ラブライブ! The youthful days 作:なふたれん。
こんな適当な感じの小説を読んでいただき、ホントに嬉しかったです!
では4話です。どうぞ!
次の日の放課後、校門前で待ち合わせをしていた真姫と一緒に西木野家へと向かう。
それにしても3年の月日は、長いようで短いものだと思っていたが、彼女の成長を見るとそうでもないんじゃないかと思う。
出会った当初の真姫はまだ中学1年生だった。俺の最初の真姫のイメージは、高飛車なお嬢様で、だが話してみるとただの音楽が大好きな女の子だった。
それは今も変わらないのが、昨日のピアノを弾いている時の楽しげな表情から読み取ることが出来た。
変わったところといえば、スタイルがよくなったところだろうか。以前の真姫もスタイルが悪いわけではなかったが、それでもまだ中1の子供だった。しかし今は、身長も160を超えて、スラッとした足に平均以上はあるであろう胸、そして何より顔つきが大人に近づいていた。それでも時折見せる子供らしい表情が、彼女の魅力だったりする。
…なんか俺、変態みたいなんだけど。
「そうだ、真姫。この間、久しぶりにインスピレーションを感じたんだ。歌詞を考え終えたらメロディ考えてもらってもいい?」
「オコトワリシマ…んんっ、いいわよ」
ん?何か言いかけてなかったか?…まあいいか。
何と、実はこの真姫お嬢様、作曲までできるのである。幼い頃からピアノをやっていて、そのおかげで自分の持っていた音楽の才能が爆発したのだろう。
昨日の放課後、音楽室で俺がベースを弾き、真姫がピアノを弾いて2人で歌った『愛してるばんざーい!』は、何度か言ったように2人で一緒に作った曲だ。
俺と真姫で歌詞を一緒に考え、主旋律を真姫が考える。そして俺が編曲する、といった感じの作業分担となっている。
真姫はしっかりとした作曲も出来るようだが、俺の方が主旋律以外の譜面を作るのに優れているらしく、そこは俺がやっている。
ベースやギター、ドラムなどは俺が弾き、シンセサイザーは真姫が弾いた。
自分で言ってしまうのも何だが、正直真姫の作曲の才能と俺の編曲の才能を組み合わせれば曲的には素晴らしいものがじゃんじゃんできそうな気がする。
と、そんなことを考えている間に西木野家に着いた。
何と言うか…相変わらずでかいなぁ。
曲を作るときに以前お邪魔した時にも思ったのだが、両親が医者──しかも父親は総合病院の院長──だからか、映画で見るような洋風の豪邸となっている。
地下に練習ホールのような防音室があり、そこには1台のグランドピアノや真姫の父親も音楽が好きらしく、ドラムや様々な楽器、必要な機材などが置いてある。
音楽を好む人間からしたら、ここに住んだら何て幸せな日々が送れるだろうかと胸踊るものがある。
以前真姫に、ずっとここに住んでいたいと言ったら、顔を真っ赤にして殴り飛ばされたことがあった。
調子に乗るなと怒っていたのだろう。
「海里がここに来るのも久しぶりね…」
「あーその、真姫。前は、ここにずっと住みたいとか言って悪かったな。もう怒ってないか?」
「ゔぇえ!?べ、別に急に言われたから驚いただけなんだから!住みたかったら住めばいいじゃない!」
と、まくし立てたかと思うと、何故か急に顔を真っ赤にした。
え、何で?
