魔法科高校の武器商人<修正版>   作:akito324

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31話です!!
今回は平和的・・・かな?
というか春夏秋冬、平和じゃない学校って・・どうかと思う

前回までのあらすじ!!
ブランシュテロ部隊の拠点を襲撃した清夜達『Nameless』。そこで大量のアンティナイトを見つける。そして最後に見えてきたのは大亜連合と同盟国であるはずのUSNAの二つの黒幕だった。


31話 自己犠牲と自己中心的な理由

2095年 4月14日 第一高校 生徒会室

 

「そういえば達也くん。昨日、カフェテリアで二年の壬生を言葉責めにしたというのは本当かい?」

 

生徒会でブランシュの話題が上がったきっかけは摩利のそんな話だった。

 

昼休み、もはや恒例となった食事会は今日も行われた。

メンバーは達也、深雪、真由美、摩利、あーちゃん、アルテミシアの6人だ。

清夜は克人に呼び出されている。

 

幸いにも話した時には食事を終えていた達也だったが、

もし食事中だったら吹き出していただろう。

 

「先輩も立派な淑女なんですから言葉は選んでください。深雪の教育上も良くないです。」

 

「お、お兄様?私、もう高校1年生ですよ?」

 

深雪は達也が自分の年齢を勘違いしているんじゃないかと思って抗議をする。

しかし、そういう議論は家でもできるので達也にしては珍しくスルーする。

 

「ははは、私をレディとして見てくれるのは達也君ぐらいだよ。ありがとう。」

 

「そうなのですか?渡辺先輩の彼氏は淑女扱いしてくれないと?」

 

「そんなことはない!シュウは・・・」

 

摩利は真っ赤になって立ち上がるが発言はそこで止まってしまった。

「しまった」と言いたいのだろう。

それでも助け舟は出ない。

 

「・・・ブフッ」

 

「・・・クスクス」

 

アルテミシアと真由美は必死に笑いを堪えている。

質問した張本人はというと・・

 

「・・・」

 

無表情で摩利を見つめている。

この沈黙という名のバトルは摩利の負けだった。

 

「誰も何も言わないのか・・・」

 

「あら、では摩利さん。私が質問を、彼氏さんとは・・・」

 

「だ、黙ってろ!!アルテミシア!」

 

摩利はさらに真っ赤になるが、これ以上はさらに状況が悪くなると判断し席に座った。

そして軽く咳払いしてから視線を達也に戻した。

どうやら、これで「今の話は終了」と言いたいらしい。

 

「ごほん!・・・それでさっきの話は本当かい?目撃者もいるんだが・・・」

 

「・・・そんな事実はありませんよ。もしかして目撃者というのはアシュクロフト先輩ではありませんか?変なことを言いふらすのは辞めて下さい」

 

「あら、バレちゃった。」

 

達也はジトッとした目でアルテミシアを見つめるが

アルテミシアは罪悪感100%なしの柔和な笑顔で返すだけだ。

 

「それに先輩も昨日は後輩の清夜の両手を握ったりして口説いていたじゃないですか?」

 

「あわわ・・・アルちゃん、そんなことしてたの!?」

 

「まぁ!」

 

「ほほう・・それはそれで面白そうだな。」

 

達也としては仕返しとして攻め方を少し変えたのだが

深雪も梓も食いついてきて意外といい攻撃だったのではと思った。

しかしアルテミシアは達也の予想をはるかに超えた返しをする。

 

「それはそうよ。だって本気で口説いてたんだもの。」

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

行が数段空いてしまうぐらいの間ができてしまう。

そして達也の声を皮切り生徒会室が揺れる。

 

「「「「「えええええ!?」」」」」

 

「ま、待ってください。自分が嘘ついたのも悪かったですけど、昨日は部活連の勧誘の話をしてたんですよね!?」

 

普段は冷静沈着な達也も一本取られた様子。

それでもアルテミシアの柔和な笑顔は崩れない。

 

「ええ、そうよ。勧誘しながら手を握って口説いてたつもりだったんだけど。口説きとは思われなかったのかな?でも勧誘には成功したのよ。」

 

「ほほほ、本当に式君が好きなのアルちゃん!?」

 

「じょ、ジョークですよね先輩?」

 

「本気よ。真由美さん、深雪さん。」

 

「これはファンクラブの連中が荒れるな。」

 

摩利が若干震えながら語る。

恐らくそれほどシンパの度合いが高いのだろう。

達也は心の中で合掌した。

 

