魔法科高校の武器商人<修正版>   作:akito324

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27話です。お久しぶりです!そして明けましておめでとうございます
二週間に1回のペースを守れてよかったです。
え、待ってない?そんな〜(´・ω・`)
あれ?なんかこのネタやった気がする・・

前回までのあらすじ!
エリカと部活動を見て回る清夜。殴られたり、追いかけられたりしながらも第二小体育館に到着。しかし、そこは剣術部と剣道部で危険な空気になっていた。そして清夜は剣術部員に悪魔の囁きをつぶやいたのだった・・


27話 悪意に踊らされる

2095年 4月6日 第一高校 第二小体育館 武闘場

 

清夜が達也達の元に着いた頃には喧嘩が起こっていた。

 

「お〜い、二人共。買ってきたよ」

 

「遅かったな。てっきり逃げたと思ったぞ」

 

「本当だよ〜どこで油売ってたのよ清夜君!?」

 

喧嘩を煽ってました〜。

と心の中で真実を語ることにした。

清夜はそれっぽい言い訳をする。

 

「えー、この人混みで出るのも大変なんだよ?それに入学したての俺に自販機の場所なんて分かんないよ。」

 

「それはそうだけどさ。いや、今はそれよりも面白いことになってるわよ」

 

エリカは笑みを浮かべる。

その笑みは森崎のCADを弾いた時と同じ物だった。

清夜はエリカの視線の先を追う。

そこにはポニーテールが可愛い剣道女子と柄の悪そうな男が対立していた。

 

「達也達がわざわざ下まで降りてるとはね。何が起こっているんだい達也?」

 

「剣道部のデモに剣術部が乱入したんだ。」

 

(いいね。俺の期待通りに動いてくれている・・が何故、達也は介入しない?)

 

清夜は二人に飲み物を渡して尋ねる。

 

「ねぇ?そこの風紀委員さん。仕事しないの?」

 

「基本的に風紀委員の仕事は魔法の不適正使用の取り締まりだからな。この程度なら個人の問題だろ。」

 

解答は何ともあっさりしたものだった。

だが清夜にそれ以上の焦りなかった。

 

(クールだな。いや、ドライか。まぁ仕事はしてもらうことになるだろうさ。オレニハワカル・・)

 

喧嘩はさらに盛り上がりを見せる。

 

「おいおい、喧嘩を売ったのはそいつだぜ。」

 

「桐原君が挑発するからでしょう!!」

 

達也は依然と動く気配がないし、エリカには関してはCADを見る梓の目になっている。

清夜はエリカに質問してみる。

 

「で、あれ誰?さっきからウキウキしているようだけど知り合い?」

 

「いいえ、顔見知りではないけど知っているわ。男の方は桐原武明。一昨年の関東剣術大会中等部1位。女子は壬生紗耶香。一昨年の中等部全国剣道大会の2位よ。と・・そろそろね」

 

(ああ、そろそろ・・ね)

 

桐原と壬生は剣を構える。

桐原は攻撃特化の上段の構え。

対し壬生は基本的な中段の構え。

 

「魔法は使わないでやるよ」

 

「魔法に頼る桐原君に剣道を極めた私を倒せると思っているの?」

 

「へぇ〜随分と威勢がいいじゃねぇか・・よっ!!」

 

桐原の言葉を皮切りに二人は激突する。

 

ガッ!ガガガ!ガッ!ガッ!

 

二人の竹刀は大きな音を立ててぶつかりあう。

 

突き、払い技、すりあげ技、引き技、etc・・・

 

色々な技の駆け引きが複雑に行われている。

しかし彼らのレベルの高い攻防を完璧に理解できるものは剣術、剣道部員を含め誰もいなかった。

達也、エリカ、そしてシラばっくれてる清夜を除けば・・

 

「ほう、女子の剣道はレベルが高かったんだな。」

 

「違う、一昨年の彼女とはまるで違う。桐原先輩も食い下がってはいるけど・・・」

 

「えっ、え?二人の話がまったく見えてこないんだけど・・?」

(と言ってみたが俺も二人と同じ意見だ。桐原先輩は面を打とうとしてない。威勢の割には甘い・・弱いトコ見せちゃ死んじまうんだよ。残酷だがそれが戦闘だ。)

 

と昨日の自分にもそう言い聞かせながら清夜は勝負を見つめる。

勝負は突然終わる。

 

パァン!

