせて首を傾げていると、隣で顔を背けてプルプルと肩を震わせているメフィスト様が見えた。あの、すみません。そんなに笑いを我慢するようなことってありましたか? 困惑しかないんですけど。

 

「奏太、わかっているわ」

「えっと、姉ちゃん?」

「大丈夫、私たちね何となく奏太が言いたいことはわかっているの。奏太が私たちに、何か隠し事をしているかもってこともね」

「そ、そうなのか?」

「えぇ、何年奏太の姉をやっていると思っているの。確かに奏太が進もうとしている道は困難かもしれないわ。私たちとは、国籍の違いや庶民とお金持ちの価値観(住んでいる世界)が違うっていう葛藤もあったかもしれない」

「――ッ!? 世界が違うって、本当に気づいて…」

「奏太が悩むのは当然よ。私たちもそっちの感覚についていけるのか不安だもの。だけど、これまでだって家族みんなで乗り越えてきたじゃない。嘗めるんじゃないわよ、私だって英語が覚えられるよう(そっちの世界に順応できるよう)に頑張ってみせるんだから」

 

 まさか、姉ちゃんがこっちの世界のことに勘づいていたなんて思ってもいなかった。ラヴィニアも驚きで目を見開いている。だけど、姉の態度と仕方がなさそうに笑う両親に、俺は何も言えなくなってしまう。どうしよう、さすがにこの展開は予想していなかった。あと、メフィスト様。もう全身が震えるぐらい咳き込んでいますけど、本当に大丈夫ですか? 相棒を刺しますか?

 

「だから、スパッと言っちゃいなさい。倉本家の長男として、うじうじなんかしないの!」

「奏太、ここは男を見せるところよ。バシッと決めなさい」

 

 ぐいぐい来る女性陣とこくこくと頷く父さん。俺の中ではシリアスな空気からの暴露になりそうだと思っていたのに、こんなにも応援されることになるとは…。これまで真実を話すべきか、悩みまくっていた俺の感覚がおかしかったのだろうか。もう頭が混乱でどうしようもないが、もうこの流れに乗るしかない。俺は覚悟を決めて、バシッと告げることにしたのであった。

 

 

「わかった、ちゃんと話すよ。実は俺とラヴィニアは――」

「うんうん」

「異能持ちの魔法使いなんだ」

『……えっ?』

 

 えっ?

 

「えーと、この世界には裏側があることを姉ちゃんたちも勘づいていたみたいに、悪魔や堕天使、天使のような超常の存在や神様がいる。これまで俺は、メフィスト様が理事を務める魔法使いの協会である『灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)』の一員として働いてきたんだ。俺には神器っていう異能力があって、それを保護する目的もあわせて、その組織の魔法使いになった経緯なんだ」

「えっ、ラヴィニアちゃんは?」

「ラヴィニアも魔女だよ。初級魔法しか使えない俺と違って、凄腕の魔法使いなんだ」

「いや、そうじゃなくて…。奏太とラヴィニアちゃんが……、えっ?」

「えっ?」

 

 全員がポカンと口を開くことになり、しばらく無言の時間が流れた。よくわからないがフリーズしてしまった倉本家に戸惑いしかないが、とりあえず事情説明を続けるために口を開いたのであった。

 

 

「もう何なの!? あんぽんたんなの! あんな空気を出されたら、こっちが勘違いしても仕方がないじゃないっ!? ちらし寿司だってやけ食いするわよ! 裏とか異種族とか異能とかよりも、そっちの方が私的にショックがでかいわっ!」

「えっ、なんかごめん…」

「カナくん、愛実は何でこんなに荒れているのですか…?」

「まぁ、今は気にしなくていいと思うよ。傍から見ていると、すれ違い方がすごかったけどねぇ」

 

 メフィスト様がパンパンと手をたたくと、こちらの空気を入れ替えるように注目を集めた。続いて、バサリッと悪魔の羽を背中から取り出すと、驚愕に目を見開く倉本家にニッコリと微笑みを向けた。

 

「さて、改めてご挨拶をさせてもらうよ。僕はメフィスト・フェレス。僕についての詳しいことは関連書物でも読んでもらえたらいいけど、今必要な情報は『灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)』の理事長であり、カナくんの保護者という立ち位置であることかな」

