【ーーーーside】
お菓子の魔女を討伐した俺は少女…百江なぎさの安否を確認する。
心拍…正常
脈拍…正常
呼吸…正常
身体的損傷…皆無
ソウルジェム有無…有
よって、これよりソウルジェムの撤去を開始する。
行動の設定はした。よって投影を開始する。
「〔
想像するのは異様な形の短剣。魔術、契約、あらゆるものを前の状態に戻す対魔術において最強の宝具。
「『
俺はそれを百江なぎさのソウルジェムに突き立てる。するとソウルジェムは灰になり、ボロボロと崩れ落ちる。
【マミside】
私は目を疑った。私を食べようとしていたべべが仮面をつけた男に両目を撃たれた瞬間、べべは少女になり、傍にあったソウルジェムも、彼が灰にした瞬間、魔力反応が消えたのだ。
「…ぁ…」
驚きのあまり腰を抜かしている私は、ただ感嘆の声を上げるだけだった。すると彼がこちらによって来て
「はぁ…っと」
私を抱き抱え…所謂、お姫様抱っこの状態にしたのだ。
「~~~~っっっ!?///」
今までそんな経験がなかった私の顔は一瞬で赤面し、耳まで真っ赤になってしまった。しかし彼は何一つ慌てることなく私をまどかちゃんやさやかちゃんの元に運ぶ。
「…あ、貴方は?」
「だ、誰!?」
二人とも焦っているようだ。理由は簡単だ。彼に今まで感じたこともない、とてつもない魔力反応がある為だ。それは魔女なんて比じゃ無いほどの恐ろしい量と密度。これで驚くなという方が酷だろう。しかし当人は全く慌てず、
「…失礼する。」
とだけ言い踵を返す。
「あ、貴方は!?」
私が恥ずかしさを抑えながらそう聴く。すると彼は顔だけをこちらにすこし向け、
「…教える程、俺は良い事はしていない。失礼する。」
そうとだけ言い残すと、彼の姿はホログラムのようになり、やがて消えた。それと同時に魔女の世界も消滅し、私たちは見滝原の屋根の上に座っていた…
【ーーーーside】
…名前を聞かれるのは初めてで、かなり緊張した。そして今も緊張している。
「…貴女は一体何者なの?」
帰る途中、暁美ほむらに遭遇したためだ。俺は女性に耐性が無い。未来でも俺は女性と付き合いが無く、ただ戦う為に生きてた為だ。
「…ちょっと可笑しな一般人だ。」
噛みそうになった。まぁ、バレてないな。
「嘘ね。ただの人間にそんな異常すぎる魔力反応があるわけが無い。それにあの熟練した戦闘技術、どう考えても一般人じゃない。」
見られてたのな。まぁいい。
「さぁ、どうだろう。俺がしゃべる義務は無い。」
そう述べたが早いか、暁美ほむらは
「喋りなさい。」
俺の眉間に銃を突きつける。ふむ、普通にしてはそこそこだ。しかし…
「経験が足りなすぎる。」
俺はそうとだけ言い、身体を左にひねり空中で一回転、その時の遠心力を用いて銃を蹴り飛ばす。
「なっ!?」
暁美ほむらは驚くが、
「遅い。」
片腕を引き、回転の余力を使って更に一回転、暁美ほむらを地面に叩きつける。しかし暁美ほむらは上手く力を逃がす。
「…な?一般人だろ?」
俺は腕を離して踵を返す。
「貴女は…何が目的なの!?」
暁美ほむらはそう大声で叫ぶ
「…
「は?」
俺はわざとバレないようにロシア語を用いてそう言い放つ。まぁ、当の彼女はわかってないがな。
「そういうことだ。」
俺はそう残し、魔力を放出して高速移動し、その場を後にする。
あー、緊張した。
【実刻side】
俺は、何故か見滝原の中学の教壇にて、自己紹介をしていた。そこには、暁美ほむらや鹿目まどかの姿もある。
「あー…アメリカから帰国した、実刻ソラだ。見た目は黒髪に蒼眼と、日本人と外人が混ざったような姿をしているが、両親ともクォーターだ。よろしく頼む。」
俺はそうお辞儀をする。すると女子がきゃーきゃーと騒ぎ出す。見ろ、先生や一部の生徒が静かになってるじゃないか。
「黙れ。」
俺が低く冷たい声でそう言うと、クラスが一瞬で凍りついた。あれだけ騒いでいた女子の声はピタリと止み、そうでない者も驚いている。
「俺は煩いのは嫌いだ。静かにしろ。」
そう言い、俺は席に座る。予め指定されていたようで、そこは不自然に空いていたのだ。
「チッ…何よアイツ、偉そうに…」
「きもくない?」
そのような女子の声が聞こえる。しかし言われなれている俺からすれば、どうってこともない。無視すれば良い。
「…」
俺は周りを意識から外し、耳にイヤホンをする。曲はお気に入りのアニソンのアコギverだ。心が安らぐ。
いつだって俺は孤独で充分。しかし、こちらを見る桃髪と黒髪の視線だけは、嫌というほど感じた。
めんどくさい。