本ッ当に────すいませんッしたーーーーー!!!!
言い訳をさせてもらいますと、ガチめなスランプに陥ってしまい、何も書けない状態が続いておりました。
いろんな創作物を見て読み漁ったりしてなんとか書き上げました。改正する可能性大です。
とりあえず、どうぞ
012
「へ…………?ふぇぇぇぇええええ!!??」
なんだその叫び声。可愛いな。
「一緒にって……え!?どういうこと!?」
どういうこともなにもない。
【篭り亀】が憑いた要因はシャルロット・デュノアの周りへの拒絶────孤独感、疎外感、理解者の有無などだ。こればかりは長期的な解決方法をとる方がアフターケア的視線で見ても効率がいいのだ。
デュノアの中のそういった気持ちがなくならない限り、また彼女は憑かれるだろう。
自己改革を行わなければ、何も変わらない。
理解者がいないなら、ある程度の事情を知った俺が理解者に、あるいは相談できる人間になればいい。
デュノアが俺にこのどうしようもなく深い自分の生い立ちを話した理由として、助けを求めているというのは確かにあるだろう。だがそれと同じくらい、拒絶したいとという思いはあったはずだ。
まともな神経をしている人間ならフランスの大企業、社長の愛人、ISのデータ強奪、などというドロドロとした家族関係やスパイの話を聞いてじゃあそれを解決しよう!と。権力を持っている親に逆らってシャルロット・デュノアを助けよう!とする者はいないだろう。
当然だ。そんなことをしたら巻き込まれて一気に面倒なことになるに決まっている。
それを見越して彼女は俺にこの話をしたのだ。
俺があまりに深い事情を知って身を引くのを期待したのだ。
他人を信用できないという構築されてしまった彼女の心がすべてを拒絶しようとしたのだ。
だが。
俺にとって。人間に憑いた怪異を祓うことを目的とする専門家達にとって。
その程度の事情は退く理由にはならない。
デュノアにとっては無意識下では不本意だろうが、それでも助けて欲しいという気持ちは必ずある。
【助けない。人は一人で勝手に助かるだけだから】
かのアロハ服を着たおっさんはそう常日頃から嘯いた。
【助けてもらおうとか図々しいしね。被害者が助けを求めようとか嘗めてるにも程があるよ】
軽薄そうに笑いながらそう語ったあの専門家は、その実どこまでもお人好しだった。
【遅かったね。待ちかねたよ────遅すぎて危うく寝てしまうところだった】
あのおっさんはそう言って、いつでものんびりと待っていた。
あの専門家にも────忍野メメにも信念がある。
ならば、俺には。
「お前の【篭り亀】は長期的な対処法が必要だ。俺が近くにいた方が都合がいいんだ」
部屋も都合よく同じなのだし────と。
冷蔵庫から取り出したペットボトルのお茶をあおぎながら言う俺に向かってデュノアは猛然と反論する。
「い────いやいやいやいや!!ワケわかんないよ!百歩譲ってその、篭り亀?が本当に私に憑いてるとするよ!でも、それを透が気にする理由なんて──!!」
「気にするさ。なぜなら俺は専門家だからな」
「せ、専門家?」
「怪異の専門家。妖怪変化のオーソリティ。胡散臭い詐欺師はゴーストバスターとか名乗ってたな…………んにゃ、あれは専門家っていうのか……?」
「専門家って…………じゃあ、透は私みたいな人に、何人もあったことがあるの?」
「まーな」
「…………じゃあ、私もその何人もの中の一人でしかないんだね」
「…………」
人は誰しもが自分だけのヒーローを欲する。
自分だけを助けてくれる者を求めるのだ────自分だけを見てくれる人を求めるのだ。
「勘違いするなよ?別に俺だって見境無しに助けてる訳じゃない。最近も一件あったが…………うわ、あれ例外じゃん」
「例外?」
「あー、気にすんな。なんつーのかな…………俺は助けるやつを選ぶんだよ」
勿論それは好き嫌いなんて基準で選ぶのではなく、もっとちゃんとした──────俺としての基準がある。
「助けることに理由はいらない────例えば織斑なんかがキメ顔で言いそうな台詞だろう?」
「うん……言いそうだね」
「だが、理由はいらなくても覚悟はいる。助けることに対する義務と覚悟がな」
助けることに理由はいらない────素晴らしい言葉だ。
けれどそれは理想で、現実じゃない。
信念のない【助け】はかえってその人間の邪魔にしかならないのだ。
例えば飢えた人々に食料を分け与えたとしよう────それ自体はご立派な行為だ。
だがそれ以後のことに関して何かしらの改善策を講じなければ、その飢えた人々はずっと食料を分け与えられ続けなければ生きていけない。
いざ食料を貰えなくなれば死ぬしかなくなるのだ。
突然の思いつき、善意で人は救えない。助けられない。
確固たる信念と覚悟がなければ、
「故にこそ俺は助ける者を選ぶ────そうしなきゃ、その【助け】は軽いものにしかならんからな。それと、デュノア。確かにお前は俺が助けてきた何人もの中の一人なのかもしれない」
「…………」
「
「…………ッ!?」
「なんでその基準でしか自分を測れないんだよ────もっと自分の中の基準で判断しろよ。それになにより、何人もの中の一人であろうが、デュノア。お前はお前だ」
俺が選ぶ助ける者の基準。それは────
「自分の口で助けを求めろ。座してただ助けを待つ者に助けられる資格はない。助ける側に覚悟が必要なら、助けられる側にも助けられるなりの覚悟がいるんだよ」
人から助けられることを当然とする奴は最低だ。俺がもっとも嫌いとする人種の一つだ。
助けられるということは借りをつくるということであり、またその助ける奴の時間や労力や────規模が大きければ、命を賭けることになるかもしれない。
その犠牲を何ともせず助ける奴のことを真の善人というのだろう。
だがそれは助ける側の都合だ。助けられる人間はその犠牲を背負わなければならない。
だから口に出して言うべきなのだ。はっきり認めるべきなのだ。
助けを必要としている己を。助けを求めている己を。
誰もいない場所で一人で泣いている自分の────本当の気持ちを。
寂しかったのだろう。辛かったのだろう。
助けて欲しかったのだろう。そして巻き込みたくなかったのだろう。
自分なんかと蔑む必要はない。手を差し伸べられる重みを知り、そしてその重みを背負う覚悟があるのであれば。
「助けを求めろよ。シャルロット」
この作品、もしかしたら全編改正!なんてするかもしれません。それか改正版を別枠で投稿する可能性も……
なんにせよ今進路でてんやわんやしてるので見通しが全くたってません。
ですが、皆さんに楽しんで読んでもらえるよう精進していきます。
こんな駄目作者でございますが、これからもこの作品にお付き合いいただければ幸いでございます。