「……もしかして、本物ですか?」

「うん、本物の悪魔。こういうのは、本物を見せた方が理解も早いだろう」

「ある意味で驚きすぎて、反応に困りますね…」

 

 なんか別の意味でショックが大きすぎたからか、ちょっと感覚が麻痺しているっぽい。今度はメフィスト様から俺の言葉では足りなかったところを補足してもらい、一般人でも理解しやすいように裏の世界の仕組みについて語ってくれた。命の危険があるところとかには顔色を悪くしていたけど、あとはファンタジーすぎて呆然と頷くしかない感じだったと思う。

 

「えーと、つまりこの世界にある神話や伝説、異形とかが本当に実在していて、私達のような一般人にはバレないように暮らしているってことですか?」

「大雑把に言えば、そういうことだねぇ。昔と違って今は人間だけで十分に発展し、生活できている。今更僕らのような神話が手を出しても、未曽有の混乱を呼ぶだけさ。表は表、裏は裏。時に混じり合うことはあっても、そうやって住み分けて世界は続いてきたわけだ」

「奏太が裏の世界に関わることになったのは…」

「先ほども話した神が人間につくった道具、神器(セイクリッド・ギア)が彼に宿っていたからだねぇ。神器持ちは様々な者に狙われる。異種族や、それこそ人間にもね。カナくんは神器持ちであることを隠していた。それを僕が見つけたため、協会に保護したって流れだねぇ」

 

 必死に理解しようとメフィスト様の話を聞く父さんは、難しい顔で頭を抱えていた。やっぱり一般人である倉本家に、裏の世界の話なんて無理だったのだろうか…。そんな父さんを横目に、姉ちゃんがちょいちょいと俺の肩を軽く叩いてきた。

 

「ねぇねぇ、奏太。そのせいくりっど・ぎあっていうの? を奏太は出せるのよね。どんな力なの?」

「相棒のこと? いや、今はこの世界の裏の歴史についてしゃべっているじゃん」

「あのね、奏太。私が歴史の勉強が苦手って知っているでしょ」

「そこは堂々と威張るところじゃねぇよ」

 

 この姉、ダメすぎる…。本当によくこれで、第一志望の大学に受かったよな……。両親が姉の大学合格に奇跡だって大喜びしていた姿が、今でも目に浮かぶよ。俺の呆れたような目にムッとした姉ちゃんだけど、考えるように指を頬に当てていた。

 

「だって、私たちがどう捉えようと、裏の世界? っていうのはそういうものなんでしょう。神様とか悪魔とか言われても、正直反応に困るのよね。だったら、奏太が使える魔法とか、なんとかギアの方が気になるじゃない」

「……怖くないの?」

「お化けとか悪霊が本当にいるっていうのは、真剣に怖いけどね。今度からは怪しいってところには、絶対に行かないようにするわ。あと、メフィストさんが悪魔ってことには驚いたけど、あの羽って本物なのよね。ちょっと触らせてもらえたりとかはできるのかしら?」

「……頼んでみたら? 俺も昔お願いしたら、触らせてもらえたし」

「大悪魔の羽を触ってみたいという感想が出るあたり、愛実の大物さがわかります」

 

 なお、後でメフィスト様の羽を触りたいと言った姉に、「さすがは、カナくんのお姉ちゃんだねぇ…」と諦観の眼差しで触らせてあげていた。ついでで気になっていたらしい両親も一緒に便乗して触っていたけど、やっぱり羽は気になるよね。俺だけじゃなくてよかったです。

 

「……あぁー、そうじゃなくてさ。俺に神器が宿っているとか、魔法や異能があるとか、人間以外の異種族がいるとか…。他にも色々あるじゃん」

「確かに色々あるわね。私個人としては、固有名詞のオンパレード過ぎて頭がパンク寸前よ。たぶん理解できるまでに時間はかかるだろうし、何となくでしかわからないことも多いと思うわ。でも、それでいいんじゃない?」

「どういう意味?」

「別に分からないところは、そういうものって感じでいいかなって。だって、私たちは一般人なんだし。だから、そんな私たちにできるのは『そんな世界で暮らす弟を理解してあげること』ぐらいでしょ。裏の世界について理解するなんて壮大なことよりかは、ずっとわかりやすいと思うわ」

 

 ペシッと額に軽くデコピンを当ててくる姉ちゃんは、何でもないように軽く笑って見せた。

 