 

竹刀がクリーンヒットした綺麗な音が体育館に響く。

二人の姿を見ると・・

桐原の小手は壬生に浅く入り

壬生の突きは桐原の右肩に深く食い込んでいた。

勝敗は誰の目から見てもあきらかだった。

 

「真剣なら致命傷よ桐原君。素直に負けを認めなさい。」

 

凛と立ち尽くす壬生。

対し桐原は悔しがるわけでもなく笑いだす。

 

「ハハッ・・そうか壬生は真剣勝負がお望みか。なら真剣で相手をしねぇとな〜!」

 

そう言って左手首にあるCADを操作すると

 

キイィィィィィィ!!

 

桐原の竹刀からガラスを引っ掻いたような不快音が響いた。

桐原が発動したのは振動系・近接戦闘魔法『高周波ブレード』だ。

対象を高速振動させることで竹刀でさえも殺傷能力を凶悪にしてしまう殺傷性ランクBの魔法。

清夜の『Iron sand blade(砂鉄剣)』もこの発想からなっている。

 

「きゃあ!」

 

「なんだこの音は?・・うぅ・・吐きそう。」

 

あまりの音に野次馬の生徒たちは耳を塞いでしゃがみ込む。

中には顔を青ざめて倒れる生徒もいた。

膝をついてはいないもののエリカと壬生も例外ではない

 

「おらっ!」

 

「くっ!」

 

シュパッ!

 

壬生は桐原の斬り払いを後ろに跳び下がることで辛うじて避けたが彼女の胴着には切れた痕ができた。

おそらく掠ったのだろう。

それでもこの斬れ味は殺傷性ランクBにふさわしいものだった。

 

さらに高周波による超音波酔いで倒れていく生徒。

だがこの効果にも例外はいた。

 

「眉一つ動かさないとはな。平気そうだな清夜。」

 

「そんなことはないさ。でも倒れるほどってわけでもないしね。達也だって余裕な顔してるじゃないか。」

 

(出遅れてフリが出来なかっただけだが、これぐらいなら幾らでも言い訳できる。にしても予想通りだな。これで達也も動かざるを得ない。)

 

「俺も慣れているからな。」

 

「というより、そろそろ止めたほうがいいんじゃない?」

 

(そしてこの事件で一科生の敵意は全て君に向かう。おかげで俺はしばらくは悪目立ちすることもなくなるし、達也の正体を測れるってわけさ。頑張って目立ってくれよ。)

 

「仕方あるまい・・」

 

達也は両袖からCADをむき出しにして桐原に駆け寄る。

清夜はその姿に違和感を感じた。

 

(CAD二機を同時操作するつもりか?いやそれよりも汎用型と汎用型の組み合わせは初めて見たぞ。どういうことた?)

 

CADを二機以上装備する時は特化型×汎用型または特化型×特化型が多い。

これは早く魔法を展開できてオプションを装備出来る特化型をメインウェポンとして使い、違う系統の魔法をサブウェポンの汎用型または違う系統の特化型で補うのが目的だ。

なので汎用型×汎用型というのは沢山の種類の魔法を使えるぐらいしか利点がないのだ。

 

「終わりだ!」

 

「っ!」

 

桐原の竹刀が壬生に振り下ろされる。

しかし、壬生が切られることはなかった。

 

壬生と桐原の間に達也が割り込んだのだ。

そして達也はCADを着けた左右の腕をクロスさせると無系統のサイオン波を放った。

 

「な、魔法が!?」

 

すると竹刀から放たれていた不快音が止まる。

代わりに超音波酔いとは違った酔いが襲いかかった。

さすがのエリカも膝をつく。

 

「なにこれ、超音波酔いとは違う・・」

 

「なるほど・・CAD二機とはそういうことかい・・」

 

「し、清夜君?」

 

達也は清夜の視線を感じ取った。

 

(やはり気づいたか・・・でもこれぐらいなら問題ない。それよりも・・)

 

バタン!

 

達也は桐原を投げ飛ばしたと思えば、すぐさま左肩、左手を抑え込んだ。

吐き気のせいか、驚いてなのか分からないが第二小体育館を静寂が包んみこむ。

 

「おい、あれ!」

 

「あぁ、噂の(・・)雑草(ウィード)の風紀委員だ。」

 

静寂を破ったのはそんな悪意の混じった囁きだった。

今度は達也が違和感を感じる。

 

(噂?・・どういうことだ?俺の風紀委員入りは昨日決まったばかりだし、知っているのは僅かな人間だけのはずだが・・)

 

そう思いながらも達也は風紀委員本部に連絡を取る。

 

「こちら第二小体育館。魔法不適正使用の逮捕者1名。念のため担架をお願いします。」

 

