ラブライブ! The youthful days   作:なふたれん。

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前回、地の文が多すぎて飽きるような内容になってしまったため、今回は会話をより多く入れてみました…内容うっすいなぁ。





Ep.6 The day

 

 

「音ノ木坂学院は、来年度の新規入学希望者が定員を下回った場合、廃校とします」

 

それが、今朝の臨時集会で理事長から聞かされた話だった。…俺がこの学校に男子1人だという状況を考えればいつ来てもおかしくないと予想することはできたはずだが、2年間過ごしてきた思い出深い場所でもあるので、本能的にそう考えることを拒んでいたのだろう。

 

今は昼休み。生徒会室に絵里と希といるが、俺含めてみんなだんまりとしていて、空気が重い。

 

「ことりのところへ行きましょう」

 

絵里が急に立ち上がったかと思うと、そう提案した。実は、高1のときに家に絵里を呼んだのだが、そのときあの3人組と絵里で一悶着あった──何故かは知らない──ため、4人は知り合いなのだ。その後は仲良くしているみたいだが。

以前も話したが、ことりはこの音ノ木坂学院の理事長の娘だ。恐らく絵里は彼女なら何か聞いているかもしれないと思ったのだろう。

だが──

 

「いや、行っても無駄だと思うぞ。そんな大切な話を普通、娘にだけにするか?」

「行ってみるだけ行くのよ。行かないと何も始まらないじゃない」

 

まるで彼女は何かに焦っているように見えた。廃校になるのは今の1年が卒業した後なので、編入試験などはないし、彼女の成績なら何ら問題はないのだが、それ以外の何かに追われているような…。

 

「絵里ち。カードも『急いては事を仕損じる』って言ってるで?今はそんなに焦らずに──「うるさい!行くったら行くのよ!」…っ!…じゃあ絵里ち、一緒に行こ?」

 

あんなに焦る絵里は久しぶりに…いやこの間見たな。それにしても絵里もまだまだ子供だなと思ってしまった。行くったら行くって…穂乃果かよ。

絵里は、何らかの事情でこの音ノ木坂を廃校にしたくはないのだろうが、それは自分自身のためではなく、誰かのために廃校にしたくないといった感じで──まともなことは期待出来なさそうだった。

 

絵里と希が出ていった後の生徒会室は、窓から入り込む暖かい風と、冷え切った雰囲気で微妙な空気を醸し出していた。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

昼休み終了間際、放課後にする予定の仕事を終わらせ、俺が教室に戻ろうとすると、絵里と希が生徒会室へと戻ってきた。

 

「一応聞いてみるが…どうだったんだ?」

「ダメだったわ。何も知らないみたいで。明日の朝にでも理事長に聞きに行きたいことがあるの。海里も来てくれないかしら?」

「別に行くのはいいんだが、俺は何も言わんぞ」

「海ちゃんはいてくれるだけでええんよ?絵里ちがそれで落ち着けるみたいやし」

「の、希!」

 

絵里はアワアワとしているが、どうしたのだろうか。先程とはまた違った焦り方だが。

 

「とりあえずもう教室に帰ろう。昼休みが終わっちまう」

 

「ええ」「そやね」と2人が生徒会室に置いた荷物を取り、教室に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

その日の放課後は、自分の仕事を既に昼休みに終えたので生徒会を休ませてもらった。

今日は用事があるのだ。校内で。

だが今回は真姫ではなく、俺が1年の時に知り合った──と、すぐに目的の場所に着いてしまった。

 

そこはアイドル研究部の部室。

現在部員はたった1人…3年生のある生徒だ。

元は3人だったが、色々あって今では1人になってしまったのだ。

ドアをノックすると、中からドタバタと大きな音が聞こえてくる。恐らく自らが散らしたアイドルグッズを片付けているのだろう。数十秒経った頃、ようやく鍵が開き、ドアが開かれる。

そして現れたのは、黒髪ツインテールの小さな美少女。これがアイドル研究部所属の3年生、矢澤にこである。

 

「よう永ちゃん」

「誰が永吉よっ!初っ端からベタなボケかましてるんじゃないわよ!」

「はいはい。じゃ、失礼しまーす」

「話聞きなさいよー!」

 

にこがぎゃーぎゃー叫んでいるが、いつものことなので中に入って、奥のデスクトップPCの前にあるパイプ椅子に座る。そして部屋を見渡すと…相変わらずアイドルグッズしかねえな。

 

「んで、今日は何を見せてくれるんだ?宇宙一可愛いアイドルにこにーちゃん」

「可愛い?そんなの知ってるわ!そしてよく聞いたわね!これを見なさい!」

 

少し褒めた(?)だけでここまで調子に乗った彼女は、せっせと俺の隣に座ってPCのスリープモードを解除する。すると、そこには有名動画投稿サイトの再生画面が映っていた。

タイトルは、『【A-RISE】Private Wars』。

 

最近話題のUTX学院のスクールアイドルだ。実は、音ノ木坂が廃校の危機に立たされているのもこのUTXとA-RISEのせいだったりする。UTXは秋葉原に巨大ビルのような校舎を構えている女子高で、A-RISEが人気になったことによって、それ目当てで音ノ木坂に入学したいという生徒がじゃんじゃん流れてしまったのだ。

A-RISE以外にも、音ノ木坂にはないような特徴が沢山あるため、それも人気なのであろう。

 

にこがマウスを操作して動画を再生する。

聞こえてくるのは電子音が奏でるダンスミュージックのような、聞いているだけで勝手に身体が動き出してしまいそうなリズム。

そして何より、彼女たち3人の醸し出す…引き込まれそうなオーラに圧倒された。

だが──

 

「まだまだ、だな。ダンスを完璧に踊れればいいわけじゃない。こいつらは個々の力が強すぎて輝いているように見えるだけだ。もしにこの実力がこいつらに追いつきそうになってみたら分かるさ。結局最後は団結力、ってな」

「はぁ…結局あんたを頷かせるようなスクールアイドルはいないってわけね。あんたの洞察力には尊敬を通り越して呆れるわ…それで──

 

 

 

──『これ(・・)』で、合ってるのかしら?」

 

 

 

そう言って真面目な顔になったにこが指を差したのは、A-RISEのセンターに佇む、小柄ながらも最もオーラの出ている少女…『綺羅ツバサ』。

 

「…あぁ、こいつだ。だけどな、こいつは何も悪くないんだ。何も知らずに普通に生きている。ただ手がかりが少しでも欲しかったんだ」

「そう…私はそもそも部外者だから絵里みたいに足を片方突っ込んだような調査は出来ないけど、少しでもあんたの力になりたいの。…助けられたお礼に」

 

ありがとう、と言って頭を撫でると、にこは今まで何度もしているのに毎回のごとく気恥ずかしそうに顔を赤めて俯くのだった。

 

 

 

 

 

家に帰ると、何故か穂乃果がむくれていた。

 

 

 

 

 




海里君、どんな過去を持っているんでしょうね?


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