今回珍しく会話文主体です。
ということで話は進んでません!!
これを「6話」とタイトル付けていいのかは疑問ですが、それでは6話、どうぞ!
追伸
海未ちゃんとことりちゃんの2レア引いて幸せな私。
それからなんやかんやあって。
翌7月2日、木曜日。
―――字面だけ聞けば、「うらやましいぞコノヤロウ」と殺意を抱いた方も多いだろう。
確かに、それ自体は、柊哉に天国のような何物にも代えがたい幸福を与えてくれるのだ。
美少女9人と、共に練習をする、という行為そのものが、男冥利に尽きる。
とんでもなく可愛いアイドル級の女子と、楽しく会話できることも大きなプラスだ。
「そこまで聞けば悪いことなんてないだろう」と感じる人もいるはずだ。
ただし、今回の柊哉の場合は、話が完全に別次元だった。
天と地ほどの差があった。
なんせ、
(―――何故に俺まで参加せねばならん!!!)
―――柊哉自身も、その練習に全力で参加させられているのだから。
★
校舎屋上にて。
柊哉は完全燃焼していた。
今は小休止の時間。
メンバーが思い思いに、休息をとり、くつろいでいる。
「つ、疲れた~…こりゃ鬼畜すぎんだろ。誰が考え出したんだよこのルール…」
そんな中、柊哉はひとり伸びていた。
無理も無い、今日の今日まで、
突然の運動に筋肉痛と
「―――裏方、って言われたはずなんだけどなぁ…」
「柊哉く~ん、お疲れ様~」
「
「うちのスピリチュアルパワーが効いとるんかな~?」
だが、それもメンバーが来るまでのことだ。
目の前に美少女、というだけで、柊哉の疲れはたちどころに超回復する。
それが希の言うところの「スピリチュアルパワー」かどうかは知らないが。
なんにせよ、なんとも都合のいい体だよな、と心中で苦笑しつつ、柊哉は希に向き直る。
「―――それで、どうや?μ’sの練習は」
「…こんなの毎日やってたんですか?」
「う~んと、そうやね。基本的に、お休みの日以外はちゃんと毎日続けとるよ?」
「だから体力が化け物だったんだな…」
「そんな、化け物だなんて言わないでよー」
「いやいやお言葉を返すようですがね
「女子枠にはちゃんとひっかかっとるよー?…何なら、確かめてみる?」
「いや結構ですって。俺の社会的生命と精神的生命の両方が速攻で死にますから」
「希ちゃん!!そんなことするとまた
「え、ソーナノ?」
「ははは、冗談よ冗談。そんなこと、柊哉くんにするわけがないや~ん?」
「怖い冗談はやめてください…」
途中話に入ってきた穂乃果も加えて、3人で楽しく談笑する。
そこに疲れやだるさといった、マイナスの感情はない。
あるのは、楽しさのみだ。
自分とメンバーとの、楽しさの感情。
そう、こういう会話が本当に楽しいのだ。疲れなんて感じてる暇が無い。
疲れるのは、家の中だけで十分だ。
柊哉はその後も、暫し歓談を愉しむこととする。
とりあえずは、犯人探しだ。
「―――んで?穂乃果、俺を練習に参加させようって言ったのはどこのどいつだ?俺直々に成敗に行ってやる」
「んー?えーとね、確か、海未ちゃんだよー」
「お前かい!!お前本当に俺のこと嫌いだな、本当に!!」
穂乃果のカミングアウトに、柊哉は立ち上がって抗議する。
その抗議の対象、海未は、休息場所から優雅に立ち上がると、笑顔で告げた。
「―――いえ、私は柊哉さんの運動能力を知りたかっただけですよ?」
「笑顔でサラッと怖いこと言うんじゃねぇよ、合格の自信ほぼ喪失したんだが」
「だ、大丈夫ですよ。
「ありがとうな
「え、えっと…こ、こちらこそ…?」
「柊哉さん!!あんまり花陽をいじめないで下さい!!」
「今の会話のどこに花陽ちゃんイジメ要素があったんだよ!?」
「ほぼすべてですよ!!全く、柊哉さんときたら!!」
