リアルで忙しいのとその他色々あった為にこんなに遅れてしまいました。不定期(のんびり)更新とは言え、遅すぎますよね…は、反省です…。
…それでは、ゆっくりしていって下さいね…!
あの後、私は自身の能力を使って博麗神社に簡易転位し、中の居間に想真を寝かせた。
…本来ならさっさと叩き起こして一緒に戦うべきなんだろうが、私の頭の中にはその選択肢は存在しなかった。何故か? 寝かせる時あたりから想真が寝ているにも関わらず苦しげに呻き始めたからだ。
…あいにく、私には他人の夢の中に入ったり見たりする能力はないから、想真が何故苦しげに呻き始めたのか分からない。分かるのは今は起こさない方が良いという事だけだ。これは私の勘がそう告げているからであって想真がこの状態になった理由、この状態への対策を知っているわけではない。だが、私の勘は良く当たる。それこそ今代の博麗の巫女以上に。それに、自分の勘には色々と助けられているのだ。…遥か昔の事だが、まだ幼子だった想真を見つけた時だって自分の勘に従って動いた結果だし、想真をこの時代に送った理由もこの時代に送った方が良いという勘からだ。
…話がそれてしまったが、まとめると私の勘はそれだけ良い結果を残しているという事。また、逆説的に私の勘が"今は"起こすなという事は後々に自力で起きれるという事。それなら心配はいらない。私は私の出来る事をやるだけだ。
「…時間を掛けすぎたか。そろそろ向こうも不味いかも知れないな。奴等の"王"がいなければ良いのだが…」
沙凜は想真を寝かせた後、その近くに座ってしばらく考え事をしていたが、こういいながら立ち上がった。
「さて、どうなっていることやら…。『簡易転位』!」
そして沙凜は自身も戦うために紫達のもとへと姿を消していった…。
~沙凜Side out~
…突然だが俺は今、非常に不可解な場所にいた。どんな場所か? 地平線が見えない位広く?(広い様な気もするし、狭い様な気もする。かなり曖昧としか言えない)真っ白な場所で、ついでにいうと目の前に俺の髪色(薄い水色…だと思うが他人に否定されまくっているから自信はない)と同じ色の小さな龍がいる…という状況。
…まてまて、落ちつこうか俺。こんな摩訶不思議な事は現実的に考えて無い筈だ。えーと、俺はたしか、やたらと大きな妖力をもっていた桜の木の妖力を能力で消して…その後体の力が抜けてきて非常に眠くなったのは覚えているな。その時に凄く聞き覚えのある声で名前を呼ばれてた事も。
「…どうやら一部の記憶を一時的に忘れている様じゃの」
思考にふけっていたら目の前の小さな龍が問いかけてきた。どうやらこの龍は喋れるみたいだ。
「…相変わらず失礼な事を考えるのう、お主は。いや、半身と言うべきかの? 何はともあれ数百年ぶりじゃな、我が半身よ」
「…えっ? ちょ、ちょっと待ってくれよ。数百年ぶりってどういう事なんだ? 俺とお前は初対面だよな!?」
「……そうか、そこまで忘れてしまっておるのか。仕方あるまい、少しじっとしているのじゃ。今から、我のもっている記憶をおぬしに見せる。それで思い出せる筈なのじゃ。」
目の前の小さな龍は勝手に自己完結すると俺の返事を聞かないまま自身の指を俺の額に当てた。その瞬間、様々な記憶が頭の中に流れ込んできた…。
「―何故こんな辺境に幼子が?」
「―大丈夫か? 待っていろ、直ぐに暖かい所に連れて行ってやるから。」
「―名前はなんて言うんだ? えっ、無いのか!? そうか…。それなら私が名付け親になってやろう!」