(袋叩きにされて死ぬだろうな・・・清夜。油断できない男だったが俺にとっては一番の友人だったぞ。あと幽霊なってでてくるなよ。南無阿弥陀仏・・・)

 

「はぁ・・ハンゾー君には聞かせないほうがよさそうね。とにかく清夜君には無理矢理でもここに連れてこないとね。」

 

「ああ、話を聞かせてもらわないとな。勧誘の件も含めて、ゆっくりと・・」

 

真由美と摩利の目が不気味に光る。

それに対し問題を起こした張本人は天然なのかパンと手を叩いて話を戻した。

 

「ま、そんなことより。昨日、司波君がサヤの顔を真っ赤にしたっていうのは本当だから。」

 

ピキリ・・・

 

深雪から何かヒビ割れのような音が聞こえる。

無論、人からそんな音など出ないが

達也にとってはそれぐらいヤバい気配を感じたのだ。

 

「お兄様・・・一体何をしていたのですか?・・・」

 

ピシ、ピシ

 

深雪が鬼妹(?)モードになった瞬間、何かが氷付く音が聞こえる。

今度は幻とかの類ではなく、お茶や弁当が本当に氷付いたのだ。

 

「ヒッ!・・CADも使わずに冷気を・・・!?」

 

「深雪さんの干渉力の高さは知ってたけどここまでとはね・・」

 

そう、氷付いているのは全て深雪の無意識による事象改変。

普通の魔法師ではまず起きないことなのだが、

特定の魔法に特化していたり、干渉力が強ければ無意識で事象改変が起こることもある。

しかし、該当する魔法師が全員そうかと言えばそうではない

優秀な魔法師は自分の力を完璧に制御して無意識による事象改変を防げている。

つまり深雪は自分の力を制御できない未熟があると同時に卓越した才能を持っているということだ。

 

「落ち着け深雪。ちゃんと説明するから」

 

「はっ!・・申し訳ございません。」

 

(また、やってしまいました・・・)

 

「それで昨日の事ですが・・どうも生徒には風紀委員に不満があるそうです。」

 

達也は昨日の会話を簡潔に説明する。

自分が礼を言われた事

剣道部に勧誘された事

魔法競技系クラブが優遇されている事

風紀委員が点数稼ぎのために摘発を乱発している事

そして非魔法系クラブで連帯して学校に考えを伝えるから手伝って欲しいと頼まれたことを

 

「ーーーーということなんですが」

 

真由美と摩利は顔を曇らせる。

 

「それは壬生の勘違いだ。風紀委員に点数制はない。全くの名誉職で得する事は殆どない。」

 

「部活に関しても同様ね。私の剣術部とサヤの剣道部も同じスペースが与えられているし去年の予算もほぼ同じよ。」

 

「でも風紀委員が校内で高い権力を持っているのもまた事実。学校の体制に不満がある生徒には敵だと思われているわ。実際にはそう印象操作(・・・・)している者がいるんだけど・・」

 

印象操作という言葉に根が深い話だと予感する達也。

達也は以前の襲撃者のリストバンドを思い出しながら聞く。

 

「正体は分かっているんですか?」

 

「え、あっ!噂よ、噂。出処も確定できてないし」

 

「分かっていれば止めさせているさ」

 

二人の顔は困った表情から隠し事をした表情に変わる。

嘘がバレバレですよ・・・とは言わなかった。

代わりに達也はさらに一歩踏み込んだ発言をする。

 

「そうではありません。その印象操作の裏にいる連中です。もしかして反魔法国際政治団体『ブランシュ』では?」

 

「何故その名を!?」

 

「報道まで規制されている組織だぞ!」

 

達也には確信があった。

先日、達也を襲った男がしていた赤と青で縁取られた白のリストバンドはブランシュ下部組織『エガリテ』の証。

だからこそ自身を持って聞いたのだが二人の反応を見れば結果は明らかだった。

 

「情報というのは規制程度で塞ぐことはできませんよ。学校がそのような事態であれば、むしろ情報を公開するべきです。」

 

達也は国を責めたつもりだった。

だが真由美は自分を責めるような口調になり顔は暗い影を落としはじめる。

 

「達也くんの言うとおりね・・・それなのに私たちは正面きって戦うことから逃げてしまっている・・・」

 

「会長の立場なら仕方ないですよ。規制しているのはこの学校を運営している国なんですから」

 

「えっ!?えと・・・慰めているの?」

 

慰めの言葉のわりには暖かさがない声色

どう反応するべきか迷った末の真由美の発言だった。

ここで梓がボソッと一言

 

