伝説の萌えもん達に病まれすぎて夜も眠れない   作:レイアメ

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ヨシノシティ、シルバーとの邂逅

「マスター!何であんなやつのパンツを見ようとするんですか!」

「......はい、申し訳ありません」

 

 目を覚ますと、光が一切消えた涙目でこっちを可愛らしく怒っているアルが居た。いや、目に光がない時点で可愛いも何も無いのだが。

 全身から鈍い痛みを感じながら体を起こすと、辺り一面が荒野と化していた。木々は倒れ、クレーターがいくつも出来ている。

 ああ、やっちまった。と思うが反省はしない。だって僕も男なのだから。

 

「もう!聞いてるんですか!マスターがそうなら...ッ!」

 

 右から左に聞き流していたら、アルがついに何かをしようとしてくる。

 

 

「他のやつのパンツを見るくらいなら、私のを見てくださいっ!!」

 

 

 反射的にそれはヤバイと直感で感じる。しかし、僕の体はその思いと裏腹に動かない。

 アルがゆっくりと純白のドレスの端を掴み、持ち上げる。段々とあらわになる白くて、スラリと長い足。

 

(ほら、何をやってるんだ!動け!動くんだ!)

 

 しかし、動かない。あと少しで見え―――

 

「やめてくれ、アル。僕が悪かった。だから、そんなはしたない真似をしないでくれ」

 

 僕は顔を逸らしながら言う。

 

「ま、マスタぁー」

「ごめん、ごめん。僕が悪かった」

 

 抱きついてくるアルの頭を撫でながら、謝る。

 

「さあ、行こう。今日中にはヨシノシティに着きたいし、今日中に終わらせたいなら‘そらを飛ぶ‘で行けるしね」

「はい、マスター!いつもより凛々しいです!」

「はは、お世辞はやめてよ」

 

 ―――ふう、白か。

 

 いつもより足取りの軽い僕とアルは、特に何もなく1時間後にヨシノシティに着いた。

 

◇◇◇

 

「着きましたね!マスター!」

「ああ、そうだね。何回目だろここに来るのは」

 

 この町には何回かアルと来たことがある。おつかいだったり、アル曰くデートとかで。

 

「今日はもう遅いし、ポケモンセンターに泊まっていこう」

「はい!一緒の部屋ですよね!」

 

 目をキラキラさせるアルの姿にため息を付きながら、ポケモンセンターに足を運ぶ。町に入ったということで、すでにアルはエーフィの姿をしている。

 紫色のワンピースに猫耳、2本の尻尾。アルの‘へんしん‘は本物同然のエーフィに成り代わっている。

 

「さてと、ゴールド達は何をしているのかな」

 

 ポケギアという、現代ではスマホのようなものでゴールドに連絡しようとするが、それより早くウツギ博士から電話が掛かってくる。

 

「はい、コハクですけど」

『あ、コハク君!た、大変なんだ!3匹居た娘達の1人が盗まれたんだ!』

「え、ええ!大変じゃないですか!一体誰が!?」

『そ、それが分からないんだ。一応コハク君にも言っとこうと思ってね。何か分かったら電話してね!』

「はい、分かりました」

『それじゃあ!』

 

 僕がポケギアを持って呆然としていると、女の子にぶつかってしまう。

 

「......邪魔なんだよ」

「あ、すいま、せん?」

 

 僕が謝ろうとその子の顔を見て、気付く。

 ポケットモンスター金銀シリーズにて主人公のライバルとして登場する謎の男。そう、男のはずなんだ。でも、この子はそのライバルにとても似ているのだ。

 い、いや、そんなことよりアルだ。だいたいこういう場合はキレて、相手が老若男女誰だろうとボッコボコにするはずだ。そうなる前に止めないと。

 

「塵芥の分際でぇ!!」

 

 ああ、もう突っかかってるし!

