伝説の萌えもん達に病まれすぎて夜も眠れない   作:レイアメ

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たびだち
キキョウシティ、修行


 旅に出て数日がたった。

 

 その数日で僕は考えたことがある。僕を慕ってくれているアル、セーレ、フィー。僕は本当にこの3人に相応しいのか。

 

 フィーは伝説や幻ではないが、その力は伝説にも匹敵する。

 

 セーレは幻であり、時を操作するという破格の力を持っている。

 

 そして、アル。原初にして最強の伝説。

 彼女はこの世界すべての技を使うことも、命を操ることも、海を司ることも、時をかけることも、陸を作り出すことも、海を作り出すことも、天候を支配することも、願いを叶えることも、時を支配することも、空間を支配することも、世界の裏側を支配することも、真実を象徴し、理想を象徴し、最強のドラゴン以上で、生命を与えることも、全てを破壊することも、彼女には出来る。

 

 そんな彼女達のマスターとして僕は本当に相応しいのか、力不足ではないのか、そう考えた。

 

 だから、修行することにしました。

 

 そんなわけで、今回はそんなお話です。

 

 

◇◇◇

 

 

 場所はジョウトで修行の場として有名なキキョウシティのマダツボミの塔。そこで僕は心・技・体を鍛えるべくやってきた。

 

 

「心を無に、無にするんだ」

「そう思ってる時点で無になってない」

 

 座禅を組み、心を無にしようとするが、背中にフィーが張り付いてくる。

 後ろからほのかに香る良い香りに柔らかい感触。集中できない。次。

 

 

「1...2...3...4っ!」

「コハク~、そんなに無理しなくてもいいんだよ?ね、休憩しよ?」

「まだ10回もやってないんだけど」

 

 モンスターボールを投げる練習も、セーレが早々に休憩を勧めてくる。

 膝枕は気持ちよかった。集中できない。次。

 

 

「はっ、はっ、はっ、」

「もうマスターったら、そんな大変なことなんてしなくていいんですよ。いやでも、個人的にはマスターの体操着コスが見れて、いや本当にご馳走様です。ってそうじゃなくて、ほらお昼寝しましょう。今なら一緒に寝てあげますから。まあマスターが望むなら毎日でも、それ以上もしますよ」

 

 キキョウシティの中を走り込みする修行も、アルが器用に早歩きで隣に付いてくる。

 何気に本気で走っているので、そう簡単に追いつかれるとかなり悔しい。昼寝?しましたが何か?柔らかかったです(意味深)。

 

 

 どうにも僕の手持ちは僕に修行をさせたくないらしく、何故か誘惑してきます。これも修行だというのでしょうか。

 

 すいません、煩悩ってどうしたら捨てれます?

 

 

◇◇◇

 

 

「もう!どうして邪魔するのさ!」

 

「「「......」」」

 

 正座をさせて何故こんなことをするのか聞くと、3人そろって目を逸らす。しかもちゃっかり指で他の2人を指しながら。実は仲いいんじゃないの?

 呆れていると、アルが口を開いた。

 

「マスター、そもそも修行なんかしなくてもいいんですよ?」

「どういうこと?」

「私が居れば、何処にでも行くことが出来ますし、誰であろうと勝てますし、何をされても傷一つ付けることなくマスターを守れますし―――」

 

 なにより、と言葉を繋げるアル。

 

「―――私は貴方を愛していますから」

 

 言葉に出さない2人も、僕を見る。まるで見透かされているみたいだと、思う。いや実際見通されているのかもしれない。この3人はそれだけの力を持っているのだ。

 だからこそ、僕はこのままではいけないのだ。自分のためにも、彼女達のためにも。

 

「と、ともかく!もう邪魔しないでね!」

 

 まあ、分かると思うけどこの後もやめてくれることはなかった。

 

 

 

 それから数日不毛な争いを繰り広げていたら、

 

「な、何でお前が此処にいるんだ!」

 

 ......はろーシルバーちゃん。

 

「まあいい、こ―――」

「‘テレポート‘」

 

 ......ぐっばいシルバーちゃん。

 

「って、何してんのぉー!」

「ご主人様に危害を加えようとしていた」

「だからって、問答無用でテレポートさせることないでしょ!一体何処に飛ばしたのさ!」

「町のはずれ」

 

 ゲームをやっているときにこう思ったことはないだろうか。何でこんなにも世界は小さいのだろう、と。歩いて5、6歩で隣の家に行ける。500歩もかからず端から端まで行ける。ゲーム上仕方ないのかもしれないが、何となく思ったこと。それはゲームであるからだ。しかし、この世界はゲームではない。つまり、何が言いたいかというと、町のはずれとこの塔までそこそこ遠い。走れば息が切れるくらい。しかも、ゲームと違って若干坂道だったりする。若干だけど。

 ごめん、シルバーちゃん。もう一度頑張って。

 