「さっきも言ったでしょ、お姉ちゃんを嘗めるなよー。私はそんなに頭は良くないけど、怖がるべきものぐらいわかっている。弟や妹を怖がる姉なんて、格好がつかないじゃない。あんたがなんとかギアってやつを持っていようと、魔法が使えようと、私の弟であることは永遠に変わらないのよ。不思議な能力よりも、年功序列は無慈悲なんだから」

「姉ちゃん…」

「だいたいねぇ、六年も前からでしょ? 怖がるとか、今更過ぎない? 奏太は相変わらず奏太だし、ラヴィニアちゃんは可愛いし、メフィストさんはダンディなおじさまじゃん。少なくとも、私がこれまで見てきた奏太の知り合いに、怖いことをしてきそうなヒトっていなかったもの。みんな優しかったし」

「……隠してきたのに?」

「それはそれね。後で心配させたことは、お母さんやお父さんに謝りなさいよ。危ないことをしていたことも、しっかり怒られておきなさい。私はほら、悪霊とか幽霊みたいな脅かし系とか、ゾンビみたいなスプラッター系とか、テストとかじゃなければ、そこまで怖いものはないからね」

 

 ふふん、と胸を張る姉ちゃんは、本当に当たり前のように言ってのけた。どこまでいっても姉理論で突き進むところは、マイペースな姉ちゃんらしくて噴き出してしまう。目尻に溜まりかけた涙は、顔を背けて袖でふき取っておく。ラヴィニアも隣で目元をゴシゴシしている。いつもは揶揄ってくる姉ちゃんも、この時は何も言わずに仕方がなさそうな表情で笑っていた。

 

 

「相棒は『暁紅の聖槍(ティファレス・リィンカーネーション)』と言って、色々消すことができる神器なんだ」

「おぉー、ゲームとかで出てきそうな感じの名前だね。色々消すって例えば?」

「まず、魚の骨とかスイカの種とか生ゴミの処理とか、ちょっと邪魔だと思うものを消せます。次に鍋の灰汁取りやフグの毒とかも消せるから、美味しいものが色々食べられます。さらにさらに、肩こりや睡眠不足や取り過ぎた脂肪分、ニキビとか日焼けも消せて、怪我とか病気もなかったことにできるから健康も――」

「最高の美容品じゃないっ!」

「えっ、すごい! 相棒ちゃんめっちゃすごいっ! お肌の手入れに悩まなくていいなんて、最高の能力だわ!」

「奏太、お父さんのお腹をお願いしてもいいかな。まさかコレステロールに悩まないで済む日が来るとは、異能とはなんて素晴らしいものなんだ…」

 

 相棒の能力についてプレゼンしたら、家族全員がすごい勢いで食いついてくれました。紹介した俺が言うのもなんだけど、そんなあっさりと異能を受け入れちゃっていいんですか。美容と脂肪の消去って、人の考えをここまで柔軟に変える力があったんだな。家族みんなからすごいすごいと褒められて、相棒も非常にご満悦そうでした。隣にいるメフィスト様の目が遠くなっていたけど、怖がられるよりはいいですよね、うん…。

 

 父さんと母さんはある程度の事情をメフィスト様から聞き、最初はなかなか受け入れがたいところもあったみたいだけど、相棒の能力のおかげで異能もいいじゃんと思ってくれたみたいだ。改めて、相棒のすごさを実感しました。たぶん、普通の神器や神滅具じゃ、ここまでスムーズに受け入れてはくれなかっただろう。危険な異能もあるっちゃあるけど、そればかりじゃないと思ってもらうことは、異能を受け入れてもらうためには大切なのかもしれないな。

 

「それで確か、奏太の相棒ちゃんの異能がすごすぎて、それで持ち主である奏太が有名になっちゃうかもしれないってことでしたよね。だから血縁者だけど、一般人である私たちが何も知らないままだと危険かもしれないから、今回事情を話すに至ったって経緯であっています?」

