おかしな学校でのある日常   作:rinta

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第五話です。
更新遅れてすみません。


この学校に通うことになった俺について

前回のあらすじ

この学校の生徒会長はおかしい。

 

………なんてことは今回のこの入学式によって新入生全員に知られるようになった。

 

結局あの後は貝塚先輩の予告通り各部活各委員会による勧誘合戦が行われた。

どの部活も熱を入れて自分の部活に新入生が来るようにうまく、面白くパフォーマンスを行っていた。。

そして素直な感想を言わせてもらうならば、それら全ての勧誘パフォーマンスはとても素晴らしかったと俺は感じた。

なぜなら運動部も文化部も委員会も全て、新しく来た生徒の心をがっしりと掴もうと

とても面白く、自分たちの活動の魅力を前面に引き出し、少しでも好印象が与えられるように本気で勧誘していたからだ。

 

 

俺はこの先輩たちの姿を見て猛烈に感動した。

 

 

普通の学校ではこんなに必死になって勧誘活動なんてしないだろう。大体はこんなものでいいや、と妥協するだろう。

だがこの学校は違った。そう、何事に関しても本気なのだ。目標を定めたのならば、それ以上をやってやろうという志をみんな持っているのだ。

 

俺は初めてこの学校に入学して良かったと心の底から感じたのだった。

 

 

 

………あれ、遅くね。

 

 

__________________________________________________________________________________________________

 

 

 

生徒会印の勧誘パフォーマンス対決が終わったのは結局、当初の閉会時間よりも2時間遅れた時間だった。

企画が終わった瞬間に俺も含めた新入生全員が一息ついて、話し込んだりイスに座りっぱなしだった体をほぐしたりしていた。

そのあとは貝塚先輩がスケジュ―ルに無いことをやってしまったことや閉会時間を遅らせてしまったことに詫びを入れた後、

楽しかった入学式は終わっていった。

(ちなみに入学式に参列していた父兄などたちは貝塚先輩が壇上に上がってきた時点で先生たちが外に誘導していたらしい)

 

 

 

「なぁ、このあとクラス全員で交流会することになってるけど、おまえも行くか?」

 

そして現在、俺たち新入生たちは終わりのホームルームを終え、帰り支度をしているところだった。

その中で後ろの席の男子から言われた言葉がこのセリフである。

俺は一瞬何のことかとポカンとしてしまったが、なるほど周りを見てみると確かにクラス全員がどっかいこうぜ的な雰囲気になっている。

おそらくは交流の一環を目的として中学の頃リーダー的存在だった誰かが朝の内に企画していたのだろう。

そして俺は学校に到着したのは誰よりも早かったが、教室に着くのが誰よりも遅かったためこの情報を入手しそびれていた。

きっと朝この提案を持ちかけられていたら俺はおそらくすぐに賛成の意を示し、交流会に参加したのだろうが、しかし。

 

「悪い、先約があるんだ。また今度にしてくれ。」

 

まぁ今度なんてないと思うが。

そう言って断ると先方は多少意外そうな顔を一瞬見せた後、伺うような顔をしてこう言った。

 

 

「もしかしてコミュ症?」

 

「なぜそうなる。」

 

 

失礼な奴だ。

まぁそんなことはおいといてその失礼な奴(名前は前田と言うらしい)に行けない理由を伝えておくと、

もう委員会入ったのかよ、というツッコミと共に了解の返事をもらった。

どうやら前田の方から伝えておいてくれるらしい。何ていい奴なんだと思った。失礼な奴だけど。

 

 

それから俺はクラスの賑やかムードを背に風紀委員室に向かった。

今思えば朝は急いであの場から立ち去ったために、先輩たちに放課後に風紀委員があるかどうか聞いていなかった。

もしなかったらどうしようか。コミュ症などと言われながら断った交流会に今から参加するなんて赤っ恥のコキっ恥でしかないしこのまま家に帰るしかないのだろうか。

そんなことを考えていたらいつの間にか風紀委員室の扉が目の前にあった。

 

やってますようにやってますように。

 

俺はそう念じながら扉の引き戸に手をかけた。その時、

 

 

「いらっしゃ―――い!!新入せ「どわぁ!!」………大丈夫?」

 

 

思いもよらずにいきなり内側から扉が開いたもんだから、俺は盛大に尻もちをついた。これが受け身も取れないからかなり痛い。主に尻が。

 

「はい、大丈夫です。………一応」

 

俺はそう答え、顔を上げると、朝壇上の上に立っていた何とも表現しがたい美しさと可愛さを持った女子高生、貝塚遥先輩がそこにいた。

………うむ、やはりこうやって近くで見てみると本当に美人だなこの人。土器屋先輩とは一体どんな関係なんだろうか?

