インフィニット・ストラトス~やさしい世界で《さいこう》目指す~ 作:星屑英雄
出来てはいたのですが、手直しなど他の小説に時間をとられてしまってました。
遅れた理由は作者が設定を理解しきれてないこともあります……すいません。
なので、独自解釈やら独自設定のオンパレードです。この小説ではそういう設定なのだなと思ってください。
お待たせしました、第八話です!
どうぞ!!
~央樹vs一夏の模擬戦があった翌日~
「おはよー」
俺は教室に挨拶をしながら入る。
『おはようー、央樹君』
「おー、央樹おはよう!!」
何人の生徒と一夏が挨拶を返してくれる。
ってか……
「一夏、昨日全力で戦ったってのに元気だな」
「何言ってんだ!! 昨日全力で戦ったからこそ、状態はキラキラだぜ!!」
「キラキラって、艦これかよ……」
他愛もない話をしていると、そう言えば今日はISの実技授業だったことを思い出す。俺はすぐに一夏を誘って、更衣室を目指す。
「今日の授業は何だろうな?」
「さあ? 多分専用機持ちによる実演とかじゃないか?」
雑談交じりに更衣室でISスーツに着替え、アリーナに出るとちらほらと1組2組の女子がいた。
しばらく一夏と話をしていると陽やセシリア、ヴェンス姉妹、箒がアリーナに出てきた。陽が俺たちを見つけ、喋りかけながら近寄ってくる。
「あら、早かったわね?」
「まあ、今日実習の日だって早めに気が付いたからな」
「私のISも届いたから、今日は見て驚きなさい?」
「っ!? 届いたのか、専用機!!」
俺のボディーガードとして来た陽には、束から武装無しの専用機が渡されたのだが自分で武装を組んでいたら中々上手くまとまらず、結局
そう言えば、首から銀の拳銃が彫られたアクセサリーをしている。
陽のIS…気になるなぁ……
「ふふふ、気になってしょうがないって顔に出てるわよ?」
「そりゃぁ、気になるだろ」
「ま、楽しみにしてなさい。そろそろ先生が来るわ、列に並んで待ってましょ?」
「そうだな、おーい、みんなー列になってくれ!! 点呼も取るから!!」
学級委員の俺はみんなに指示を出し、織斑先生が来る前に列になっておく。少しして、織斑先生が山田先生を連れて現れた。
「よし、整列しているな。点呼は?」
「出来てます!!」
織斑先生は整列している俺達を見て点呼確認。それに一夏が返事を返した後、すぐに指示を出す。
「なら、専用機持ち前に!」
「「「「はい」」」」
俺と一夏、セシリア、そして、陽が返事をする。一夏は陽が返事をしたことに対して疑問を持ったのか、首をかしげながら俺に聞く。
「ん? 陽にも専用機があるのか?」
「ああ、見とけばわかる。ま、俺も見たことないからどんなISかわからんがな」
「そうなんですの? なら、楽しみですわね」
俺と一夏、セシリアの視線の先にはISを展開しようとする陽の姿があった。
「立花、お前は今日ISが届いたそうだな?」
「はい、そうです!」
「なら展開してみろ」
「了解」
陽はグッと、胸の前のアクセサリーを握りしめ、意識を集中させる。集中が最高潮に達した時―――――
「来て……ブラスター」
その言葉を言うと同時に光が陽を包み、一瞬で晴れる。
するとそこには…
白銀色に輝くボディ……
小さめだが天使の翼のような後部スラスター……
そして、シャープな線が印象的なISを身に纏った陽がいた。
そのISの姿に誰もが一瞬息を忘れた。それほどに幻想的で綺麗なISだった。
「これが『ブラスター』……私のISです」
「っ…そ、そうか! 展開速度も十分だ」
織斑先生も例外ではなかったようだ。陽のISは『ブラスター』の名前に疑問を覚えるほど幻想的で綺麗なのだから仕方がないと思う。
つーか、なんでブラスターなんて名前にしたし?
