ラブライブ! The youthful days 作:なふたれん。
もしかして俺の小説、地の文多すぎ…?
俺たちは西木野家を出た後、昨日絵里と一緒に行ったスーパーに来ていた。今晩のメニューは、トマトライスにトマトとチキン煮込み、トマトサラダetc…という、トマトダイエットでもしているのかと疑うような内容だった。真姫のトマト好きにも呆れたものだが、それよりも疲れて帰ってくるのにトマト系しか食べさせてもらえない真姫の両親がかわいそうになってくる。トマトスープだけは真姫に頼み込んでボルシチ風のスープにでも…ってそれもトマトやないかーい。
……。
…あ、ごめんなさい。普通に味噌汁にします。
とは言え、真姫がトマト好きになったのは俺のせいでもある。
実は、俺と真姫が出会った当初は、トマトは真姫の1番嫌いな食べ物だった。しかし完璧主義だった真姫はトマト嫌いを克服しようとしていて、それを俺に相談してきたことがあったのだった。
俺はそれをこっそり、主治医だった真姫の母親に伝えると、次の日から西木野家で色々な工夫を凝らして料理にトマトを入れ出したらしい。
そのうちに真姫がトマトにハマったらしく、そこからずっとトマトガールである。
まあ俺が言わずとも、いずれ真姫自身が言っていただろうからそこまで変わりはないのだろうが、食べ盛りの時期に好きにさせてしまったのは俺のせい、という訳だ。
俺が退院した後、何度か西木野家にお邪魔したことがあったのだが、そのときにも真姫にトマト料理を作ってもらった。
もうびっくりするぐらいトマトだった。
トマト農家の方もおっかなびっくりなトマト具合だった。
「そういえば海里。今なら考えたらすぐわかるんだけど」
「ん?何が?」
「ママが、急に料理にトマトを入れ出したのは何でか」
そりゃそうだろう。相談された翌日には先生に言ったのだから。むしろ、何であの頃の真姫がタイミングが良すぎるとは思わなかったのかわからないくらいだ。
特に言うことでもなかったので、真姫には何も言わなかったが…。
「あ、やっぱりバレた?」
「バレバレよ…当時の私はわからなかったみたいだけど。まあ、いいのよ。貴方のおかげでトマト好きになれたんだし♪」
そう話す真姫はとても楽しそうで、見ているこちらまで楽しくなってきそうだった。
そんな時。
「あれ?お兄ちゃん?」
聞き慣れた小煩い方のマイシスターの声がした。
振り返ってみると、そこにはいつもの幼馴染み3人組が。
「おう穂乃果。お菓子でも買いに来たのか?」
「違うもん!お母さんに買い物頼まれただけだもん!」
「じゃあ何でことりと海未が…あぁ、方向音痴だからか」
「いえ、お兄さん。ちょうど放課後集まる予定でしたので、それなら一緒に、ということだったのです」と、海未。
「まあ穂乃果ちゃんの方向音痴も心配だったんだけどね…それよりもお兄ちゃんはどうしてここにいるの?」と、ことり。
こいつら穂乃果大好きだからなぁ。ほのキチってあだ名でも付けてやろうか。
「あぁ、友達の家でご飯食べることになってね。母さんには言ってあるんだけど。その食材の調達だよ」
「友達…ってお兄ちゃんまたどうせ女の子なんでしょ!このタラシ!」
「何だその口の聞き方はぁ!しかもタラシじゃない!」と言いながら穂乃果のほっぺをぐにぐにする。「いふぁいいふぁい〜!」と言ってる穂乃果はすごいアホ面だった。
「ていうか、お前らも知ってる人だし俺の後ろにいるじゃん」
『えっ?』
そう言うと、3人と一緒に後ろを見る。
そこには、苦笑いしている真姫が。
『真姫(ちゃん)!?』
「お、お久しぶり、です…」
この4人は、俺が入院しているときに病室で会っていて、既に知り合いだった。
俺と真姫が話をしている時に、3人組がお見舞いに来たのだった。最初は、お互い警戒し合っていたようだが、徐々に仲良くなったようだ。
「お久しぶりだね真姫ちゃん!3年ぶりくらいかな!病院でしかあってなかったから何か新鮮だなぁ!」
「穂乃果、真姫だって人間なのですから外にくらい出るのですよ?…こほん。お久しぶりです、真姫。元気にしてましたか?」
「真姫ちゃ〜ん!お久しぶり!大きくなったねぇ♪すっごい美人さん!」
「え、えぇ…3人とも元気そうでなにより、です」
久しぶりに3人に会ったせいか、真姫は前はタメ語だったのに敬語を使っていた。そりゃあ急に3年振りに会ったら気まずくなるだろうよ。
あれ?でも俺のときは結構あっさりしてなかったか?…もしかしてバカにされてる…?
