魔法科高校の武器商人<修正版>   作:akito324

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18話です。
課題が忙しくて少々いつもより遅いペースになりましたね
それではどうぞ!


18話 引き裂かれる(?)兄妹

2095年 4月4日 第一高校 校門前

 

必ず物事には原因や経緯がある。

清夜が復讐を誓うのも司波兄妹が仲良しを通り越しているも必ず原因や経緯があるはずだ。

そう、今清夜の前で起こっているトラブルにも・・

 

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2095年 4月4日 第一高校 食堂

 

清夜達は工房見学を終え食堂で昼食を取っていた。

魔工師志望の三人は満足気に感想を述べる

 

「工房見学とても有意義でしたね。」

 

「あぁ、設備も充実していた。」

 

「さすがは国立だよね。」

 

レオは若干唸った。

 

「う〜ん、最後にやっていた作業 俺にできるかな?」

 

「え・・・あんた自分にあんなことができる可能性があると思っていたの?」

 

もちろんエリカがバカにする。

 

「なんだと!?というか何でお前がいるんだよ?俺は達也と美月と清夜と食べてるんだ。どっか行けよ。」

 

「私が達也君と美月と清夜君と食べてるの!アンタがどっか行きなさいよ。」

 

清夜達5人は6人席で男女で向かい合う形で座っているので邪魔ということではなかったのだが

朝からこの調子なので清夜は呆れて仲裁を諦めている。

そこに授業を終えたトラブルメーカー(もちろん本人が起こしてるわけでも扇動しているわけではない)が現れる。

クラスメイトとが付いて来る形で・・

 

「お兄様!!私もご一緒してもよろしいですか?」

 

レオは面識がないので小声で達也に尋ねる。

 

「えと・・どちらさん?」

 

「妹の深雪だ。」

 

「初めまして、妹の司波深雪と・・」

 

深雪が挨拶しようとするところで深雪のクラスメイトから声がかかる。

 

「待って司波さん!!二科生(ウィード)と食事をするつもり?」

 

二科生(ウィード)なんかより、私たち一科生(ブルーム)と食べましょう。」

 

花冠(ブルーム)雑草(ウィード)のけじめはつけるべきだ。」

 

「そうだよ」と他の一科生(ブルーム)も同調する。

さらには茶髪の男子生徒がレオの前に立つとこんなことを言う。

 

「君たち、席を譲ってくれ」

 

最初に反応したのは やはりレオとエリカだった。

二人は立ち上がって睨みつける。

 

「んだと・・」

 

「はぁ?・・」

 

だが茶髪の男子生徒は気にせず、こう続けた。

 

「だってそうだろう?君達 二科生(ウィード)は補欠にすぎない。だから食事だろうと僕達 一科生(ブルーム)が優先されるのは当然じゃないか。」

 

あまりに失礼な物言い・・

さすがの美月も我慢が切れそうになり立ち上がる。

達也はというと昔ならば怒りすら込み上がらない状況だが今は違う。

表情や行動には出さないものの不快な気持ちでいた。

 

そんな二科生メンバーでただ一人、清夜だけは平然と見ていた。

まるで他人のように・・

清夜は考える。

 

(平和ボケで選民思想の人間ほど扱いやすいものはないな。どうせなら煽って双方戦わせて達也の実力を測ってみようか・・)

 

「皆やめよう?、たかが(・・・)入試の結果で争うことないだろう?」

 

清夜は止めてるように見えるが実際は『実力はないんだろ?』というニュアンスで双方を煽っている。

双方、見事に清夜の口車に乗せられ戦闘モードに入ろうとする

 

「だったら実力行使で奪ってやろうか 二科生(ウィード)・・」

 

「ハン!やれるもんなら、やってみなさいよ」

 

だが一触即発のムードの中、達也は立ち上がる。

 

「俺は終わったから行くよ深雪。」

 

「いいのかい?せっかく兄妹で食事ができるのに?」

 

「ああ、家でもできるからな。」

 

(あらまぁ、本当にお利口さんだこと・・まぁここは達也の意思を尊重しますか。)

 

「そう、じゃっ!俺もご馳走様でした♪」

 

清夜は達也を引き止めながらも便乗する形で去っていった。

すると気力が削がれたのかエリカ達も怒り、呆れながらも席を離れる。

 

「あほらし・・」

 

「まったくだぜ・・」

 

「・・・・」

 

そうして席が空く。

茶髪の男子生徒は紳士振るかのように椅子を引いた。

 

「さぁ、こちらへどうぞ司波さん。」

 