そんな事を思っていると、陽が俺に耳打ちをしてきた。
「ブラスターはね、カールとミッシェルっていう夫婦が1998年に開発した防犯用カー用品の名前なの」
「防犯……ああ、つまり俺を守るからか」
「名付けた経緯は、そんな感じね。それとまあ、
「もしかして、アレか? ゲームとかのブラスターって武器ことか?」
「ご名答、その二つの意味で名付けられたの」
「マジか……いや、でももっと幻惑的な名前でもよかったんじゃ……」
そんなことを話していると、一夏、セシリアはISの呼び出しが完了していた。
織斑先生は「次、陣野!!」と俺の名前を呼ぶ。
「おっと、俺の番か……」
「ま、がんばって~」
「おう、さ~ていきますか、変身!!」
取り合えず、いつも通り俺のIS『赤最』を呼び出すためのポーズをとり変身の掛け声と共にISを身に纏う。いつも通り、一瞬で俺と『赤最』の姿が重なり、『赤最』の装甲が構築される。
「…陣野、展開速度には目を見張るものがあるが、そのポーズはなんだ?」
「すいません、先生…これ、こうやってしなくちゃ身に纏えないんです…」
「…まぁいいだろう、ならば専用機一同武器を出してみろ!!」
ほんと、ややこしくてすみません……
誰だよ、こんな厄介な設定にしたの!?
あ、俺だったわ、束にそう依頼したの…
そうこうしている内に一夏が剣を出す。
「とりあえず妥協点だが……まだだ、一瞬で出るようにしろ」
「っはい!!」
「次、オルコット!!」
「はい!!」
セシリアは意識を集中させ、一瞬の内にその手に獲物である『スターライトmkIII』を呼び出す。
「ほう、なかなかだオルコット」
「ありがとうございますわ」
「次は近接武器だ」
「はい!!」
『スターライトmkIII』をしまい、さっきほどより更に深く右腕に意識を集中させる。少しずつ形を成していき、その手に近接武器『インターセプター』が呼び出される。
「遅い……が、前よりはマシにはなっているな。精進しろよ」
「っはい!!」
「次!! 陣野は近距離武器は無かったな?」
「いえ、昨日の試合には間に合いませんでしたが夜に近接武器が届きました」
「そうか、ならどちらも出してみろ」
「わかりました、っと」
俺は手にハンドガンを一瞬で呼び出す。
織斑先生にOKを貰ったので、ハンドガンを格納領域に送り返すと、俺は俺が出すべき物―――《刀》のイメージを脳裏に浮かべ、鞘から刀を抜き放つように右腕を前にかざす。
掌に光が集中し、光が弾けるとそこには一振りの刀が現れていた。
刀身が赤く煌いている刀…これが俺のメイン近接武器『
陽が武器案を出したので、妖刀とかけて陽刀と名付けたらしい。
「よし、遠近両方の展開速度は問題無し!!」
「ふう……」
織斑先生に問題ないと言われて、俺は無事武装を出せたことに安堵し息を吐く。
「次、立花は…資料によると遠距離のみだったな、武装展開してみろ」
「はい!」
おっ、陽の番か。
瞬きをしている間に陽は一瞬で両手に真っ赤な銃を一丁ずつ握っていた。すげぇな、俺より早かったぜ……速さで言うと、セシリアのライフルを出す速度と同速かそれ以上だ。
「ほう、よし合格だ」
「ありがとうございます」
これには織斑先生も満足したようで、すぐに合格判断が出た。
流石は陽だ。誰にも出来る事じゃないぜ……
略して、さすよう、なんつって!!
