東方想龍伝   作:蒼夜 颯人

3 / 5
皆さん、お久しぶりです!
サブタイですが気まぐれでつけているだけなので深い意味はまったくないです。
それでは、ゆっくりしていって下さいね!


第二話~始まりは突然に~

色んな意味で濃い一日を終えて、次の日の朝。何事も無く眠れたものの…俺は普通の朝を迎えられなかった様だ。

 

 

 

 

 

「………すぅ、すぅ…。」

 

「むにゃあ………おやつ~…。」

 

「……み、みょん…、そこは…駄目です…よ……。」

 

「………やっと…見つけたん…だからぁ……。」

 

四人の美人(淑女?)、美少女に抱きつかれながら眠って起きるのが普通とか言ったら(誰にとは言わない)確実にフルボッコにされる自信がある、この状況。

 

…結論、俺からすればどう見ても普通の朝ではない。というか、いつ俺の布団の中に潜りこんできたのだろうか。季節が春だからいいもの、この密集状態は流石に暑い。…などと冷静に状況を分析してみるが…

 

「……どうすれば良いんだ…。」

 

…結局は呆然とし、この状況に至った事についての考えなどはその辺に置いてしまってから(現実逃避とも言う)、客観的に見て四人と俺の配置を言うとすると、俺を中心として美少女二人が両腕、美人二人が……俺の身体に抱きついている人と頭に抱きついて?いる人と、別れている。更に詳しく言うとすれば…右腕が霊夢に左腕が妖夢。俺の身体におもいっきり抱きつく様に覆い被さっているのが幽々子で俺の頭を包み込むようにして優しく抱きついてきているのが紫である。

 

……人によっては「俺マジでモテ期だぁぁぁ!!」とか、「我が人生に一生の悔い無し…!」、「生まれてきてよかったぁぁぁ!!!」など考え方が様々ではあるものの、大体の男達が喜びまくる状況だ。それに全員の幸せそうな寝顔が見れるとあれば…「ここは天国(パラダイス)だぁぁぁぁ!!」と叫びたくなる事必至だろう。…何が言いたいかと言うと、そんな状況を誰かに見られたら非常にヤバくないか? と言うことだ。

 

…と何だかんだ数分の内にここまで考え、ここは心を鬼にして四人を起こしにかかるべきだろう、と決心して静かに、起こさない様に注意しつつ紫から抜け出し、霊夢と妖夢の抱きつきから腕を引き抜き、幽々子の抱きを丁寧にほどいてからいざ四人に声をかけようとすると…

 

「ここにいるのか霊夢ーーー!!? そして起きてるかぁーー!? ここにいなくても起きてなくても邪魔するぜ!」

 

……数分前だが、噂をすれば(心の中でだが)である。誰かは分からないがああ言っている以上、中に入って来るのだろう。それは流石に不味いので再び四人を起こしにかかろう…としたら、今の大声に反応して(起こされた)か既に二人、霊夢と妖夢が起きていた。(何故か二人とも俺の腕に抱きついてきているが。…寝ぼけているのだろうか?) 妖夢はともかく、霊夢はかなり機嫌が悪そうだ。

 

「……相変わらずうるさいわね、魔理沙は。というか、何故ここに居ると分かったのよ…。」

 

「……知り合いですか?」

 

「…唯の腐れ縁よ。切っても切っても切れない位丈夫な。」

 

言葉はアレだが、どこか嬉しそうに言う霊夢の表情は年相応の少女だった。…霊夢の言う腐れ縁の子とはさしずめ親友と言った関係だろうか? …やや、常識はずれのようだが。(と考えた時にこの屋敷、白玉楼の玄関の方向から控えめに「クシュン!」と聞こえたのは俺の空耳だろう。)

 

「そこまでいけばたいしたもんだと思うがな。…取り敢えず霊夢、知り合いなら少し様子を見に行ってくれないか? 流石に朝っぱらから他人の家に入ってくるのはどうかと思うしな。」

 

「…分かったわ。確かにアレは度が過ぎてるし、普通ならかなり迷惑だもの。様子見と言わず少し懲らしめてくるわね。」

 

霊夢はそう言ってウフフと笑っていたが先程からの不機嫌もあってか目は完全に据わっていた。…これは中々悲惨な事になるだろう、と最早黒い笑みになっている霊夢を見ながら俺は思った。(この時、霊夢はさりげなく会話の間に俺の右腕から離れて俺の正面に座っていた。)そして俺の左側にいる妖夢を見ると若干顔が青ざめていた。

 

「…俺が言っておいて何だが程々にな、霊夢。俺と妖夢は残りの二人を起こして朝食を作りながら待ってるから。」

 

