魔法科高校の武器商人<修正版>   作:akito324

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33話です!!

就活準備中で忙しく来週は投稿できないかもしれません!申し訳ない!
一応、ストックは2話分用意しているのですが投稿すべきかどうか・・・要望があればそうするかも

前回までのあらすじ
カウンセリングという名の情報戦に勝利する清夜。しかし、この学校は思った以上に陰謀が渦巻いていることに気づく。そして清夜はとりあえず目の前の問題を片付けることにし放送室に入っていくのだった。


33話 チェイサー

2095年 4月15日 第一高校 魔法実習室

 

「1050ms・・・だ、大丈夫!まだ時間あるからもう一回頑張ろう」

 

「フン!・・」

 

エリカの機嫌はいまだ直らない。

むしろ悪化している気がした。

しかも偶然にもペアでやる課題な上に清夜のペア相手はエリカだったのだ。

 

今回の課題は基礎単一系魔法を999ms以内にコンパイルして発動させること。

もう授業が始まって大分経ち、ほとんどの生徒が終わらせて休んでいるのだが清夜とエリカは終われずにいた。

 

「1064ms・・・・ぐぎぎ・・・」

 

いや清夜自体は一発で終わったのだがエリカがずっとこの調子で終わらないのだ。

 

「少し休んでからやり直さない?」

 

「フン・・」

 

「あのさ・・」

 

「うるさい、黙ってなさいよ。」

 

1日経って事情を察しつつあった清夜もここまで来ると我慢ができなかった。

清夜はエリカの腕を掴んで睨みつけた。

 

ガシッ!

 

「いい加減にしろよお前。俺にはやることがあってこの学校に来たんだ。お前の機嫌をとるために学校に来てるわけじゃない。文句があるならちゃんと言え、絶交なら絶交で俺に構うな。」

 

「ひっ・・・」

 

大声で叫んだわけじゃない、むしろ普段より小さい方

痛みつけたわけではない、軽く握った程度だ。

目立ったわけでもない、このやり取りを見るものは偶然にも誰もいなかった。

 

だがエリカは怯えた・・・二年前のように・・

 

おそらく兵士としての殺気がでてしまったのだろう。

清夜は二年前を思い出して目がさめる。

エリカのその怯えた顔は今もなお彼のトラウマとして刻みついていた。

清夜は腕を離すがそれでもエリカの顔は晴れない

 

「ご、ごめん・・・脅すつもりはなかったんだけど・・」

 

「う、ううん・・・ごめん、私が悪かったから・・」

 

「いや、いいんだ。事情はなんとなく察していた。・・・アレなんだよね?」

 

「え・・・」

 

暗い表情から一転、気の抜けた声を出してしまったエリカ。

アレとは何か?まったく思いつかないのだ。

清夜にしては珍しく顔を赤くして恥じらう。

 

「だから・・・その・・”生理痛”の時のイライラってやつだよね?」

 

「は!?い、いや・・そういうのじゃ・・」

 

まったくの見当違いに戸惑うエリカ。

しかし清夜は「皆まで言うな」と表情で制して話を続けた。

 

「俺は男だからそういうのはよく分からないけど多分、今まで殴ってたのもそういう理由でしょ?本当にごめん。」

 

清夜は精一杯の謝罪を込めて頭を下げる。

だが彼は分かっていない。

そんなことよりデリカシーのなさを謝らなければならないことを

エリカは頬を赤くして怒りはじめる。

 

「そ、そんなんじゃないわよ!!全部アンタのせいよ!こんのっ、ウスラトンカチ!!アシュクロフト先輩に呼び出された時、本当は一緒にケーキ食べにいこうと誘いたかったのにできなくて!!自分勝手な話なのは分かってる!!だから何だか誰にぶつけていいか分からない怒りが溜まってこうなったの!!!!というか昨日の昼休みは明菜と放送室に入っていったでしょ!?なにしてたのよ!?」

 

大きい声で長い説教(?)

