遅くなって本当にすいませんでした……
書いては消して書いては消してを繰り返して何か変なところがあるかもしれませんが、暖かい目で読んでください……
それではどうぞ
004
シャルル・デュノア。三人目の男性操縦者────ということになってはいるが、本当は女性なのではないか?と疑いをもたれている謎の転校生。
楯無からも男子か女子か見極めて欲しいと頼まれていたし、俺と織斑があの自己紹介の後で世話役に抜擢されたのは好都合だった。
けれども。こうして三人で更衣室に来てみて、デュノアの様子を観察してみれば。
なるほど、織斑や俺の裸体を見て顔を赤らめているあたり女子である可能性は出てくる────だがしかしッ!!さっき教室でクラスの女子が話していたことが頭から離れないのだ────。
すなわち、あいつホモじゃね?と。
「もしそうだとしたら一番やばいの同室になるっていう俺じゃん………」
嫌だ。本気で嫌だ。俺は健全に女子が好きなのだ。黒髪ロングの美人が好きなのだ。断じてホモじゃないんだ…………
「何頭抱えてるんだよ、透。早くしないと千冬姉に叩かれるぞ」
「ん、あぁ……そうだな……」
「なんでそんなにテンション低いんだよ?」
「えっと、僕の世話役にならされたことってやっぱり迷惑だったよね……」
「あぁ、いやそういうことじゃないんだが…………まぁなんでもない。ほら、デュノア。行くぞ」
「ちょっと待ってくれ!!まだ俺着替え終えてない────!!」
後ろから何か声が聞こえるが完全無視して第一アリーナへと全速力で走っていく。が、フィールドが見えてきた時点でもう既に他の生徒は整列してしまっているようだ。
これだから更衣室が遠いと面倒なんだよ──と愚痴ったところで現実は変えられない。まだ始業の鐘はなっていないのだ。それまでに滑り込めばセーフ、地獄の出席簿を食らわなくて済む。
「はぁ、はぁ…………ちょ、ちょっと透!?一夏おいてきちゃっていいの!?」
「イチカ?知らん名だなぁ!!」
「外道だー!!」
ふははは!!構わん捨て置け!!奴は俺らの出席簿回避の為の尊い犠牲となったのだよ!!
アリーナに滑り込み、息を切らしながら列に並んだところで、丁度始業のチャイムが鳴り始めた。
「ぎりぎりッ!!セーフッ!!」
「な、なんとか間に合った……」
「………ふん、もっと時間に余裕をもて。それで?織斑はどうした」
「星になりました」
「そうか。では授業を始める」
「え!?えっ!?」
おろおろとするデュノアはどう見ても女の子にしか見えない。しかもとびきりレベルの高い女の子だ。
例えば京都の方に本拠地がある陰陽師系の専門家達なら陰の気か陽の気で判断はつくのだろうが、生憎唯一の知り合いである陰陽師は呪術?符術?知ったことかの暴力系陰陽師なのでそういった術は学んでいない。
辛うじて簡易的な符術なら扱えるが、惑い狐の時に使った気休め程度の護符くらいしか使えないし作れない。今回の場合では何の役にも立たないだろう。
さて、どうしたものかなぁ…………と考え込んでいるうちに織斑が到着したらしく、出席簿を頭に食らっていた。相も変わらずな桁外れの威力ですね、織斑先生……
「さて、遅れた馬鹿も到着したところで一組二組合同訓練を開始する。今日から実際にISを使っていくので十分に注意して扱え。いいな?」
「「「「「はいッ!」」」」」
「それではまず、模擬戦を行う────凰、オルコット。前へ出ろ」
「え?」
「私と……鈴さんですの?」
「なんだ、不満か?」
「いえ!そんなことは!」
凰とオルコット?また珍しい組み合わせを。
いや、近距離型機体の【
いい模擬戦を見せてくれるだろう──────
「…………ん?」
と、そこで刀を象ったネックレスの形になっていた【黒武者】のハイパーセンサーが限定展開され、視界に【
上空?空から女の子でも降ってくんの?すごいや!ラピ○タは本当にあったんだ!!
くだらないことを考えながら空を見上げれば────本当に女性が落ちてきていた。
「あわわわわわわぁぁぁぁ!!??皆さん退いてくださいぃぃぃぃ!!!!」
ハイパーセンサーにより強化された視界に映るのはラファール・リヴァイブを身に纏った山田先生。
見るからに制御を失っており、くるくると回転しながら────生徒達が密集している方へ墜ちていく。
「ッ────」
咄嗟に【黒武者】を展開、武装より試作型
武骨で巨大な火縄銃の形をした、電磁砲。
最大威力で敵にぶち当たればシールドエネルギーの七、八割は削れるとかいう化物銃。
だが電磁加速の為のバレルが超長くて扱いづらいわ、こちらのエネルギーもゴッソリ喰らっていくわ、一度撃てば砲身冷却のため十分は撃てないわで使いどころが殆どないぶっちゃけお荷物である。
この武装の由来である火縄銃も一度撃つと次撃つまで面倒なプロセスを踏まなくてはいけないのだが、そんなところを再現しなくてもいいと思うのですが、それは…………
まぁ、それはともかく。
威力を抑えた砲撃で勢いを────殺す!!