だが深雪は冷たい笑顔で断る。

 

「いえ、そこは皆さんで使ってください。北山さん、光井さん。私達は向こうの方で食べましょう。」

 

「えっ・・」

 

「うん」

 

「は、はい!」

 

深雪は今日できた友人と共に席を後にする。

自分がバカにされたわけではないが一番不快な気分でいたのは深雪だった。

だがこれはトラブルの第一幕にすぎない・・

 

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2095年 4月4日 第一高校 遠隔魔法実習室

 

美月の提案で午後は遠隔魔法実習室にいた。

 

この授業では十師族、それも序列二位の『七草』家の長女にして遠隔魔法の天才『七草真由美』が実習をするということで教室は見学者でギュウギュウ詰めになっていた。

 

『十師族』、清夜の日本におけるビジネスの最大の難敵にして日本最強の魔法師集団。

魔法技能師開発第1〜10研究所の出身である二十八家から4年に一度の『十師族選定会議』で選ばれた10の家系が『十師族』と名乗る。

 

彼らは苗字に出身研究所の数字を入れている。

表向きは民間人なので表権力は放棄しているものの政治の裏側では司法当局を凌駕する権勢を持っている。

 

国防軍に対する発言力の強さがその証拠。

沖縄、佐渡防衛から武器などの仕入れ割合は十師族関連企業から3割、DEMからは6割となったが

発言力ではDEMが十師族と同じになっただけである。

 

といっても清夜は憎らしげに見ているわけでなく普通に見ているわけだが

後ろから先ほどの男子生徒の声が聞こえる。

 

「うおっ苦しい・・おい、なんで 二科生(ウィード)が最前列にいるんだよ!?」

 

いるも何も彼らが追い出したから早く来れたわけだが男子生徒は 二科生(ウィード)がいることに不満のようだ。

 

(達也達は気付いてなさそうだし・・・まっ、いいか。)

 

清夜は無視することに見学に集中する。

この第二幕は昼食のときとは逆に一科生の不満がたまるだけで終わった。

 

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2095年 4月4日 第一高校 校門前

 

とうとう双方の怒りが抑えられなくなり第三幕が始まる。

ことの始まりは下校の際のこと。

深雪が兄と帰ると言うのに深雪のクラスメイトがしつこく付きまとったのが始まり。

だが意外にも最初にキレたのは美月だった。

 

「いい加減にしてください!深雪さんは達也さんと帰ると言っているじゃないですか!?」

 

「うるさい!!僕たちは司波さんと親睦を深めたいだけだ! 二科生(ウィード)は黙ってろ!!」

 

その言葉を皮切りに野次馬が集まる

見た目よりも芯の強い女性に清夜は驚いた。

 

(まぁどんなに穏便に済ませても納得しなければ問題の先送りにすぎないんだけどね・・にしても、まさか美月が最初にキレるとは・・いやはやご立派なお嬢さんですな。)

 

達也と深雪は二科生メンバーの一歩引いた場所で見守り

そんな清夜はそのさらに一歩後ろで見学していた。

清夜は学校で使える普通のデバイスをオンにして胸ポケットにしまう。

 

 

美月は怖じ気付かずに続けた。

 

「一緒に帰りたければ付いていけばいいのに、何で二人の仲を引き裂くんですか!?」

 

「な、なな仲を引き裂く!?な、なにを言ってるの美月!?か、かかか勘違い、勘違いですよ!?」

 

深雪は顔を真っ赤にしながら否定する。

それに対し達也は疑問を浮かべ、清夜は微笑する。

 

「なぜに焦り、疑問系になるんだ?」

 

「フフーフン♪・・司波さんは よくある恋愛ドラマを自分に置き換えて想像、もとい妄想したんだよね?」

 

「?」

 

「し、清夜さんも勘違いです!!勘違いですよ!?」

 

達也はさらに疑問を浮かべ、深雪はさらに真っ赤になる。

そんな間にもレオとエリカを加えた口喧嘩が続く。

 

「はん!そんなことは自活でやりなさいよ!」

 

「そうだ!本人の意思を無視してまでやることじゃないぜ!」

 

エリカもレオも我慢が切れていたようだ。

だがどんなに正論を述べても一科生の選民思想がそれを許さない。

昼の茶髪の一科生が前に出る。

 

「うるさい!君達雑草(ウィード)に僕達花冠(ブルーム)のなにが分かる!それに君達はこの実力主義の学校で補欠なんだ。つまり存在自体が僕達より下なんだ。下は下らしく黙って従っていろ!」