 

「勝負し―――」

「‘テレポート‘」

 

「や、やめ―――」

「‘テレポート‘」

 

 何か最後の方涙目だったなー、とか思いながら割と本気でフィーを叱ってボールの中にしまった。というか最初からこうすれば良かったと今更ながらに思う。

 3度目と違いシルバーちゃんが塔まで来るのに時間がかかっていた。その理由は泣いてたみたいに目が赤いのは関係なく、ただ単に疲れていただけと思うようにした。

 

「も、もうしないよな?」

「うん、ごめんね僕のフィーが。謝るよ」

「ふ、ふん!ちゃんと躾けておくことだな!」

 

『......躾け。ご主人様なら、いいよ?』

 

 ボールからの声を無視しつつ、苦笑いをする。

 

「ところで此処には何をしに来たの?」

「お前には関係ない......といった所だが、俺に勝てたら教えてやってもいいぜ。行け、ワニノコ!」

 

 最初に出してきたのは前にアルが‘ねんりき‘でオーバーキルした萌えもんのワニノコ。レベルはあの時よりも上がっていると思ってもいいだろう。

 

「フィー、お願い」

 

 今回だすのはフィーだ。アルは言わずもがな強すぎるため出せないし、セーレは幻だからそう簡単に出せない。それにフィーなら手加減してくれるだろうし。

 

「この前と同じと思うなよ!ワニノコ、‘みずでっぽう‘!」

「フィー、躱して‘ねんりき‘!」

 

 フィーは迫りくる水を躱すどころか、‘ねんりき‘で跳ね返した。

 いや、確かにそう言ったんだけど、何かちょっと違う。ほら、ワニノコが顔真っ赤にして怒ってるじゃん。

 

「別に気にしなくてもいい。あれはあっちが避けられないから悪い」

「うぎぎぎ!」

 

 暗に『何、その程度避けられないの?よっわwww』と言われたワニノコは地団太を踏みながら顔を真っ赤にしながら睨みつけてくる。それをフィーは涼しい顔で受け流している。

 何だかこっちが悪役みたいだ。だからと言って負けることはしないのだけど、もうちょっと手段を選んでくれないかなぁ。

 

「フィー、‘ねんりき‘」

「ワニノコ!近づいて‘ひっかく‘!」

 

 近づいてきたワニノコにフィーはそのまま‘ねんりき‘を叩きこみ、そのまま戦闘不能にした。

 アルとは違い手加減は出来るようだけど、フィーは上から叩き潰す感じだ。これバトルとか一生出来ないんじゃないだろうか。

 

「ワニノコ!......くっそ、憶えてろ!」

 

 そう言ってシルバーちゃんは塔から出て行った。結局何しに来たのか教えてもらえなかった。

 

「ご主人様、ごほーびを要求する」

「ご、ご褒美?えっと、何すればいいの?」

「ん、撫でて。頭撫でて」

 

 頭を撫でるとフィーが目を細めて気持ち良さそうにしている。その反面、ボールの中からの圧力がすごいです。結局僕が圧力に負けアル、セーレにも順番に撫でることになった。どれだけ続けたのかセーレを撫でりしていると、息を切らしたシルバーちゃんがやってきた。

 いや、そうですよね。何か目的あってきたんだよね。忘れてた。

 

「ひぃ、はぁ、何でこんなとこにあるんだよ。くっそ......技マシンを手に入れるだけなのに」

 

 何やら文句を言っているシルバーちゃん。......技マシン?

 

「あのさ、此処で技マシンが貰えるの?」

「ちっ、約束だったな。そうだよ、此処で『フラッシュ』が貰えるんだよ。逆に何で知らないんだよ、お前もそれが目的で来たんじゃねえのかよ」

「いや、僕はちょっと修行で此処に来たんだ」

「修行?お前がか?」

「うん、そうだよ」

 

 何だか怪しげな目で見てくるシルバーちゃん。

 

「......ふん。変な奴」

 

 顔をじっと見ていると思ったら、すぐに顔を逸らされた。見間違えかもしれないけど、顔が赤いような。

 

「お前とはまた何処かで会いそうだな。今回は負けちまったが、次は俺が勝つ。それまで誰にも負けるなよ!いいな!」

 

 そう言ってシルバーちゃんは走り去っていった。

 負けるなよとか言われても、アル達が負ける姿とか想像出来ないんですけど。

 

 ちなみに此処は2階。最上階までそれなりに階段を上ることになる。つまり、

 

「あ、」

「あ、」

 

 あんな如何にも次会うのは早くても来週みたいなことを言っていたシルバーちゃんと再び会うことになる。

 案の定気まずくなった。




コハクの服装
「体操着のマスターも中々……」
ただし愛は鼻から出る。

シルバーちゃん!
病みはまだない。

何かフィーさん`挑発`覚えてね?
「私は事実を言っただけ……」
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