「かなり色々端折っているけど、大まかな経緯としてはそういう感じだねぇ」

「わかるわ、これは狙われても仕方がないってお母さんも思うもの。美容のためなら、どれほどの金額をかけても惜しくないって人はいるものよ」

「この神器があれば、理想の健康体を維持できる。世のお父さんが絶賛するほどの力だ。確かに相棒くんの力に目が眩む者が出てもおかしくないでしょう」

「……あの、メフィスト様」

「聖書陣営とか、停戦協定とか、神器症の治療とか、今はそういうのは置いといていいだろう。必要なのは、カナくんのご家族に自分の立場を理解してもらうことだからねぇ。まぁ、間違ってはいないよ」

 

 いや、確かに間違った認識じゃありませんけど…。俺の家族だから外部に狙われる可能性があるってことを理解してもらうのが重要だったので、納得してもらえるのが一番大事なことだけどさ。裏側のことを理解するのに時間がかかるのは事実なので、今はこれでいいのだろう。ツッコミどころは多々あるけど。

 

 これまでのことを一気に話すのは難しいので、時間がある時に家族にきちんと話そうと思う。その時にちゃんと叱られながら、心配をかけたことをしっかり謝ろう。そんな時間が、こうしてこれからもできたのだから。心の底からホッと息を吐きだした俺を見て、ラヴィニアも胸に手を当てて、嬉しそうに微笑みかけてくれた。

 

 

「あの、メフィストさん。私たちって結局どうしたらいいのでしょうか? 私たちも安全のために海外へ引っ越した方がいいとかだと、色々大変なのですが…」

「いやいや、そこまでは求めませんよ。カナくんのご家族の皆さんには、これまで通りの生活を送ってもらって問題はありません。ただいくつかお願いと、受け入れをお願いするぐらいでね」

「お願いですか?」

「一つ目は、怪しい場所や人物には近づかないようにすること。二つ目に、カナくんへの連絡や接触は僕を通して行ってもらうこと。三つ目に、外部へ裏のことやカナくんに関する情報は流さないこと。最後に、護身用の魔道具や結界、護衛などを許可してもらうこと。日常には干渉させないようにするし、私生活は見ないように配慮はするよ。見られていると思うのは嫌かもしれないけど、安全のためには受け入れてほしいかな」

「ご、護衛…。まさかのSP(セキュリティポリス)付きの生活とは……」

 

 あぁー、なるほど。俺はもう護衛がいる生活に慣れちゃったけど、普通は戸惑いが生まれても仕方がないよな。考え込む倉本家にニコニコとメフィスト様は笑みを浮かべると、何やらごそごそと手元に持ってきていたカバンに手を伸ばした。それを不思議そうに見る俺達へ、カバンから取り出したものをテーブルの上に素早い手際で並べていった。

 

「きゅきゅ、きゅっ!」

「えっ、ハムスター?」

「あっ、ラブスター様だ…」

「この子たちが、僕が用意した護衛だよ。三匹とも、僕の使い魔でね。ふふっ、『ファウスト物語』で語られる、「ネズミの歌」や「(ノミ)の歌」は知っているかな? あのオペラは僕も気に入っていてねぇ。まぁ、それに肖ってみた感じさ。餌の用意は必要だけど、知能は高いし、色々助けてくれると思うよ」

 

 ケージに入れられている三匹のハムスターが、クリッとした目で姉ちゃんたちを見つめている。その内の一匹は額に星型の模様があったので、五年前にメフィスト様が介していたハムスターだろうか。確かハムスターの平均寿命って二~三年だから違うかもしれないけど、メフィスト様が育てているので同種かもしれない。くしくしと毛繕いするハムスターたちは、挨拶をするようにペコリと頭を下げているようだった。

 

「見た目はハムスターだけど、自立思考もちゃんとあるから、普段の生活の邪魔にならないようにしてくれる。学業や仕事中も他の人間にバレないように隠れてくれるし、僕とパスが繋がっているから何かあったらすぐに知らせてくれるよ」

「つまり、このハムちゃん達が、私たちの護衛ってことですか?」

「生き物の急所を熟知しているし、『ハムンテ(改)』という満腹ゲージと引き換えに大爆発を起こす最終ハムハム奥義も会得している。キミたちを逃がすだけの時間を稼ぐぐらいならできるだろう」

「ハムスターが爆発するの!?」

「あっ、命と引き換えに爆散しなくなったんですね。これは安心設計だ」

「奏太の安心の基準が、完全に裏世界に染まっているっ……!」

 