「真姫ちゃん!昔みたいに敬語なんて使わないで話そうよ!その制服ってことは音ノ木坂なんだよね!私たちも音ノ木坂だから学校でも仲良くしようよ!」
「そうですよ、真姫。いくら先輩だからとは言え、私たちの仲じゃありませんか」
「え、でも…」
「まあまあ。久しぶりに会って、真姫だって気まずいんだよ」
「そう言わずに〜…あれ?」と、ことりが急に俺の持っていた買い物カゴの中身を見る。
「トマトがいっぱい…真姫ちゃんってトマト苦手、って言ってなかった〜?」
「あれから何とか頑張って克服したんだと。今では1番好きな食べ物らしいぞ」
「わぁー!真姫ちゃんすごーい!私なんてまだピーマン食べられないよ!」
「胸張って言うことじゃねえだろ。母さんも困ってるんだからな?」
「穂乃果…真姫のようにピーマンを克服すべきです!帰ったら穂乃果のお母さんに言っておきますからね!」
「おっ。よろしく頼むぞ」
「嫌だぁぁぁ!ピーマンだけはぁぁぁぁぁ!」
穂乃果はそう叫ぶと、スーパーの中だというのに走り去って行ってしまった。
そしてことりと海未も、俺と真姫に挨拶をした後、穂乃果を追いかけていったのだった。
相変わらず楽しそうだなあいつら。
買い物を再開しようと思い、真姫の方を振り返ってみると、何やら不安げな表情をしている真姫がいた。
「ん?どした?」
「あ、貴方が気にすることじゃないわ。さ、買い物を続けましょ?」
「あぁ、うん…」
どうやら真姫とあの3人の間に何かしらのことがあった、と見て間違いないだろう。
まあ真姫がそうでもないことを気にしすぎているだけなのかもしれないしな。こういう時は深追いしない方がいいのだろう。
無言で食材を見ている真姫の後に続いた。
◆◇◆
西木野家へ戻ると、真姫は早速調理を始めた。
手伝おうかと思ったが、そこは1人で作りたいというプライドがあるらしく、キッチンでテレビを見るか、防音室で適当に楽器を触っていてくれ、と言われたので、久しぶりに防音室に行くことにした。
以前の骨折の退院後、数ヶ月は週末にかけてここに通ったものだ。そして真姫とセッションをしたり、曲を一緒に作ったりしていた。それも高校に入ってからは一切なくなってしまい、元々連絡先も教え合っていなかったので、疎遠になってしまっていたのだ。
防音室に入ると、まず部屋の左隅にグランドピアノがあるのが目に入る。前はこのピアノが一軒家にあるものなのかとびっくりしていたな、などと懐かしみながら右側を見てみると、そこにはまた懐かしいものがあった。
ワインレッドのストラトキャスター。
曲を作っていた当時、真姫の父親にプレゼントされた物だ。何でも、彼が西木野総合病院で働くことになった時の最初の半年分の給料で買った、初めての贅沢物らしい。とても愛用していたようだ。
俺がギターやら何やらの楽器を弾けるようになったのは、小1から中2までに、ある先生から教えてもらっていたためなのだが、練習のときは先生が楽器を貸してくれていたので、自分の楽器は持っていなかったのだ。
正直、プレゼントすると言われた時はめちゃくちゃ嬉しかったが、それと同時に俺ごときがそんな大切な物を使うなんておこがましなどと思ってしまっていたので、所有権は俺にあるが、西木野家に置いてもらうことにしたのだ。
高校に入ってから、いくつもバイトを掛け持ちして、自分用のギターを買ってしまったので、そのギターがないと弾けないということはなかったのだ。更にはドラムやベースは、音楽室で使用できるので、買う必要もなかった。
だからここに通うこともなくなってしまったのだ。
久しぶりに弾こう。
そしてこの素晴らしいギターの奏でる音色を楽しもう。
そう考え、ギターに近づき、弦が新しく張り直されているのに驚きながらも手に取るのだった。
◆◇◆
あの後、夢中になってギターを弾いていると、一区切りついたところで拍手が聞こえたのでそちらを見てみると、真姫の父親が立って拍手をしていた。その後ろには真姫もいた。
「いやぁ!流石俺の認めた海里君!以前よりも何十倍も上手くなってるね!ま、俺の全盛期に比べたらまだまだだけどな!あ、あとお久しぶり!」
「お久しぶりです。いえいえ、院長先生のおっしゃる通りまだまだですよ」
実は彼、自分で言うだけあって本当にギターが上手い。高校の時にギターの世界大会にも出たとかなんとか。だがその方に認めてもらえているのはとてもありがたい。
と、真姫が言いづらそうながらも口を開く。
「海里、お楽しみ中悪いけどご飯出来てるわよ」
「あぁ、片付けたらすぐ行くよ」
後片付けを済ませ、西木野家の食卓につく。
真姫のトマト料理を楽しんでいると、目の前に座っている真姫の父親に話しかけられる。
「海里君は、将来どうするか決めているのかい?」
「まあ一応は…医者になろうかと」
「おぉっ!うちの病院か!?真姫に嫁いでくれるのか!?いやぁこんなイケメンなお医者さんにこんな美人な女医さんがいたら今よりももっと人気が出──あ痛っ!」
どうやら1人で盛り上がりすぎて隣にいる真姫の母親に蹴られたようだ。…相変わらず楽しそうだなぁ。
「あなた」「パパ!」真姫ママは少し冷静に落ち着かせるように、真姫は顔を真っ赤にして身を乗り出して院長先生を止めていた。
「真姫の、旦那さんですか。はは、それもいいですね」と、軽く冗談めかして言うと、真姫は赤い顔をそのままこちらへ向けて、「ばかっ」と言っている。トマトちゃんかよ。
真姫パパだけでなく、真姫ママもそれを見てニヤニヤしているので、これ以上弄ると本当に真姫の旦那さんにさせられそうだ。俺は別に嫌ではないが真姫が嫌だろう。
そのまま楽しい時間は過ぎていき、俺は家に帰ることにしたのだった──
そういえば味噌汁を頼んだはずなのに結局トマトスープにされていたのはもう許すことにしよう。
なかなか会話を入れられない…文才がないのがそれで如実に現れてますね…。
誤字・脱字や文章上おかしな点があれば、御指摘よろしくお願いします。