「―今から、お前の名前は…"楷沙 想真"だ! 良い名だろう?」
「―想真、今だから言おう。お前は…本来なら"初代龍神になるべきだった者"だ。」
「―現にお前には、龍神が持つべき"能力"がある。それも生まれつきでだ。…更には想真の"能力"は私の持つ能力より遥かに強力でな、分かりやすく言うなら"原形(オリジナル)"だ。…これは私の考察なのだが、私や他の龍神が持つ能力は恐らく想真の"能力"の劣化版だ。…もっとも、私から見ると「どこが劣化しているんだ?」と言いたくなるんだがな。」
様々な記憶が俺の頭の中を流れていくなか、一部ではあるがハッキリと思い浮かべる事が出来たのが以上の場面だ。俺は自身がどういった存在なのかだんだんと思い出す事が出来た。…随分と人間離れしている様だがある意味しょうがない。記憶の中の凛姉さん(この呼び方も思い出した)曰く「龍神になる(なった)者は元々の種族関係なく身体が徐々に龍に近くなっていく」との事。それで、今では俺の身体はほぼ龍と一緒。それぐらい長い年月を生きてきたからだ。
「……ふむ。思い出してきた様じゃのう。今なら我の事も分かるじゃろうな?」
気が付くと目の前の小さな龍はすでに自身の指先を俺の額から離してその顔に勝ち気な笑みを浮かべていた。
「……ああ。大体思い出した。かなり久しぶりだな、"才片"」
…そう、こいつの名は才片(さいか)。何時からか俺の中に居て、龍(本人?曰く見た目だけ)の姿をした存在。
「…改めてかの、心配したぞ? 何度呼び掛けても応えぬしな…」
そう言ってから才片は自身の笑みを戻し、少し悲しげな表情になった。才片がこういう表情をすると此方が何か悪い奴、みたいに錯覚してしまう。いわゆる罪悪感というものだ。
「あ~…。何かごめん」
…話を戻すが、才片は俺と一心同体とも言える存在のため、才片から呼び掛けてきたりして大抵は何時でも会話出来る。…がつい先程まで全く意識していなかったため、反応出来なかった。
「…ふむ、まあ既に過去の事じゃからな。そこまで気にする必要はないのじゃ。…それよりか、お主が自らの記憶を思い出した今、奴等に遅れをとる事は無いじゃろうから、存分に暴れるが良かろう」
…また、何故か才片は俺より好戦的だ。
「……そうか。そういう事ならもう行くよ。またな、才片」
「うむ。困った時は遠慮なく呼ぶのじゃ。我とお主は一心同体であり、互いを補う存在でもあるのじゃからな。…幸運を祈るぞ」
俺は才片の言葉を聞きながら意識を集中させ、現実へと戻った…。
~沙凜Side~
私が想真の下から簡易転位をしてゆか達のいる場所へ戻った時、既に最悪の事態となっていた。私が懸念していたことが当たっていたのだ…。
「すまない、今戻った! 大丈夫か!!?」
私は転位した後直ぐに、近くにいたゆかに話しかけた。
「……初代ね? 戦況は最悪よ…。幽々子の従者が倒れて戦線離脱、霊夢は霊力、体力共に限界ギリギリ。私と幽々子も霊夢程じゃないけれど限界が近いわ……」
やはり私は、想真のところに長く居すぎたようだ…!
「………回復は出来るか!?」
…しかし、私が今ここで悔やんでいてもしょうがない。そう割りきってゆかに問い掛けた。
「出来るわよ? …でも奴等に隙が無くて中々…!!」
ゆかはそういいながら悔しそうな表情をし、邪龍の攻撃を巧みにかわしながら少し歯ぎしりをした。
こう話している間にも邪龍共はしつこく攻撃をしてくる。そろそろ私の方が精神的に限界だ…! 自分で言うのも何だが私は沸点が低い(怒りやすい)…!!