住みたかったら住めば──あ、なるほど。
「住みたいなら婿に来いと」
「〜っ!うるさい!さっさと入るわよ!」
あ、怒られてしまった…軽い冗談だったのに。
そんなに俺が婿入りするの嫌か。
まあ好きでもない男が婿入りするなんて嫌だろうなぁ。
そして西木野家の門を通り、玄関を跨ぐ。
…やっぱり中も綺麗だ。誰も出てこないことから、まだ俺たち以外は帰ってきていないらしいことがわかる。父親はいつも遅いようだが、母親の方は夕方には帰って来るらしい。恐らく今日は忙しいのだろう。
リビングに行くのかと思いきや、そのまま階段を登り出した。
もしかしてお部屋ですか…前は入ろうとしたら断固拒否されてたあの真姫お嬢様のお部屋ですか。
2階に上がり、いくつかある扉の1番奥にある扉の前まで来ると、「中で座っててくれる?…ちなみに色々探したりしたら殺すわよ」と脅しながら部屋の中に入れられた。
言われなくても探さねえよ。そこにあったら見るけど。
初めて入る真姫の部屋は何と言うか…真姫の匂いがした。女の子特有の甘い匂いの中に更にお花畑が広がっている様な、そんな匂いだった。意外にも部屋の中はシンプルで、そして真姫らしくきちんと整理されていた。
──穂乃果も見習って日頃から綺麗にしてほしいものだ。
壁際には、1台のオルガンにベッド、1つの写真立てが伏せられている勉強机があった。そして真ん中にはちゃぶ台に数枚の座布団。
一言で言ってしまえば、意外に普通の部屋だった。お嬢様のイメージが強かったので、天蓋付きのお嬢様ベッドでも使っているのかと思ったが…まあ真姫は着飾らないのが好きだからなぁ。
折角ならベッドにでも座ってやろうかと考えたが、好きでもない男にそういうようなことをされても嫌がられるだけだろうから、座布団に座って真姫を待つことにした。
座布団に座ってみると、それは何とも座り心地のよいものだった。こういう所にお金をかけられるのはやっぱりいいなぁと思ってしまう。
ふと、部屋を見渡しているとベッドの下に何やら黒いものが落ちているのが目に入った。ベッドと床の隙間のすぐ内側くらいで、腕を突っ込まなくても取れるくらいの距離だったため、取ってあげることにした。
…もしかしたら大事なものかもしれないしな。手に触れると、それは布系の物だとわかった。若干の滑らかな肌触りに、レースが付いているようだ。
服か。畳んであげよう。
そう思って、取って広げてみると、それは──
「海里、紅茶とコーヒーどっちがい…」
──パンティ、なるもので。
タイミングを狙っていたかのように部屋に戻ってきた真姫は、まさに目が点になっていた。
俺が気づいた時には、真姫の回し蹴りが顔面にクリーンヒットし、体が吹き飛んでいた。
──あぁ、今日は赤いパンティなんだねお嬢様。
その直後、俺は意識を手放した。
◆◇◆
「ごめんなさいでした」
それから数分後、俺は真姫の部屋のカーペットの上で目を覚ました。流石に膝枕はしてないだろうとわかってはいたが、頭の下に座布団を敷いてくれていたのはありがたかった。…まあ下はカーペットだから座布団なしでも痛くはならないのだが。
真姫に事情を説明すると、きちんと理解してくれた。何でも、海里は嘘を吐くような人間じゃないってわかってるから、とのこと。信頼してくれてるのはありがたいが、何だか少しくすぐったいような、そんな気分になった。
それにしても最近俺、女の子に謝ってばかりな気がする。今日は真姫に、昨日は絢瀬姉妹に、この前は穂乃果の取っていたプリンを食べて穂乃果に謝った。…まあ穂乃果は新しいのを買ったらケロッと機嫌が直ったが。
何だか情けない気持ちになってくる。
そこへ、真姫が声をかける。
「さっきママから連絡があって、今日はパパもママも7時くらいに帰ってくるらしいの。だから今夜は私が晩ご飯を作るんだけど、海里も食べてくでしょ?一緒に買い物に行かない?」
「あ、あぁ。何を作る予定なんだ?」
「え?そんなのトマト料理に決まってるじゃない。真姫ちゃんと言えばトマト、でしょ?」
真姫は、人差し指を顔の前で振り、ウインクをしてくる。こうして見ていると、ほんとに大人になったと思う。まだ高校生な俺が偉そうに言えるようなことでもないのだが。
思わず真姫の表情をじっと見つめてしまった。
「な、何よ」
「いやぁ…本当に綺麗になったなぁと思ってさ」
「なっ…!何それ、意味わかんない!」
いただきました、イミワカンナイ。
真姫は真っ赤になって怒っているように見えるが、これは照れているだけだ。まあ真姫は素直じゃないからなーとニヤニヤしていると、「に、ニヤニヤしない!さっさと行くわよ!ほら、早く立つ!」と言わてしまったので、仕方ないなぁ、と立ち上がるのだった。
ナニソレ、イミワカンナイ!
誤字・脱字や文章上おかしな点があれば御指摘よろしくお願いします。