伝説の萌えもん達に病まれすぎて夜も眠れない   作:レイアメ

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29番道路、途中

 

 ―――マスターには私以外の奴なんて要りません!

 

 

「いや、要るって。トレーナーとして最低でも4体は要るって。それにアルが出たら―――」

 

 

 ―――大丈夫ですって、マスター!安心してください!マスターの希望に添えられるよう頑張りますので!

 

 

「他のポケモン達のことも頑張って欲しいんだけど...」

 

 

 ―――ダメです!マスターには私だけで十分です!

 

 

 これがアルセウス――アルを連れて冒険したくない理由。

 

 アルを助けたあの後、何故か好かれた僕はアルのマスターになった(強制的)。結果、病まれた。

 それからというもの、他のポケ萌えもんを捕まえようとすると、病むようになったのだ。

 

 はあ、何でこうなった。

 

◇◇◇

 

「ウツギ博士~来ましたよ~」

「お、コハクも来たぜ!」

「今日は遅いわね、コハク」

 

 ウツギ博士の助手の人に案内をしてもらい、ウツギ博士の元に行くと、すでにゴールドとクリスが居た。

 

「ああ、来てくれたんだね。待ってたよ3人とも」

「博士~用ってなんだよ?」

「ああ、それなんだけどね...」

 

 そう言ってウツギ博士が持ってきたのは3つのモンスターボール。腰のモンスターボールが震えるのが感じられる。

 

 

 ―――......マスター

 

 

 背筋が物理的震える。モンスターボールが震えすぎてヤバイ。

 

「ん?どうしたんだい、コハク君」

「あ、あの、僕にはコイツが居ますから」

「ああ、分かってるよ。この子達はゴールド君とクリスちゃんのだから」

「え、俺達にくれるのか!?」

「博士、いいんですか?」

 

 僕はアルに震え、2人は歓喜に震えてる。

 

「ああ、それでお願いがあるんでけど...」

「何でも言って下さい!何でもします!」

「全く、現金ね。...それで何をすれば良いですか?」

 

 何だかんだ言いながらクリスも浮かれているようだ。

 

「実は知り合いに『大発見!大発見じゃぁあああ!』って喚く御爺さんが居てね。その人から連絡が来てね。『今度こそ本物ですぞ!』って。僕も気になるんだけど、研究で忙しくてね。そこで2人には代わりに行って来て欲しいんだ。頼めるかな?」

 

 ん?2人?え、僕はどうなるの?

 

「え、あの僕は何で呼ばれたんでしょうか?」

「ああ、コハク君にはこのボールをボール職人のガンテツさんに届けて欲しいんだ」

 

 渡されたボールを手に取って見る。

 上の部分はオレンジ色で、読めない字が彫ってある。

 

「......ジー、エス?」

「そう読めるよね。僕は仮称としてジーエスボールと詠んでるよ。調べてもよく分からなかったからね、専門の人に調べてもらおうと思ってね。頼めるかい?」

「何で、僕だけ?」

「君はエーフィを持っているだろう?それなりに長い付き合いだと思うし、大丈夫だと思ったんだ」

 

 ――エーフィ。それが僕がゲットじた萌えもんということになっている。見た目は、どんな技でも使えるアルが‘へんしん‘を使ってエーフィの姿を模しているのだ。

 何でエーフィ?と聞いたところ、

 

『前にマスターが私の次に(・・・・)!可愛いと言っていたからですよ』

 

 と、特に‘次に‘という部分を強調して言ったのだ。それから人に見られる場所では常にエーフィの姿をしている。

 

「分かりました。それで何処に居るんですか?」

「ああ、ヒワダタウンに居るから」

「博士~!俺達はー!」

「ああ、待ってくれ。で、頼めるかい?」

「はい、分かりました。じゃあ先に行くから後で会おう!」

「おう、またな!」

「後でね!」

 

◇◇◇

 

 と、意気揚々と冒険の旅に出たわけだけど...

 

「~♪~~~♪」

「......勝手に出てこないって約束したよね?」

「はい!ちゃんと言いましたよ」

「いや、聞いてないし。心の中で言ったとか言わないでよ?」

「わあぁ!私の思ったことが分かるんですね!これはもう相思相愛ですよね!?」

 

 きゃあー♪と、腕を組みながら照れる萌えもん状態のアルを見て、僕はため息を付く。

 

 少し黄色が交じった白のドレスを可憐に着こなし、光の反射でキラキラときらめく長い白髪、胸も...その、大きい。美人という言葉では全く足りないほどの姿。

 見た目だけなら僕も虜になっていただろう。しかし、今のような威厳の欠片もない彼女を見ると不思議とそう思えない。思わずため息をつく。

 

「どうしました、マスター?」

「いや、何でもないよ」

 

 こんな会話をしているが、すでに草むらを1時間近く歩いているが一匹も野生のポケ萌えもんに出会わない。それはアルの力を本能的に感じ取っているからだ。人間だってクマが居ると分かるとそこに行こうとは思わないのと同じだ。

 

 アルと言う伝説のちからを本能で感じて近づいてこないのだ。でも、たまに力の差も分からない奴もいるわけで、

 

 

「待てー!」

「食べ物を置いてけー!」

 

 テンプレ盗賊のようなセリフで出てきたのは、萌えもんのオタチとポッポだ。

 

「私とマスターの時間をっ!」

 

 アルが怒り狂ってるが、まだ待ってもらう。

 何でっ!?みたいな顔をしているアルを宥めていると、ポッポが風おこしを繰り出してくる。

 

 まだだ、まだその時じゃない。少し強いくらいの風を受けるがしっかりとある部分を観察する。

 

「マスター!どうして!あんな奴どうでもいいじゃない!」

「ムキー!もう全力だー!」

 

 あと少し!......あ、見え―――

 

 そして、

 

 

 ―――裁きのつぶて

 

 

 裁きの鉄槌が僕と巻き添えでポッポとオタチに振り落ちた。




 ジーエスボール
 チラリと見える病みモン2体目の影

 完全体アルセウスの特技その一
 技?何でも出来ますよ。勿論`さいみんじゅつ`でマスターを...グフフ

 本日の犠牲者、二名
 野生のオタチ
 野生のポッポ
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