 ケージから出てきた三匹のハムスターは、行儀よく三人の前に並ぶとぴょいっと軽やかなジャンプで肩の上に乗っていた。それに驚くが、バランスよく肩の上で毛づくろいを始めたハムちゃんズに、さすがの倉本家も言葉を失うしかなかったようだ。人型の護衛を付けられるより窮屈感は薄まっているので、呆然としながらも受け入れることにしたみたい。早速名前を付けだしているので、何だかんだで気に入ったようであった。

 

 それから、協会でどんな風に過ごしているのか話したり、俺の禁断の預金通帳に悲鳴がこだましたり、ラヴィニアに魔法を見せてもらって拍手喝采だったりしながら、これまでずっと話せなかったことをたくさん話す時間をとっただろう。もちろん、話さないといけないことはまだまだあるし、話せないこともたくさんあるけど、今は受け入れてくれたことがただただ嬉しかった。

 

 転移魔法なんてものがあるなら、いつでも帰ってきなさいと俺とラヴィニアを抱きしめてくれた母さんに、高校生にもなって思わず母親に抱き着いてしまった。それを見ていた姉ちゃんが、同じように「二人とも、私の胸に飛び込んできなさい!」って腕を広げてきたけど、それは普通に遠慮しておきました。そんないつもの日常を過ごせることが、みんなで笑い合うことができることが、言葉にできないぐらい温かくて、眩しさに目が眩むようだった。

 

 

 

――――――

 

 

 

 ――聖書陣営の停戦協定が結ばれて、数週間が経過した。世界中で多くの波紋を起こしたが、トップ陣達の尽力もあり、少しずつ新しい世界の在り方に慣れていった頃。とある街で暮らすとある組織は、大変お世話になっているボスに頼まれた依頼を遂行するために、誰もが真剣な表情で佇んでいた。

 

「皆の者よ、ついに約束の刻が訪れる。これまで我らのために、多大な支援をしてくれていた我らがボスからの直々の依頼だ。いつも恩を返したいと思っても、なかなかその機会に恵まれなかった儂らにとって、このチャンスは絶対に逃してはならぬものである」

『イエス、首領っ!』

「ふっ、首領はやめよ。今の儂はしがない開発局長兼、魔法少女でしかないのだからな」

 

 駒王町での最終決戦に敗れ、『魔法少女ミルキー☆カタストロフィ』に吸収された元『渦の団(ヴォルテックス・バンチ)』の面々は、新たな目標を胸に日夜正義の味方として慈善事業に明け暮れていた。これまでやっていた悪の組織とは正反対の在り方となったが、真正面から本気でぶつかり合ったからこそ認め合い、芽生えた絆がある。何より、混沌の渦の中心となる、という理念は消えていない。魔法少女が起こす奇跡の渦を世界に示すことが、彼らの新たな指針となったのだから。

 

「局長っ! 我らが敬愛するボスからの依頼を達成するために、我々がするべきことは!?」

「ふむ、どうやらボスの友人や妹ぎみ、さらに可愛がっている妹分たちがこの駒王町を見学に訪れ、しかも魔法少女とは何かを知るために勉強に来るそうだ。あと近い将来、その者たちがこの街の新たな管理者や使者になるだろうとも言われている」

『おぉっーー!!』

「つまりだ、ボスは我々にこの街の良さを、魔法少女の何たるかを教え導く役目を儂らに託してくれたも同然なのだっ!! この信頼に応えずして、何が魔法少女だッ! 我らが受けた恩、今こそ全力で返すのみ。ボスの妹ぎみ達のために、最高の『駒王町探検ツアー』を実現させてみせようじゃないかァッ!!」

『さすがは、局長! 素晴らしいお考えですっ!!』

 

 なお、奏太は「クレーリアさん達が駒王町へ見学に来るのでよろしくね」ぐらいの気持ちで、事前にお伺いは必要だろうと思って伝えただけに過ぎないのだが、普段からあまりお願いされることがない魔法少女達は、ボスからの依頼にテンションを最高潮にまで上げまくっていた。

 

「さぁ、全力で歓迎しようじゃないか…。行くぞ、我が同志たちよッ!」

『御意、必ずやボスの大切な方々に最高の御もてなしをッ!』

『ヴォルニョォォォオオオオックスッ!!』

 

 こうして、駒王町の探検ツアーに向けた御もてなしの闘志は、善意と共に燃え上がり続けるのであった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。