「でも、追い詰めたのも司波君ですよね?」

 

「ほほう、自分で追い込んでから慰める。達也君もやるね〜」

 

「どうしましょう深雪さん?お兄さんが真由美さんをも籠絡させる男・・・通称『ジゴロの達也』になってしまうわ。」

 

梓の一言がきっかけにまた達也がからかわれることに

しかもアルテミシアに関しては煽っているとしか思えなかった。

深雪が隣の兄に冷たい視線を送る。

達也はため息が出そうになる。

 

(あとで誠心誠意の説得が必要か・・・ケーキでも買っとかないとな)

 

それでも今の優先順位は自分の話の方が高かった。

 

「・・・先輩方、からかうのはそこまでにしてください。まだ話・・・というより、ここからは推測があります。」

 

「推測・・・ですか?」

 

意外にも一番初めに食いついたのは揶揄いの原因を作っているアルテミシアだった。

それに合わせて他のメンバーも気持ちを切り替える。

 

「実は二科生だけでなく、一科の生徒も誰かにを煽られているのではないかと思いまして」

 

「それは『ブランシュ』が・・・ということですか達也君?でも・・・」

 

「いえ、背後関係は分かりませんがブランシュとは別口で学校の人間、それも学校での権限などがある人間だと思われます。」

 

「まて!それは生徒会、風紀、部活連の誰かだと言いたいのか!?」

 

摩利は机を叩きながら立ち上がる。

自分達の仲間に裏切り者がいると言われれば声が大きくなってしまうのもわけない。

それでも達也は冷静に推測だと強調する。

 

「あくまで推測です。それに権限で言うなら教師以上の人間もありえます。」

 

「・・根拠を聞かせてもらえないかな司波君?」

 

「まず第二小体育館で取り押さえた時、周りから『噂の風紀員』という発言が多数聞き取れました。自分が風紀委員になったのは前日の夕方、その時で知っているのは風紀委員でも委員長をいれてわずか3人。他の風紀委員は活動前のミーティングで知ったほどです。噂になるのが早すぎるんです。他にもその翌日から始まった誤爆攻撃、サボっていたわけではありませんが、自分は人気の少ないところを毎日ルートを全て変えて事前に教えもせずに巡回していました。それなのに尾行者もいなにはずなのに示し合わせたかのように先回りされていました。それに誤爆攻撃の実行者は他の風紀委員も追いかけていたはずなのに、これまた示し合わせたかのように風紀委員がいないルートから逃げられたりして現行犯では一人も捕まえることができませんでした。」

 

「なるほど・・・それなりの権限を持つ人間ならば、お兄様の風紀委員入りを事前に知れますし、風紀委員はLPS(ローカル・ポジショニング・システム)つきのカメラデバイスを持たされて位置情報が学校を経由して本部に送られるので権限で位置情報を手に入れ流すことで先回りと逃走ができる・・・ということですねお兄様?」

 

達也は深雪を見てコクリと頷く。

推測の域は出ていないのだが、あまりの論説ぶりに信じてしまいそうになる上級生。

しかしアルテミシアは一人違うことを思っていた。

 

(すごいわね・・・犯人は違えど一科生を煽動しているマスターの存在を嗅ぎ取った。さすがはマスターが十師族の生徒を差し置いて警戒する人物。これは益々、PDが怪しくなる。でも今はマスターの存在を気付かれないのが先!まだ推測の域を出ていないし、犯人も間違っている。つまり、『そんな人間はいませんよ』と悟らせられるはず。)

 

「それはちょっと考えすぎじゃないかな?噂っていうのは思ったより早く広がるものよ。実は私も当日に噂を聞いた人間だけど噂の発信時間は司波君が巡回を始めてからそれなりに時間が経ってからよ?」

 

「どうして時間が分かるのアルちゃん?」

 

「はい、実は学内ネットが噂の始まりでその時間が巡回を始めた後なんですよ。それに関する情報ページは運営によって削除されましたが写真ぐらいなら残ってますよね?」

 

「ああ、そういえば削除したと聞いたなスクリーンショットも風紀委員としてもらってある。えーと・・・ほら、これだ。」

 

そう言って摩利はデバイスを操作し写真を見せつける。

確かにそこには『雑草の風紀委員』というタイトルで情報共有がされていた。

作られた時間も達也が巡回してから後の時間だった。

アルテミシアは話を続ける。

 

