伝説の萌えもん達に病まれすぎて夜も眠れない   作:レイアメ

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ハーメルンよ、帰って来たぞぉー!

遅くなってごめんなさい。


ウバメの森、時と恩

 コガネシティへもう一度アルとセーレのためにボールを買いに行き、フィーだけを出してもう一度マサキ叔父さんの家に行く。何故フィーがいきなり進化したのかを聞きに行くためだ。フィー自信もよく分かっていないらしく、フィー曰く、『ご主人様を見たら、こうなった。だから責任とって』らしい。『責任』の所でアルとセーレが暴れそうになったけど、何とか押さえる事が出来た。何だか今日だけでかなり展開が進んでいる気がする。

 

「すいませーん、コハクです」

「ご主人様、中に誰も居ない」

「へ?どういうこと?」

「人の気配が感じない」

「フィーは分かるの?」

「......うん。何だか分からないけどそう思う」

 

 頷いたフィーの顔が僅かながら曇ったのを僕は見た。軽蔑されるとでも思ったのだろうか、顔を背けている。

 後が大変だろうなと思うが、此処でフィーをほっとくことは出来ない。最初は無理矢理だったかもしれないけど、それでもこの娘はもう僕の萌えもんだ。こんな顔をさせてはいけない。

 

「すごいことだね。ありがとうね、知らしてくれて」

 

 そう言って頭を撫でてあげる。すると、フィーの顔は驚いたような顔になり、不思議そうに撫でている僕の手を見ている。アルやセーレからのブーイングが酷いけど、今は我慢してもらおう。

 

「ご主人様、ありがとう」

 

 そう呟いたフィーは顔を少しだけ崩し、笑った。

 

 

 

―――ちっ、嘘吐きめ

 

◇◇◇

 

「さて、どうしようか」

 

 僕達はコガネシティのポケモンセンターで部屋を数時間だけ借り、話し合いをしようとしていたんだけど、

 

「「「............」」」

 

 アル、セーレ、フィーの3人が向い合って、睨みあいをしている。原因は僕の隣に誰が座るかによるものだ。一応、僕が1人用の椅子に座ることによって収束したのだけど、彼女達は不満らしい。

 

「ごほん、えーと、今この時間はこれからの事について話をしたいと思ってる。何か言いたいなら挙手を。......アル、何?」

 

 無駄に綺麗な挙手を見せるアル。頭を軽く伏せているためか、髪が目を隠していて少し怖い。

 

「はい、マスター。そこのネコは危険です。今すぐに捨てるべきです」

「どういうことなの、アル?フィーの何処が危険なのさ」

 

 フィーの方を見ても、何処も危険には思えない。確かに無表情で何を考えているのか分からないけれど、先程みたいに笑うときは笑うし、そこまで危険しなくてもいいと思うのだが。

 

「いえ、そのネコはエスパータイプの技に特化しており、悔しいですが、その点だけならば伝説、幻レベルに匹敵します。おそらく今も私達の心の中を覗いているはずです」

「.......フィー、それは本当なの?」

「心は覗いてる。でもご主人様以外は見ていない。見たくもない」

 

 珍しく険悪感を感じる声をフィーが出したことに驚く。いや、それより驚くことがあるだろ、僕。心覗かれてるんだぞ。もっとこう焦るべきではないのか?

 心を読んだのか、フィーが此方を見て口の端を少し上げて微笑む。可愛い、じゃなくて。

 

「ご主人様、私のこと可愛いって、そんな照れる」

 

 上機嫌になるフィー、対照的に不機嫌を通り過ぎて険悪感すら出しそうなアルとセーレ。そしてビビる僕。くぅ、胃が痛い。きっともう穴が開いてるんじゃないのかな。こうなったら無理矢理にでも話題を変えないと。

 

「あ、あのさ、提案があるんだ。セーレとフィーは会ったばかりだから色々と出来ることを知りたいと思っているんだ」

「私はずっと、コハクのこと見てきたから大丈夫だよ~!」

「そのことは無しで」

「私は読める(心)」

「そういうことじゃなくて、皆に分かること」

「ま、ますたー、わ、私はぁ......!」

「アルはずっといるからもう十分に分かってるよ。何年居ると思ってるの?」

「うぅ、マスター!」

 

 呆れながら言うと、今度はアルが上機嫌に、セーレとフィーが不機嫌になった。学習しないな、僕。

 

◇◇◇

 

 その日はそのままポケモンセンターに泊まり―――その際、僕と誰が一緒に添い寝するかで争っていたけど、強制的にボールに戻した。起きたら目の前にアル立って、ずっとこっちを見ていたのは驚いた。

 ヒワダタウンに戻るとき、今度はフィーの‘テレポート‘を使ってみた。アルはブーイングしていたが。

 

「おお、すごい。一瞬だね」

 