 

「………何じろじろ見てるの?」

 

そんな俺の奇異な視線に邪念でも感じた貝塚先輩は自分の体を手で隠すようにすると、そそくさと俺を警戒しながら風紀委員室に戻っていった。

あらぬ誤解を受けたような気がしたが、いまさら気にしてもしょうがないので俺も立ちあがって、貝塚先輩に続き風紀委員室に入った。

………入る途中、やっててよかった―と、ホッとしたことは内緒である。

 

入ってみると、朝に来た時と同じように教室くらいの大きさの部屋にでかい机とイスが何脚か、そしてその周りに棚などが置いてあるだけの殺風景な部屋だった。

そして机の周りのイスの一つには今日の朝より俺の上司となった風紀委員長、土器屋聡太先輩が悠然と………しているわけでもなく、

朝と同じように頭に猫を乗せながら、ほんわかと腰かけていた。

 

「こんにちは~、朝方ぶりだね~能登君」

 

「こんにちは、土器屋先輩」

 

うーん、やはり何考えてるか全くわからん人だなこの人は。

そうこう考えてるうちに、貝塚先輩が土器屋先輩の横に座り、俺がそんな先輩達の正面に座ることによって朝出来ていた形がそのまんま再現された。

 

するとやはり、こんな形になると先に話の主導権を握るのはこの人、

 

「で、あなたは風紀委員に入ったってことでいいのよね?」

 

そう、貝塚先輩だ。

 

「はい、そう思ってもらって構いません」

 

俺はそんな貝塚先輩の質問に対し即答するように返していく。

返事って言うのは生ものだ。声すために費やす時間が長ければ長いほど相手に疑心を与えてしまう。

だから俺はなるべく返事は早く簡潔にするように心がけている。

 

「そうなの、以外ね。朝聞いた時はてっきり速攻で断ると思ったからびっくりしちゃったわ。」

 

あ、そうなんだ。だから二人ともあんなに驚いた顔してたのか。

そんな疑問が一つ解けてすっきりした俺を差し置き、貝塚先輩はさらに質問をする。

 

「で、何で風紀委員何かに入ろうと思ったの?自分で言うのも何だけど朝のあの小芝居はとてもひどかったと思うわ。もしやあなた、新田側の人間?」

 

新田。その名前が出てきて、いきなりこの場の空気が凍った。

貝塚先輩は疑うような目でこちらを睨みつけ、土器屋先輩も貝塚先輩と同じくおろおろとしながらも俺を見やっている。

 

新田文明。

その名前をこの生徒会長が気にするのは別段おかしくない。なぜならこの人物こそが貝塚先輩が一年だった頃に立ち向かった悪の元凶であるのだから。

まあこの人物に関してはおいおい話すとしよう。今現在俺に求められているのはそんな説明じゃなく、貝塚先輩の問いに対する答えなのだから。

 

「新田文明先輩のことで疑っているんでしたら違いますよ。おれはただの普通の一般生徒で、この委員に入ろうと思ったのは、タダの興味です。」

 

「「………興味?」」

 

どうやら二人とも俺の態度から新田のスパイではないと察したようで疑いの目を解いた。しかし新たに疑問に感じたキーワードにまたも小首をかしげるのであった。

 

………ふふふ。ついに教える場が出来てしまったようだな、この俺、能登良太郎について教える場が!!

 

「先輩たち、普通じゃないものって何だと思いますか?」

 

俺は先輩たちに質問をする。(この場合相手は明確にこちらに質問を促してないので、質問を質問で返す行為には当たらない)

先輩たちは質問の意図が掴めていないのか、またも首をかしげていたので俺は話を続けた。

 

「その質問、俺が小さい頃、知り合いのおじさんからされたことがあるんですよ。

いきなりこんな質問されて答えられるわけないですよね。俺もまだ答えがでてません。

でも俺はその答えにいつか答えを付けられるようにしたいんですよ。

きっとおじさんは何か意味があってその質問を俺にしたんだろうなって、今もそう思って仕方がありませんから。

それでもし答えが出たなら、そしたらなんでおじさんが俺にそんな質問したのか分かるかもしれないから。

それでここなら答えを見つけられるかもと思ったから俺はこの委員会に入ったんです。」

 

俺はまくしたてるようにそう言うと、ホッと一息ついた。この話は俺の短き16年生きた中での一番の疑問であった。

なぜおじさんはそんな質問を俺にしたのか、どんな意図を持って質問したのか、その問いの先には何があるのか、

今でも俺にはそれが気になってしょうがない。だからこそ、俺はここにいるのだ。

俺はこの人たちを一目見て、普通じゃないと感じた。そして、今までもその感覚を感じたことが多々あったが今回は最もそれに近い感覚がしたのだ。

だから俺はここ、風紀委員会に入ったのだ。

 

俺はふと先輩たちの方を見た。先輩たちは急に押し黙っていた。

動機が不純すぎたか、それとも遠回しに風紀委員会は普通じゃないと言っていることに怒ったか。

理由は定かではないが、二人とも本当に黙ったままなのでだんだんと怖くなってきた。その時、

 

「~~~ッ合ッッッ格!!」

 

いきなり木塚先輩が大声をあげてイスから勢いよく立ちあがってこちらをキラキラした目で見つめてきた。

 

「いや、遥ちゃん、それ僕の台詞だから………」

 

土器屋先輩の方も黙ったままの姿勢を解き、貝塚先輩に突っ込みを入れた後、こちらに向き直る。

 

「まぁというわけで能登君、これで晴れて君も風紀委員だよ。これから一緒に頑張ろうね~」

 

そう言って土器屋先輩が握手を求めてくる。

 

………なんだかよく分からないがどうやら風紀委員への入会が認められたらしい。俺は差し出された手に俺の手を重ねた。

 

きっとこれからめんどくさいことや大変なことがたくさん起こることだろうな。

 

 

 

 

その握手には、そんなことが予兆されていたように、その時の俺は感じていた。

 

 




文字数が全然上がらない……
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