始まりの町、ワカバタウン
窓から差し込む光に目を覚ます。寝起き独特の気だるげに体を起こす。二度寝しようと思ったが、そうすると色々面倒なので、起きることにする。
―――おはようございます!マスター!
「ああ、はいはい。おはよう」
机の上にあるボール、――モンスターボールに向かって話しかける。
僕は俗に言う転生者という奴だ。何か死んだので転生してくれとか適当に言われ、この世界に転生した。
確か、ポケモン?萌えもん?とかいうゲームの世界に起きたら居た。
ポケモン知らねえのかよと、言われるかも知れないが前世は―――
『ゲームが欲しい?我が力を超える願いは叶えられない』
とか親が言う家だったのでゲームとかしたことがないのだ。ちなみに友達に連れられて映画は見たことがある。ゲームは友達の横から見てたので、どんな作品かは分かる。
この世界は前世で言うポケットモンスターハートゴールド・ハートシルバー、もしくは金銀クリスタルなのだろう。え?何でこんなに詳しいかって?調べるだけなら出来るだろ?
とりあえず、今世の家は始まりの町――ワカバタウンにある。
そして、今日から始まる冒険を考えると少し憂鬱な気分になる。何故かと言うと――
「コハクー、起きなさーい!」
「もう、起きてるー!」
「だったら、早く降りてきなさい!」
転生しても母親のうるささは変わらないなとくだらないことを思いながら、ボールを掴みながら下に下りる。
◇◇◇
「ほら、さっさと食べる!今日あんたウツギ博士に呼ばれてんでしょ?遅れないようにしなさい」
「分かってるって」
「だったら早くしなさい」
「......はい」
母親には何時なっても勝てないなあ、とか齢13歳になったばかりだが考える。
「あ゛あ゛行きたくないなあ」
「そんなこと言わないでさっさと行きなさい!」
朝食を食べ終わり、リュックに必要な道具を入れ、ボールを腰につけることで準備を終えた僕は玄関で駄々っていると、母親に押し出される。
「ほら、いってきなさい」
送り出す母親の顔が何処か寂しそうだったのが心にくる。涙目になった顔を隠しつつ、研究所に向けて歩く。
―――涙目のマスターハスハス
ボールからの声なんて聞こえない。ああ、聞こえない。
さっきは言いそびれたが、僕には冒険に出たくない理由がある。その中のひとつがこいつだ。初めて僕が手に入れた萌えもんであり、伝説の萌えもん―――
―――アルセウスだ。
可笑しいと思ったそこのあなた、間違ってませんよ。大丈夫です。可笑しいのはコイツの方です。
こいつとの出会いは今でも鮮明に思いだせる。そう、あれは流れ星がこの町に落ちた日の次の日。
~回想~
「待ってよ、ゴールド」
「そうよ、こっちのペースにも合わせてよ」
「はは、悪い」
あ、ちなみに上から僕、幼馴染のクリスにゴールドです。
「でもよー、急がないと大人達に先越されるぜ?」
「分かってるわよ。私とコハクはあんたみたいに体力バカじゃないのよ」
「何だと!誰が体力バカだ!」
「2人ともそれ何回目?全く」
確かこの日は3人で隕石を見に行こうと大人達に隠れて森に来ている途中だったはず。それで、くだらないことを喋りながら歩いていると、大人に見つかって、
「おい!お前たち!此処で何をしている!」
「うわ、やべ!見つかった!」
「ほら!逃げるわよ!」
とまあ、普通に見つかって追い払われて、それぞれ親にしこたま怒られて終わったんだけど、僕はその時に妙にでかいタマゴを発見していたのだ。
新発見だとかその時は、好奇心でいっぱいでタマゴを孵そうと色々と試した。
そして、生まれたのがアルセウスだったわけだ。
意味分からん?僕もだ。
その時はマジで慌てた。アイエエエエ!アルセウス!?アルセウスナンデ!?的な感じで。それでこの灰色の脳細胞をフルに回転させて、事情を聞いたところ、
何かディアルガ、パルキア、ギラティナの喧嘩に巻き込まれる。→やり返す→力果ててこの町に落ちる→力(プレート)を失う一時的にタマゴに戻り回復を図る→僕助ける→回復→今ココ。
という事らしい。僕としてもまだ、ここまでならよかった。
プレートを探す旅に出て、徐々に信頼が出来てきて、プレートも徐々に集まって感動のエンディングと、......なればよかった。
『あ、大丈夫です。昨日の内に全部回収しておきましたので』
という一言により終わった。じゃあ何でマスターなんて呼ばれてるんだ、と言われると長くなるので省くとして、簡単に言うと好かれた。
―――ああ、今日も伝説の萌えもんに好かれて夜も眠れない。
主人公の過去その一
親「ゲーム欲しい?欲しい?...あげねえよ」
子「」
病みもんその一
完全体アルセウス