 

「同じ新入生なのに!今の時点でどれだけの差があると言うんですか!!」

 

美月の反論で一瞬静かになる・・

だが茶髪の男子生徒が口元をにやけてこんなことを言う。

 

雑草(ウィード)花冠(ブルーム)の違いも分からないか・・ならその差を体に教えてやろうか?」

 

「おもしれぇ是非ともご教授していただきたいぜ。」

 

(あ〜あ、清夜さん的にも面倒くさそうになりそう・・逃げようかな・・)

 

レオも買い言葉のつもりで言ったのだろうが その言葉が本格的な喧嘩の引き金になる。

茶髪の男性は特化型のCADを取り出すと起動式を展開する。

 

「これが実力の差だぁ!!」

 

「お兄様!!」

 

「わかってる」

 

達也は手を前に出し何かをしようとしていた。

清夜はラッキーと思い観察する。

 

(おっ!思わぬところで達也の実力が見れるんだ。起動式を見て解析してみますかね。)

 

清夜は仮想デバイスの『ニューロリンカー』で起動式を見ようとする。

仮想デバイスの使用、持ち込みは校則で禁止されているが首につけるタイプの仮想デバイスは市場に出ていないので気づかれることはなく余裕で持ち込めていた。

 

だが達也が何かをすることはなかった。

 

ガキィン!!

 

エリカが警棒で茶髪の男子生徒のCADを弾いたのだ。

清夜は残念ながらも あることに気づいた。

 

「あれは刻印型のCADか・・」

 

「そのようだ、かなり珍しいな」

 

達也も気づいていたのか同調した。

エリカは警棒を男子生徒に突きつける。

 

「この距離ならこっちの方が早いのよね。」

 

清夜は誰にも気づかれぬよう、いや自分自身すら気づかぬうちに微笑んでいた。

 

(そうか・・変わったんだねエリカちゃん。それに比べて俺は・・)

 

とそこで後ろにいる別の一科生がキレながらCADを取り出す。

 

雑草(ウィード)ふぜいがーーー!!」

 

(おとと・・感傷に浸ってしまった。どうやら盛り上がってるようだし・・達也には頑張ってもらおうか)

 

清夜はここで達也を試すことにした。

清夜は深雪と達也の前に出ると終わらせようとみせかけて煽る

 

「ねぇ、もうやめようよ!俺が言うのもなんだけど差は分かったじゃないか!これ以上やると教員とかに・・」

 

『差が分かった』という言葉にカチンと来た一科生は怒りと魔法の矛先を清夜に向ける。

 

「なんだと!!俺たちの方が上なんだよ!」

 

(さて相手が下手したり俺が避けたりすると魔法が妹さんに当たるかもよ?どうする達也?君は妹を守れるかな(・・・・・・・・・)?)

 

達也は顔をこわばらせる。

 

(まずい!止めるのは構わないがその位置では下手したら深雪に!・・いや、そもそも止める気あるのか!?とにかく魔法を止めなければ・・)

 

達也はまた手を前に出す。

だがまたしても達也が何かをすることはなかった。

 

ガッ!!

 

人混みから清夜を狙った一科生に向かって石が投げ飛ばされたのだ。

石は起動式を展開していた一科生の頭に思い切り当たる

そして魔法もキャンセルされる。

 

「うがっ!!誰だ!!」

 

一科生も美月たちも犯人を捜すが見つからない。

とそこに『思考通信(・・・・)』がはいった。

その声は冷たい、だが優しい声色の女性の声だった。

 

『マスター、何をなさっているのですか?悪目立ちはしないとか言っておりませんでしたか?』

 

その正体は学内護衛のBだった。

清夜は彼女につけた愛称で呼ぶ。

 

『アルか。な〜に、司波達也の力を測ろうとおもってね。彼の話は聞いていただろう?そして君に邪魔されちゃったってわけ』

 

『それは謝罪しますけど、もう風紀委員に通報しました。できれば控えた方がよろしいですよ・・そろそろ委員長と会長が到着します。』

 

『分かった、君の言う通りにしよう。君は何食わぬ顔で元の生活に戻ってくれ。』

 

『了解』

 

そこで通信が終了する。

だがその間にも喧嘩の盛り上がりも最高潮になっていた。

 

雑草(ウィード)が調子にのるなよ!!」

 

「私達花冠(ブルーム)のほうが強いのよ!!」

 

喧嘩相手の一科生の殆どがCADを取り出す。

それでも一科生のなかにも止めようとする人間が現れる。

それは美月の次に気の弱そうなツインテールの女子生徒だった。

 