「…そこまで派手に殺るつもりは無いわよ? 朝食は期待しておくから。…それじゃ今から魔理沙には正座と私から少しばかりのありがた~い説教、お仕置きをしに行ってくるわね。」

 

……俺は黒い笑みでそう言い切りながら立ち上がり、去って行く霊夢の背中を見ながら、まだ見たことがない魔理沙という子に同情した。というか霊夢の言っていた言葉の中に殺るという単語が混じっていたのは気のせいだと思いたい…。

 

「……霊夢も行ったし、そろそろ眠っている二人を起こそうか、妖夢。」

 

「あ、は、はい。」

 

俺と妖夢は気を取り直して、ずっと眠っている二人を軽く叩き起こし、朝食を作りに台所に向かった。

 

また、起こした時に紫が霊夢以上に機嫌が悪かったが、俺が「そういえば普段の雰囲気とは違って、紫の寝顔が見た目相応に可愛かったぞ。」と思った事を言ったら、先程の不機嫌はどこへやら「み、見たの!? 想真のバカッ!」と言い、顔を真っ赤にするもどこか嬉しそうだったのは言うまでもない。(何故嬉しそうだったのかは分からないが。)

 

……幽々子? 幽々子は寝起きでも普段と変わらず、顔を真っ赤にした紫を見て大爆笑してたから放置(という名の見て見ぬふりを)した。その時に紫が俺の方を(俺が立っていて紫が座っていたから必然的に)上目遣いで助けを求める様に見てきて思わず可愛いと思ってしまったのは内緒だ。

 

 

 

それから一時間後…

 

 

 

朝食を作り終わり、ちょうど食べようかなという時にどこか哀愁漂う全身ぼろぼろで全体的に白黒の服を着た金髪で普段は勝ち気そうな少女を後ろに引き連れた霊夢が到着。一瞬何故そうなったのかを霊夢に問い詰めそうになったが、霊夢がお仕置きと言っていたのを思いだし、ここは彼女(おそらく魔理沙という子)が悪いと考えやめた。

 

その後、朝食を食べ終えてお互いに自己紹介(霊夢の言った通り、魔理沙と言う子だった。本名は霧雨 魔理沙というらしい。)をした後どういうわけか霊夢が魔理沙に正座をさせ、約数十分間、お説教(という名の魔理沙に対しての愚痴、日頃の文句)をし続けるというアクシデントに見舞われるが、放置すれば長くなると判断した紫と妖夢によって止められ、その間に本来の目的(人里へ行く事)を思いだした俺がその事を言い、誰が付き添い兼案内役をやるのか一部の人が本気(マジ)で揉め出し始めて今に至る。

 

「…私が想真を案内するわ! 人里なら私の知り合いも多いし、何より博麗神社が近いもの!」

 

「いえ、私が想真さんを案内致します! ここ白玉楼は少し人里から離れていますが飛べば直ぐ着きますし、人里の様々な店に行った事があるので霊夢さんより詳しい自信があります!」

 

……揉め出してからずっとこんな感じでお互いを牽制しあっており、俺が止めようとすると二人揃って「「アンタ(想真さん)は黙ってて(下さい)!!!」」と言われる始末。助けを求めようにも紫は苦笑しながら「ちょっと惜しいけど、藍を怒らせちゃうとアレだし、私にもやる事があるから一旦戻るわ。」と言ってスキマを開いてどこかへ行ってしまい、幽々子は何処から持ってきたのか大量の茶菓子を食べながらこの状況を笑って傍観していた。要するに、誰も仲間がいないのである。…魔理沙? 魔理沙は既にこの場にいない。霊夢のお説教をうけた後、「き、今日はもう帰って寝るぜ…。」と言い残して箒でフラフラとしながらも飛び去ってしまったからだ。

 

まさに絶体絶命(という気分)で、仲間もおらず、助けも無い。俺は居間に近く、直ぐ外の庭にあった一際大きい桜の樹の根元に移動し、この状況が収まるまでの間一人ここで座って黄昏ようとした。俺のこの行動が後々重要な事になってくるとは知らずに…。

 

―俺は桜の根元に座った時に桜から怨念に近い位どす黒く、大きい妖力を感じ取った。…どうせならと考えて昨夜、眠っている時に思いだしていた自分の能力の片方を試しに操って、桜の奥底にあった妖力を跡形も無く消し去った。その為、まだ妖力がないかの確認の為に桜に触れたら俺の頭の中に老若男女、様々な声が響いた様に思えた…。その声の主は皆、口を揃えて「ありがとう」と言っているかの様に大小様々な感謝の念が俺の身体に流れ込んできた。

 