 景色が一瞬で切り替わり、つい先日見ていた町並みだ。というか気付いたことがある。アルが‘そらをとぶ‘を使わなくてもテレポートで良かったのではないのだろうか。その旨をアルに言うと目を逸らし、あ~、え~、と焦った様子だったが、何時ものことだと割り切った。

 

「まずは、ガンテツさんに会いに行こうか」

 

 フィーの力がどれだけなのか調べたいけど、先にガンテツさんのほうへ挨拶に行かないと。何だか長い間此処に居たような気もするし。ふいに袖のあたりを引っ張られる。

 

「フィー?どうしたの?」

「何日経った?」

「え、どういうこと?」

「私にあって何日たった?」

 

 フィーに言われるままに考える。マサキ叔父さんに会ってからだから、確か―――

 

「一週間?」

「一日」

 

 一日?そんなに短いか?もう少し長い間一緒に居た気もするけど。

 

「......お前か」

 

 そんな底冷えするような声と共に現れたアルは同時に現れたセーレの首を掴み、締め上げる。

 

「ちょ、ちょっとストップ!何してんの!」

「マスター、こいつは時間を操作してマスターの時を操作していました」

「事情はまだ分からないけど、まずはセーレ放して」

「......分かりました」

「ごめんね。僕のためにありがとう」

 

 アルの頭を撫でて機嫌を直す。するとアルの顔はすぐに嬉しそうになる。本当にもったいないくらいにいい子だ。アルの頭から手をどける。その際名残惜しそうな顔をしたが置いておく。

 

「セーレ、説明してくれるよね?」

 

 するとセーレはしぶしぶといった感じで話しかけてくる。

 

「......コハクの中の時間を周りと少しだけ遅くしたの」

「何でそんなことを?」

「だって、私と違ってコハクは人間だもん。いつか死んじゃうでしょ。だから少しでも長く居たいのは間違ってるの?」

「間違ってる」

 

 セーレの問いに答えたのは僕じゃない、フィーだ。僕はその質問の重さに黙ってしまった。アルは黙って僕の傍にいる。

 

「あんたに何が分かるの!ぽっとでのあんたなんかに言われたくない!」

「分かる。私にはご主人様の心が読める。ご主人様は貴女の言葉に悲しんだ。だから間違ってる」

「え、ほ、本当なのコハク?い、嫌だ。ご、ごめんなさい。嫌わないで、お願いぃ」

 

 泣き始めてしまった。

 

「だ、大丈夫。嫌わないから落ち着いて」

「ほ、本当に?本当に嫌わない?見捨てない?」

「うん、見捨てないよ」

 

 というよりも見捨てられない。軽く押しただけで壊れてしまいそうで恐ろしいほどだ。矯正させると意気込んだが、自分の目指す場所がどれだけ難しいのか改めて感じる。全く、僕は彼女達に何をしたんだ。

 

「離れなさい。マスターに許しを得たからと言って、私は許していないからな」

「アル、いいんだ」

「ま、ますたぁ~」

 

 涙目で此方を見るアル。しかしその目の奥には今だ怒りがあるのを長い間過ごした僕は知っている。だがそれを押さえてくれているのはありがたい。

 

「さあ、行こうか、セーレ?」

「背負ったままがいい」

「離れろぉ!」

 

 押さえてくれている、はず。

 

◇◇◇

 

「すいませ~ん、ガンテツさん。コハクです」

 

 何度かノックをするが出てくる気配が無い。どうやら居ないようだ。

 

「後で出直すとして、先にフィーの力を確かめよう。場所はウバメの森でやろうか」

 

 皆の了承を得て、フィーの‘テレポート‘で移動する。相変らず便利だと思う。

 

「さて、フィー。君の力を見せてくれる?」

「ご主人様、私は‘サイコキネシス‘、‘テレポート‘、‘こころのめ‘しか使えない。でもそれだけはそこのと同じくらい出来る」

 

 そこのやつ、扱いされたアルは笑顔だが、完全に切れている。それを宥めつつ、驚愕する。アルと同等、つまりその一点だけならば、伝説と並べるということだ。ただ、攻撃力がないな。

 

「あ、そうだ。これ使ってみる?」

 

 リュックから取り出すのは技マシン。何か分からないが、悪い物では無いだろう。

 

「ん。分かった......憶えた」

「じゃあ、フィー。あの木に向かって技を出してくれる?」

「......分かった」

 

 【恩返し】なつき度によって攻撃力が上がる技。つまり、ヤンデレともいえる彼女達にその技は最も相性のいい技なのだ。

 故に―――

 

「その技禁止ね」

 

 コハクは速攻で後悔した。

 

 




 フィーさん
「ずっと見てるから」(心も体も)

 技マシン
恩返し、恐ろしい子!

 コハク君の才能
出合った瞬間に好感度マックス。つまりヤンデレ製造機。やったね、コハク。ヤンデレが増えるよ。
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