これでは休んでいるクラスメイトの目も集まってしまう。

エリカはとうとう顔一面真っ赤にすると小さく「すみません」と言いながらも清夜を睨みつけた。

 

「いや、あのね。先輩との話は部活連の勧誘で今日から副会頭になったの、それで活動の一環として放送部を見学してたんだ!。本人には秘密にしてね、だからそんな怖い顔して睨みつけないで!あと殴るのなし!なしでお願いします!」

 

清夜は手で頭をガードしながらしゃがみこむ。

この状況でも『ブランシュ』のことは言わずに筋が通った嘘をつくとは流石、武器商人だ。

だからなのか殴られることはなかった。

エリカは小声で呟く。

 

「ケーキで許すわよ・・・・・」

 

それと、もうちょっと私のこと知ってほしいな・・

 

「はい?」

 

「ケーキで許すって言ってんの!さっ、はやく終わらせちゃいましょう!あぁ〜もう恥ずかしい・・・」

 

エリカは熱がひかない顔を隠すかのように据え置き型CADに向かった。

 

(落ち込んだり、怒ったり、よく分かんない子だ。面倒するのは嫌なんだけどな・・)

 

それでも清野は満更でもなさそうにエリカの課題に付き合うのであった。

 

〜数分後〜

 

「1070ms・・・また遠のいちゃったね・・」

 

「うぅ・・・」

 

気持ちが切り替わって終わるのかと思われていたが未だに終わっていなかった。

どうやら気持ちや集中力がどうこうの話ではないようだ。

エリカが涙目になって見てくる。

 

「涙目になるくらいなら素直に意見求めればいいのに」

 

「教えて!」

 

「はやっ!?まぁいいや、とりあえず理由は聞かずに右手だけでやってみなよ。」

 

エリカは言われた通りやってみる。

するとタイムが一気に縮まる。

 

「1010ms!?すごい!速くなった。なんでなんで!?」

 

「エリカは普段、魔法を使うときってあの警棒だけだよね?つまり片手だけのほうがサイオンを操りやすいと思ったんだ。ほら、速く終わらせよう?」

 

「うん!」

 

そんな二人を少し離れたところで見ている美月。

『やれやれ』とでも言いたいような表情をしている。

実は美月だけは何故エリカが怒っているかは予想がついていた。

それでエリカに相談されたときも清夜のことじゃないかと言ったのだが聞き入れてもらえなかったのだ。

 

「まったく、気にしてないって言ってたのに、やっぱり気にしてたんじゃないエリカちゃん。清夜君も少しぐらいエリカちゃんを見てあげたほうがいいですよ。」

 

「どうした美月?」

 

「いえ、何でもありません。さっ、次で終わらせましょう達也さん。」

 

この数分後、いつものメンバーはレオを除いて全員終了。

しかし、レオだけは終わらず達也と清夜に教えてもらい、やっとクリアしたのであった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

2095年 4月15日 東京 八王子

 

放課後、まだ夕暮れというには少し早い時間。

深雪は学校近くの商店街を物陰に隠れながら移動していた。

俗に言う『尾行』というやつだ。

 

(一人で下校・・・ではなさそうね。コミュターがある駅とは正反対の方向ですし。心の色は前と変わらず普通の水色だけど・・・)

 

その相手は一高の二科生の制服を着た男性。

黒髪のつんつん頭で体格は服越しからだと平均的、顔は美男子とも言えなくない(深雪からだと非常に微妙。無論、お兄様は世界一!)が悪く言えば軟弱、草食系な顔つき。

つまりは清夜だった。

深雪が生徒会の備品を買いに出たところ、一人で校門を出る清夜を発見した次第である。

 

(そもそも、昼休みに今日から副会頭として働くと話していたのに放課後すぐに下校すること自体、おかしいわ。・・・もしかして、彼は『エガリテ』のメンバー!?)