「か、神城さん…?嘘ですよね…?」
「ああもう事態がややこしい方向に進むぅ!!ごめんね花陽ちゃん、そんなつもりは全く無いんだよ?頼むから信じてくれない?」
「神城さんは、女の子に対して酷い行為をして快感を覚える趣味だったんですね!!」
「誤解のうえに曲解だよそれ!!?」
「そうだったのですね…柊哉さん、見損ないました」
「お前は最初っから見損なってるじゃねぇか!!」
「神城さん…最低です」
「超ダメェェェェェジ!!!胸が痛ぁぁぁぁぁい!!…というか花陽ちゃん?お前海未サイドに回ってないか!?」
「心外ですね、私がいつ海未ちゃんサイドじゃないと言いました?」
「心外ですね、花陽が貴方サイドに回ると思いましたか?」
「こんなときも仲いいなお前ら…」
そして花陽と海未のダブルパンチを食らい、柊哉は沈んだ。
それはもう物理的にも精神的にも。
あたかも沈んだボクサーのように、柊哉は床に突っ伏す。
「柊哉、くん…クス、大丈夫…クスクス」
「笑いながら話すんじゃねぇよ!!」
それを希にクスクスと笑われるとか、もう男としてやっていける自信すらなくしてしまう。
(―――俺、美少女に嫌われてんのか…?)
そんな欝になるような妄想を抱いている柊哉に、
「―――しゅう君、大丈夫?」
文字通りの
柊哉は反射的に振り返る。
そこには、小首をかしげることりが、柊哉を不思議そうに見ていた。
(―――やべぇ可愛い)
破壊力抜群の仕草。
無意識にして最上級の仕草。
当然、柊哉は元気を出す。
「大丈夫、今ので超元気出た」
「そうなの?なら、良かったぁ~♪」
「心配してくれて本当にありがとうございますッ!!!」
「メンバーを心配するのも、スーパーアイドルにこの常識だからねっ☆」
「お前には言ってねぇよ、にこにー☆」
「…言うようになったじゃないの、柊哉。私も「しゅう君♪」って呼んでさし上げましょうか?」
「謹んでお断りいたします」
「何でよ!?断る要素今のにあったの!!?」
「大有りだわ!!俺を『しゅう君』って呼んでいいのはことりだけだ!!むしろことりだからこそいいんだ!!」
「…しゅう君…///」
「ほらみろ可愛いだろ!!?これが最上級の仕草だよ、分かったかにこ!!!」
「…しゅう君の、ばか///」
「何で俺の評価下がったんだよことりちゃぁん!?バカって人に言っちゃだめだぞ!?」
「…しゅう君の、バカ」
「真似乙」
「ねぇ、柊哉!!私とことりとで随分待遇違うでしょ!!?この差は何よ!?」
「知らんし!…というか、お前ももともとが可愛いんだから、もっと別ベクトルのことしろよ!!?」
「頼れる皆のアイドル、ラブリーチャーミングなにこにーだよ☆」
「それでいい。というかそれが一番にこらしい」
「私が猫かぶりだとでも…?」
「それ以外に表現のしようは無かったのかよ…」
「だ、大丈夫だよ!にこちゃんは可愛いから、私なんかの真似なんてしなくてもいいよ?」
「あ、アンタまで自虐的にならなくても…わ、悪かったわよ…」
「あとは好きにしてくれ…」
だがにこの乱入によって、その元気もすぐに奪われてしまった。
どっと、違うベクトルの疲れが襲い掛かってくる。
にことことりが会話に戻るのを見ながら、柊哉は脱力する。
(―――まだ、寝てられないな…)
だが、柊哉は強引に力を戻して、疲れを解した。
疲れているわけにはいかない。
まだやらねばならぬことが、柊哉にはあるのだ。
柊哉は無意識に、視線を左へと向ける。
「相変わらず練習には余念がないわね、絵里」
「このくらいが普通でしょ?柊哉にもさせるべきだと思ったし」
「そうだねー。凛も、柊哉にはメンバーとして、このくらいさせるべきだと思ったにゃー」
そこには、