「よし、飛行訓練に移行する!! 陣野のISは飛べないから除外だとして……織斑、オルコット、立花、三人とも飛んでみろ」
織斑先生は、次の指示を俺以外の三人に下す。
「ん? そう言えば、なんで央樹のは飛べないんだ?」
一夏は俺の機体が飛べないという事について疑問を持ったようで、そう聞いてきた。
「そうだな、みんなも疑問に思っていただろう? 陣野、説明しろ」
「はい」
めんどくさいなぁ……と思いながらも、決して顔と態度には出さない。出席簿が飛んでくるからだ。
まあ、いつか説明しなくちゃいけないと思っていたので、良いタイミングだと思おう。
俺は一歩前に出てクラスメイトの方にふり返ると、俺のISのコンソールを叩きモニターを出す。モニターには簡略化した『赤最』の立体図が映し出される。
「えーと、これは俺のIS『赤最』の立体図だ」
「それは分かるけど、それがどうしたんだ?」
一夏が俺に質問してくる。
「何か気づかないか?」
「え? うーん……」
しばらく悩むそぶりをしてから、「あ、そうか」と言いながら一夏は、ポンッと拳で掌を叩きながら言う。
「
PICとは、物体の慣性をなくしたかのような現象をおこす装置のことだ。これと肩部にある推進翼、任意で装備できる小型推進翼を使って姿勢制御、加速、停止などの3次元的な動勢を行う、らしい。
「そう、俺の機体には飛ぶための推進翼が無い。小型のバーニアならあるがな。」
「ん? じゃあ、どうやって機体の制御を?」
「PIC自体が無いわけではないんだ。ただ、飛ぶ為の機体制御をする推進翼が無いから飛べないだけさ。ま、出力の関係もちょっとあるけどな」
「そうか……」
納得してくれたのか、一夏は次の話題に移った。
「ならさ、どうやって
「ああ、それは簡単だ。翼のかわりに小型バーニアにエネルギーを取り込んで一気に放出し、瞬時加速をしてるんだよ」
「そうなのか……でも、かわりなんかになるのか? 役割が違うんじゃ?」
「ん? ああ、そうか言ってなかったな。俺の言うバーニアは、お前の言うようなロケット推進装置じゃなくて補助用のバーニアスラスターのことだよ。補助用だから飛行はもちろん、小型バーニアを壊すつもりで運用しなければ加速を得られないのさ」
「ん、じゃあ俺がタックルくらった時のは……」
「ああ、もちろんあの時バーニアは壊れていた。あの後、お前が飛んだままで遠距離武器を持ってたら100%勝つことは不可能だっただろうな」
だから、あの後跳ぶ事をしなかった、と俺は説明する。
なるほど、とクラス中が納得する中、セシリアが疑問の声を上げる。
「あの、確かにそれで飛べないという事は分かりました。ですが、なぜ飛べない機体になっているんですの?」
「……うーん、そう言われても詳しいところは分からないんだよなぁ」
「その質問には私が答えるわ」
そう言って、出てきたのは陽。
この機体は、俺の親の会社『ダディ』の機体だ。そして、陽は『赤最』の開発チームの一員だ。ま、開発チームと言っても、陽は武装班だが……
それでも、俺よりはこの機体のコンセプトを聞いているだろう。その分ふさわしいと言える。なので、俺はここからの説明を陽に代わる。
「んじゃ、任せる」
「任せるって言われてもそんなに大したことじゃないわ」
「そうなのか?」
「ええ、ま、そこで聞いてなさい。すぐ済むから」
そう言って、陽は俺やクラスのみんなに話し始めた。
「簡単なことよ、この『赤最』の
「「「「
クラスで一斉にハモった。とっさに耳を塞いだのだが、キーンときた……
同じように耳を押さえていた一夏は陽に質問をした。
「それって、俺の零落白夜みたいな?」
「そ、確か飛行系の能力みたいだけど」
「でも、
箒がその疑問を言うが、次の言葉でさらに混乱が広がることになる。
「
「あっ、馬鹿、それは……」
一瞬、みんな何を言われたのか分からなかった。
「え?束って、もしかして…」
「IS開発者の篠ノ之束!?」
「「「「ハアぁ!?」」」」
またもや、一斉にハモった。……皆さん仲いいね。そんな事を思っていると、クラス中の人が陽のところに集まってしまっていた。
「ひぇ!?あ……」
「あっちゃー……」
やっと自分の言ったことに気が付いたようだ。
全く、束のことは言っちゃいかんだろーが…あの人世界中で指名手配中なんだぞ? さっきまではかっこよかったのに……
陽はたまに抜けたことを言うからなぁ。
「あのIS開発者の!?」
「え、陽ちゃん知り合いなの!?」
「う、っそまじで!?」
「もしかして、央樹君も知り合いだったり?」
「そのISはもしかして……」
クラスメイト達に詰め寄られ、質問攻めになり、陽はどう言ったらいいのか分からずにあたふたしている。
「あ、うー、ど、どうしよう……?」
「……織斑先生、すいませんよろしくお願いします」
「わかった……授業中だ、静かにしろ馬鹿者ども!!」
パパパンッ!! パン、パーンッ!!