 

なんて考えをしながら店の看板、置物などに隠れながら追いかける。

それに対し清夜はキョロキョロと周りを気にしながら歩いている。

無論、深雪の中で清夜に対する疑念が膨れ上がっていった。

 

(周りの目を気にしている?・・・あ、止まった。ということはここが・・・)

 

「ククッ・・司波さん。さっきから目立ってるよ。」

 

「ひゃ、ひゃい!あいた!」

 

突然止まったと思いきや深雪に喋りかける清夜。

深雪は思わず尻餅をついてしまった。

清夜は深雪に近寄り手を差し伸べる。

 

「ごめん、驚かすつもりはなかったんだけど・・・大丈夫?」

 

優しい笑顔・・と言っていいんだろう。

だが深雪はあえて手を取らず立ち上がった。

 

「・・・気づいてたんですか?」

 

「司波さんは隠密とかにはむかないんじゃないかな?司波さんは美少女だから周りの目につくんだよ。常に周りが俺の後ろを注目してるとなると流石にカーブミラー越しに見たくなっちゃうよ。」

 

「一応・・褒め言葉と受け取ります。」

 

といってもナンパの類として深雪は認識しているが・・

深雪は周りを見渡す。

確かに言われた通り周りの人は全員深雪を見ている。

端から見ればストーカー。

それに気づいたのか恥ずかしさと悔しさが混じった表情で清夜を軽く睨みつけた。

清夜は苦笑い気味に質問する

 

「う〜ん・・それで何で俺を尾行しているんだい?」

 

「清夜さんこそ何をしているんですか?今日から部活連の仕事が始まるのでしょう?」

 

「だからその仕事中。備品の買い出しに来たんだ。」

 

「はい?」

 

清夜が指で右を指した先には文房具店。

鉛筆から購買部や普通の商店にはない3Dプロジェクターの記録フィルムまで売っている学校御用達の店だ。

そして深雪の買い出しの目的地でもある。

深雪自身、今まで買い出しを忘れていたが・・

 

「それでどうする?これから買い物するけど尾行続ける?」

 

「・・・いえ、やめときます。私も生徒会の買い出し中でしたから。一緒に買いましょう。」

 

二人は店の中に入っていく、。

二人の距離は近いはずなのにその姿は仲睦まじいとは言えなかった。

 

〜数分後〜

 

一緒に買い物はしているが話すわけでもなく、ただ黙々と品物を集める二人

その途中、我慢できなかったのか深雪がこう切り出した。

 

「理由を聞いたり、怒ったりはしないのですか?」

 

「フフーフン♪理由は俺がブランシュのメンバーだと思ったからだよね?達也ほどじゃないけど二科生なのに悪目立ちしすぎた。そう思われるのも仕方ない。怒ってもいないよ。だって達也のため・・・つまりはお兄さんのためなんだよね?」

 

「・・・っ!」

 

(見抜かれてる!・・・)

 

清夜の心の色が深い藍色に変わっていく。

色からすれば殺意とは思えなかったが母親から遺伝した魔法的直感が深雪に冷や汗をかかせた。

だが清夜から思わぬ答えが返ってくる。

 

「なら、とことん疑い、調べればいい。」

 

「へ・・ぁ・・・え?な、なんで?」

 

先ほどまでの恐怖と意外な回答の驚きで深雪は上手に話せなかった。

普通なら優等生のおかしな反応に笑うとこだが清夜は真面目に語り出す。

 

「だって怪しいと予感していたのに何も出来なかったんじゃ達也が傷ついた時に悔しいじゃないか?大事な家族を守るためならどんな事でもすべきだよ。無論、犯罪などを回避して解決できるならそれに越したことはないけどね。」

 

最後は優しく微笑みながら諭す清夜。

深雪は再び心の色を見る。

数十秒前は深い藍色だったのが優しさや穏やかを示すオレンジ色に変わっていた

 

(好意というわけではない。なのにその色は何?家族にむけるような・・そういえば聞いたことがありませんでした。)

 

深雪は八雲の言っていた妹を思い出した。

もちろん八雲の言っていた人物が清夜と確信したわけではない。

それでも深雪は清夜の家族が気になって仕方なかった。

 

「あの・・ではお言葉に甘えて、質問をしていいですか?」

 

「するだけならどうぞ。答えないかもしれないし、嘘をつくかもしれないけど。」

 

「清夜君には・・妹さん・・がいますか?いや、そのですね、私達兄妹を気にかけてるように見えるので・・」

 

清夜の表情が一瞬曇った。

いや、百人中百人が「変わってない」と言うぐらい一瞬だったのだが深雪にはそう感じた。

しかし事実として清夜はショックを受けていた。

 