「たぶん、始めてすぐに見つかってしまったんでしょうね。それに誤爆攻撃のことも人気がないって言ったけど、それは他と比べて・・でしょ?誰とも会ってないわけじゃない。毎年、あのシーズンはどこも人だらけだし、勧誘とか関わりたくない人は人気のないとこで屯ろして勧誘終了時間までやり過ごすとか。それも全学年の生徒にいるから毎年多いんですよね摩利さん?」

 

「その通りだ。その中に誤爆攻撃の仲間がいたんだろうな。まったく暇な奴らだ。」

 

「そして犯人のことだけど、もしかして私の部が起こした事件を煽った人物と位置情報を流した人物は同一人物だと思っている?」

 

「はい、最初は複数犯も考えましたが先輩たちに煽っているのを悟られもしないとなると一人としか考えられないかと」

 

この時、達也と深雪はアルテミシアの知的ぶりに驚いていた。

なぜなら身近な剣術家(摩利とエリカ)は大雑把というイメージしかなく

同じ剣術家アルテミシアがここまで綺麗にロジックを重ねてくるとは思わなかったからだ。

アルテミシアは謝罪しながら話を続ける。

 

「私がいない間に私の部が達也くんに迷惑をかけてしまったのは本当にごめんなさい。私もあの後、色々と部員に問い詰めたの。それを放課後、生徒会に伝えるつもりだったんだけど・・実は桐原くんを唆した、つまり煽った部員がいてね。その部員は権限とかハッキングの腕もないし、その部員も周りの複数人の観客から「剣術と剣道の戦いを見たい」という声が聞こえたから唆したんだって。」

 

「そうでしたか・・・勝手な推測で皆さんを戸惑わせてすみませんでした。申し訳ありません。」

 

達也は立って礼儀正しく謝罪する。

それは勿論、自意識過剰な想像をしてしまったからだが

達也の心の中では何故か悔しさだけが残った。

 

「いや、君は悪くないさ。悪いのは嫉妬して誤爆攻撃をする奴らさ。」

 

「そうね、気に病むことはないわ。でも結局、一科と二科の溝に戻ってしまうのか〜。これだけは私の代で埋めたいわね〜」

 

自意識過剰な想像でも不快に思わないのはこの人たちが人間としてできているからのなのだろう。

少なくともブランシュや誤爆攻撃の連中よりはできていると達也は思っている。

 

「そうだな。それで達也君、話はかなり前に戻るが壬生への返事はどうするんだい?」

 

「『考えを学校に伝えてどうするか?』その質問の答えを聞いてから考えます。また話しをすることになっていますから」

 

「君ができる範囲で構わない・・頼んだぞ。」

 

摩利は今日一番の真面目な視線を送る。

そんなことを言われて答えないわけにはいかない。

いや、そうでなくとも放っておけなかった。

 

「その程度であれば引き受けましょう。」

 

昔の達也ならば深雪のためだけに奮闘するが今は違う。

自分と深雪にできた友人、家族のためにもできる限りの奮闘を心の中で誓うのだった

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

2095年 4月14日 第一高校 クロスフィールド部部室

 

生徒会室で『ブランシュ』の話しが行われていた頃・・

清夜は勧誘を受けたことを後悔していた。

確かにOKはした。

たがそれは思考通信をしていると悟られないための会話であって会話が不自然にならないように相槌を合わせたようなものであった。

通信だけでなく会話にも意識を向けていたならこうはならなかっだろう。

つまりはアルテミシアに一本取られたのだ。

 

(ちくしょー・・・やられた。おそらく風紀委員勧誘で加担したのもこれのための布石だったんだろうな。アルテミシア、マジで天使じゃねーよ)

 

「わざわざ来てもらってすまんな。改めて自己紹介をしておこう部活連会頭の十文字克人だ。」

 

「式 清夜です。明日からよろしくお願いします。」

 

「ああ、よろしく頼む。とりあえず座ってくれ。」

 

克人に勧められ円卓のテーブルに備えてある椅子に腰掛ける清夜。

清夜の中で予想はしていたが改めて対峙してみると高校生とは思えないオーラを克人は出している。

 

(さすが十文字家次期当主・・・いや事実上の当主とはいえ、高校生がこんなオーラ出せるわけないでしょう。いくつかサバ読んでるだろ。)

 

「まずは勧誘の件について謝罪しよう。俺の推薦なのに俺が勧誘に行けなくてすまなかった。家の用事があってアシュクロフトに任せてしまったのだ。」

 

「いえ、十師族の用事の意味はある程度理解していますから。」

 