「────
「キャァァァァッッ!!??」
バチィッ!!と音と共に発射された弾丸は、見事にラファール・リヴァイブにヒット。しかし威力を抑えすぎたのか方向を逸らすだけになったが、まぁ別に目的は果たしたしいいだろ、と思ったのだが。
生徒達から離れた落下地点には、未だに頭を押さえていた織斑がいた。
「「「「…………あ」」」」
…………やっば。
「いつつ…………ってうわぁぁ!!!!」
辛うじて織斑が白式を展開した一秒後。凄まじい音と共に激突した二人はゴロゴロと転がっていった。
「…………うわぁ」
「…………教師に向かって砲撃するな、大嶺」
「それは本当にすいません…………というか、なんか別種の大変なことになってるんですが…………」
具体的にいえば、織斑の顔が山田先生の豊満な胸部に埋まっていたりとかね!
………………もうやだなにこれなんてちょいエロ系ラノベ…………?
真っ赤になった山田先生を放置してレーザーとか双天牙月とか木刀とかよりどりみどりな攻撃を受ける織斑を遠い目で見つめる俺と、頭を抱える織斑先生。
なぁ、信じられるか?あれ、俺と同じ男子なんだぜ……?嘘みたいだろ?何この差。
「いい加減にしろ貴様ら!!さっさと元の位置につかんか!!」
織斑先生が一喝すれば一瞬にして整列の形に戻る俺を含めた生徒達。何今の。少しだけだけど殺気を感じた…………
「全く…………今から模擬戦を行う。凰、オルコット。お前らは二人で山田先生と戦え」
「え?二人で、ですか?」
「それはちょっと…………」
「ふん、自惚れるなよ小娘共。山田先生だって代表候補生だ」
「あははは……元ですけどね」
うむ、知ってた。知ってたよ?超知ってた…………いや本当に。
調べているとかなり優秀だったようだ。
現役時代は【
俺も二つ名とか貰えるのだろうか。専門家としては【怪異斬り】という名前はあるのだが、IS方面での二つ名も欲しい。
近接武装が主装備だし【
機体が黒いしヒット&アウェイが基本で動き回るから【
あとは……シンプルに【
ふぅ、危なかった。あやうく過去の負の遺産があふれでるところだったぜ…………あの頃の俺は一体何を考えていたんだろうなぁ…………
俺が過去を思い出して悶えている間に模擬戦が始まってしまっていた。
攻撃する二人とそれを避けていく山田先生。けれどその勝敗はもうすでに見えてしまっているようなものだった。
凰とオルコットの連携がまるでなっていない。凰が切り込もうとすればオルコットのピットが邪魔になり、オルコットが射撃しようとすれば凰が射線に入ってしまう。
お互いがお互いを邪魔しあってまともなダメージを与えられていない。その隙をついて山田先生はアサルトライフルなどの射撃武器で着実に二人のシールドエネルギーを削っていく。
その操縦スキルは、なるほど異名がつくのも納得の腕前だった。
もしかしてこの模擬戦は日頃あだ名とかつけられてなめられかけてる山田先生の地位をあげるためだったりするのか?
だとしたら、その目論見は成功したな。周りの生徒達も感嘆の声を出している。これからはなめられることもないだろう…………あのドジっ子なところを無くせれば。
結局模擬戦は山田先生に上手く誘導された二人が空中で衝突、まとまったところでグレネードを撃たれて終了という流れとなった。
「すごい……」
「山ちゃん先生……ううん、山田先生ってこんなにすごかったんだ」
「……ふむ、これからは山田先生にも敬意を払って接するように!!ではこれより実際にISを動かしてもらう!各自均等になるよう専用機持ちの周りに集合しろ!!」
織斑先生の一喝にバッと生徒たちが整列した――――織斑と、デュノアと、俺の周りに。
まぁそうなるよね。男子に教わりたいよね。でも俺の周りにも人が来たのは意外です。
「織斑とデュノアは分かるが、何で俺のところに来たんだ?」
「あははは〜みねっちは自己評価が低いと思うよ〜?みねっちだってそれなりに人気だよ?」
と、ほんわかのほほんとした声で独り言に答える…………確か同じクラスの布仏本音。
制服の袖が余りまくって萌え袖強化版みたいだったのが印象的だったので名前は覚えていた。小柄な体型にみあわず、かなり凶悪なものをお持ちで…………。
「いや、俺は別に人気じゃないだろ。というかそのみねっちって俺のことか?」
「うん!大嶺から、みねっち!それとみねっちは本当に人気だよ?おりむーみたいに全面的に押している人は少ないけど、大人びてる雰囲気にときめくって人はいるっぽいよ〜。私だってみねっちのことかっこいいって思うもん!」
「おぉ……」
後光が……後光が見える!あとなんか翼も!あぁ、そうか……この子が天使だったのか…………
「布仏さん……いやさ布仏様!!」
「本音でいいよ〜」
なんだろう、この子ののほほんとした空気は。凄く癒される。
あぁ〜こころがのほほんのほほんするんじゃ〜
「ふんっ!!」
「痛いっ!?」
いきなり人の足踏むの止めてくださいよ夜竹さん…………
ぷくーと頬を膨らませながら腕を組んでいる夜竹を尻目に織斑先生がまたまた一喝。男子ばかりに集まっていた女子達は番号順に各専用機持ちの前に整列することになった。
夜竹はオルコットのところへいき、布仏はここに残っている。
IS保管庫から持ってきた【ラファール・リヴァイブ】を膝をつかせた状態で展開し、起動から歩かせるまでを指導しろ、という先生からのお達しなのだが…………
正直なこと言っていいですか。
ピチピチのISスーツのせいで目のやり場がないです。
思春期男子にゃ刺激が強いぜ………心の中でぶつくさ言いながら俺は生徒達に指導を始めた。