(気にかけたつもりはなかったんだけどな・・しかもピンポイントで妹と来たか。いないとは言えないな少なくとも後ろには九重八雲がいるんだ。いることはすぐにバレる。なら・・)

 

「ああ、いるよ。俺が家族と呼べるのは妹の冬華だけでね。俺とは違って何でもやれば人並み以上の結果を出すし歳は俺の一つ下だけど勉強も俺より出来る、何より他の魔法師の一つ上をいく魔法の才能がある。自慢の妹さ。そういった意味でシンパシーを感じたのかもね。」

 

「妹さんは今どうしているのですか?」

 

「今はイギリスの大学にいるよ。この先どうするのかは聞いてないけど。これで満足?」

 

満足かと言われれば満足ではない。

深雪は何か霧のような物を掴んでいる気分だった。

 

「・・いえ、今はそれで結構です。」

 

だが深雪はそれ以上質問するつもりはなかった。

深雪達自身も秘密を抱えて第一高校に来たのだ。

きっと自分達と似たような事情があるのだろう・・深雪はそう思うようにした。

甘いのだろう。

でも清夜が妹を語る姿は兄似て、深雪にはとても悪い人とは思えなかったのだ。

 

「じゃあ並ぼうか。」

 

「はい」

 

二人は入り口近くのレジに並ぶ。

来る時間が悪かったのか、文房具店の割に長い列がレジに出来ていた。

深雪は話すことが思いつかなくなり、ふと外をみる。

 

(あら?あれは雫にほのかに・・もう一人は知りませんが一体、何を?・・)

 

深雪の中で、ここ最近の彼女達の行動が引っかかった。

彼女達は達也を襲った人物について探っていたこと、そして匿名通報の写真に写っていた剣道部の部長を探していたことを・・

深雪はまた冷や汗をかく。

先程よりかは怖くないがそれでも嫌な予感がするのは変わらなかった。

 

「清夜君!会計をお願いしていいですか!?私は少し外を見てきます!」

 

「え?あ、うん。」

 

「お願い」と言ってはいるが深雪は言い切る前に籠を清夜に預け外に出た。

清夜は勢いに負けて引き受けてしまう。

しかし清夜は深雪が外に出る姿を見ると清夜の中でも嫌な予感を感じた。

武器商人の勘ほどではない。

それでも清夜は一度列を抜け、思考通信を始める。

 

『アル、聞こえるか?』

 

『はい、何かありましたか?こちらはまだ話を続けていますよ。司波君にも気づかれていません。』

 

現在、アルテミシアは部活連の仕事として(命令は清夜だが)達也と話をするという剣道部の壬生をマークしている。

その進捗も気になるとこだが今は別の指示をだした。

 

『二人の会話の内容は後で聞く。今はそれよりも情報部に連絡。衛星で司波深雪を見つけて監視しろ。先程までいた座標を送る。』

 

突然の指示だが社長の雰囲気で語る清夜にアルテミシアは落ち着いた口調で答える。

 

『了解しました。今は放課後なのでアシュリー達や翠達を送れますがいかがしますか?』

 

『そこまでしなくていい。というより彼女たちを動かすだけの根拠がない。武器商人の勘とも言えない。念のためだ。』

 

『了解しました。何かありましたらエレンさんを通じて連絡させます。それでは』

 

そうして思考通信を切る。

清夜は核弾頭並みの威力の地雷を踏もうとしていることにまだ気づいていない。




う〜ん・・・シリアス系や戦闘はマシになってきた(自画自賛)と思っているけどエリカとのシーンがイマイチ上手くいかない。イチャイチャさせたくはないんだがなんというか・・・

次回予告!!

久しぶりに登場!美少女探偵団!(後ろからヒーロ物で使われる爆発ドカーン!)
そして魔王と破壊神の殺し合いの火蓋が切って落とされる・・・

次回もお楽しみに〜

「これはダメじゃない?」、「これだと運営に取り締まられるんじゃない?」という場合には是非、メッセージなり感想なりで報告をお願いします。感想、誤字脱字、評価、アドバイスもジャンジャンお待ちしております。
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