その時、俺の頭の中には既に先程の声は無く、代わりに不思議と見覚えがある女性の顔が浮かび上がっていた。それから俺は…不意にその女性の名前を呟きながら、ゆっくりと桜の根元に倒れ込んだ…気がした…。何故だか安心出来る暖かいぬくもりを感じる中、俺は意識を徐々に失っていった…。

 

…最後に「想真」という自分の名前を意識の片隅で聞きながら―

 

 

 

 

 

「――間に合ったか。良かった……私はまだこれからの希望を繋ぎ止める為にも死ぬ訳にはいかないからな…。」

 

突然現れ、そう呟きながら倒れてしまいそうな少年、想真を抱き止めたのは所々に切り傷や火傷があり、見た目ぼろぼろであるも未だに輝いている銀色の全身甲冑と白色のローブを組み合わせた様な不思議な服装をした女性だった。

 

そしてその女性は優しげな瞳を自身が抱き止めた少年に向けていた。とても儚く、悲しそうな微笑みをうかべながら…。しかし、女性は直ぐにその微笑みを引っ込めて瞬時に凛々しくも冷たい表情になり、その顔を自身の後ろにいる数人の少女達に向けた。凄まじい程の威圧感と殺気をその身に纏って。

 

「…私に何か用か? 幻想郷の妖怪賢者、八雲 紫。今代の博麗の巫女、博麗 霊夢。冥界の主、西行寺 幽々子、その従者兼白玉楼の庭師、魂魄 妖夢。」

 

「貴女が何者かは私達は知らないのに何故初対面の貴女が私達の事を知っているのかしら?」

 

「…さあな。それに今は私から敵対する気は無い。そっちから仕掛けてきた場合は別だが。」

 

女性は紫の質問を避けつつも、敵対する気が無いと言うと自身が纏っていた威圧感、殺気を瞬時に消した。

 

「…駄目ね。今、この場にいる私達でも、幻想郷総出でも貴女に勝つ事は不可能。むしろ私達が仕掛けたとしてどうやったら勝てるのか教えて欲しい位だわ…。」

 

紫は今の僅かな会話、そして少しの間纏った威圧感、殺気から本能的にも自分達の力量と相手の力量との差的にも目の前の女性には勝てないと判断し、ほぼ降参にしか聞こえない文句を言った。…それは裏を返せば一時的に信用すると言う事だ。

 

「…ふっ、私に勝てるとすれば"奴等の王"か想真位だ。流石に相手の力量を見てからの行動は早いか…良い判断だな、ゆか。」

 

「……っ!!? ウフフ、誉め言葉として受け取りますわ…"初代龍神"沙凜・リュラーカ様。」

 

「久しぶりだな、ゆか。…っと、話は後だ。今は想真の避難と奴等の撃退が先だ! …少しの間時間稼ぎをしてくれ!!」

 

女性…沙凜と紫が話している時に突然、黒く邪悪な殺気を全身に纏った龍の集団が現れ沙凜達に向かって攻撃を仕掛けてきた。沙凜と紫達は直ぐにその場を離れ、沙凜と紫は僅かな会話をした後臨戦態勢に入る。

 

「…分かったわ。貴女達、殺るわよ! 幻想郷に危害を加える様な奴等…"邪龍"は生きて帰さない!!」

 

「…相変わらずの無茶ぶりね、紫。"邪龍"とか、私初めて見るわよ? まあ、博麗の巫女として、一匹残らず滅してあげるわ!! 覚悟しなさい!」

 

「あらあら、ここまできたら殺るしかないわね~。…妖夢、行くわよ。」

 

「幽々子様のご命令とあらば、どこまでも。…魂魄 妖夢参ります!!」

 

四人はそれぞれ自身の思いを言った後、邪龍の集団に突撃した。

 

 

 

こうして現在の幻想郷、有数の実力者達による最初の邪龍防衛戦とも言える"邪龍襲異変"が始まった…。

 

 

 

~沙凜Side~

 

私は想真を二代目に頼んで過去へ送ってもらった後も、時間稼ぎとして次々とわいてくる邪龍を消滅させ続けた。そして、結果的に約半数の邪龍を消滅させ、奴等が動揺した隙をついて自分の能力の一つを発動。奴等が追ってくるのを承知で想真のいる過去へ転移。

 

幸か不幸かその場にはゆか達がおり、奴等もきた。私は時間稼ぎを頼んで、その場を後にした…。




なんだ、この展開!! おい想真、そこ替われ!と思った方。
私も同じ思いです、はい。まあ、想真が良い思いをする分、感想返信の方で存分に弄るので!! 感想…書いてくれたら嬉しいです。
ではでは、次回もゆっくりしていって下さいね!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。