喫茶店経営している場合じゃねえ   作:気宇

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毎度毎度忘れた頃に生き返る凡人です。皆様こんにちは。ご無沙汰しております。

血反吐を吐きながらバレンタイン番外編を執筆しました。ところで家族からのチョコは貰った数にカウントすると主張します。


バレンタインの一日 前編

「なあ鏡夜」

 

本日は晴れ、視界良好。こんな良い天気はやはり出かけるに限るだろう。そんな訳で、俺と士郎は釣竿を提げていつもの釣り場に遊びに行った。決して家から追い出されたかじゃないから。違うから。

 

 

「言うな士郎」

 

 

そうだ、追い出された訳では無い。なんかちょっと男子勢がいたら都合が悪いのだろう。だから席を外したのだ。昔は台所は男子禁制だったしね。そうだよね。そうだと言ってよバーニィ。

遠坂の誕生日はこの前だったし、今日何かイベントあったっけ?何か大事な事を忘れている様ないない様な……。ま、いいか。

 

丁度魚が欲しかった所だ。釣って釣って釣って帰ろう。この新しく買った新モデルの竿を試したかった所だ。使う前に士郎に覚えさせてと。

 

 

「おら士郎、何も言わずに釣るぞ」

「……そうだな。よし!」

 

 

アーチャーと慎二も呼べばよかった。主に労働者増加的なアレで。

 

 

ーーー

 

 

今こそ私が動く時。あ、別に普段もちゃんと働いていますよ。今日は特別気合いを入れるだけです。

2/14、つまり今日はバレンタインデーです。お菓子メーカーの陰謀に敢えて乗せられ、私達は日頃のお礼の意味を込めて鏡夜に、アルトリアさん、凛さんと桜さんは衛宮さんにチョコを作る事にしました。その為に半ば無理矢理出掛けてもらったのですが……怪しまれてませんよね?

 

ジャンヌさんは一年以上の鍛錬の成果を表すのです。ガチります。リボンでデコったガトーショコラとか作っちゃいます。もう完璧です。マスターのハートを掴むのは私デース。

凛さんもこの前のバースデーパーティのお返しに、と言う事でとても気合いが入っています。桜さんは……相変わらずどこかダークな雰囲気がある様な気がしなくも無いですが、これは私の勘違いですね。

 

 

「チョコ……ねえ」

 

 

そう、クロは私みたいにパティシエさん達の真似事が出来ない。つまり今日はにっくきあの黒い方を踏み付けるチャンスなんです。ええ、自分自身との戦いなので誰にも文句は言われないかと思います。

 

 

「別にオレの食いかけのブラックサンダーで良くねえか?」

「モード、空気読め……」

 

 

ソファでだらけているモードレッドと、チョコを溶かすアサシン。よく一緒にいる二人ですが意識の差が浮き彫りに。アサシンは普段から自分用のパフェを作る為に鏡夜君から色々教わってましたからね。ある意味私と同じで気合いが入るんでしょう。

一方アルトリアさんは……あ、四苦八苦している様ですが作ってますね。頑張って下さい、私の方が終わったらお手伝いしますので。

 

 

私のたーん、です。まずは耐熱ボウルに切ったチョコとバターを入れて電子レンジに入れます。

次に卵を卵白と卵黄に分けて、卵白を別の器に移します。卵黄はグラニュー糖を入れて、白くなるまで混ぜる。上手く混ざったら生クリームを入れちゃいましょう。

その後は便宜上溶かしバターチョコと呼ぶ、最初のあれに今の卵黄を投入です。混ざったらココアと薄力粉を「の」字にふるって、ヘラでさっくり混ぜておしまいです。

 

「中々難しいですね……」

 

卵白とグラニュー糖を混ぜて、出来たらひと掬いずつさっきの生地に混ぜます。少量ずつにする事で卵白が混ざりやすくなるのです。

三、四回に分けて卵白を投入すると、はい!生地の完成です!後はこの一昨日徹夜で作ったハート型の型に生地を均等に入れて……。百八十度に予熱したオーブンで約五十分焼きます。さて、アルトリアさんのお手伝いをしましょう。

 

 

 

ーーー

 

 

「やはりお前達もいたか」

「げぇ…!アーチャー!」

「人を化け物みたいに言うなたわけ」

 

 

お前もか。お前も追放された組なのか。そしてここに来る辺りお前は本当に安定してるなあ、と感心した。

しかし俺、士郎、アーチャー……何かもう完成された面々だなこれ。衛宮&エミヤもそこまでギスギスしてないし。意外と人理焼却がいい働きをしてくれたなと思う。

今日のアーチャーの服装は赤いキャップに、半袖の赤いシャツ一枚。ジーンズ。流石に突っ込みを入れざるを得ない。

 

 

「お前本当赤い服好きだなオイ」

「む……私自身意識したつもりは無いのだがな」

「ま、いいだろう。よし働けアーチャー」

「任された。……別に、釣り尽くしてしまっても構わんのだろう?」

「負けられない…!自分にだけは負けられない!」

 

何故か士郎君に火がついた。ところで俺達はいつ家に帰られるのだろうか。

 

 

ーーー

 

 

間桐桜は悩んでいた。近くで聖女がガトーショコラを作り上げたり、暗殺者がパフェの下準備をしながら駄犬の面倒を見たり、ダークサイド聖女が何かオーパーツを開発したり、姉が高級を演出した逸品を作る中、自分は見事と呼べるチョコレートの案を出せていなかった。当初は、例年通り手作り生チョコを丁寧に包装しようと思っていたが、よくよく考えたらこの濃すぎる面子の中でそれを敢行すると埋もれてしまう。と言うよりガトーショコラを作る聖女って何者だ。あのオーパーツは何だ。

このままではイマイチ愛しの先輩の記憶に残らない。最近異様に綺麗になった兄にも完成度の高い物をあげたい。 プレッシャーが桜に迫る。

 

 

(どうすれば……)

 

時間は少ない。桜はチョコレートとバターを混ぜて準備しているフリをしながら、稼げる僅かな時間の中でアイデアを捻り出そうと苦しんだ。

いや、奇跡は起きる。ふと桜の脳内に、一人の女性の顔が浮かんだ。そうだ、彼女をイメージしたチョコレートだ。人の顔をチョコレートにすればインパクトは最強だ。アレンジを加えなければ味は悪化しない。いける、私ならばやれる。桜は気合を入れた。

 

 

(気合い…!入れて行きます!)

 

 

サーヴァント・ライダー。真名メドゥーサ。まさか彼女の顔っぽいチョコレートが誕生するなどとは、この時桜以外は誰も思っていなかった。




本日の桜さん……面子の濃い普段メンバーに埋もれる事に恐怖。結果某女神様が作ったヘビチョコ(てきとう)と似た様な物を作る事を敢行。

本日のクロ……火力調整で微熱にした宝具を使用しチョコを溶かした結果、愛憎渦巻く謎のオーパーツが完成。ちなみに料理は全く出来ない。

本日の男勢……家から追い出されたでござる(´・ω・ `)

それではまた明日お会いしましょう。
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