これから前書きには前回までのあらすじを書こうと思います。
というわけで・・
前回までのあらすじ!
一科生と二科生の区別意識が高い第一高校に入学した清夜。彼はそこで達也、深雪、エリカ、レオ、美月と出会う。しかし清夜は深雪を巡る喧嘩に巻き込まれる。結果、喧嘩は終わったが風紀委員長と生徒会長に目をつけられるのだった。
2095年4月4日 東京 八王子
会長達が去った後、茶髪の男子生徒が「森崎駿」と名乗ったり摩利に声をかけられた達也と清夜に認めない宣言されたり。深雪のクラスメイトの友人「光井ほのか」と「北山雫」に達也が感謝をもらって自己紹介されたり。とにかく清夜にとっては散々な1日だった。
(悪目立ちせず、爽やかに優しく振舞って人脈構築するはずだったのに・・はぁ・・)
今は二科生メンバーと深雪とほのかと雫と一緒に帰っていた。
話題はCADの話になっていた。
ほのかは興味津々に話をする。
「じゃあ司波さんのCADは達也さんが調整してるんですか。」
「調整ってほどの物じゃないけどね。」
達也は謙虚に答えるが美月達はさらに賞賛する。
「それでもCADにアクセス出来るだけのスキルが必要ですよね。」
「それだけのスキルを身につけてるのか〜すげーんだな達也。」
深雪は兄の賞賛をまるで自分のことのように喜んでいる。
するとエリカは自分の警棒を取り出した。
「じゃあ達也君、今度私のCADを調整してよ」
「無理だ。そんな特殊なCADは生で初めて見た。」
達也と清夜以外どこにエリカのCADがあるのか分からなかった。
エリカは警棒を回しながら答える
「流石だねーこれがCADだって気付いちゃうんだ。」
「清夜が最初に気付いたけどな」
「へぇ〜清夜君もやりますな〜じゃあ清夜君にお願いしようかな?」
エリカは清夜に笑顔で振り向きすり寄ってくる。
清夜にはその笑顔が今日1日で何よりも苦しかった。自分は何をやっているんだと・・
だがそんな素振りは見せず答える。
「刻印がうっすら見えたからね。それと俺にも調整なんて出来ないよ」
「ちぇーつまんないの」
そこでレオが疑問をぶつける。
「じゃあその警棒がCADで刻印型の術式が刻まれているのか。そんで弾いた時に使ったのは硬化魔法か・・でもそれって魔法発動のためにサイオンを流し続けなきゃいけないんだろ?サイオンが枯渇しないのか?」
エリカは今日初めてレオを褒める。
それでも若干小馬鹿気味だが
「さすがに専門ではあるわね。でも90点。振り込みと打ち出しの瞬間だけサイオンを流せばそこまでサイオンを消費しないわ。」
するとその場の全員がエリカを見つめる。
「え、なに!?私、なんかやらかした。!?」
「エリカ、それって兜割りの類と同じことじゃない?サイオン量が多いとかより凄いことだけど・・」
深雪は冷静に解説し
「実は魔法科高校って一般人じゃない方の方が多いのかな?・・」
美月は疑問を浮かべ
「魔法科高校に一般人はいないと思う。」
初めて喋った雫がそう締めくくった。
そう少なくとも清夜に関しては一般人とは言えなかった。
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2095年4月4日 東京 八王子
色々と寄り道をした一同はコミューターの停留所で解散となった。
その後一度自宅に向かうことにした清夜は一人コミューターを待つ。
「司波達也、PD(パーソナルデータ)を偽装した魔法師か・・まだ仮定に過ぎないが・・・こんなこと出来るのは大分限られてくるよな〜本人自身が超ド級のハッカーであるか、バックに国が絡んでいるか、それとも十師族、それも少なくとも序列3位以上の一族が絡んでいるか。うーん、藪をつついてアナコンダとか大蛇がでても困るしな〜せめて一科生を使って実力だけでも測っておくか。ん?」
「し〜ん〜や君!!」
後ろから突然抱きつかれる。
「千葉さん、もう帰ったんじゃなかったの?」
「フフン♪一緒に帰ろうと思ってね。」
エリカは可愛くウインクしてアピール。
あまりのベタつきに周りからは変な視線が飛んでくる。
「え、いや・・方向は同じかもしれないけど・・」
「コミュターは二人乗りなんだしいいじゃない、いいから乗った乗った♪」
清夜は罪悪感からなのか抵抗する
だがエリカにグイグイと押され一緒にコミューターに乗ることになってしまった。
コミューターは繁華街沿いの道を走っていく。
狭い車内なのにさらにベタベタとすり寄ってくるエリカ
「んふふ、やっと二人きりになれた〜。なんだかドキドキするね清夜君!!」
「そーだね(棒読み) CADでも磨くか〜」
清夜はリボルバー型のCADを取り出し磨き始める。
エリカは素っ気ない反応が気に入らなかったのか猫のように『フシャーッ!』と怒った。
「コラコラコラ!!可愛い女の子がいるのに、その態度はなんだー」
「自分で可愛いて言っちゃうんだ・・」
「む〜清夜君は女の子が嫌いなの!?・・はっ、まさか・・!!」