「皆!もうやめて!」

 

彼女はすでに起動式を展開し始めていた。

深雪は止めようとするが達也が制する。

 

「大丈夫だ。それに・・」

 

その時、清夜の『ニューロリンカー』から解析予測がでた。

 

(光学系の閃光魔法・・・威力も抑えている。)

 

そして彼女の起動式が展開終了しようとした時

彼女の起動式が吹き飛ばされた。

正確にはサイオン粒子の塊で撃ち抜かれたのだ。

 

「きゃ!!」

 

「やめなさい!人を対象にした魔法は犯罪行為ですよ。」

 

「風紀委員だ!全員その場を動くな!」

 

人混みから風紀委員長の『渡辺摩利』と生徒会長の『七草真由美』が現れる。

摩利は閃光魔法を使おうとした女子を呼ぶ。

 

「そこの女子!先ほど攻撃魔法を使おうとしたな。君には特に話を聞く必要がある。」

 

「そ、そんな・・」

 

清夜はそれが攻撃魔法でないことが分かっていたが庇うつもりはなかった。

ここで庇っても風紀委員や生徒会に悪い印象を持たれ目につかれる可能性があるからだ。

 

(俺が煽ったのに、すまないな。昔なら庇ったんだけど・・今の俺は・・悪党・・なんでね)

 

とここで摩利の前に一人の男子生徒が出る。

 

「すみません 遊びが過ぎました。後学のために森崎一門のクイック・ドロウを見せてもらおうと思ったのですがあまりの勢いに手が出てしまいました。」

 

意外にも庇ったのは達也だった。

清夜もそこで森崎の名前を思い出す。

 

(あぁ、森崎って言えば護衛家業の『MSS(Morisaki Security Services)』のとこか、でも今は客も人材も『DSS(Deus Security Services)』に取られてるだろ。よくもまぁ威張る余裕があるもんだ。いやむしろ業績が下がってきてるから威張って大きく見せる必要があるのか・・)

 

「ほう、では会長が吹き飛ばした魔法も勢いで出てしまったと?」

 

摩利は起動式を展開させ照準を達也に向ける。

 

「あれは只の閃光魔法です。威力も弱めてありました。」

 

「ほう、君は起動式を見えるということか、それに誤魔化すのも得意なようだ・・」

 

摩利は達也を睨みつけるが達也は全く動じない。

 

清夜はそれがハッタリの類ではないことが分かっていた。

 

(正解・・すごいな道具なしで起動式を見たのか、いやそれよりも、あの短時間で解読出来たのか・・やっぱり普通じゃない・・経歴は嘘だな)

 

清夜は達也に対する警戒レベルを上げた。

 

その達也は笑顔で誤魔化す。

 

「実技は不得意ですが分析は得意です。それに誤魔化すなんてことは・・自分は二科生ですから」

 

摩利はまだ納得いかない様子だっだがそこに真由美からもフォローが入る。

まるで貸しだぞ言わんばかりに

 

「もういいんじゃない?達也君達は本当に後学のためだったようだし。」

 

真由美は摩利に可愛らしくウインクをする。

摩利は真由美の意図に気づいたのかニヤけた。

達也もそのことに気づいていたが仕方ないと割り切っていた。

 

「会長がこう仰っていることなので今回は不問にします。だが各々反省するように」

 

そうすると一同は頭を下げる。

罪悪感はあるものの謝罪する気0の清夜は反応が遅れてしまい慌てて頭を下げた。

摩利と真由美は何かに気づいたのか更に人の悪い笑顔になる。

そして摩利は去り際にこう聞く。

 

「君と最後に頭を下げた君の名前を聞いておこうか・・」

 

「1-E 司波達也です。」

 

清夜は聞こえないフリをしたが摩利はそれを許さない。

 

「・・君だけ出頭するかい?」

 

清夜は心の中で舌打ちして気づかなかったように振る舞う。

 

「じ、自分でしたか。すみません。同じく式 清夜です。」

 

「二人共覚えておこう。」

 

達也は心の中で「結構です」と言ったが清夜は聞こえないぐらいの小声で呟いた。

 

「結局、目をつけられたか・・三歩歩いて忘れてくんないかな」と・・




今回、オリ主が暴れると期待した皆さん!ごめんなさい!
残念ながら暴れないんですよ・・

次回予告!
エリカとまさかのイイ感じに!え、てか展開早すぎない!?

次回もお楽しみに!

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