傍目から見れば、今日の練習のつかみの感じを話し合ってるように見える。
なんとも穏やかな時間だ。
美少女が話すのを見てるのは飽きない。
何より、男子校にいた柊哉にとっては、これすらも夢のような出来事だ。
柊哉は、少しだけ、意識をそちらへと向ける。
上とは別に、もう1つの理由をもって。
そのときは、スポーツドリンクを飲んでいる絵里に、同じく休息中だった真姫が話しかけているところだった。
「―――ねぇ、絵里。何で柊哉を生徒会に入れたの?」
「あ、それ凛も気になるー!!どうしてなのー?」
「…別に。理事長先生からそうしろって言われたからよ。深い意味はないわ」
「…あ、そ…」
「えー?そんなこと言ってー。実はなんか隠してるんじゃないのかにゃー?」
「―――そんなわけないでしょ」
「ふーん?」
「…あれ?え、絵里、どうしたの…?」
「?何が?」
「なんか、怖い顔してるわよ…?」
「…気のせいよ。…先に行くわ」
「あ、ちょっと!!!」
その会話の中で、絵里は機嫌を悪くしたのか、いかにもお怒りといった様子で、大またで歩き去ってしまった。
引き止める手もむなしく、空中にだらりと落ちる。
(―――なーんか最近の絵里、おかしいんだよなぁ…)
そう、絵里に意識を向けた2つ目の理由が、これである。
昨日から、どうも絵里の様子がおかしい。
なんというか、心ここにあらず、といった感じなのだ。
昨日の帰り際に、柊哉が話しかけたときも、
『―――あ、絵里ー?俺、仕事終わらしたから、そろそろ上がるわー』
『そう、お疲れ様』
『ん?どうした?なんか、元気なさそうだが…』
『…貴方には関係のないことよ。それじゃ、気をつけて』
『お、おう…』
少しピリピリした空気を孕んでいた。
生徒会室にいたときよりも、明らかに柊哉に対して線引きをしているのだ。
どのような心境の変化があったかは分からない。
だけど、当事者たり
(―――どうしようかねぇ…)
口々に疑問の声を上げるメンバーを横目に、柊哉は1人、考えていた。
「―――ふふ、これは面白くなってきた」
★
その感じは7月3日になっても、7月4日になっても、とどまることは無かった。
一向に平行線のまま、動きを見せないのだ。
絵里と柊哉の関係は、今では単なる「先輩と後輩」といったくくりである。
絵里が前に見せていた多彩な表情を、柊哉に魅せてくれることは、今は全く無い。
―――当然、柊哉は改善を試みた。
7月3日、絵里に話しかけてみたのだ。
いつも通り、普段どおりの感じで。
一昨日、昨日のことを、水に流したかの如く。
しかし、結果は散々だった。
軽くあしらわれて、いつも通りの理知的なイメージを崩さなかったのだ。
「この学園唯一の男子」というステータスを持っている、柊哉に対して、だ。
柊哉は絵里の性格を、多少なりとも知っている。
その中に、「絵里は割りと無頓着なのではないか?」という疑問があった。
そしてそれがあるからこそ、話しかけても僻まず、飄々としていたのかもしれない。
(―――いったいどうしたんだ…?)
でも、おかしい。
何か、かみ合わないものを感じるのだ。
7月1日の「絢瀬絵里」とは、別人のように感じるのだ。
考えれば考えるほど、思考が泥沼に
自己決定が出来なくなってくる。
絵里は何故、柊哉と距離をとるようになってしまったのか。
柊哉がどれだけ考えてみたところで、それはなかなか改善しそうに無かった。
あれ?
ラスト会話文見当たらない…。
ダメだ、言ったことが守れないのか私は!!
というわけで、また7話で!!
次がある意味でのハイライトだと…思います。
追伸
…どう頑張っても凛ちゃんの誕生日編は打てそうにありません…。
これはもうストーリーが追いつくのを待つしかない…。