「なっ!?、壬生も同罪だろう!?」

 

そう言ったのは桐原ではなく同じ剣術部の部員だった。

達也は事務処理のように淡々と答える。

 

「魔法の不適正使用と申し上げましたが」

 

「なんだ、その言い草は!」

 

達也としては悪意などはないのだろう。

それでも剣術部員を怒らせるには十分だった。

清夜は楽しげに見つめる。

 

(無視すればいいのに・・ククク。論破はできても懐柔させるのはできないのか。これは期待以上の結果になりそうだ。)

 

とうとう我慢できなくなった剣術部員たちは達也に逆上する。

 

「ざけんな!」

 

「このガキ!」

 

剣術部員達は達也に掴みかかる。

しかし達也はヒラリと避けてしまう。

その行動が彼らをさらに怒らせる。

 

「クソが!」

 

ドガッ!

 

「ぐぁ!」

 

今度は拳を固めて殴りかかる。

しかし拳は達也ではなく他の剣術部員に当たった。

達也が避けたことで剣術部員と鉢合わせのような形になったのだ。

二人は団子状態になって転倒する。

 

「クッソーーーーー!」

 

とうとう剣術部員全員で達也に襲いかかる。

だが達也はそれを全て見切り、いなし、躱し、あしらう。

 

(相手が素人とはいえ身のこなしがいいな、暗器を警戒しての動き方だ。そういう癖を隠せないところを見ると暗殺者ってわけじゃないが練度評価はSってとこか十分に戦場で通用する。ん?・・あのメガネ・・確か報告があった・・・)

 

「きゃー!」

 

清夜はメガネの人物に注意を向けたが周りのギャラリー、剣道部員がパニックになって見えなくなってしまう。

 

シャレにならなくなってきたのか壬生は助太刀に入ろうとする。

しかし・・

 

「待つんだ壬生!」

 

「主将・・・」

 

先ほどのメガネ・・もとい剣道部主将の司 甲が腕を掴み引き留める。

しかし、司の視線の先にあったのは壬生ではなく達也だった。

 

「雑草が!!」

 

しまいには魔法を発動する剣術部員。

だが達也がまた腕をクロスさせサイオン波を放つと魔法式がサイオンの塊となって消える。

そしてまた超音波酔いではない酔いが周りの人間に襲いかかった。

 

二度の酔いにとうとう耐えきれなくなったのかバタバタと倒れていく剣術部員。

それでも全員ではなかった。

二名ほどが辛うじて立ち上がって殴りかかろうとする。

 

「やめなさい!あなた達なにをしているの!!」

 

「ぶ、部長・・・」

 

声をあげたのはアルテミシアだった。

アルテミシアは部活連として取り締まりの応援に来ていたのだが

剣術部の女性部員に呼ばれて急いで戻って来たという。

 

達也としてはありがたい助け舟だったが終結してしまったことに不満を覚えた人物は二人いた。

一人は清夜

 

(あ〜あ、これで終わりか・・・でもまぁ情報は手に入れたし、敵意も向けた、さらには『キャスト・ジャミング』まで見れたんだ。文句は言うまい。)

 

そしてもう一人は司甲

 

「ふっ・・・おもしろい・・」

 

司甲のメガネが怪しく光る。

剣術部乱入事件はこうして幕を閉じた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

2095年 4月6日 八王子 アイネブリーゼ

 

「皆、待たせてすまなかったな。今日は俺のおごりだから遠慮なく食べてくれ」

 

「じゃあ遠慮なく・・」

 

「「「「いたただきま〜す!」」」」

 

現在、深雪を含めた二科生メンバーは駅からの通学路の途中にあるカフェにいた。

剣術部乱入事件の後、達也は事後処理として三巨頭に呼ばれて帰りが遅くなったのだが

深雪だけでなく、清夜を始めとする二科生メンバーも達也を待ってくれていたのだ。

もはや帰る時などの『いつものメンバー』というのになっている。

 

そういう訳で達也は礼と謝罪という意味をこめてカフェで皆の好きな物を奢っているのだ。

 

皆は入部した部活、見学したことを話したがやはり一番盛り上がったのは達也の武勇伝だった。

 

「その桐原って先輩、『高周波ブレード』を使ったんだろう?よく無事だったな。」

 

「そんなことはない。よく切れる刀と同じ対処をするだけさ。」

 

レオは感心しているのだが達也は辟易した表情で応える。

 

「それは真剣の対処は簡単ということですか?・・」

 

「いや〜俺としては達也が斬られるんじゃないかとハラハラしてたけどね。」

 