「いや、ホモじゃないから。トラブル起きたばかりなのに千葉さんは何がしたいんだい?」
さすがにホモ疑惑は嫌なのでキッパリと否定する清夜
正直、この後どうしようかと考えていると
エリカは顔を赤らめながら聞いてくる。
「ん〜、じゃ、じゃあストレートに聞くけど・・清夜君には好きな人とか・・いる?」
なんだ、そのマンガチックな展開は?と言いたい気持ちを抑えて
清夜は2年前のエリカと森崎のCADを弾いたときのエリカを比べる。
そして思う。
彼女はいい意味で変わったなと・・・
暗い印象の彼女が明るくなり、そして誰かを守る力を持っている。
なにより力を正しく使えていた。
並々ならぬ努力だったのだろう・・
同時に何も変わらない自分を嘆く。
それに比べて自分は何も進歩していないと・・
力も金も手に入れた。だが人間としてはまるで進歩していない。
力を振りかざし、人々を武器で唆し利益を得ている。
俺が憎む悪人達となんら変わらないと・・
清夜は静かに口を開ける。
「・・今は・・いない」
エリカはその言葉を聞くなり、さらに近づいてくる。
それは密着していると言っていい距離だった。
「じゃあ言うけどね。これは口説いているの・・君を。これぐらい言えば後のことは分かるよね?」
「口説くって・・まだ入学二日目だよ?」
「う、うん。入学式の日ね。清夜君見た時ボーとしてたでしょ私?あ、あの時ね・・ひ、ひひ一目惚れしてたの。『あぁ、これが恋なんだ』って。だけど清夜君ルックスがいいから・・他の子に取られると思って・・早すぎたけど告白したの」
未だ続く密着の状態。
エリカは恥ずかしながらも勇気をだして目を合わせているような様子だ。
それに合わせてなのかコミューターも人気のない道にはいる。
入学二日目ということを除けばそれなりに良い雰囲気
だが清夜は冷静でいた。
「それは気のせいだよ。入学の緊張で心が落ち着かないだけだって。」
エリカは涙目ながらにキッと睨む。
「気のせいなんかじゃない!!昨日も今も、この気持ちは気のせいなんかじゃ・・。お願い清夜君・・友達からでもいいから・・グスッ・・私と・・」
「・・・」
とうとう顔まで近づく二人。
清夜は誤魔化すためかこんなことを言う。
「ところで・・」
「誤魔化さないで!!・・清夜君・・お願い・・」
二人の顔が重なりかける。
そしてキスの寸前・・
「
ガキン!!
そういうと清夜はナイフを取り出しエリカに刺しかかった。
エリカはギリギリのとこで警棒型CADで防ぐ。
エリカの目は驚きで満ちていた。
「何をするの!?私は・・」
「見事だよ・・本当に見た目は同じだ。武器も同じ、入学式や今日のことまで覚えている。そして一番驚いたのはサイオンまで同じになっていることだ。どんなトリックを使ったんだい?に・せ・も・の・さん?」
「ちっ!!」
ガガッキンッ!!
エリカ(?)は自己加速術式を使い高速の斬撃を打ち付ける。
だが清夜はそれを
「剣術の腕まで同じとは・・本当に何者なんだい君は?」
エリカ(?)はエリカの声で答える。
「それは私のセリフよ!!我らの術を見破るだけでなく、加速された斬撃を魔法なしで防ぎやがって!!で・も・まぁ、しょうがないわ。眠らせる予定だったけど骨の二、三本・・いや顔とかがグチャグチャになっても我慢してね♡千葉じゃないけど、私が愛してあげるから」
「・・・」
攻撃的で歪な笑顔を見せるエリカ(?)
清夜は無表情で見つめた。
するとエリカ(?)は次なる魔法を仕掛ける。
「秘剣!山津波!!」
「っ!?」
ドガギッ!!
『山津波』を受けてエグい音を立てるナイフ
ギリギリ清夜はナイフや骨に硬化魔法をかけて山津波を防いでいた。
しかし清夜は驚きを隠せなかった。
『山津波』とは千葉家の秘剣である加重系・慣性制御魔法の系統魔法である 。
術者と刀にかかる慣性を極小にして高速接近し、インパクトの瞬間に消していた今までの慣性力を上乗せして叩きつける
剣が重く、助走が長いほど威力があがる恐ろしい魔法である。
だが驚いたのは威力ではなかった。
『山津波』が使えることに驚いていた。
そもそも『山津波』とは知覚速度と運動神経が必要条件で型だけ真似ても「使える」わけではない 。
エリカが使えるかは知らないが千葉でもなさそうな人間がどうして使えるのか分からなかった。
「やっぱり、こんな警棒で助走できないんじゃ『山津波』の威力もこの程度ね。そもそも刻印されてないから発動に時間がかかっちゃうからな〜」
「千葉の魔法まで使えるだと・・!?」
「そうよ〜すべてが同じ私が清夜君を壊して、グチャグチャにして、愛してあげるから・・おいで?」
「お前・・・マジで死ね」
清夜は普段から笑顔、笑顔と言い聞かせているが今は怒りすらも隠せない。
口調も自然と変わっていた。
清夜はリボルバー型のCADで放出系魔法「スパーク」を選択する。
「あ〜らら♪」
キキキィー!!