……出席簿の一撃、いや、連撃で地に沈むクラスメイト達に合掌しつつ、残ったクラスメイト達の俺は言っておく。もちろん(草加)スマイルで。
「……この話題はこれ以上聞かずに黙っていてくれないかなぁ?」
「「「「は、はいぃぃぃぃ!!」」」」
俺の凶悪な笑顔とこの死屍累々の状況が合わさったためか、みんな首振り人形のように首をガクガク振りながら、瞬時に返事をする。
クラスメイトが起き上がるのを待ち、織斑先生は授業に戻そうと指示を出す。
「疑問は無くなったか? 時間も押しているので、この飛行訓練で最後にする。それでは行け!!」
「「「了解!!」」」
三人一斉に飛び立ち、一気に上空に上昇していく。
それを見ていて思うのは陽の飛行能力だ。陽の飛行能力には目を見張るものがある。ISの稼働時間が長く経験豊富なセシリアに比べても遜色ない速度と機体制御だ。一方、一夏はやはり飛ぶ感覚がつかめないのかふらふらしている。
一定時間、三人が飛んでいると織斑先生が「そろそろ戻って来い。ただし、高速で降下し、地上から15から10㎝で止まって見せろ!!」という、オーダーを出し、陽とセシリアは問題なく着地したが問題は……
「我が魂はIS学園と共にアリィィィィ、ウワアアアアアアアアア!!!!」
一夏だ……
チュドーン!! という音と共に、落下―――というか墜落し、グラウンドに大穴を開けたのだった。
「……今日の授業はこれで終わりにする」
「「「「「ありがとうございました」」」」」
頭を抱えた織斑先生は解散の指示を出す。何事もなかったように皆、教室にそそくさと帰っていった。
……埋まっている一夏を放っておいて。
「……しょっぱいな。何だろうこの目からあふれるものはさ……」
誰もいないグラウンドに一人、埋まったまま放置された一夏の声は風と共にとけていったのだった。
……安心してください、その後、一人でグラウンドの穴を直す一夏がかわいそうで見てられなかったので手伝いましたよ。
夕暮れのIS学園の中を、自慢のツインテールをぴょこぴょこ跳ねさせ、スキップをしながら進む少女がいた。
「ふふふ~、いきなり来たら驚くだろうなぁ~あいつ」
少女はとある少年との再会を想像し、二ヒヒッ!と笑う。
しかし、ここはどこだろうか?
ふと、気づいたら見知らぬ場所……少女はぶっちゃけ言って迷ってしまっていた。感動の再会の想像に浸りすぎてしまい、道筋を逸れてしまっていたのだ。
少女は、この学園に来るのは初めてであった。なので、次に出会った人に道を聞こう、と思った矢先に話し声が聞こえてきた。
丁度いいや、と思いその話声がする方に顔を向けると……
「い、今起こったことをありのまま話すわ……幼馴染で想い人である織斑一夏が、見知らぬ男の肩に手を回し互いの顔を近づけ合っていた……な、なにを言っているのか分からないと思うけど、BLだとか、ホモだとか、そんな恐ろしいものの片鱗を味わった気がするわ……」
少女……
……あえて言っておくが鈴音の見ていた光景は、普通に「いや~、グラウンドの整備手伝ってもらって助かったぜ。やっぱ持つべき者は友達だよなぁ!! そうそう、俺達なら今度の大会優勝も夢じゃない!! 頑張ろうぜ、目指せ優勝!!」と言って、円陣を組むように一夏が肩を組もうとしただけであって、鈴音の思っているようなことはない。
だが、この時ばかりは鈴音の乙女フィルターが暴走してしまっていたことには変わりない。この乙女フィルター腐ってやがる、遅すぎたんだ……
この勘違いがどうなって行くのかは……
誰も知らない……
「あ、受付の場所聞くの忘れた……」
気づいた時には、もう周囲に誰もいない。しばらくの間、鈴音は人を求めて練り歩く羽目になるのだった。
八話でした!!
難産でしたよ……設定がちゃんとわかってないと駄目ですね。読み返してみても少しわかりにくくて……
ここちょっとわからないとか、こうした方がいいんじゃない?って方はぜひ感想ください、お願いします!!もちろん、他の感想も大歓迎です!!
次話も頑張って書きますので、よろしくお願いします。