この学校、「私立郡ヶ丘高校」は俺の住んでいるこの地域では
一番大きな高校で、一番の人気校である。
理由は強豪ぞろいの部活動の他、豊富な委員会、権限の強い生徒会、なによりもその自由な校風から成っているからである。
自由といってもちゃんとした校則もあり、制服も着用が原則になっている。
では何が自由なのかというと、各部の予算、学校行事、部活申請が生徒会、委員会他、部活動からなる中央委員会によって
決められているからである。
その中央委員会では生徒が中心に話が進められるようになり、教師の権限はそこでは予算の調整や
倫理に欠けた決議に対する制限などしかできないのである。
今までの抑制されていた生徒の立場が、この学校ではとても自由なのだということだ。
なんでもこの学校の理事長が昔、学生運動に参加しており、生徒達にも高い発言力を与えたいという思いがあったため
この中央委員会制度を作ったらしい。
かというこの俺もその校風に魅惚れ、また成績的にもいけない学校でもなかったので受験してみたのであった。
自己紹介が遅れたが、俺の名は能登良太郎。見事多くの受験ライバルを打ち倒し、この学校、「私立郡ヶ丘高校」に
今日から通う普通で普遍な高校生だ。
その普通さというと、初めての高校生活に期待を膨らまし過ぎ、一週間前より入学の全ての準備を終え、
前日は夜十時に床に就き、朝4時に起床。それでもまだドキドキしていたので、2時間ほど外を爆走。
心臓の鼓動が、緊張によるものでないところまで走りきったところで、風呂に入って体をほぐし、
やりきった感漂わしながら登校するほどのものだ。(この間、約二時間)
学校までは俺の家から電車で30分ほどなので、校門前に着いた頃は早く来すぎたなと少し後悔した。
………そして、今なぜ俺がこんな独白をしているかというと、今俺が思い返した自分の行動に戒めを付けるためである。
なぜに戒め?と思う人は今の俺の現状を見れば分かるはずだ。
まあ、どんな現状なのかと言われるとそれは………
「ヘイ新入生、部活決まった?今なら可愛いマネージャー付いてるバスケ部どうよ?」
「おいおい玉投げ部なんて誰も興味ねえよ、すっ込んでな。それより君、いっしょに甲子園目指さないか?」
「毎日走りこみしかしねえ鬼畜部が何言ってんだ、ささっと帰りな。お前どうだ、ボールと友達にならないか?」
とまあこんな感じに学校の校門前で、部活の押し売りに合っている現状だ。
まわりには人っ子一人いない。当たり前だ、こんな時間に登校する高校生がいるなら見てみたいわ。あ、俺だ。
てかなんだこれは。なぜみんな俺にしかやってこないんだ。他にあたれよ、俺しかいねえよ、そうだったよ。
「えっと先輩方、俺まだこの学校入学したばっかりで知らないことが多いんですよ。
だからもう少しここについて理解してから部活とかは選びたいんですが………」
「「「うちの部活が一番まともだ!!!」」」
いやちげえよそんな話してるんじゃないんだよ。てかなんだよ、まともって。
まあ、漫画やドラマとかでもこんな勧誘してるシーン見たことあるが、まさか現実にもあったとは。
そんな最早恐喝に近い勧誘を校門前でギャアギャアと受け流していれば随分時間がたったのか、周りにもまばらに他の新入生が現れ始めてきた。
しかし目の前のこの人たちは………
「「「もうこうなったらしょうがねえ!!意地でもお前を勧誘してやる!!」」」
とおかしな意気投合を果たし、俺を逃がしてくれなかった。
てかあんたら全然まともじゃねえよ。どんな根性してるんだよ。
そしてまたまた終わることのない勧誘論争が始まり、周りに野次馬がちょろちょろと現れ始めた時、
「君達いい加減にしようねぇ~」
とこの論争に終止符を打つ猫を背負った人物が現れたのだ!!
………え,猫?
自分の語彙力の無さに凹みます(-_-;)
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