「なら私が時間を稼ぐ! その間に回復してくれ!」
「………分かったわ。後は任せるわよ」
ありがたい、どうやらゆかは私がキレる寸前だと言うことに気付いているようだ。先程とはうってかわって、やや顔色を青くしながら自分でも見てて少し悲しくなる位、超速攻で私の近くから離れていった。…離れ際に偶々近くに倒れていた幽々子の従者や倒れそうになっている博麗の巫女を回収しながら。
…相変わらずちゃっかりしているなゆかは。私はそんなことを考えつつ、邪龍に向かって文句を言いながらスペルを発動させた。
「……さっきからチマチマとしつこいぞ邪龍共!!―龍符『龍の怒り』!!!」
沙凜は紫との会話の間にも攻撃をしてくる邪龍の群れに向かって、若干キレながらもスペルを発動。炎や氷など多種多様な属性をその身に纏った大小様々な大きさの龍の集団を霊力で具現化、出現させ、その龍の集団を突撃させた。…その数はおよそ百体。邪龍の群れの数の二倍である。
そして、突撃した龍の集団を周りの味方も巻き込んで撃退しながら沙凜に近づく一際体の大きい邪龍がいた…。
「……やはり現れていたか。奴等の五つの"王"の一角を担う"邪龍王"」
「…察しの通りだ。悪いがまだ名は名乗れないんでな、さっさと退いて貰おうか"初代"」
「…私が貴様に対してはい、どうぞとでも言って退くとでも?」
…どうやら"邪龍王"は余計に沙凜の怒りを買ってしまったようだ。沙凜は先程よりも更に強まった霊力を身体中から迸りさせ、顔をひきつらせながらそう言った。
「それもそうだ……!!」
そんな沙凜に対して"邪龍王"は皮肉な笑みを浮かべ、対抗するように非常に密度の高い邪悪な力、"邪力"をその身に纏い、大きい図体に似合わぬ速さで沙凜に攻撃をし始めた…。
~沙凜Side out~
……遠くから戦いの音、衝撃波が伝わってくる。どうやら思っていたよりも少し着くのが遅れた様だ。
「……奴等が貴方の言っていた邪龍? 何だか弱そうだけど…」
俺が思考にふけっていると、隣で俺に合わせるように飛んでいて日傘を持ち、緑色の髪と赤チェックのベストやスカートが特徴的な女性が余裕綽々な表情を浮かべながら話しかけてきた。
「…まあ、否定はしないな。実際奴等は一匹一匹がそんなに強い訳じゃないから」
「…正直なのは良いけれど、それじゃあ手応えが無いじゃない」
「…奴等の強みは大群で数を頼みに一気に襲い掛かるところだから、最初は優勢でも徐々に巻き返される。手応えは嫌と言う程あると思う。」
俺がそう答えると彼女、風見 幽香は肉食系の動物を思わせる、獲物を見つけた時のような(戦いに)飢えた獰猛な笑みを浮かべつつこう言った。
「それは楽しみね。殺り甲斐があるわ…♪」
…少し危ない香りが漂い始めた四季のフラワーマスターの斜め後ろには箒に乗って飛んでおり、若干引いた感じで苦笑をしている自称普通の魔法使いこと、霧雨 魔理沙がいた。一応会うのは二回目で俺が協力して欲しいと頼んだ時は多少眠そうにしながらも快く引き受けてくれたのが印象的だ。…というか、今でも眠そうだが。あ、欠伸したな。
…話を戻そう。ここまでくれば一目瞭然かも知れないが、俺がこの幻想郷風に言うなら異変と言える戦いに遅れたのは腕に自信がある幻想郷の住民達に協力を要請して回っていたからだ。その時に自身の能力を駆使してあちこちへ回り訪ね、様々な人物に会う事で多少遅れたものの何とか助っ人を連れてくる事に成功した。また、彼女達の二つ名も回り訪ねていた時に聞いたものだ。
「…そういえば霊夢はどうしたんだ? 異変解決と言えば博麗の巫女のアイツだろ?」
再び考え事をしているといつの間にか隣に来ていた魔理沙はたった今思い出したみたいな装いで俺に聞いてきた。…本人は隠しているつもりだろうが目は口ほどにものを言う、少し揺れぎみな目線から心配しているのがバレバレだ。
「…霊夢は既に戦ってると思う。今霊夢がいるのは遊び(弾幕ごっこ)と違って生死を賭けた戦場だ。最悪の事態は考えた方が良い」
俺はその事に気付きつつもあえて包み隠さず言った。これから突撃する場所が命懸けだと伝える為に。そして魔理沙を試す為に。魔理沙は俺の言葉の意味を正しく受け取り覚悟を秘めた顔つきで静かに頷いて、こう言った。
「……ああ、分かってる。今回の異変は異変解決者の中で一番強いアイツでも十分に苦戦する戦いだっていうことは」
「…そうか。まあ、紫もいるし最悪の事態の可能性はかなり低いんだけどな。魔理沙はしっかり覚悟を決めているって分かれば十分」
「…おいおい、今のは私の事を試したのかよ!? 私はいつでも本気だぜ!?」
「…さて、どうなんだろうな? この異変が終わったら霊夢に聞いてみるよ。…魔理沙はいつでも本気か、てな。」
…今、冥界は異変の為、命懸けで戦う一つの戦場となっている。その戦いは、そして夜はまだ始まったばかりだ…。
…何だかんだ急展開すぎる?
すいません…余り気にしないで下さい(汗)
しばらくはシリアスが続く予定ですので気長に待って頂けると有難いですφ(.. ;)
ではでは、次回もゆっくりしていって下さいね!