 

「な、何だよ。やんのかよ」

 

 シルバーちゃん(仮)が何処かで見たことがあるようなモンスターボールを取り出す。

 

「行け!ワニノコ!」

 

 後ろ髪が一部赤色の青髪で、青いワンピースを着た、萌えもんのワニノコを繰り出すのを見てやっと気付く。

 

 ああ、この子がポケモンを盗んだのか。

 

「アル!初バトルだよ、分かってるよね?」

「はい!正々堂々と真正面からマスターにあんな口を叩いたことを死ぬ程後悔させるくらいボコボコにしてやりますよ!」

「全然分かってない!?」

 

 僕達のコントのような会話に怒ったのか、シルバーちゃんが声を荒げてワニノコに指示を出す。

 

「ワニノコ!ひっかくだ!」

「アル!ねんりき!」

 

 此処で忘れてはいけないのは、アルは‘へんしん‘で本物同然のエーフィの姿をしているが、アルはアルなのだ。

伝説として、そこらのポケ萌えもんとは格が違うのだ。つまり―――

 

「ワニノコ!?」

 

 例え、そこまで威力が高くない‘ねんりき‘だとしても、伝説であるアルが使った‘ねんりき‘はたった一撃で戦闘不能にすることさえ、あり得ないことではないのだ。

 そして、僕と事前にかわした約束で、ちゃんと手加減をしてこれなのだ。バトルという次元を超えてしまっている。

 

「くそっ。...俺の名前はシルバーだ、憶えていろ。次に会った時は、もっと強くなってお前等を叩きのめしてやる」

 

 そう言うと涙目のシルバーちゃんは何処かに行ってしまった。

 

 地味に可愛かったなぁ、とか思ったりしていると、電話が掛かってくる。

 

「もしもし、ゴールド?」

『おう!そっちはもう町に着いたのか?』

「うん。僕達はもう着いたよ」

『そっか、それよりあの話聞いたか?』

「ああ、そのことなら犯人らしき人物を見かけたよ。というかバトルを挑まれた」

『マジかよ!大丈夫だったのか!?』

「大丈夫だったよ。何とか勝てたし」

『......そっか、すげえな。ああ!俺も負けてられねえ!絶対追いつくからな!』

「あはは、待ってるよ」

『じゃあな、また会おうぜ!』

「うん、また」

 

 ゴールドとの通話を終えると、次はクリスから電話が掛かる。

 

「もしもし、クリス?」

『さっきゴールドから聞いたから大丈夫だと思うけど、一応ね』

「そうなんだ、ありがとう」

『私たちはまだ研究所の近くにいるから、ウツギ博士に伝えくわよ?』

「あ、そうだった。犯人は赤毛の女の子で、名前はシルバー。ワニノコを持っていたよ」

『そう、伝えとくわ。それとゴールドも言っていたでしょうが、私も負けないから。じゃあね』

「うん、またね」

 

 ゴールド、クリスからの電話を終え、気付く。アルが大人しい。

 

「どうしましたか、マスター?」

「いや、前から思ってたけど、クリスには何もしないんだね」

「私だってちゃんと相手は選んでますよ。それにあの娘はあの男に惚れていますのでしょう?」

「うん、そうなんだよね」

 

 アルの言う‘あの男‘とはゴールドのことである。実際、クリスはゴールドに何度かアプローチしているけど、当人であるゴールドは気付きもしない。

 

「何時になったらくっつくんだろうね?」

「全くです。あの男は恋する乙女の気持ちを全く考えていませんよ。いっそ‘さいみんじゅつ‘で...」

「あ、あははは」

 

 とりあえず、苦笑いで返す。アルならやりそうだとか思いながら。

 

「そろそろ、ポケモンセンターに行こうか」

「だいだい、マスターも...はい!行きましょう!」

 

 途中から僕に対しての愚痴ぽっくなってきた小言を、聞き流しながら僕達はポケモンセンターに入る。明日からの旅のために体を休める為に。

 しかし、アルはそうは思わなかったようで、

 

 

「もう、あんな輩に関わらないようにさっさと行ってさっさと帰りましょう!

「ええ!ちょ、ちょっと待って!」

「さあ、行きましょう。マスター!」

 

 アルの‘そらをとぶ‘で直接ヒワダタウンに向かうことに。

 

 僕の冒険は一体どうなることやら。




 コハク13歳(生前16歳)
 そういうことに興味津々なお年頃。

 何故か女体化シルバーちゃん
 一応、人間のヒロイン。病むかは検討中。

 アルさんの本日の格言
「恋せよ乙女」ドヤ
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