「ここは・・・?」
目を覚ますと見慣れない景色が広がっていた
頭に氷水が当てられ体に白い毛布がかけられていることから病院かと考えたが
そうではないらしい。
起き上がって部屋をよく見てみると、たくさんの本棚があり、全て本が一杯に置かれていた。窓がないため今いる場所は全くわからない。
何で俺はここに?
確か俺は公園に居て、それから・・・
「あ、やっと目を覚ましたんですね」
「うわあっ!」
考えることに集中していた俺は不意に聞こえてきた少女の声に情けない声を上げてしまった。
「わわわっ!ごめんなさい!驚かせるつもりは無かったんです!」
「別に大丈夫で・・・・!?」
言葉をかけようと目の前の少女を見た時目を疑った。
可愛い・・・
俺が今まで本やサイトで見た女性の誰よりも可愛い。
年は14,15くらいだろうか。
雪のように白い肌とエメラルド色の目が印象的だ。
「あの・・・どうかしましたか?」
「え?いや何でもないですハハ・・・」
何とか愛想笑いで誤魔化したが恐らく伸びきった鼻までは誤魔化せなかっただろう。
「あの、お名前聞いてもよろしいですか?」
「赤石和也です」
「カズヤさんですね。私は柊夜奈です。よろしくおねがいします」
ヨナさんはそういってニッコリと笑った。
可愛い・・・
しかも下の名前を呼んでくれた・・・
思わず俺の口にも笑みが零れる。
だが、一通りの自己紹介が終わった所で一つの疑問が浮かんだ。
「あの、僕を助けてくれたのは誰なんですか?」
俺は中学、高校と陸上部に所属していたため太っているほうでは無いと思うが、細身のヨナさん一人では運ぶのは厳しいだろう。
「それは弟のレンです。昨日の夜に、倒れていた人がいたって言ってて」
弟?ということは彼女より年下なはずだ。
恐らく相当頑丈なのだろう。
「そうなんですか。ご迷惑をおかけしました」
「いえいえ、彼も気にしてないですよ。こちらこそ、病院に連れていけなくてすいませんでした。急にこんな所に連れてこられてビックリしましたよね」
「それは別に大丈夫です。助けてもらえなかったらどうなっていたか」
確かに病院に連絡したほうが良いのは確かだが、そうしなかったおかげでこんな美少女と話す機会をもらえたのだ。
弟君には感謝しなければならないだろう。
「あ、じゃあ私からも質問いいですか?」
ヨナさんはそういって指を一本立てた
「なんですか?」
「あの、外の世界って怖い所なんですか?」
外の世界?俺にはヨナさんの言っている意味わからなかった。
「あの、それはどういう?」
「レン・・・弟が言っていたんです。外の世界は怖いから絶対に出るなって」
彼女はこの家の外の言っているのだろうか?
何はともあれヨナさんが誤解しているのは間違いない。
「別に怖いところじゃないですよ。まあ、色々ありますね」
綺麗なところもあれば汚いところもある。
俺は心の中でそう付け加えた。
「カズヤさんは外の世界から来たんですよね?じゃあ、外の世界の本とかも持ってるんですか」
ヨナさんは目を輝かせてこちらに身を乗り出してきた。
洋服の影響で気づかなかったが意外に胸も・・・
おっといけない。
俺は誤魔化すように自分のバッグを探った。
「あ、ありました。こんなのでいいですか?」
俺は中にあった求人情報誌を取り出した。
「うわあ!すごい!ありがとうございます!」
「おーい!姉ちゃん。病人を困らせちゃだめだろ。それに姉ちゃんもあんまり騒ぐと体に悪いよ?」
ヨナさんが飛び跳ねんばかりに喜んでいるところに一人の若者がやってきた。
俺より背が高く、屈強な印象が持てる。
この人がヨナさんの言っていた弟なのだろうか。
でも、弟にしてはあきらかに似ていないし、体格も違う。
いったい彼は何者なんだろうか?
「あ、ごめんなさい!私ったらつい・・・それじゃまた・・・」
自分の行いが恥ずかしくなったのかヨナさんはやってきた若者の紹介をしないまま顔を真っ赤にして部屋から出て行った。
ここから本編が始まっていきます
また次回も見ていただけたら幸いです!