伝説の萌えもん達に病まれすぎて夜も眠れない   作:レイアメ

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コガネシティ、超能力ネコとの邂逅

 コガネシティの大通りを少し外れたところにあるそこそこ大きい家―――マサキ叔父さんの家に僕達は居た。

 

「えっと、お久しぶりです」

「ははは、ほんまやな!何年ぶりや?最近忙しくてなぁ。確か4年くらいか?」

「6年前以来ですよ」

「ってことは7歳の時かぁ、大きくなったな!それによお憶えてたなぁ!ははは!」

「は、はぁ」

 

 このエセ関西弁に高いテンションが何処か、近所のおばちゃんみたいに感じるのは僕だけだろうか。もちろんこの世界に関西なんて地域はないし、関西弁もない。昔、何故この喋りなのか聞いたことがある。その時マサキ叔父さんは、

 

『何でやったかなぁ?確かワイが子供頃に、流れ星に当たったら急にこうなったんや。笑えるやろ!』

 

 と言ってたのだ。こっちは全く笑えなかったけども。

 

「それで?どうしてこんな所におったんや?」

「買い物のついでに、最近会っていないなと思いまして」

「おお!そんな話したなぁ!こっちは忙しくて忘れてたわ、ははは!」

「忘れてたんですか?」

「すまんすまん。ほんま、忙しくてな!」

「今はどんな研究してるんですか?」

 

 確か、昔はポケ萌えもんの生態について色々研究していたらしいけど、詳しい話はそこまで聞いてなかったからなぁ。

 

「それやねんけどな、もう少ししたら全国に広まるからな、今はお楽しみってな」

「そうなんですか。すごいですね」

「そやろ、そやろ!ワイもそれは嬉しいんやけど、忙しすぎてなぁ」

 

 マサキ叔父さんの目から光が消える。アルのようなドロドロした目じゃなくて、死んだ魚のような目をしている。オーラも何処かどんよりしている気がする。

 

「そ、その、お疲れ様です」

「あはは、ありがと。それにしても、もうポケ萌えもんを持っているとはな、しかもエーフィかいな。大変やったろ?進化させんの」

「え?あ、はい!そうなんです。大変でしたよ!アハハ!」

 

 まさか、本物はアルセウスです。何て言えないからなあ。それにしても何が大変なんだろうか?

 

「もしかして知らんのか?」

「え゛?ま、まっさかぁ!そんなわけないじゃないですか!」

「ほおん、じゃあ、イーブイからエーフィにどうやって進化するんか言ってみい」

「えっと、レベル上げて、あ~そのですね」

 

 ニヤニヤしながらこっちを見てくるマサキ叔父さん。くっ、まずいこのままじゃバレるっ!

 

「まあ、知らんくてもしゃーないねんけどな」

「だから、その............え?」

「あっはっは、ちょうどいいから教えたるわ」

 

 いいか、と言ってからマサキ叔父さんはまるで博士のような語りで教えてくれた。

 

 イーブイとはポケ萌えもんの中でも特殊な進化をすることで有名らしい。

 

 ブースター、炎タイプ、ほのおの石で進化する。

 シャワーズ、水タイプ、みずの石で進化する。

 サンダース、雷タイプ、かみなりの石で進化する。

 

 そして、ブラッキー、エーフィはというと、

 

「なつき進化ですか?」

「そや、トレーナーにどれだけ懐いているかによって進化するかどうか変わるってもんや」

「へえ、そうだったんですか」

「特にな、ポケモン達と違って萌えもんベースは中々なつき具合が変わるからな。その点お前さんのエーフィはよお懐いとるな」

「ええ、それなりに長く一緒にいるので」

 

 ここらで少し説明しておこう。ポケモンと萌えもんの違いだ。

 

 ポケモンは人の姿ではなく、動物のような姿から、鉱石だったり様々だ。

 萌えもんは人の姿をしたポケモンのことである。

 

 ただ、どちらの姿をしていても変えようと思えば好きに変えられるのだ。例えば、アルの場合は常に萌えもん姿で生きているが、元々はポケモンだったのを僕と居るために姿を変えたのだ。これは伝説だからではなく、どのようなポケ萌えもんでも自由に変更可能なのだ。

 ちなみに、能力値等は姿が変わっても変わることは無いので、姿を変えるのはその環境に適するためとウツギ博士に聞いたことがある。唯一変わることといえば、コミュニケーションの取り方が萌えもんの方が、難しいのだ。それでも萌えもんになる利点もある。アルセウスの場合、腕を使った技が使えないのだが、萌えもん姿になり人の姿になることで‘かみなりパンチ‘など、使える技が増えたりする。ただ、バトル中に攻撃を避けるために姿を変えるのは禁止されていたりする。