「何!?」
突然、回転するコミューター。
どうやらコミューター制御權はエリカ(?)が握っているようだ。
清夜はバランスを崩しCADを手放してしまう。
「このコミューターはね。私の仲間が作ったリモコンで制御してるんだ♪しかもこのコミューターは一時間前付で廃棄処分になったことになっているの。情報上ね♪だから安心して」
「ちっ!!」
「遅いよ!」
ナイフを振りかぶる清夜
だがそこにエリカ(?)の容赦ない斬撃が降りかかろうとする。
「これで・・終わり!!・・あれ?」
勝利宣言をするエリカ(?)
だが彼女の手に警棒はなかった。
エリカ(?)が見渡すと警棒は宙を浮いていた。
もちろんこれは清夜のBS魔法『電気使い』で磁力を操作し金属製の警棒を取り上げたのだ。
「なにをしたの!?CADなしで!」
「教えるかよ・・だがCADならここにもあるぜ」
清夜はナイフを見せつける。
そのナイフは刃こそ市場に出回っているものだが、持ち手の部分は特殊だった。
普通に持った時でいう親指が乗っかる面にダイアルのようなものが付いている。
「そうか刻印型ではなくダイアル式で術式を選ぶ特化型・・ならもう一度・・・なっ!?、制御も効かないなんて!!」
これもBS魔法の応用魔法『マリオネット・ジャック』だ。
今度はお返しにコミューターを暴れさせる。
キキッ!!キキィーー!
「きゃ!」
エリカ(?)も耐えられなくなり姿勢が崩れかかる
シャキッ・・
「これで終わりだ・・目的と雇い主と変装術について語ってもらおうか。」
ナイフがエリカ(?)の首元で止まる。
先ほどまで怒っていた清夜も終わりを告げると同時に冷酷なものになる。
だがエリカ(?)の目には余裕が見えていた。
「喋らなきゃ殺すって?残念だけど・・」
「バックにある爆弾で道連れになる・・・だろ?悪いがそれも魔法で信号を受け付けないようにしたぞ。」
「そんな・・いつから私に気づいていたの?」
「抱きつかれたときからだ・・それよりも質問に答えろ。もう最初のような甘い嘘は取り合ってもらえないと思え・・」
エリカ(?)は観念してその場で尻餅をつく。
彼女もそれに合わせて悲しげな笑顔になる。
どうやら演技ではないようだ。
「最初から嘘に気付いてたんだ・・・でも一目惚れっていうのは本当なんだけどな・・私なのか彼女本人の気持ちなのか、もう分からないけど・・今は本当に大好きよ・・その冷酷な目も含めて愛してる・・術式前はこんな大胆じゃなかったんだけど・・」
清夜はなにも答えない。
例え本物だろうと彼の決意は揺らがない・・
彼自身はそう思っている・・
「・・・・・魔法なのか?光学系だけじゃできないだろう?」
「これは魔法・・我らゼロの魔法・・名前は簡易型零し・・」
パァン!!
「!?」
そんな音が聞こえると倒れるエリカ(?)。
清夜は急いで彼女の容態を見ると頭から血を流していた。
そう、彼女は死んでいたのだ。頭を灼かれて・・
「遅延発動術式・・秘密を語ろうとしたら自壊するよう仕掛けてあったのか・・」
倒れたエリカ(?)の魔法が解かれ彼女の本当の姿を見せた。
その姿はどこにでもいるような普通の顔立ちの女性だった。
エリカと比べても見劣りするような・・
それでも清夜は先ほどまで殺意を抱いていた彼女の頭をやさしく撫でた。
「・・・化けなくてもそっちの顔の方がお前に似合っているよゴミ女。」
清夜は外に出る。
そして操作したコミューターを彼女の死体を乗せたまま走らせた。
行き先は海、崖から落ちるルート、爆弾も落下する時間にあわせてセットしなおしてあった。
清夜は無人の地域を歩きながらこう呟いた。
「零・・か・・」
その言葉に嫌な予感がした清夜だった。
零が彼の復習劇にどう影響するのかお楽しみに!といっても入学編で編入してくるかわかりませんが・・
正直に言うと『零宮あやな』が可愛かったから絡ませたかっただけですw
次回予告!
三日目ぐらいは平和に・・・過ごせるわけなかった。同様に一科と二科の溝も一日ぐらいで埋まるものではなかった。
次回もお楽しみに!
「これはダメじゃない?」、「これだと運営に取り締まられるんじゃない?」という場合には是非、メッセージなり感想なりで報告をお願いします。感想、誤字脱字、評価、アドバイスもお待ちしております。