「そう言ってくれると助かる。だが、用事があってもなくても勧誘はアシュクロフトに任せようとは思っていた。こういうことは俺ではなくアシュクロフトの方が適任だからな。それに男より女に勧誘された方が嬉しいだろう?」

 

「は、はぁ」

 

清夜は驚きの表情を浮かべながら頷く。

見た目は巌なのにやり口は意外と搦め手。

どう反応したら良いのか分からなかったのだ。

 

「さて、お前を呼んだ理由は二つ、一つは部活連での役職だ。お前には明日から部活連副会頭として仕事をしてもらう。」

 

「副会頭・・・ですか?いきなりすぎませんか?」

 

「幹部候補として任命するからな。育成するにはこれぐらいの役職がちょうどいいはずだ。補佐にはお前と同じ副会頭のアシュクロフトが付く。本人たっての希望だから遠慮なく質問して彼女から色々と仕事を教えてもらえ。」

 

アルテミシアたっての希望はどうかと思ったが

護衛と行動できる理由ができたのは作戦や工作をする上ではありがたいことだった。

清夜はそれ以上質問をすることなく、次の理由を問うことにした。

 

「分かりました。それで二つ目の理由はなんでしょう?」

 

「これが本題と言っていいかもしれんな、出来れば知っている人数は少ない方がいい。その前に式は『ブランシュ』という組織を知っているか?」

 

「魔法による差別撤廃を掲げる反魔法組織で裏では立派なテロリストと認識してます。自分は海外にいたのでニュースなどで知り得ましたが日本では報道規制がかけられてるとか・・」

 

「うむ、俺から言わせればその認識であっている。実は今、第一高校はその下部組織『エガリテ』の侵食を受けている。赤と青で縁取られたリストバンドは見たことあるか?あれが信者の証になっている。今は七草の生徒会、渡辺の風紀委員と連携して警戒している。」

 

克人としても教えるのは苦渋の判断だったのかもしれない。

しかし清夜は知っている。

彼は失礼なのも承知だが情報を共有する気は一切なかった。

とりあえず、驚いたフリをする。

 

「反魔法組織が魔法科高校に!?なにか仕掛けてくるのでしょうか!?」

 

「分からん。今のとこは単純に花冠(ブルーム)雑草(ウィード)とかをなくそうとする運動だからな。それだけなら願ったり叶ったりなんだが、どうやらその活動がエスカレートしてる傾向にあるようだ。そこでお前の知恵を借りたいと思っている。」

 

「知恵と言えるほど自分は頭の回転がいいわけではありませんが・・・」

 

「森崎を一歩も動かずに勝利した知恵で十分だ。いや・・その前に知恵というほどでもないかもしれんが、お前には部活連の仕事と同時にアシュクロフトと共に『エガリテ』をマークしてもらいたい。無論、護衛はアシュクロフトがするし、方法についても犯罪や校則違反でない限り好きにやってもらっていい。出来ればそれで事件を事前に、ダメでも最小限の被害で済むように動いて欲しい。お願いできるか?」

 

清夜は目を閉じて考える。

自分の計画、会社などにもたらせれるブランシュ、ならびに学校、十文字からの損得。

己の心情、学校などは二の次だ。

それを合理的に考えた結果は・・・

 

「・・・分かりました。できる範囲で動きます。ですが危険と判断した場合、自分はこの案件から降ろさせてもらいます。」

 

降りるといっても敵がそれを許すとは思えないが・・

清夜は達也と似た了承をする。

違うのは損得といった自己中心的な理由。

だが了承した要因の一つに友人やエリカがあったかは清夜にも分からない・・・

 

「そうか・・では」

 

ブブブ・・・

 

清夜のデバイスが震える。

克人が無言で頷いているを確認してチェックする。

デバイスには学校のサインがついているメールが一件。

内容はカウセリングへの呼び出しだった。

ただし、カウンセラーの名前は裏で『ミズ・ファントム』と呼ばれる公安の諜報員の名だった




生きた妹に囚われる者、死んだ妹に囚われる者。
似ているようで考えてることはまったく違う・・・

次回予告!!

清夜にとってカウセリングは情報戦にすぎない。
そして不貞腐れるエリカにとうとう清夜は・・・

次回もお楽しみに!!

「これはダメじゃない?」、「これだと運営に取り締まられるんじゃない?」という場合には是非、メッセージなり感想なりで報告をお願いします。感想、誤字脱字、評価、アドバイスもジャンジャンお待ちしております。

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