「二人がそう思うのは無理もない思うけど、お兄様なら心配いらないわ。」

 

「随分と余裕じゃない深雪?確かに10人以上を同時に相手取って捌いた達也君の実力は達人級だけど、桐原先輩も高校生ではトップクラスの実力なのよ?ちょっとぐらいは心配したでしょ?」

 

清夜と美月は顔を曇らせていたが

それを宥める深雪の顔はエリカが思ったように余裕な表情だった。

 

「いいえ、ちっとも。お兄様に勝てる者などいるはずないもの」

 

「あはは・・すごい信頼だね司波さん。」

 

(まぁ、間違ってはいない・・あそこまでの体術を弱冠15歳で習得してるんだからな。あの乱闘に桐原が加わっても指一本触れることはできないだろう。桐原だけ(・・)なら・・な)

 

エリカ、レオ、美月は絶句する。

現場で見ていたエリカでさえも深雪ほどの自信で心配ないと言い切ることができないのだ。

 

「でも高周波ブレードって普通の刀と違って超音波を発しているんですよね?」

 

「耳栓なしだと酔っちまうて聞いたぜ。」

 

「うん。実際、青ざめて倒れた人もいたよ」

 

深雪は失笑を堪えながら美月たちの懸念に応える。

 

「そうじゃないのよ。お兄様が体術に優れているだけで信頼している訳ではないの。魔法式の無効化はお兄様の十八番なのよ。」

 

「「「「魔法式の無効化?」」」」

 

司波兄妹以外の4人は同時に声を上げてしまった。

 

「エリカ、清夜君。お兄様が飛び出した直後に乗り物酔いみたいに酔わなかった?」

 

「ああ、そういえば・・エリカも結局、膝をついちゃ・・・あいた!」

 

ベシ!

 

「だまらっしゃい。でも確かにそんな感覚がしたわ。」

 

「それ、お兄様の仕業よ。『キャスト・ジャミング』をお使いになったのでしょう?お兄様。」

 

深雪は満面の笑顔で達也を見た。

それに対し達也は『お手上げ』って顔で応える。

 

「深雪には敵わんな。」

 

「お兄様のことならなんでも知ってますよ。」

 

なんだかいい雰囲気になっている兄妹。

レオがすかさずツッコむ。

 

「それはもう兄妹の会話じゃないぜ!雰囲気出しすぎだ!」

 

「そうかな?」

 

「そうかしら?」

 

「あべし!」

 

ガシャン!

 

息ピッタリの回答にレオは力尽きるようにテーブルに突っ伏した。

 

「このラブラブ兄妹にツッコミ入れようというのが大それてるのよ。」

 

「その言い方は不本意なんだが」

 

「いいではありませんか。強い兄弟愛で結ばれているのは事実ですし。」

 

「ぐべは!」

 

ガシャン!

 

今度はエリカがテーブルに突っ伏す。

 

「エリカ。この寝るときまで一緒の兄妹に皮肉は通用しないよ。」

 

「驚いたな。清夜はエスパーだったか。」

 

「よく分かりましたね。」

 

「あべま!」

 

ガシャン!

 

最後に清夜がテーブルに突っ伏す。

この兄妹に茶々を入れるのは至難の技のようだ。

達也は笑って深雪をたしなめる

 

「深雪、悪ノリしすぎだぞ。冗談に気付いてないのが一人いるからな」

 

全員はその一名を見つめる。

 

「え、え!?冗談・・・ですか?」

 

無論、美月である。

美月は恥ずかしいのか目をキョロキョロさせてしまう。

 

「ああ、それに『キャスト・ジャミング』のことが分かったのは深雪だけじゃない。・・・そうだろう清夜?」

 

「「「「え?」」」」

 

深雪でさえも息ピッタリで驚いてしまう。

清夜はニヤけながらもシラを切ることにした。

 

「男との以心伝心はちょっと嫌だな〜。どうしてそう思うんだい?」

 

「CAD二機の意味に気付いてただろう。それぐらいちゃんと見てたぞ。頼むからオフレコで頼むぞ。」

 

「まあ、あれの意味は分かっているけどさ。達也も達也で人前で出すのがいけないんじゃないかな?」

 

この言葉に深雪はムッと可愛らしく睨みつけるが

達也も自分の失策を認めて深雪を目で制した。

 

「それもそうだな。明日からは自重しよう。でも・・俺としてはお前の見解を聞いてみたくもある。皆も後で正解を教えるからオフレコで頼むぞ。」

 

ウンウンと頷く三人。

清夜はヤレヤレという表情で話し始める。

 