 

 つまり、能力値等は変わらないが姿と精神面が違う、ということだ。

 

「わいのエーフィやブラッキーも育てんの大変やったからな、お前さんは萌えもんベースやしわいの時より大変やったろ。もっと誇っていいくらいやで?」

「あはは、そんな誇るほどでもないですよ」

 

 嘘をついてることの罪悪感が半端ないです。うぅ、本当にごめんなさい。

 

「そーか、そうやな、それでいいか。なあ、コハク。頼みがあるんや」

「頼み、ですか?」

 

 謎の3段活用のあと、妙に真剣な顔つきでマサキ叔父さんが僕に頼み込んで来た。それに僕の第6感が何かヤバソウな何かを感じ取る。

 

「実はな、ある一匹の萌えもんを持っていてな、そいつがとんだ問題児なんや」

「はあ、一体どんな子何ですか?」

「人に懐きよらへん奴やねん。知り合いを回ったけど誰にも懐きよらへんかった。まるで人に無関心みたいな感じでな」

「それが、何で僕なんですか?」

「その萌えもんなあ―――イーブイやねん」

 

◇◇◇

 

「はあ、結局断われなかった」

 

 僕の手にあるのは、マサキ叔父さんに渡されたイーブイが入ったボールだった。腰についている2つのボールが前世の携帯のバイブみたいに震え続けている。しかもボールから不穏な気配が漏れ出している。出したら色々と怖そうなのでしばらくはボールの中で大人しくしていてもらおう。

 

「まずは出してみるか。―――来い!イーブイ!」

 

 ボールを投げると、空中で自動で開き、そこから萌えもんのイーブイが出てくる。出て来たイーブイは目をパチクリとさせ、数回辺りを見渡して僕のほうを見た。

 

 次の瞬間、イーブイは光輝いた。そして僕は見た。光輝く前のイーブイの目が此方を捉え、何かハートマークみたいなものが出た事を。

 

「い、一体何が............え、は?」

 

 光が止むと、そこにイーブイの姿はなく、何故か進化してエーフィの姿をしていた。頭にネコミミがあり、シンプルな紫色のワンピースを着て、お尻のあたりに2本の尻尾がある。......可愛い、じゃなくて!何で急に進化を!?

 僕が驚いて、まともに思考を働かせていないでいると、急に進化したエーフィが、

 

「始めまして、ご主人様」

「あ、うん。よろしくね。えーっと」 

 

 先ほどと比べると落ち着いた頭で、エーフィの名前を考える。エーフィだから、エー?フィ?いや、

 

「君の名前はこれからフィーだ。よろしくね」

「......フィー、いい名前。ありがとうご主人様」

 

 そう言って、エーフィ改めフィーは僕に抱きて来た。そして、パニックになってたから忘れてたけど、2つのボールが壊さんとばかりに震えまくっている。

 

 そして、無慈悲にもボールが壊れる。

 

「マスターから離れろぉ!!」

「コハクに抱きつくなぁ!!」

 

 アルとセーレ。2人がボールを破壊しながら飛び出して、フィーに襲い掛かろうとする。対するフィーは焦る素振りもせず、すました顔で2人を見ている。僕は普通に腰を抜かした。

 

「‘サイコキネシス‘」

 

 フィーがぽつりと技名を呟くと2人の姿が空中で止まる。流石の2人も驚いた様子でフィーを見ている。しかし、アルがすぐにその拘束を抜け出し、フィーに迫る。

 

「だ、ダメだ!止まってアル!!」

 

 しかし、アルはそれより速くフィーに襲い掛かった。

 

「‘テレポート‘ご主人、あれは誰?」

「え?何で横に?......いや、そうじゃなくて、アルもセーレやめて!僕の言ったことをもう忘れたの!!」

 

 気付けば、フィーは僕の隣にいて、アルの攻撃を回避していた。僕はそれに驚きながらもアルとセーレに制止の声を掛ける。

 

 セーレのことが終わったと思ったら、今度はフィーのことまで。どうやら僕の災難はまだまだ続くようだ。はあ、胃が痛い。




 アル=エーフィ
 最近作者が忘れかけてた。

 Q何でイーブイは急に進化したんですか?
 Aコハク君への愛が上限突破。つまり一目惚れ。此処にコハクの才能が......。

 アルセウスやセレビィを止めるほどのサイコキネシス。
 つまり、この娘もまともじゃない。やったね、コハク君!
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