「あれは正確にはキャスト・ジャミングの理論を応用した特定魔法のジャミングだね。」

 

「続けてくれ」

 

「二つのCADを同時に使おうとすると、サイオン波が干渉して殆ど場合で魔法が発動しないのは知っているね。」

 

「ああ、やったことがあるぜ。」

 

「身の程知らずね〜」

 

「なんだと!?」

 

エリカとレオの喧嘩もまた『いつもの』と言えるのだろう。

清夜は気にせず続けた。

 

「とにかく達也はこの干渉を使って魔法を無効化したんだ。」

 

「どういうことですか?」

 

美月だけでなくエリカやレオも理解が追いついていなかった。

清夜はもう少し噛み砕いて説明した、

 

「一つのCADで妨害したい魔法と同種の魔法を発動。もう一方のCADで今度は妨害したい魔法の逆を行う魔法を発動させたんだ。そして同時操作による干渉波を増幅させて無系統魔法で放出したんだ。結果、妨害したい魔法に干渉波がかけられて魔法が発動できなくなった・・・ってことでいいのかな?」

 

「ああ、満点の回答だ。たいした観察力と分析力だ。」

 

「ですがこれはお兄様のように起動式が見えてないと扱えない魔法です。清夜君は魔法式が見えるのですか!?」

 

「いいや、一般的な魔法師と同じでサイオンを感じているんだ。といっても俺はそこから起動式の内容まで感じているんだ。2割ぐらいの確率で外れてしまうんだけどね」

 

起動式はサイオンでできているため魔法師は魔法式などを感じることが出来る。

だがそれは感じるだけで正確な位置が分かるのはごく僅か。

しかも魔法式の内容まで感じるとなるとスキルといっても過言ではない。

 

それでも清夜が『ニューロリンカー』を使って解析するのは2割の確率で外してしまうことにある。

実戦で万が一にも外した場合、命取りになってしまうからだ。

 

達也、深雪でさえも驚きを隠せずにいた。

清夜は若干焦り始めた。

 

(まずいな、そこまで驚くか。少し喋りすぎた。このままじゃボロを出すかもしれない)

 

だがここで清夜の意図を理解したわけではないがレオからの助け舟がでた。

 

「でもよ達也。どうしてオフレコなんだ?儲かりそうな技術だと思うけどな。」

 

「あ、ああ。一つは未完成ということ、そしてそれ以上に仕組みそのものが問題なんだ。」

 

わからない・・というより不満げにレオは問う。

 

「どこが問題なんだ?」

 

レオの質問が無知だと思ったのか、

エリカは本気で叱りつける。

 

「馬鹿ね。魔法は良くも悪くも力よ。そんな力をお手軽に無効化できる技術が広まったら社会の基盤が揺るぎかねないじゃない。」

 

「すごいですね。そこまで考えているなんて・・・」

 

「ああ、俺なら目先の名声に飛びついちゃうだろうなぁ」

 

兄への賞賛に深雪は喜びを隠せずにはいられない。

声色も自然と喜びのものになっていた。

 

「お兄様は少し考え過ぎだと思います。そもそも100%の確率で起動式を読み取るなんて誰にもできることではないと思いますよ。ですが、それでこそお兄様ということでしょうか」

 

「それは俺がヘタレということか?」

 

「さあ、どうでしょう?エリカはどう思うかしら?」

 

「さあねぇ〜?あたしは美月の意見を聞いてみたいな。」

 

「え、えぇ!?・・そ、その・・」

 

美月は顔を真っ赤にしてオロオロする。

どう答えるのが正解なのか悩んでいるのだろう。

達也は皆を恨めしそうな目で見る。

 

「誰も否定してくれないんだな」

 

ハハハと笑い出す一同。

こうして和やかなムードで終わった。

 

だが達也はまだ知らない。

清夜の悪意によって達也、一科生までもが踊らされていること。

そして明日から本番だということを・・・




まぁ今回はほぼ原作通りになっちゃったかな?
でもイジメとかの黒幕がすぐそばにいるのは漫画だと面白いけど現実だとクソ怖いですね。

次回予告!

清夜の思惑通り、一科生の敵意が達也に襲いかかる。達也はこれを捌ききれるのか!?そして清夜の元にまた勧誘が・・・

次回もお楽しみに!

「これはダメじゃない?」、「これだと運営に取り締まられるんじゃない?」という場合には是非、メッセージなり感想なりで報告をお願いします。感想、誤字脱字、評価、アドバイスもジャンジャンお待ちしております。
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